2010/05/15

グリーン・ゾーン イラク戦争の実態

結局、犠牲になるのは若い兵士たち

グリーン・ゾーン イラク戦争の実態

9.11で、経済的にも精神的にも大きなダメージを受けたアメリカが選択した道は、敵を徹底的に潰すこと。

その敵とは、
「大量破壊兵器を有する国」=悪の枢軸

悪の枢軸は、アメリカを筆頭にした先進国にいつテロ攻撃を仕掛けるか分からないから、大きな悲劇を生む前にその芽をつぶしておこうという理論。


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そのアメリカが、「イラクは大量破壊兵器を持っている」という「確かな情報」の元、イラクに侵攻。

この映画は、その「大量破壊兵器」をその「確かな情報」に沿って探しているチームのリーダーであるミラー准将(マット・デイモン)が描かれています。

ミラー准将は、次から次へと軍事施設を探して回るのすが、「大量破壊兵器」が見当たらないことに疑問を抱き始めるのです。

勇気ある映画です。

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2003年にイラク戦争が始まって、7年、世界を平和に導くどころか、イラクそのものが悲劇の巣窟になってしまった現在。

その2003年に、アメリカがイラクに「大量破壊兵器など無い」と認めていたら、戦争も無く、多くの死者もでなかったかもしれない・・・

ただ、ホワイトハウスがイラク相手に戦争がしたかったから、どさくさにまぎれてイラクの油田の権利を奪いたかったから、軍需産業を盛り上げることで、国内経済を安定させた語ったから、戦争が必要だっただけなんです。
「大量破壊兵器の有無」なんて、元々関係なかったのです。

「グリーン・ゾーン」とは、イラクの中心地に築かれたアメリカ軍の安全地帯のこと。

「グリーン・ゾーン」で暮らすのは、ただイラクと戦争をしたいホワイトハウスの人たち、「グリーン・ゾーン」の外側で戦うのは、そのホワイトハウスにいいように使われる兵隊たち。


3 この映画のタイトル「グリーン・ゾーン」が、アメリカ中央政権のあり方を問いただしているような、皮肉のような雰囲気を出しています。

タイトル含め、イラク戦争のあり方、ホワイトハウスの政策を、真っ向から非難する勇気ある映画でした。

主演のマット・デイモンは、私が今、ハリウッドで、最も期待する俳優です。

今回も、リーダーシップを持ち、賢いミラー准将を、いつも通り的確に演じていました。また、このような問題提起の作品を選び方も、非常に賢いマット・デイモンらしい選択でした。

この映画と、現在公開中のアカデミー賞作品「ハート・ロッカー」を合わせて見ると、イラク戦争なんて、本当に必要ないと思えてきます。

5月 15, 2010 映画-カ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009/01/20

告発のとき

念願の映画をようやく見れました

DVDで、この『告発のとき』を見ました。
公開時に見たかったのだけれど、見れなかった映画でした。
少し重いテーマではありますが、考えることも多い映画でした。

Photo

テーマはイラク帰還兵のその後

イラクからの帰還兵である息子が行方不明になってしまったハンク(トミー・リー・ジョーンズ)は、以前軍警察に勤務していた経験から、息子がいた軍施設へ実際に行き、自ら探すことに。
地元警察の担当となった若手女性刑事エミリー(シャーリーズ・セロン)と共に、捜索を始めようとしたその時、探していた息子が遺体となって発見されたという知らせが届く。
そこ瞬間、行方不明の捜索から、殺人事件の調査へと移行していくのだが・・・

想像つかないほどの悲惨な世界

ここで描かれるのは、911以降始まったイラク戦争の現地での悲惨さです。
自ら志願して戦地へ赴いた兵士たちは、偉大なる勇気を持って、自分たちに戦争を仕掛けた悪人を倒すつもりだったのに、現実では、ひたすら民間人を殺し続け、人を殺すということになんの違和感も感じない人間になってしまっていたという話です。

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そのハンクの息子の殺され方もとても異常なもので、その有様から言ってもハンニバル・レクターのような異常者による殺人だったら、きっと納得いくんだろうけど、そうじゃない真実に、戦争の悲惨さが隠されています。

「イラクにいる時は、早くアメリカに帰りたいと思ってた。
帰ってから2週間。
早くイラクに帰りたいと思ってる」
そのセリフに、その兵士たちの異常な思いが詰まっています。
アメリカにいれば、好きなものも食べれるし、売春婦も買えるし、ストリップにだって行ける。
でも、あの異常な生活に変えられるものはどこにも無い。
この映画を見ながら、『フルメタル・ジャケット 』を思い出しました。
あの映画と同じような狂気がここにありました。

BOSSのおっさん、いぶし銀です

最近、日本では“BOSSのおやっさん”のイメージが強いトミー・リー・ジョーンズも、薄めのメークで性差別と戦う田舎の女刑事シャーリーズ・セロンの演技も印象的です。
今日は、アメリカで新しい政権が生まれる歴史的な日。
近いうちにイラク派兵は、全員帰ってくる予定ですが、彼らのメンタルケアが早急に必要だと思われます。

1月 20, 2009 映画-カ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008/06/16

幻影師 アイゼンハイム

★エドワード・ノートンという人は、この世界で最高級の俳優だと思っています。
 彼の作品は、どんな作品でも見たいのです。
 今年の夏には、
「ノートン、何を血迷った??」
と私の頭の中に?が満載の「超人ハルク」が来ますが、その前に、昨年アメリカで小規模ヒットしたこの映画が来ていたので、見てきました。

Illusionist

★今回のノートンは、身分違いの恋に悩むイリュージョニストを演じています。
まぁ、簡単に言えばメロドラマですよ。
彼の純愛を成就させるために、すべてのものを欺こうとする青年です。

★共演者も、仕事もプライベートも絶好調のジェシカ・ビールに、年々評価が高まるポール・ジアマッティと旬な組み合わせです。

★先ほども言いましたが、ノートンの演技は最高レベルです。
 この場合の最高レベルとは、どんな演技を言っているのか?と思うでしょう?
 それは、どんな役を演じても、普通の人には
 「これは地でやってるな」
 と思わせてしまう“自然さ”です。
 『真実の行方』の精神障害者風青年も、『ファイト・クラブ』の多重人格者も、『レッド・ドラゴン』のFBI捜査官も、その存在を忘れてしまいそうになるぐらい自然に入り込んでしまっています。
 個人的には、デ・ニーロと共演した『スコア』も好きです。

★今回も、彼の演技は完璧です。
 恋する青年であり、人の目を眩ますイリュージョニストでもありました。

★しかしですねぇ、何か物足りないんですよ。

★まず、ストーリーの展開が最後まで読めちゃいました。
 これは、半分宣伝部に罪があると思います。
 「最後にどんでん返しが待っている」
 みたいな売り方をしてはいけません。
 完全に最後まで読めちゃいました。

★ノートンの演技は完璧ながら、
 「これはほかの人でもやれる」
 と、思わせる役でした。
 “どんな役でも果敢にチャレンジしていこう”なんてレベルの俳優ではありません。
 彼本人は、人の意識を越えた、無意識の中でこっそりと裏をかくイリュージョニストも、ほとんどやったことがない本格的メロドラマもチャレンジしたかったに違いない。
 けれども、ノートンにはノートンにしかできないことをして欲しいと、つい思うのです。

★結局、“物語全体が観客の心を惑わすイリュージョン”であったはずが、そのタネがスクリーンのこちら側から全部お見通しでした・・・。
 という残念な映画だったのです。

幻影師 アイゼンハイム 公式サイト

6月 16, 2008 映画-カ行(アメリカ), 映画-合作・その他 | | コメント (0) | トラックバック (4)

2007/11/08

グッド・シェパード

かなり見ごたえのある映画で、ガッツリ見入ってしまいました。

ロバート・デ・ニーロ監督、マット・デイモン主演作です。
政府の諜報機関からCIAができるまでをエドワードという男の生き様を通して描かれています。

Good_shepherd1

エドワード(マット・デイモン)は、他人だけでなく、家族や自分をも欺いて暮らしています。
それは、彼がCIAという諜報機関のエージェントだからかもしれませんが、そもそもCIAのエージェントになったのも、彼にそういう生活ができるという素質があったからに違いありません。

彼がそのように周りを欺いて生活するようになったのは、彼は父が拳銃自殺をしたことを目撃してしまったことに深く起因しているように感じました。
幼少期に目にしたその衝撃的な事件以来、彼は
「父のようにはならない」
と、強く生き抜くことを目指していたに違いありません。
その為、誰よりも優秀で、几帳面であり、意思の強い人間であると同時に、どこか人を寄せ付けないような雰囲気もあり、用心深い印象もある。
「他人をだましてはいけないよ。
一人ぼっちになってしまうから」
と、最後に父がエドワードに残した言葉は、いつまでの彼の頭の中に残っていたにも関わらず、結局、国のために他人を欺く諜報活動に身を置いてしまうのは皮肉な話です。

Good_shepherd2

全てがウソで固められたようなエドワードですが、彼の中で唯一の真実は、学生時代の恋人ローラと息子ジュニアだったような気がします。
障害を抱えながらも、強く、自由で、素直に生きているローラに対し、裕福な家に育ちながらも常に理論や知識で他人を寄せ付けようとしないエドワードは自分に無い魅力を感じたし、唯一彼を純粋に敬い愛するジュニアは、何としてでも守らないといけないと感じていたに違いないのです。

結局、ローラも息子も彼らに対する愛が強いからこそ、彼から遠のいていきます。
そして彼は一人ぼっちになり、父と同じ人生・・・
「国に尽くすために生きている」
それこそが、まさにCIAになるために国が望んだ男だったのです。

他国を欺き、国が戦闘状態にないと存在意義のないCIAは、ロシアを敵国に仕立て冷戦を誘発していきます。
ロシアは強国ではないと知っていたのにも関わらず・・・。
それは、イラクを敵国と仕立て、石油のために戦争している現在の姿とあまり変わりがありません。

CIAとその職員達は戦争をも導くことができる力から自分達を神(TheGoodShepherd)と勘違いしているけれど、隣国を欺いてばかりいると、いつかアメリカも孤立してしまう。
いや、既にそうなっているかもしれない。

いろいろと考えさせられる映画でした。

Good_shepherd3

マット・デイモンもアンジェリーナ・ジョリーも悪くなかったと思うのですが、あまり月日を感じさせないのが気になりました。
20年経っても、肌にハリがあってツヤツヤしているってのは、どうにも・・・(ーー;)
「そんな大きな息子はいないだろう」
なんて、ツッコミたくなりますし・・・。
もしも、デ・ニーロがこのマット・デイモンの立場だったら、肉体的にも、メイク的にもいろいろと工夫して長い月日を感じさせる演技をしただろうなぁ・・と思うから、余計気になっちゃうんですよね・・・。

まぁ、まぁ、あまり小さいことは気にせずに見れば、見ごたえのあるいい映画だと思います。

グッド・シェパード 公式サイト
(公式サイトにある佐藤優氏のコメントが『グッド・シェパード』を深く理解する参考になります)

11月 8, 2007 映画-カ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (2)

2007/10/18

キングダム

キングダムとは、サウジアラビアを指します。

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サウジアラビアに駐在する米国石油会社の社員居留地で大勢のアメリカ人を標的としたテロが起きます。
現地に調査に出向いた在サウジアラビアFBI特派員もその犠牲になってしまう。
その訃報を聞いたアメリカにいる同僚のフルーリー(ジェイミー・フォックス)はメイズ(クリス・クーパー)、サイクス(ジェニファー・ガーナー)、レビット(ジェイソン・ベイトマン)と共に調査チームを作り現地に向かうのです。

Kingdom2

どうにも、複雑な気分になる映画です。

普通に何も考えずに見ていると、アメリカ的な主観に押し流されそうなるんです。

そこで、ふと立ち止まり
「いやいや、ここはサウジアラビアだから、それは違うでしょ」
と思い直すのです。

サウジアラビアにある民間会社の土地で起きた出来事です。
そこへ、FBIの人間が銃を持ってきて、
「俺たちの調査が終了するまで動かすな」
と言っても、相手はサウジですからね、「NO」と言われて当たり前だし、相手が固くなるのも当然なんです。

Kingdom3

この映画がその手のアメリカ映画と少し違うのは、その時点でアメリカ手なやり方がまずいことに気がついて、まず相手を認めて受け入れて、謙虚になった上で、お互いの中間点を探って地元警察と共同調査を始めるのです。

今までの
「相手はなに言ってんだか分からないから、勝手にこっちで進めてしまえ」
的なものが無かったのが、少し救いなんです。
“郷に入れば郷に従え”
当然のことですが、これまでのハリウッドでは、あまり見られなかったことです。

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そうして、お互い尊重しあって共同調査となると、もちろん、
相手は「凶暴な野蛮人であるイスラム教徒」ではなく、
「同じ目的を持つ仲間」になり、
昨日まで「野蛮なイスラム教徒」だったのが、
今となっては自分と同じように妻と子がいる大切な仲間になるのです。

彼らはその間に武器や戦争が無くても理解し合えた。
一番大事なのはそこです。

Kingdom5

しかし、彼らの間にある平和もいつまでも続かない。

何かを得ようとすれば、当然犠牲が生まれるのです。
アメリカと遠くはなれた中東にやってきて、異なる環境を乗り越えて得た大切な仲間を失ってはじめて、武力で解決することは少しも素晴らしいことではないことに気付くのです。
アメリカ人が武器を持ってサウジに乗り込むことは内政干渉であり、本当にサウジのために戦う人たちを失うことであり、新たなテロの火種を作るだけなのです。

Kingdom6

アメリカが同じような内政干渉を続ける限り、テロはなくならない。

そうした“気付き”があるアメリカ映画もなかなか少ない。

けれど、この映画を見た人が、アメリカが問題を解決したところだけを見て、ラストに出る最後の彼らの虚ろな表情に気付かないとあまりその意味も通じないのが少し悔しい。

キングダム 公式サイト

10月 18, 2007 映画-カ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (3)

2007/10/11

恋と娘とスフレとわたし

ダイアン・キートンが大好きなのです。
「目標にしたい」なんて口にするにもおこがましいですが、私の数少ない「憧れの女性」のうちの一人です。
なので、彼女が出ていればなんでも良し。
軽く見れそうな感じだったし。
行ってきました~。

Because_i_said_so1

その割りに、と言ってはなんですが・・・。
あまり話しに乗れないところもアリで。
結婚適齢期を迎えた三姉妹を娘に持つ母親の話です。
そのお母様を演じているのがダイアン・キートンです。
口うるさい彼女を見ながら笑ったり、同感したりして、温かい気持ちになる・・・ハズの映画なのですね。

ところが、「彼女に似たような母親がウチにもいるじゃん!」
って設定が多々あり、笑えない・・・(ーー;)

ありがたいことに、我が家では「結婚しろ」とだけは言わないから、この家よりはマシかも。

Because_i_said_so2

この映画の原題は“Because I said so”「だからそう言ったでしょ」って母の口癖。
口癖までうちの母と一緒。
なんか、苦笑いかな?

もちろん、「母親の愛情とは、ありがたいものよね」と思うところもあったけどね。

この映画に出てくる三姉妹のうち、末っ子の妹(マンディ・ムーア)がね、男運が全く無くて、困った母親は彼女のために、日本で言えば出会い系サイトのようなところに、「ウチの娘の旦那を探しています」という広告を出してしまうんです。
そこから、思わぬ出会いが生まれてしまうのですね。

だいたい、それって、余計なお世話じゃんか・・・。
終わりよければ全て良し??

なんか、いい歳して結婚していない女性はダメ人間みたいな雰囲気が・・・。
気のせいだろうか・・・。

Because_i_said_so3

お話は、そんな感じで複雑な気持ちで見ましたが、
まぁ、マンディ・ムーアが意外とロマコメに雰囲気が合っていて、ガブリエル・マクトがこれまた意外とステキで、ダイアン・キートンは相変わらずいい女優だからなんとなく許してあげちゃおうかなぁという気分にもなります。

しかし、特にこの映画オススメしません。
自分にとってピッタリの相手は、母親に認めてもらうよりも、自分で確信したいので。
これじゃぁ、いつまで経っても、子離れも親離れもしなそう・・・。

まぁ、そんなえらそうなことを言っていますが、私も家に帰ってから
「今日、ダイアン・キートンがあなたにそっくりな人演じてたわよ」と、母親に早速報告してしまいました。
どうやら、口うるさくなってしまう気持ちが分かるようでした。

うちもこの家と一緒かな。

恋と娘とスフレとわたし 公式サイト

10月 11, 2007 映画-カ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/02/15

クラッシュ

第78回 アカデミー賞 
 作品賞
 監督賞(ポール・ハギス)
 助演男優賞(マット・ディロン)
 脚本賞(ボビー・モレスコ、ポール・ハギス)
 編集賞(ヒューズ・ウィンボーン)
 主題歌賞(“In the Deep”)

の全6部門にノミネートされてる本作を早速見に行ってきた。crash1

監督は、『ミリオンダラー・ベイビー』の脚本家であり、本作が監督デビュー。
舞台はロス。
でも、ここに出てくるロスはハリウッドのある華やかな都市ではなく、あらゆる人種が入り混じり、人間同士が衝突しあう病んだ街。
描かれるのは、有名俳優オンパレードの群像劇で、見ごたえのある一作。

<STORY>
LA市警の刑事・グラハム(ドン・チードル)は、相棒のリア(ジェニファー・エスポジート)と一緒に現場に向かう途中でクラッシュ事故に遭う。
事故に遭ったのは、現場のすぐそばであり、そこでは殺人事件が起きていた。
その殺人事件の発端は一日前に起きていた・・・。

地方検事のリック(ブレンダン・フレイザー)とジーン(サンドラ・ブロック)の夫妻は、街中でカージャックに遭う。
家に泥棒が押し入ることを恐れたジーンは、鍵屋のダニエル(マイケル・ペニャ)に鍵を付け替えさせるが、彼が黒人だったことが気に入らない。
LA市警のライアン巡査(マット・ディロン)は、相棒のハンセン巡査(ライアン・フィリップ)とパトロール中に、特に違反もしていない車を駐車させる。
車に乗っていたのは、テレビディレクターのキャメロン(テレンス・ハワード)とクリスティン(サンディ・ニュートン)夫妻。
人種差別主義者のライアンは彼らに対し差別的な言葉を吐きながら、身体検査のフリをしてクリスティンの体を触り続ける。
そんなライアンにハンセンは嫌気がさし、クリスティンは夫がライアンの横暴を観て見ぬ不利をしていることに腹を立て、二人の間に溝ができる。

初めは何のつながりも無い彼らだったが、そこから見ず知らずの彼らの間につながりができ始める・・。

crash2
始まりは車のクラッシュだけれど、この映画の中でぶつかり合うのは人と人。
ドン・チードル演じるグラハムはつぶやく「人は人と触れ合いたいと思っているんだ・・」
そう、これは、人の優しさが欲しいと思いながら、人種が違うことでお互いを恐れてしまい、衝突してしまうお話なの。

ロスってのは相当病んでる都市なんだね。
あまりにも病んでいるから、ここにリアリティはあるんだろうか・・?
なんて、疑問を抱えてしまうけど、アカデミー賞にノミネートされたことを考えると、リアリティあるってことなんだろうね。

ロスが抱える病は多い。
銃社会、人種差別、貧富の格差、人身売買、窃盗・・・etc
中でも、特に人種差別と偏見の問題は根が深い。

そして、住人たち一人ひとりが心に傷を抱えている。
裕福な暮らしをする検事夫人のジーン(サンドラ・ブロック)は常にイラつき、グチを垂れ流し、刑事グラハム(ドン・チードル)の母は、行方不明になった息子(グラハムの弟)を思い心を閉ざし、グラハムも他人と距離を置く。
ライアン巡査(マット・ディロン)は、黒人を見れば悪態をつくがそこには、深い理由がある。crash3
TVディレクターのキャメロン(テレンス・ハワード)は、白人の中で働き生活することの難しさにキレそうになっている・・。
その彼ら一人ひとりの生活にリアリティがあって、それが、うま~く緊迫感を生んでいて、グイグイ引き込まれちゃうんだよね。

隅から隅まで有名な俳優ばかりを良くそろえたなぁ~。と感じさせるこの作品の中で、最も気になったのがドン・チードルとマット・ディロン。
淡々としたドン・チードルがラストに感情を出す。
貧しい生活から刑事まで上り詰めた彼がしたかったのは、母親の世話。
しかし、ある事件がきっかけでその母親から拒絶されてしまう。
なぜこんなことになってしまったのか・・という彼の表情には、やるせなさを感じる。

crash4久々にメインで登場するマット・ディロンは、胸がムカツクぐらい嫌な奴だったなぁ。
あぁ、こんな役もやるんだなぁという新しい発見だった。
でも、何も考えずに人種差別をしているのかと思いきや、ラストにかけて彼自身の中の葛藤も見えてくる。
差別はいけないけれど、彼が置かれている立場上、それもしかないのかもという思いになってしまう。
どうにもならない思いをマット・ディロンは見事に表現してる。
助演男優賞ノミネートも納得の演技。
「2~3年も経てば、俺がやっていることが正しいということが分かる」という彼の相棒に対する発言が未来を予言しているようで悲しい。

ロスに雪が降るイメージは無い。crash5
でも、ロスに雪が降るように、誰もが想像しないことが現実に起きてしまうことだってある。
24時間後、交通事故に遭っているかもしれない。
人と人が直接触れ合うことで、予測もつかない未来が生まれる。

これだけの登場人物で、どのセリフにもリアリティを感じる群像劇はショートカッツ以来かも。
アカデミー脚本賞は、これで決まりかもなぁ・・。

群像劇が好きな人には、絶対オススメの一本

クラッシュ 公式サイト

125×125

2月 15, 2006 映画-カ行(アメリカ) | | コメント (15) | トラックバック (62)

2005/12/22

キング・コング

いや~。泣いちゃった (^^;)
自分でもビックリなんだけどさぁ。
3回ぐらい泣いちゃって、ラストは号泣・・・。
ダメなんだよねぇ。動物モノ・・?king_kong1

<STORY>
大恐慌時代のアメリカ・NY。
資金をストップされる窮地に立たされた映画監督のカール(ジャック・ブラック)は、無名の女優・アン(ナオミ・ワッツ)、脚本家のジャック(エイドリアン・ブロディ)、助手のプレストン(コリン・ハンクス)を連れ、誰も見たことが無い映像を撮るために未開の地・髑髏(ドクロ)島へと船で向かう。
しかし、カールが手に入れた地図に描かれている地には、島など無く、船長(トーマス・クレッチマン)は、これ以上進めないと判断、航路の変更を決定する。
その時、船の周りには霧が立ちこめ、その向こうには島らしき影が見えてきた。
険しい岩肌が島の周囲を覆うその島に上陸する撮影クルー達。
島に降り立つと、そこには原住民と思われる少女と老人たちが生気を失われた表情で暮らしていた。
「女と年寄りしかいないから安全だ」と、ジャックが宣言した瞬間、スタッフの一人が遠くから飛んできた槍で体を射抜かれ即死。
それを見たアンが悲鳴を上げると、どこからともなく聞いたことも無いような獣の悲鳴が島全体に響き渡り、クルーたちは急いで船に引き返すのだが・・・。

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ちょっとね、最初のうちは「前置き長いんじゃない・・」と思うぐらいジラされてね。
なかなかコングが出てこない。
ところが、コングが出てきた途端画面に釘付けでさぁ。
このコングがね、とても無邪気な人(?)でして、体はデカイけど中身は子供なの。
コングはアンがすごく好きなんだけど、その好きという気持ちも男女の愛情からくる好きよりも、お気に入りのペットととか、お人形のようなおもちゃに抱いているような好きに近いと感じたな~。
そばに置いておくといつまでも上機嫌だけど、それを奪ってしまうと途端に不機嫌になってしまうというようなお気に入り。
そのアンに対する愛情が、あまりにも純粋で無邪気だからこそ、なんだかグッときてしまう。

泣いちゃった・・・その① 「コングはアンを命がけで守る」
髑髏島は、未開の地。
恐ろしい&キモイ生き物がいっぱいいるのよね。
恐竜とか、巨大な昆虫とか、正体不明の奴らがね。
もう、私は長~い触角がダメでさぁ。
ムカデのお化けみたいのに、アンが襲われている時なんか、本気でお願いだからもうやめてくれと思ったしね。
そんな不気味な奴らにアンが襲われ、悲鳴を上げるとコングがすぐさま助けにやってくる。king_kong3
アンのためなら、自分の体を投げ出してでも助ける。
恐竜にかじられても、引っ掻かれてもね。
悲鳴をあげたアンをコングが助けに来たとき、すでに私自身が危機的状況にいて、悲鳴上げたかったからさぁ (^^;)、コングはヒーローだったよ。
その一途さにジーーーーーンときたね。

泣いちゃった・・・その②「コング、おバカなカールにだまされる」
映画監督のカールは名声を手に入れることしか考えていないおバカさん。
コングがさぁ、そのおバカなカールにだまされるんだよね。
これ、ちょっとネタバレ含んでいるので、詳しくは言わないけれど、それでもアンを見つめ続けるコングにまたしてもジーーーーーーーン(; ̄- ̄;)

泣いちゃった・・・その③「ラスト」
あまりにも有名するぎるラストシーンをそのままリメイクしたというピーター・ジャクソン。
予想はついてたけどね、その前の氷の上のシーンがとてもかわいらしいコングだっただけに、最後まで闘い続けるコングに、ひぇ~、もうだめだと涙腺決壊(笑)
アンの「Noooooooo!!」がピーク。
終わった頃に登場するジャック(エイドリアン・ブロディ)は完全にコングに負けてたね。
「あんた、今まで何やってたのさ」と思わず言いたくさえなったね。

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この映画の主演男優(?)はコングだけど、そのコングに全く引けをとらず、イキイキとしていたのがナオミ・ワッツ。相手にしているのはCGであるにも関わらず、本当にそこにいるように、彼(コング)の表情を理解しているように演じる腕前はさすが。
CGの変わりに、前回『ロード・オブ・ザ・リング』でゴラムを演じたアンディ・サーキスが演じていたようで、アンディの力も大きいよね。
今後は、アクションも増えるかもね~。
次回作は、エドワード・ノートンと共演するとかで、その作品も楽しみ♪

今回、密かに楽しみにしていたのは、ジャック・ブラックとエイドリアン・ブロディ。
さすが、二人とも与えられた役をしっかり的確に演じていたけれど、残念ながらコングに食われちゃったね。
ジャック・ブラックねぇ、『スクール・オブ・ロック』で有名になったけど、私は『ハイ・フィデリティ』のジャックがすごく好きだな。
メジャー大作でこんな大きな役を演じるの初めてなんだってね。
いや~、堂々と嫌なヤツを演じてたよ。
ただ、ジャックが演じると、どこかに良心が残っているんじゃないか・・と思わせる。
そこが、ジャックをキャスティングして良かったところかな。

そして、うれしいサプライズは、トーマス・クレッチマンとジェイミー・ベル。船長役のトーマス・クレッチマンは、『戦場のピアニスト』のあの良心的なドイツ兵なんだね。私、「どっかで見たことある・・」と思ったまま気付かなくってさぁ。また、この船長がいいヤツで。困ったときには、いつもこの船長がいてね。かっこよかったなぁ。ジェイミー・ベル(『リトル・ダンサー』)が大人になったのはうれしかった。それに、「踊れ、踊れ・・」と思っていたら、ちゃんと(ほんの少しだけど・・)踊ってくれたしね。

黒人の先輩船員と心を通わせるいい演技もしてたし、良かったなぁ。『ディア・ウェンディ』が見たくなったなぁ~。

それと、トム・ハンクスの息子・コリン・ハンクスも大手メジャー初かな?
ロズウェル』を毎週欠かさず見ていた私としては、「うわ~、随分おっさんになっちゃって、お父さんに似てきたね~」なんて思っったんだけど、どうやら、もう20代後半なんだね。
そりゃ~、おっさん臭くもなるよね。

『ロード・オブ・ザ・リング』の時と変わらず精巧に描かれたCGの世界を楽しみつつ、コングの純真に打たれ、打たれない人は俳優たちの演技を楽しむことができる映画になってるね。
私は、途中でシャーリーズ・セロンの『マイティ・ジョー』を思い出しちゃって。
あれも、ゴリラもので同じように泣いたもので・・
「やばい、これ泣いちゃう」と思ったときには、もう遅かったな。

ゴリラが好きな人も嫌いな人も、是非見て欲しい一本。

キング・コング 公式サイト

12月 22, 2005 映画-カ行(アメリカ) | | コメント (51) | トラックバック (179)

2005/12/11

キング・アーサー

キング・コング・・・じゃなく、キング・アーサー。
これ、見逃していたんだけど、先日WOWOWで上映されていたので、録画して鑑賞してみた。
そうだなぁ・・、一味足りないかな・・。king_arthur1

<STORY>
西暦500年頃、ブリテン島の南部はローマ帝国の支配下にあった。
ローマ帝国に仕える指揮官・アーサー(クライヴ・オーウェン)と、彼の元に集まった円卓の騎士達は徴兵期間である15年を無事終えようとしていた。
が、その最終日になって、ローマ帝国の司祭から最後の命令を受ける。
ブリテン島の北部・ローマ帝国の境界を越えたところにいる司祭を助けに行って欲しいという。
しかし、そこは現地のゲリラ・ウォードと、異民族・サクソンが狙っている土地でもあった。
アーサーと騎士達は、その気配を感じながら現地に向かう。
そこでは、司祭に歯向かった人間が幽閉されており、ウォードの女戦士・グウィネビア(キーラ・ナイトレイ)もその一人だった。
サクソンの追跡を感じながら、時間が無いながら、幽閉された人々を解放するアーサー。
彼らが、そこを出発しブリテン北部に向かった頃には、サクソンがすぐそばまで来ていた・・・。

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これは、あの有名な「アーサー王と円卓の騎士」の元ネタという設定みたい。
1500年に書かれたこの冒険小説は、その1000年前にあった歴史的実話がモデルになっていた・・。
この映画は、その実話のお話・・。って感じみたいよ。
だから、この映画に出てくるのは、ファンタジーのヒーローではなく生身の人間。
とはいっても、円卓はちゃんと出てくるし、少年アーサーが剣を引き抜いてヒーローが誕生するシーンもちゃんと出てくる。

ただどうもねぇ、イマイチ迫力に欠ける。
もちろん、テレビ画面で見てるのがそもそも間違いかも知れないけれど、アクションシーンの多くは既に『グラディエーター』で見たような感じのものが多い。
その中で、一番良かったのは、氷の上でサクソンと対決するシーンかな。
CGと実写がうまく組み合わさってるあたり、ブラッカイマー(プロデューサー)印を感じるね。
命を賭けて斧を振りかざすダゴネットには、すごく感動した。

この映画は、ほとんどクライヴ・オーウェンの演技力によって支えられてる。king_arthur3
彼の忠実な騎士達を見つめる視線で、彼らの間にある友情が理解できる。
でも、その政治的背景についてあまりにも説明不足な感じがする。
どっちが善で、どっちが悪かだけが分かれば良いって人もいるかもしれない。
でも、悪には悪なりの理由があって、その理由が知りたいと思うのよ。私は。
今回は、対立する3つの勢力があって、ローマ帝国がイギリスまで進出していったことは理解できるけど、現地の人たちのローマに対する怒りというのが、ウォードで表現されているけれど、どうもこのウォードたちに感情移入しにくい。
それに、キーラ・ナイトレイは、なぜあそこ (幽閉されていたところ) にいたのかが分からない。
どっかで説明があったのかな・・・?

私の中では、氷の上で対決シーンでクライマックス迎えてる感じかな。
それ以降は惰性のような印象。
それ以降が重要なのにね。
どうもなぁ、何を思ってアーサーが覚醒したのか、ちょっとつかみづらいんだよねぇ・・。

あぁ、でも、きっと歴史モノが好きな方は、かなりいける味だと思うので、是非ご覧になってみて下さいね。

キング・アーサー 公式サイト

WOWOW



Shop.TOL

12月 11, 2005 映画-カ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/11/02

コープスブライド

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』が大好きなもんで。
見に行ってきたよ~。
でも、うーーーーん(ーー;)だったかなぁ。
corpse_bride


<STORY>
ビクター(声・ジョニー・デップ)は、まだ見ぬ花嫁と結婚することになった。
その相手はビクトリア(声・エミリー・ワトソン)。
彼女の家は貴族だったのだが、没落してしまいお金が必要だった。
ビクターの家は、漁業が成功して金持ちになったところだった。
ビクトリアとビクターがはじめて出会う結婚式のリハーサルの日。
二人は、初めての出会いで意気投合。
本当に結婚を望む間柄に。
しかし、ビクターはリハーサルで上がってしまい、間違いを連発。
終いには、ボヤ騒動まで起こしてしまう。
夜、当日に失敗をしないように森で練習するビクターが、指輪を小枝にかけたその時、小枝がムクムクと起き出してきた。
それは、小枝ではなく、コープスブライド(死体の花嫁、声・ヘレナ・ボナム・カーター)だったのだ。
その瞬間、ビクターはコープスブライドの花婿になってしまった・・・。

この映画の見所は、ストップモーションアニメの美しさなんだよね。
相変わらず絵がすごくかわいいしねぇ。corpse_bride1
ピアノに“ハリーハウゼン”なんてブランド名付けて、ティム・バートンカラーもすごく出てたし、ホントに全てのキャラクターがかわいくてね。
でも、見所といえば、その絵の美しさと音楽ぐらいのもので、どうにもストーリーに魅力を感じなかったのよね。

主人公のビクターが内気で、モジモジした感じなんかは、もうすでにティム・バートンの映画で何度も見てるしね、想像しやすいよね。
その花嫁のコープス・ブライドね、ちょっと無理がありまして。
だまされた上に殺されちゃった花嫁とはいえ、そんな本人嫌がってるのに無理やり結婚ですか・・。corpse_bride2
ちょっと四谷怪談風ですが、どうにもあまり怖くないんだよね。
それは見た目がかわいいからなんだけど、でもね、かわいくても、かわいそうでも、強引すぎるし、目から虫出ちゃってるしね、ちょっと私には魅力をあまり感じないキャラだったな。
あぁいうの、キモかわいいっていうんでしょうかね。
ビクターも優柔不断の王子様だからねぇ。
オイオイって言いたくなるぐらい流されちゃうし。
ただね、見てて面白かったのは、このコープス・ブライドが声のご本人そっくりなのよ。
ホントにヘレナ・ボナム・カーターみたいなの。
ヘレナ・ボナム・カーターって元々不健康キャラじゃない?
corpse_bride3ピッタリ合ってんだよねぇ
でも、声の人とキャラクターがそっくりなのは、このコープス・ブライドだけ。
ま、当然、彼女に出演してもらう前提でこの映画を作ったんだろうけど。
「なんだ、ティム・バートンは、奥様のためにこのキャラ作ったのか・・」なんて思ったりもして。

それ以外のキャラも、『ナイトメアー~』とあまり代わり映えしないから、衝撃も無く・・。
絵はきれいだし、音楽もいいし、ジョニー・デップやら、ヘレナ・ボナム・カーターやら、エミリー・ワトソンやら、クリストファー・リーやら、声もオールスターキャストで楽しめたんだけどね、もっと笑ったり、ドキドキしたりするシーンを入れて欲しかったな。

それでも、ティム・バートンアニメが好きな人は、それなりに満足できるでしょう。

コープス・ブライド 公式サイト

11月 2, 2005 映画-カ行(アメリカ) | | コメント (5) | トラックバック (11)

2005/10/05

キッド

1921年のアメリカ映画。
チャップリンの名作と知りつつも見ていなくて、最近WOWOWで放送していたので、録画して鑑賞。
kid

<STORY>
無名の女優が男児を出産、しかし、彼女は結婚をしておらず、子供の父親は彼女を見放してしまう。
子供を育てる自信が無い彼女は、裕福な家庭の前に停めてある車に子供を置き去りにして去っていく。
しかし、その車は盗まれて貧民街へ。
その路地裏で泥棒たちは赤ん坊が乗っていることに気付き、子供を路地に置き去りに。
そこへ散歩に通りがかった男(チャールズ・チャップリン)が引き取って育てることとなった。
赤ん坊はジョンと名づけられた。
それから5年、二人は貧しいながらも幸せな生活を送っていたが、ジョンを捨てた母親は、女優として成功していた。
そして、彼女は自分が捨てた幼い子供を忘れられずにいた・・。
どうして、今までこの映画を見ていなかったのか、自分でも不思議。
この子供がすごくかわいくて~。
行動やしぐさ、何から何までかわいいねぇ。
そこに、チャップリンの優しさがすごくでてるね。
私、二人でガラス詐欺をするところがすごく好きで、キッドがガラスを割る役、チャップリンがガラスを売る役、二人三脚で生活してる。
それが、すごくコミカルに描かれているから、本当だったら、貧しくて悲惨な生活だけど、このシーンのおかげで、貧しくても明るく楽しい生活に変わっているように見える。
今だったらあり得ないそんな生活も、当時だったらあり得たかもなぁ。とのほほんとした気持ちで見てた。
この映画は、無声映画なんだけど、退屈しないで見れる。
俳優って、表情としぐさだけで、表現したいことを伝えることができる職業なんだなぁ。
と、当たり前のことを、今更ながら痛感しながら見てた。
ちょっと悲しい結果に終わりそうなお話だけど、最後はハッピーエンドなのでご心配なく。

子供の出てくる、ほのぼのした映画を見たいなぁというときにオススメの一本。

10月 5, 2005 映画-カ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/09/27

キルトに綴る愛

ウィノナ・ライダー、最近万引き事件なんてあったけど、あれからどうしてるんだろうなぁ・・なんて思いながら、先日WOWOWで放送されたものを録画して鑑賞。american_quilt

<STORY>
大学院生のフィン(ウィノナ・ライダー)はこの夏、祖母ハイ(エレン・バースティン)とその姉グラディ・ジョー(アン・バンクロフト)の住む家で卒論を仕上げることにした。
幼い頃に両親が離婚した彼女は、恋人サム(ダーモット・マルロニー)と婚約したものの結婚には懐疑的だった。
祖母の家では何十年もの間、女たちが集まってキルト作りに励んできた。
祖母や、祖母の友人達の話を聞きながら、フィンは卒論のテーマを「キルトについて」書くことに決めたのだが・・・。
フィンとおばあちゃんと、そのお姉さんとその友達たちの過去の“愛”についての話を聞く。というのがこの映画のテーマ。
で、彼女達をつなげているキルトには、彼女達の愛がこもっているというお話で・・。
まぁ、簡単に言っちゃいますと、彼女達の間で夫を寝取ったり寝取られたりしている訳で・・・(ーー;)
それでも、彼女達は広い心をもって、相手を許し、受け入れながら生活してきました。
そういう、彼女達の生き方を観て下さいと言っているらしい。
主人公のフィンの両親も幼い頃に離婚して、母は何度もボーイフレンドを乗り換えた後、近々フィンの父とよりを戻すらしい・・(ーー;)
そんな、人生の大先輩の話を聞きながら、結婚を間近に控えたフィンは結婚についてどう思うかというのが、ラストに待っている訳で・・・。
私はですね~、おばあちゃん達のその過去に、寝取ったり寝取られたりってのを聞きながら、結婚ってやっぱり嫌かもと思ってしまったわけで・・、が、どうやら、ヒッピーに育てられたフィンにとっては、一つの家に根を張ってつらいことも乗り越えていく生活をうらやましいと思ったようで・・・。
みんな夫が浮気してるの。
だから耐え忍ぶのは当たり前のこと。
って言っているように見えてしまい、なんて保守的な人たちなんだろう・・と私はゲンナリしちゃった訳で。
私は、フィンが彼氏に対し、「この人とだったら乗り越えられると思う」と思った理由が全く理解できないっすね。
あんな話をあの歳で聞かされたら、余計不安になると思う。
これ、約10年前の作品で、ウィノナ・ライダーの人気絶頂のころかと思われます。
10年後は、万引きして逮捕されてるなんて、想像もしなかっただろうなぁ。
実際に、ヒッピーの家庭で育ったウィノナからすると、このフィンの気持ちが理解できたんだろうなぁ。
そういう、家で家庭を守ることにあこがれているかも。
見所は、アメリカの田舎町の美しさかな。
『ロミオ+ジュリエット』で有名になる前の、クレア・ディンズが観れるので、ファンの方にはオススメ。
それとねぇ、結婚には (ーー;) だったけど、キルトはやってみたいな。
お裁縫とか、結構好きなので。

キルトのひざ掛けとかあったら、いいよねぇ。
ちょっと、ばあさんになってからの趣味に考えておこうっと☆

9月 27, 2005 映画-カ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/09/07

コーチ・カーター

見たかったんだぁ~、この映画。
面白そうだなぁと思っていて、もうすぐ終了ってことに気付いて慌てて行ってきた。
coach_carter

<STORY>
常に負け続けのリッチモンド高校バスケットボール部にかつて同校の栄光の時代を作ったOBのケン・カーター (サミュエル・L・ジャクソン) がコーチとして赴任した。
しかし、何事にも反抗的なクルーズ(リック・ゴンザレス)、落ち着きの無いワーム (アントウォン・タナー)、ガールフレンド (アシャンティ)が妊娠してしまったケニヨン (ロブ・ブラウン)・・・中には、卒業するだけの成績を上げていないものもいた。

そこで、カーターは部員達に“契約書”を渡す。
・学業成績の内申書の平均を2.3 (C+)にすること
・試合の日はネクタイとジャケットを着用すること
・授業に出席して一番前の席に座ること

その日から、スタミナ増強中心の猛練習が始まる。
そして、カーターの息子・ダミアン(ロバート・リチャード)は市の優秀な進学校に入学していたにも関わらず、父の元でバスケの指導を受けたいために、レベルが底辺にあるリッチモンド校に転校。
新コーチ・カーターと新人ダミアンを迎えたリッチモンド校は、猛練習の甲斐あって、連勝を続ける。

州大会目前、連勝中のリッチモンド校だったが、カーターは練習を中止、試合をキャンセルしてしまう。
なぜなら、選手達との間で交わされた契約が全く履行されていないことが判明したからだった・・。
選手や選手の家族達はカーターに反発し、全米で話題となり、カーターは追い込まれてしまうのだが・・・。
貧困層で生活する高校生達にバスケだけではなく、その生き方までも指導した実在のバスケットボールコーチを描いた人間ドラマ。

coach_carter2なんか、えらく感動した。
カーターに出会えた彼らはすごく運が良かったと思う。
だって、貧困層で生活する彼らには、正しく生きていくことさえ大変なんだよね。
この子達の高校生活って私の高校生活の100倍ぐらい濃厚な生活なんだよね。
妊娠も普通だし、銃だってあるから学校に金属探知機が置いてあるし、ドラッグだってすごく簡単に手に入る。
日本の高校生も近づいているとはいえ、“命の危険”にさらされる危険度が桁違い。
高校卒業したら、3人に1人はムショ行きなんて、想像もつかない。
でも、彼らにとってはそれが普通だから、間違っているということに気付かない。
間違っているということに気付かせたカーターという人は本当にすごいと思う。
あの体育館閉鎖が解除されたときの、選手達のした行動にすごく感動しちゃって (T_T)
すごく単純だけど f(^^;)
最近、よく運動選手たちの指導について、シゴキをしたとかしないとか話題になるけれど、高校生を “一人の人間として尊厳を持って人生の指導をした”カーターを見習って欲しいわ。
高校生に見て欲しいというより、生徒の指導に行き詰る学校の先生に見て欲しい映画ね。
coach_carter3これね、カーターをサミュエル・L・ジャクソンが演じてるってのがいいんだね。
黒人でありながら、あの威圧感を出せるのは、彼かデンゼル・ワシントンが思い浮かぶけど、デンゼルだとちょっとウェットな感じになると思うんだよね。
カーター役のサミュエル・L・ジャクソンは、ドライでありながら、威圧感があり、信頼感があって、全体的にCOOL!!な感じで良かったなぁ。
おぉ~こんなコーチがいたら怖いな~、反論とかできないな~ と思いながら見てた。
いいなぁ、久しぶりにサミュエル・L・ジャクソンかっこいいと思ったよ。

で、話題は、映画初出演のアシャンティ→
ダンスシーンは、さすがスゲーーーーッ(@@)って見せ場でございます。
お見逃しなきよう。
ですが、アシャンティじゃなきゃダメって程でもないね。
歌を歌うシーンとかある訳でもないし、すごく演技が上手いわけでもない。

それより、印象的だったのは彼氏のケニヨンで、彼、どっかで見たことあるわ・・・(ーー;)って考えたところ、「小説家を見つけたら」の子でした。
この「小説家を見つけたら」も良い映画なので、必見でございます。

すごくありがちなスポ根ドラマとは、一味違うラストを見せてくれるこの映画、必見の一本です。

コーチ・カーター 公式サイト

9月 7, 2005 映画-カ行(アメリカ) | | コメント (4) | トラックバック (21)

2005/08/24

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

面白い映画は何度見ても面白い。
と、いつも思う。今日もそう。
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は、何度見ても面白い。
catchmeifyoucan1

<STORY>
フランク・アバグネイル (レオナルド・ディカプリオ)というアメリカ人は、1964年から1967年にかけて、パンナム航空のパイロットになりすまし、320万キロの空をただ乗り。
それだけでなく、大病院の小児科主任医師を務め、更にルイジアナ州では、検事補佐。
逮捕時には、犯罪史上最も若い大胆不敵な詐欺師と言われ、26カ国と全国全50州で小切手偽造で得た総額は400万ドル。
それも、21歳の誕生日目前だった・・。
フランクを追うFBI捜査官・カール (トム・ハンクス) や、フランクの父 (クリストファー・ウォーケン) との交流を織り交ぜながら、コメディ・タッチで描く実話。
この映画の面白さは、ずばり、フランクという詐欺師人生を疑似体験するところにある。
フランクが見てきたものを同じように見ながら、その仰天な日々を追体験できる。
時には、パイロットになり、医者になり、検事になる。
それが、ほんとにスリリングで面白い。
彼が超一流の詐欺師になれたのは、どんなに自分が危なく、不利な状況にいても、常に胸を張り、最後まで堂々としていたから。
私みたいな小市民には、絶対に無理。
きっと、詐欺師になるべくして生まれてきた人なのかも知れないな~。
いや~、でもさ~、もったいないよ~、フランク~。
その頭の良さだったら、大学を卒業した後にばら色の人生が待ってたよ~。
catchmeifyoucan2
フランクの詐欺っぷりは、あっぱれ。
だけと、カールの人間性は、さらにあっぱれなのだ。
フランクは、カールに父親の代わりを求めていた。
そして、カールはそのフランクを受け入れる。
犯罪者と追跡者という立場でありながら、他者には理解できない信頼関係。
分かりやすく言えば、ルパンと銭形刑事みたいなものかな。
この二人の関係も、この映画を面白くしている要素の一つ。
個人的に、ディカプリオもトム・ハンクスも苦手なタイプの俳優。
でも、今回はこの二人の実力を認めないわけにはいかない。
特に、ディカプリオはすごく良かった。
何も知らない無邪気な16歳から、フランスの刑務所に入れられて、人生のつらさを知った21歳まで、常に的確に演じ分けていた。
特に、ラスト近く、ナット・キング・コールのクリスマスソングをバックに母親に会いに行く姿はジーンときてしまった。
トム・ハンクスも生真面目で頭の固いが、実は人情に厚いカールをリアルに表現していた。
そして、60’Sを容易に想像させるオープニングから、時にはフランクとカールの交流を巧みに織り交ぜながら、最後まで飽きさせることないストーリー展開の上手さは、さすがスピルバーグとうなってしまう。
今の時代は、フランクの手口は二度と使えない。
その理由は、この映画のラストに描かれている。
まだの人は、是非、この映画を見て確かめて欲しい。
詐欺師には違いないけれど、フランクって魅力的な人なんだろうなぁ。
この人だったら、ちょっとだまされてもいいような気がした (^^;)

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 公式サイト

8月 24, 2005 映画-カ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (0)