2008/10/12

おくりびと

★ようやく見ることができました。
 優しくて温かい映画でした。

Okuribito1

★チェロ奏者の大悟(本木雅弘)は、在籍している楽団の解散により、失業。
 妻(広末涼子)と共に実家の山形に帰ることに。
 帰郷後、すぐに就職活動。
 面接一社目で決まった職場は、社長(山崎努)と事務員(余貴美子)一人だけの小さな会社、NKエージェンシー。
 その仕事とは、納棺師だった。

★人が嫌がる仕事を積極的にできる人って、無条件に尊敬します。
 なので、この納棺師というお仕事、映画の冒頭から尊敬の眼差しでして、広末が、「汚らわしい!」となじるシーンなんて、その“汚らわしい”の意味が分からなかったです。

★昔々は、家族がやる仕事だったんですね。
 その昔は、家族がやっていたというのは、この「おくりびと」が話題になった時に知ったのですが、映画を見ていて、その「家族が行う意義」みたいなものが分かったような気がしました。

★きっと、始まりは、
「三途の川を渡るときに、みすぼらしい格好ではいけないから」
という気持ちで、家族がよそ行きの格好をさせてあげていたのではないかと思ったんです。
葬儀屋というビジネスが発達してくると、その納棺という作業も葬儀屋に頼むようになったのでしょうが、故人が普段大切にしているものとか、お気に入りの服、髪型、ひげの伸び具合、お化粧なんかは、家族が一番良く知っているわけですし、何より、大切なご遺体を他人に触って欲しくない、いい加減に扱って欲しくないという気持ちが強くなるに違いないと思うんです。

★どの家族も、みんなが仲が良いワケではなく、年中喧嘩ばかりしていたり、疎遠になっていた家族もいるに違いないのだけど、最後の最後、その瞬間が家族として心のつながる瞬間なんですね。

Okuribito2

★映画の中で、
「自分に与えられたのは、何の試練なんだろうか。家族をないがしろにしてきた罰なんだろうか」
というモッくんのセリフが印象的だったのですが、きっと、試練なのではなく、彼は、納棺師として、故人の家族の気持ちになって納棺することができると選ばれた人なのだと思ったんです。

★幼いころに父に捨てられ、数年前に母を亡くし、ようやく結婚したばかり、彼にとっては、彼を捨てた父の気持ちが分からなかった。
 でも、誰にでも秘密にしたい事情があることを少しずつ理解し、彼にも新しい命が芽生えるのです。
 そんな複雑な家族の事情がある彼だからこそ、親身になって納棺することができる、山崎努の言う“天職”なのだと思うのです。

★もう一つ、印象的だったのは、モッくんが良く行く銭湯にいつもいるおじさん(笹野高史)です。
 彼のセリフ、
「死とは、新しい世界への門をくぐることだと思うのです。
葬儀は、故人が門をくぐるのを送り出してあげることだと思うのです」
と、たった一人の友人が去っていった時に言っていたセリフにグッときてしまいました。

★それは、私が考えていた、「三途の川は綺麗な格好で・・・」という考え方に似ていたので、直球で入って来ました。
 生きている人間からすれば、葬式とは悲しいだけでしかない。
 でも、もしかして、綺麗にしてもらって、死という門をくぐったら、故人にとって新しい世界が開けているかもしれないと思えば、つらい葬式も、少しは心が軽くなって、快く送り出せるのかもしれない。
 そう思ったんです。

★今はまだ、私にとってそれ程身近な話ではないですが、いろいろと考えてしまいました。
 この納棺師、本当に所作が美しいモッくんがやってくれて良かったと思いました。
 ちょっと、彼以外は考えられないぐらい素敵な納棺師でした。
 葬儀というイメージを軽く覆すぐらいの美しさで、この映画を見て、この仕事をやってみたいと思う人が増えればなおさらいいなぁと思います。

★全ての人におススメできる映画です。

おくりびと 公式サイト

10月 12, 2008 映画-日本 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2008/09/07

TOKYO!

★3本の短編からなるオムニバス映画です。
 個人的にオムニバスってあまり好きではないのですが、ミシェル・ゴンドリー × レオス・カラックス × ポン・ジュノ + 蒼井優 と知り、
 「私の大好きな才能盛り沢山!絶対見なきゃ~ w(゚o゚)w」
と思い、ラッキーなことに地元のシネコンで上映していたので、見に行ってきました。

★この才能の集め方のセンス。最高。
 一部のマニア向けかと思いきや、予想以上に客席が埋まっていたので、まだまだ映画好きっているんだなと少しホッとしたのでした。

ミシェル・ゴンドリー「インテリア・デザイン」

Tokyo_1

 ミシェル・ゴンドリーの映画ってすっごくぶっ飛んでるイメージなんですよ。いつも。
全身毛だらけの女の人が出てきたり、真っ赤に髪を染めたぶっ飛び女が出てきたり…、その割りにおとなしいなぁと思ったのは、東京自体がぶっ飛んでる??
 
 彼が見たTOKYOのイメージは、狭くて、ジメジメして、景色の悪い部屋に高い金を出して住んでいる若者たち。
 終いには、彼らがインテリアの一部になってしまう。
 その部屋のジメジメ感といい、狭さといい、妙にリアルで良い感じです。
 いつも日本のテレビドラマで
 「あり得ねーだろ」
 って感じの、広くて素敵な部屋に住んでいるOLさんの描き方が、気持ち悪かったのですよ。
 それりゃ~、欧米の人達から見たら、ぶっ飛んだ生活かもね。
 しかも、インテリアの一部になっていくあたり、唐突で奇妙で違和感たっぷりなのですが、そのぶっ飛び感がゴンドリー流で楽しかったです。


レオス・カラックス 「メルド」

 Tokyo_2

 観る前に一番期待していたのは、このカラックスでした。
 「ポンヌフの恋人」以来ですよ。16年経ってるんだってさぁ~∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
 久しぶりのカラックスに過剰な期待をし、見終わった後、もっとも退屈だったのはコレでした。

 カラックスの考えてることを、正確に理解しようとするのは、まぁ、ほぼ無理だと思っているので、あまり考えずに見ましたが、彼の見たTOKYOは、敗戦という過去や荒地だった東京を下敷きに今があって、さらに、“菊”に象徴される伝統を食いつぶしていると、そんな東京は一旦ぶち壊してしまったらどうかと。
 そんな提案のように見えました。

 その象徴として登場するのが、“メルド(=糞)”という名の下水道に住む緑の怪物です。フランスの核実験が生んだのがゴジラなら、伝統や愛国心を捨てた日本が生んだのがメルドです。

 そう考えると、かなり辛らつなんですが、「東京」と言いながら、東京で探すのが難しいフランス人(彼の常連ドニ・ラヴァン)を主役にし、そうなるとジュリエット・ビノシュのいないカラックスは、やはり、迫力や説得力に欠け、常に暗い雰囲気の画面は退屈に感じてしまうのです。

ポン・ジュノ 「シェイキング・トウキョウ」
 このオムニバスの中で、一番面白かったのは、このポン・ジュノでした。
 まぁ、お気に入りの蒼井優ちゃんが出てるので、多少贔屓目ではありますが・・・。
 超高層ビルが乱立する姿だけじゃない東京をちゃんと描いてくれていましたし、オタク文化の日本の根底にある家に引きこもりがちな人々の姿も正確に描写してくれたように思います。

 彼の見た東京は、几帳面で、読書家で、引きこもりがちで、ロボットのように正確な動きをする日本人であり、よく地震の起きる町です。

 香川照之が引きこもりの主人公を演じ、蒼井優が、彼の心をはじめて乱す女の子を演じています。

 私って日本人なんだなぁと思うのは、この香川照之の家はそこら中本だらけなんですよ。でね、「驚くかもしれないが、僕はここにある本をほとんど全部読んだ」
って感じのセリフがありまして、
「驚かないだろう~、10年も引きこもりしてたら、それぐらい読めるだろ~」
と思ってしまったのですが、日本人ですよね~、海外の人は、そんなに本読まないんですよね。

 ちょっと神経症気味で、内気な男性を香川照之が好演しているのはもちろんですが、冒頭とラストに登場する蒼井優は、相変わらず良い演技を見せてくれます。
 頭とラストでは、表情も立ち振る舞いも全く違います。
 期待を裏切りません。

 さらに、ちょうど中間あたりである大物が登場しますが、これが超いい味を出しています。彼の登場は知らずに見て欲しいので、名前は伏せておきますが、会場は爆笑に包まれていました。
 かなり楽しかったです。

 
★最後に、共通して気になったのは、彼らの描く日本人はどれも、無気力なんですよ。
 昔の日本人といったら、働き蜂で、一年中働いていたイメージだったと思うのですが、今回では、将来に不安を感じ、仕事もやりがいより、生活ための義務で、嫌になったら辞めればいいし、周りの人と上手くコミュニケーションをとれない姿が描かれていました。
 ある意味リアルなのですが、外国人が描くほどにその姿が伝わってしまうのかと思うと、もっと元気な姿を見せていかないといけないなぁと感じたのでした。 

9月 7, 2008 映画-仏, 映画-合作・その他, 映画-日本, 映画-韓国 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008/06/03

山桜

★久々の日本映画でございます。
 先日、友人に誘われて行って参りました(つい、こんな口調になってしまう映画なんです)。

Yamazakura

★江戸時代、見事な山桜が咲く田舎の小さな村を舞台に、ある一人の女性の「遠回りしてしまった恋」を描いています。
 これが、日本人の“和の心”を感じるとても良い映画でございました。

★劇中、セリフがとても少なくて、景色と所作と表情が感情の多くを語ります。
 そう聞くと、少し難しい感じがするかもしれないですが、そうではなく、逆に余計なセリフが全く無い分、気持ちがとてもシンプルでストレートに伝わってきます。

★今では、目と目で通じ合うことを“アイコンタクト”なんて言ったりして、ちょっと特殊な感じがしますけど、昔の日本人は、“言葉が無くても分かり合えること”をとても大切にしていたんだなぁとつくづく感じました。

★例えば、
 ちょっと転んでしまったとき、何も言わずすっと伸びてくる手の優しさ。
 花がとても美しいから、好きな人にも見て欲しいと差し上げる気持ち。
 あまりにも腹が立ったとき、抑える感情よりも先に下してしまった怒りの刃。
 どんなにつらい立場にあっても、微笑を忘れない芯の強さと優しさ。

★そこに言葉は無くても、表情だけで十分伝わるのです。
 これって、“和の気持ち”なんですよね~。
 日本人だからこそ、グッとくるんです。

★この映画が素晴らしいのは、その感情表現に加えて、その気持ちを支える、野山の景色です。
 昔は、カレンダーが無くても、時計が無くても季節や時間がわかっていたんですよね。
 当たり前ですけど。
 時間を知るときは空を見て、季節を知るには植物を知れば良いのです。
 春には出会いの桜があり、田植えの後にはジメジメと長い梅雨が来て、お盆のころにはりんどうが咲き、秋には米を収穫し、冷たい雪を耐え忍ぶように寒椿が咲き、雪解け水とふきのとうが春を知らせると、また、桜が満開になる・・・。
 この四季の景色が、主人公である田中麗奈の感情とリンクしてぴったりはまるのですよ。
 この映画のその繊細な描写と表現力がとても好きなんです。

★田中麗奈は、剣道の師範である東山紀之のことが好きだと気づくまでにとても遠回りして、長い時間がかかります。
 気持ちが憂鬱になったり、つらいことがあっても、四季が繰り返すように、いつかは気持ちの晴れ間がやってくる。
 まるで、季節の移り変わりがが彼女の心理を代弁しているかのようです。
 そして、結局、東くんと再会した山桜に勇気を与えられたかのように、満開の桜の下、はじめの一歩を決意します。
 そのはじめの一歩を踏み出したところで幕を閉じるのですが、このシーンがとても感動的でした。

★桜といえば、普通、街路樹で見られるようなソメイヨシノを想像しますが、今回は山桜。
 葉よりもまず、一斉に花が咲き乱れるソメイヨシノと違って、緑の葉が芽吹くのと同時にその葉に寄り添うようにひっそりと控えめに咲く山桜が、物語の象徴となっています。
 その山桜の存在そのものが、この物語を見事に表していたように思います。

★個人的には、この頃、映画とドラマでアメリカと韓国を行ったりきたりしていて、その大陸的発想では、
「言いたいことがあったら、言葉で伝えろ」
が基本なので、つい、白黒つけたがる発想になりがちだったのです。
それは、それで学ぶべきところも多いので、問題ないのですが、その思想が私の中でとても深く根付いていたからこそ、余計に、今回の“秘めた想い”にすごく、グッと来ました。
私って、日本人なんだわぁと再認識 coldsweats01 したのです。

★最近の「見たい映画ラインナップ」には、この映画が入っていなくて、友人に誘われなければ見なかったかもしれない映画でした。
そうなると、見損なっていたかもしれないですよねぇ。
誘ってくれた友人に感謝 shine です。

山桜 公式サイト

6月 3, 2008 映画-日本 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007/11/06

亀は意外と速く泳ぐ

土曜日に、この映画をDVDで見ました。

ストーリーというストーリーはあまりないですが、主婦のちょっと変わった日常を描いています。

この“ちょっと変わった”ってところを楽しむ映画です。

Kame_haya

例えば、
・女の子が洞窟みたいなところで暮らしている
・近所の百段階段で“スパイ募集”を行っている
・海外へ単身赴任中の夫が口にすることは「亀に餌やった?」である
・豆腐屋がスナイパーだったり、水道工事屋が公安だったりする・・・等々
・町内会のくじ引きの商品が“地引網”・・・等々

なんか、最初からイチイチツッコミどころ満載なのです。

それをクスクス笑いながら見ていました。

結局のところ、
「歩いている姿を見ていると、のんびりした感じの亀」が
「水の中では意外と速く泳ぐ」ように、

「となりに住んでいる普通そうな夫婦」が
「実は見た目と違ってある国のスパイだ」
なぁ~んてこともあるかもね。

って話です。

「人より、ちょっと変わっている」という点で、上野樹里と蒼井優っていうのはピッタリのキャスティングだと思います。

特に、蒼井優ちゃんは、この映画に出ているなんて知らなくて見たのですが、
またまた
「いつもと役が違うけど、なぜかいつも自然」
な蒼井優ちゃんを楽しめます。
今回は、レスリングしたり、メンチきったり、アフロヘアーの蒼井優ちゃんを楽しめますので、お好きな方にはオススメです。

全体的にふんわり、ほのぼのした感じですが、
最初から最後までアチコチに笑いが散りばめられて、
見終わったときには、ちょっと体が温まる
そんな映画です。

神経的に疲れているときにオススメです。
ほのぼのすると思いますよ。

11月 6, 2007 映画-日本 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007/10/21

クローズド・ノート

女子大生のころの懐かしい香りがする映画でした。

Closed_note1

あまり、日本映画に詳しくないのですが、行定勲監督の映画は、他の監督に比べて言葉のリズムというか、間がしっくりするし、気持ちも分かるような気がするので、時間が合う限り見るようにしています。
そんなえらそうなことを言って、半分伊勢谷くん目当てだったりもします(^^;)

今回は、ある部屋に住み始めた女子大生・香恵(沢尻エリカ)が、その部屋にあった忘れ物の日記を読み始めることで始まるちょっと不思議な物語です。
香恵の近所に住む不思議なアーティスト石飛(伊勢谷友介)、香恵の前にその部屋に住んでいたのが伊吹(竹内結子)です。
香恵は、その伊吹の置いていった日記をつい、読んでしまうのです。

Closed_note2

なんでしょう。
女子高生とか、女子大生って自己完結型の恋愛をしがちですよね。
まぁまぁ、私にだって、そういう時代があったんですよ(^^;)
一人で、
「私があぁ言ったら彼がこう言って・・・」
みたいな妄想が暴走(ーー;)みたいな独りよがりの恋愛しちゃうんですよね。

たまに、そんな暴走恋愛が実を結んだりもしますが、多くの場合、あるとき魔法が解けるみたいに冷静になって、現実的な恋愛をするようになります。

Closed_note3

この映画に描かれているのは、香恵がその「妄想的恋愛」を卒業して、一つ大人になるまでが描かれています。

一方、魔法がかかったかのように成長がピタリと止まってしまったのは、石飛さんです。
香恵は、その石飛さんの魔法を解いてあげます。

香恵と石飛さんの両方にとって、「現実を受け入れる」という成長の物語なのです。

学生時代「妄想が暴走する」独りよがりな恋愛(主に片思い)の想い出がある人だったら、「あぁ~分かる~」と感じるところが多いと思います。

私も、何度か涙を流しながら(^^;)見てしまいました。

Closed_note4

最後にはなんだか、清々しい思いがしたのですが、そこでふと思いました。
なんで、あそこにあのノートがあったんだろう・・・。
私、ちゃんと見ていなかったんだろうか・・・とやや不安です(ーー;)
先生は、あのままノートを持って帰ったんじゃないかと・・思うのですが・・・。

きっと、香恵がそこにいて、そのノートを手にすることが必然だったのではないかと・・・。
(なんだか、スピリチュアルっぽいよ・・(ーー;))
その為に、あそこにあのノートがどうしても必要だったんだじゃないかと思います。

映画の内容よりも、エリカ様の話題が先行してしまったこの映画です。
もちろん、ファンを裏切るなんてことは、人前に出る以上、絶対にやってはいけないことだと思いますが、彼女を小さい頃からチヤホヤして、「あれはダメ、これはダメ、人の迷惑を考えなさい」と教えてこなかった周りの大人にも責任があるような気がします。

才能がある女優さんだと思っているので、このままいなくなってしまっては惜しいです。
彼女を大人(年齢ではなく、本質的に)にする道筋を作ってあげるのも周りの大人の役割のような気がします。

クローズド・ノート 公式サイト

10月 21, 2007 映画-日本 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2007/10/12

めがね

癒された~☆
キレイな海と緑。
時計も携帯もいらない毎日。

「かもめ食堂」第2弾といった感じですが、今回の舞台は日本の南にある小さな島です。
相変わらずの見ているだけで癒されるのんびり映画。

お話は、
「携帯が届かないところへ」旅行に島へ来たタエコ(小林聡美)は、民宿ハマダに宿泊します。
その民宿独特の雰囲気になかなかついていけないタエコですが、マスター(光石研)や、島で教師をしているハルナ(市川美日子)や、春にだけその島に滞在するサクラ(もたいまさこ)たちと少しずつ打ち解けてきます。
島の生活にもだいぶ慣れた頃、職場の後輩(加瀬亮)がタエコを探しに来て・・・

Megane01

何もないとこなんですよ。
観光地もないし、テレビもない。携帯もつながらないし、パソコンもない。
あるのは海と、畑と、民宿ハマダとサクラさんが作るかき氷だけ。

することと言えば、毎日おいしいものを食べて、メルシー体操して、「たそがれる」だけ。

どうだろう。
半年に1回ぐらいは、こんな一週間を過ごしてみたいよね。
私も、今年に入ってから、タエコさんみたいにカギ編みちょっと始めたんですよ。
でも、仕事が忙しくって、ちょっと手を付けられなくなっていることを思い出してね。
毎日ひたすらカギ編みするとか、やってみたいなぁって思って。

Megane02

居心地がいいなぁって思うのはね、みんな、あれこれ詮索しないのですよ。
「どんな仕事してるの?」とか、「結婚してるの?」とか。
そんな会話は無くっても、ちゃんと毎日一緒に生活できてるし、コミュニケーションとれてるのよ。

東京で抱えてしまった荷物は一つも持たずに、体一つできて、たそがれましょうよ。
日々の喜びには、メルシー体操。
かき氷が欲しかったら、作ってくれた人にお礼のプレゼントを。
これこそ、スローライフ。

癒されたい人にオススメです。

めがね 公式サイト

10月 12, 2007 映画-日本 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2007/09/03

リンダ リンダ リンダ

軽音でガールズバンドをしている女の子たちが、韓国人留学生の女の子をボーカルにして、ブルーハーツのコピーを文化祭のライブでやろう!って盛り上がっちゃう話です。

懐かしいなぁ・・と思うことばかり。

ブルーハーツもプリプリもジッタリンジンも軽音のライブも友達としゃべってるのが楽しかったことも。

Linda_linda_linda

ちょうど、そのバンドブームのときにリアル高校生だったからね~。
とっても楽しく見れたのです。

私が通っていた高校もこの映画と同じように体育館で軽音ライブを毎年やるのです。
本当はうちの学生しか入っちゃいけないのに、超ノリノリで盛り上がるライブだったので、中学時代の友達とかこっそり呼んじゃって、その友達には似たような制服を着てもらって、一緒にキャーキャーやりながら楽しんじゃったりしたのです。

この映画を見ながら、そんな楽しかった想い出がよみがえってきました。

やっぱり、その頃のバンドもブルーハーツとか、ユニコーンとか、筋肉少女隊とか、ジュンスカとかやってたんだよね~。
だから、この映画の“懐メロ”がリアルな世代でさぁ、なんか、ちょっと切ない感じもするのです。
また、その頃の曲を「あぁいいじゃん」って言いながら、みんな盛り上がっちゃうってステキじゃない??
そんな曲ってなかなか無いからね。

ちょっとね~ソンちゃん(ペ・ドゥナ)と一緒にカラオケ行きたくなったよ。

もともと、この映画を見ようと思ったのは、ペ・ドゥナが出ているからでして。
韓国映画じゃ小柄に見えるペ・ドゥナが、日本映画に出ていると背が高く見えるってのが、ちょっと不思議なのです。
いや~、不思議な感じのソンちゃんに、ペ・ドゥナはピッタリでした。
最初はほとんどしゃべることもできない日本語なのに、最後はしっかり日本語でブルーハーツを歌っているあたり、さすが女優さんです。

個人的には韓国語版「Can You Celebrate」が良かったな。もっと聞きたかった。
この後、ペ・ドゥナは『グエムル』に出たりして、本国でもますますのご活躍のご様子ですが、日本の「リンダ リンダ リンダ」に出たことが、彼女にとって思い出の映画の一つになっているといいなぁと見ながら思いました。
彼女達と一緒にいるのが楽しい!っていうのが、演技だけでなく、本当に心から思ってくれてるといいなぁと。

「高校時代の想い出は、15年経っても中身はあまり変わっていないな」って思える、ステキな映画でした。

リンダ リンダ リンダ 公式サイト

9月 3, 2007 映画-日本 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007/08/27

夕凪の街 桜の国

私には、妹のようにかわいがってくれる姉たちがたくさんいます。
その姉たちとの飲み会で、この映画の話題が出ました。
最近、最新映画についてチェックする時間があまり無かったので、その時は、この映画について「麻生久美子がいい」ぐらいの知識しかなかったのですが、姉たちが「すごくいいらしいから、時間があったら見て~」と言われたのです。
そのときは、「見れないかも・・・」と思っていたのですが、先週末、時間ができた上にまだやっていたので、見に行ってきました。

Yuunagi_sakura1

で、確かにいい映画でした。
ズルズルいいながら泣かせていただきました。
お姉さまたちどうもありがとうございます。

舞台は原爆投下後13年経った広島です。
主人公の皆実(みなみ)(麻生久美子)は母と二人暮らし、被爆してからも母と助け合って暮らしてきましたが、彼女たちには、そこにいるはずの妹と弟がいたのです・・。
そして、現代では、皆実の弟に娘・七波(ななみ)(田中麗菜)ができていました。

被爆者とその家族が見つめてきた戦後の話です。
麻生久美子(皆実)がですねぇ、泣かせるんですよ。
自分の体には、大きなヤケドがあって、原因不明の病気に悩まされているのに周りの人たちへの思いやりを忘れないのですよ。最後まで。
恨み言の一つも漏らさない。
悔しいとか、苦しいとか言いながら悶えて死んでいくのではなく、常に、亡くした妹を思い、遠くに住む弟を思い、苦労している母を思い、貧乏ながらも笑顔を忘れずに過ごすのです。
その健気で美しい姿に泣かされました。

Yuunagi_sakura2


好きな人がいて、結婚が目前だったのに、13年も前の原爆にさえぎられてしまう。

現代にもその皆実の姪の周りで同じようなことが起きてるんです。
被爆者の家族だからという理由で結婚を断られてしまう弟。

原爆の傷跡は未だに消えていない。
そう、改めて感じました。

原作はマンガだそうで。
存在すら知らなかったのですが、是非、読んでみたいと思いました。

夕凪の街 桜の国 公式サイト

8月 27, 2007 映画-日本 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007/05/10

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

日本映画が好調というけれど、正直、何を見ていいのかさっぱり分からない上に、あまり興味をそそられない。

でも、これは別。
一年前からお待ちしていたのです。

Tokyotower

ちょうど、一年ほど前、あまりにも評判が良かったので、原作の単行本を買ったのです。
近いうちに読もうと部屋に平積みしておいたところ、オダジョー主演で映画化することを知ったのです。
オダジョーと樹木希林と言われたら、さすがの私も、「観ようかな」と思うのです。

私、映画と本があった場合、「観てから読む」派なんです。
何よりも映画への愛情を大切にするために、「映画に対する先入観は一切持たない」という信念を貫いているのです。

まぁ、そんな私のどうてもいい哲学のために、リリー・フランキー原作の「東京タワー」はこの1年読まれること無く、本棚に平積みされたままになっていたのでした。

そんな1年間も待っていた映画を昨日、見てきたのです。

いや~、良かった。
待ってた甲斐がありましたよ。

全くストーリーを知らなかったので、すんなり入りました。

母親ってありがたいなぁ。

そんな映画でした。

普段一緒にいるためか、そのありがたさに気付いていない親不孝モノです。
私もマー君と同じように、一緒に生活していることで負担になっているんじゃないかと思っているんです。
そのため、マー君は高校入学と同時に一人暮らしを始めて、「立派だなぁ」と思ったんです。
私はそう思いつつも、親元同居ですから。
でも、そのマー君が「のびのびと堕落(このフレーズ気に入ったの)」していく様を見て、なぜかホッとしたんです。
「やっぱり、親に心配かけてるじゃないか」と。

つまり、親元にいようと、親から離れていようと、子は親にとっていつまでも心配の種なんですね。
もちろん、それは、私にとっての都合の良い言い訳です。
無理して家を出るよりも、親元で暮らすのも良いのかなぁって思ったんです。
それで、親が良いと言っているなら、側にいてやるのもいいかなぁって。
もちろん、出なきゃいけない時が来たら、出て行きますけどね(^^;)


オカンはマー君を立派な男に、一生かけて育て上げたんです。
マージャンで、オカンのお金を全て使ってしまうような男だったのに、東京で一軒家を借りるようにまでしたのは、オカンだった。
仕事も、お金も、愛情もすべてかけて。
自分の贅沢よりも、子どもの生活。
そんな姿が、私の母とダブってしまうんです。
どの家庭(じゃないかも知れないけれど)でも、オカンって偉大ですよね。

後半は泣きっぱなしだったけれど、マー君がオカンの手を取って信号を渡っているシーンが一番印象的で、すごく泣けてしまった。
少しうつむきながら、マー君の後ろからついていく背中の曲がったオカンと、マー君の姿がすごく美しかったのよね。
そこから先は、ずっとグスグス言っておりました(ーー;)

この日曜日は母の日ですし、日頃感じてない(それは私だけかも・・(ーー;))親の有難さを知るのにピッタリの作品です。

これで、原作本解禁になったので、読むのが楽しみです。

東京タワー オカンとボクと、時々オトン 公式サイト

5月 10, 2007 映画-日本 | | コメント (0) | トラックバック (3)

2006/07/05

DEATH NOTE デス・ノート 前編

原作の存在すら知らなかった私が、藤原竜也の演技見たさに足を運んだこの映画、意外と(失礼!)面白かったのであります。

Death_note1_1
<STORY> 警視総監を目指すエリート大学生 夜神月(やがみライト)(藤原竜也)は、常に正義感に燃えており、人を殺しておきながらも不起訴処分になってしまう人の多さに強く憤りを感じていた。 その時、彼の元に落ちてきたのは一冊のノート“DEATH NOTE”。 そこに名前が書かれた人は、その場で死ぬという・・。 ライトは半信半疑のまま、ニュースで流れる重罪人の名前を書いてみると、そこに書いてあるとおり、名前を書かれた人間は死んでいった・・。 そして、ライトの目の前に現れたのは死神リューク(声・中村獅童)だった。 彼がDEATH NOTEを落としという。 リュークは、ライトがDEATH NOTEを気に入っていることを楽しみ、ライトはリュークの代わりに次々と重罪人を地獄へ送る。 やがてライトはキラと呼ばれ、若者達から神のように崇め奉られる。 警視庁は、キラの暴くべく捜査本部をつくり、ライトの父・夜神総一郎(鹿賀丈史)が部長になる。 そして、警視庁がアドバイスを頼んだのは、天才探偵と呼ばれる“L(松山ケンイチ)”だった・・・。

「もしも、人間が天罰を下すことができたら・・」

Death_note1原作を知らないので、原作ファンはこれをどう思うのか、良く知らないけれど、ナカナカ面白かったのですよ。
もともとね、死神とか悪霊とか好きで、キアヌの『コンスタンティン』のような、不健康で、ちょっと世間を舐めてるような、皮肉っているような感じも良かったのね。
まぁ、きっとその辺は原作のアイディアがいいんだろうねぇ。

その中でも、特に何が良かったって、“L”の存在感がすごく面白かったね。
Lってば、ひたすら甘いもん食ってるしさぁ、生意気そうで、何だコイツ(ーー;)って雰囲気をかもし出しつつ、頭の切れそうな雰囲気が常に漂ってるのね。
そこは、松山ケンイチの演技がいい味出してたと思うなぁ。
『NANA』でしょ、『YAMATO』でしょ、私が見るのはこれで3本目だけど、どれもイメージが一致しないもんね。
毎回、役にどっぷり入り込んでいくのが得意なタイプの俳優さんだろうね。
あまりにも自然で巧さを感じさせないタイプ。
なかなか、今後が楽しみな俳優さんですの。

Death_note1_2それと、気に入ったのが、死神・リューク。
このCGがね、すごく良くできてたなぁ。
いや、あもちろん絵にしか見えないのよ。
中途半端にリアリティを持たせて寒くなるんだったら、ここまでアニメにしちゃって正解だったと思う。
獅童くんのアフレコもすごく良かったなぁ。
あんな死神に会ってみたいもん。

人を殺した場合、その犯罪者が受ける刑は「無期懲役」または、「死刑」しかない日本の司法ってすごく問題があると思う。
どうして、その間に「終身刑」ってのがないんだろうね。
「死刑」にできないなら、死ぬまで刑務所に閉じ込めてよ!って思うことあるじゃない。

Death_note1_3主人公のライトは、そこで司法が手を下せないなら、俺が最後の審判を下す・・。と、最初は神になったような気分でいたのね。
当然、それは間違っているわけで、小さな間違いがドンドン大きくなって、いつの間にかライト自身も無実の人を殺してしまうのね・・、そして、彼も犯罪者の仲間入り。
もちろん、人を殺した時点で、相手が重罪人だろうと、犯罪者だけど。
偶然なのか、狙いなのか良く分からないけれど、月とはラテン語でluna、Lunaから生まれたlunaticという単語は常軌を逸した人を表す言葉。
正義感たっぷりで、将来警視庁で悪を撲滅するはずが、自分が犯した罪に気付かず、エスカレートしてる。
まさに、彼の行動こそが、lunatic・・。

ライトは自分を完璧だと思ってる。
でも、“L”という存在が彼を苦しめ、彼が描いた完璧な軌跡からずれはじめるのね。
まさに、Lの存在こそが、ライトの誤算。
そして、もう一冊現れるDEATH NOTE、ライトとLの初対面・・。
おぉ~、面白くなってきたじゃない・・と思ったところで、次回へ続く・・。
つまらなかったら、後編はやめようと思っていたんだけど、原作読まずに、後半を待とうかな。

Death_note1_4最初の狙いは、藤原竜也だったのよ。
今回も、良かったですよ。
彼は、演技によって放出するオーラが違うから、毎回、飽きないのよね。
テレビ、舞台、映画、どれも見たけれど、やはり舞台が一番濃~いオーラを出してるって感じがするね。
で、今回のライト役だけど、マイナスイオンのような清涼感あるオーラが出ていたなぁ。
清涼感がある役じゃないんだけどね。
そこが面白いのよ。
人を何人も殺しているのに、なんだかとっても爽やかな雰囲気がある。

「もしも、人間が天罰を下すことができたら・・」

そんなことはできません。
私はDEATH NOTEを持っていても、誰の名前も書きません。
人を殺したいなんて思ったこともないし、復讐したいと思ったこともないので。
しかし、死神がいるなら、天使がいないと不公平だな。
この事件の解決は、天使にお願いしたいと思います。

DEATH NOTE デスノート 公式サイト

7月 5, 2006 映画-日本 | | コメント (3) | トラックバック (5)

2006/01/30

単騎、千里を走る。

このところ、仕事に追われ、出張に行ったりしていたので、映画を観に行く時間もなく、ブログの更新もせず、コメントやトラバの返しも遅れてしまいました。
コメント、トラックバックを送っていただいた皆さま、必ずお返事致しますので、もう少しお待ち下さい。
ご迷惑をお掛けしておりますm(_ _)m

riding_alone1そんな忙しい日々の中で、思うことはただ一つ。
「映画館に行きたい~!!」
そして、昨日、念願叶って時間ができたのでチャン・イーモウの新作であるこの映画を見てきたのですぅ~。
あぁやっぱりチャン・イーモウが描く田舎はいいなぁと思い、高倉健は日本の宝だと実感し、中国人と日本人の心の交流に涙々。
まぁとにかく、いい映画なの。

<STORY>
高田剛一(高倉健)は、田舎の漁村で細々と暮らす漁師。
10年前に息子の健一とつまらないケンカをして絶縁状態になって以来会っていないのだが、健一の嫁・理恵(寺島しのぶ)から健一が病気で入院したとの便りが届く。
久しぶりに上京して、息子の病室を訪れるが「会いたくない」と門前払いされてしまう。
息子に拒絶されてしまった剛一は会わずに帰ろうとするが、追いかけてきた理恵に一本のビデオを渡される。
中国文化を研究している健一が中国で取材している姿を写したビデオだという。
家に帰ってから剛一が早速ビデオを見てみると、剛一は中国の仮面劇を取材しており、俳優のリー・ジャーミンに歌を歌って欲しいと頼んでいるところだった。
しかし、リー・ジャーミンは、「今日は歌えないので次に会ったときに歌ってあげるよ」と言い、結局歌ってもらえなかったという映像だった。
そのビデオを見た剛一は、リー・ジャーミンと健一の間にできた約束を健一の代わりに果たそうと一人で中国に飛ぶのだが・・・。

riding_alone2
人って温かいんだなぁ。
反日感情ってのはどこにあるんだろう。
そんなことを思わず考えさせられる映画だった。

ズバリテーマは「人と人とのコミュニケーション」なんだけど、人付き合いの苦手な老人が単身中国を旅して、病気の息子のためにある目的を果たそうとするんだけど、大切なのは目的を果たすことよりも、人の温かさを知ることだったというお話なんだよね。

それがさぁ、全く言葉が通じない剛一に対する村人たちの優しさに温かい気持ちになるんだよねぇ。
日本語ができないガイドのチュー・リン。
剛一の告白に心を打たれる役人たち。
彼を喜ばせようと必死な刑務所の看守。
お互いに心が通じなくても心を通わせるヤンヤンと剛一。

特に、ヤンヤンに会いに行ったときの村人たちの歓迎っぷりが本当に心打たれたなぁ。
携帯がつながらないなら、電話貸してあげなよ(^^;)と思いつつ、みんなで高台まで電話を掛けに行く姿が妙におかしい。
遠くからお客さんが来たからと、町中のテーブルを引っ張り出して、お祭り騒ぎのお食事会も面白い。
この辺の田舎の描き方は、さすがチャン・イーモウよねぇ。
温かさが村人の表情からにじみ出てるもんね。

riding_alone3
泣いたシーンはいっぱいあるけれど、一番印象的なのは、泣いたシーンではなく、微笑ましく笑ったシーンだった。父親を知らないヤンヤンと、息子と10年絶縁状態にあった剛一の心の交流。
人付き合いが苦手で、言葉の通じない剛一が少年と一晩過ごすことで、コミュニケーションの大切さを思い知るんだよね。
それは、「あの頃を思い出して欲しい」と息子の健一が言っているようにも見えるシーンであり、ヤンヤンの意思を尊重する姿は、健一の意思を尊重してこなかった後悔の現れのようにも見えるんだよなぁ。
また、ヤンヤンがかわいいんだよねぇ。

riding_alone4
とても70代とは思えない高倉健はもちろん素晴らしかったけれど、日本でのシーンに登場する寺島しのぶもいい。
私は、映画の冒頭から寺島しのぶの告白で既に泣きそうだったから。
この人は、数少ないセリフに情感たっぷり込めてしゃべる人なんだよねぇ。
彼女の、夫を思い、義父を思う姿に泣けちゃうんだよねぇ。

人付き合いって面倒くさいこともあるよね。
気が会う人ばかりじゃないし、誤解も生まれるし、聞かれたくないこと聞かれちゃったりもする。
でも、「そんなリスクを背負っても、人と接して欲しい」とこの映画は願ってる。
面倒くさいからと引きこもってしまわずに、一歩前に出て欲しいと言っている。
中国人は日本人を嫌っていると錯覚を感じてしまうことがある。
でも、それはホンの一部であり、実際会ってみるとお互い分かり合えるはず。
それも、この映画が気付かせてくれたこと。

riding_alone5剛一は、息子にプレゼントを贈るはずだったのに、逆に息子からステキなプレゼントをもらったようだった。
見知らぬ人の中を単騎で走っているつもりが、最後には大勢の友人たちに囲まれ支えられていた。
そんな映画なんだよね。

私も、この映画からステキなプレゼントをもらったような気分になった。

多くの日本人に見て欲しい一本。

単騎、千里を走る。 公式サイト

1月 30, 2006 映画-中国, 映画-合作・その他, 映画-日本 | | コメント (23)

2005/12/30

男たちの大和/YAMATO

これが、今年最後の映画。
邦画だったっていうのが、自分では結構意外だけど、またしても号泣しちゃった。
私、戦争モノは苦手なので、泣くとは思ってなかったんだけどね~。yamato

<STORY>
鹿児島県枕崎の漁港で、神尾(仲代達矢)は内田真貴子(鈴木京香)に依頼され戦艦大和が沈んだ場所へ彼女を連れて行くことになった。
真貴子は、他にも多くの人に依頼したのだが神尾だけがその依頼を引き受けた。
なぜならば、神尾は戦艦大和の船員であり、大和が沈んで以来その場所に近づいたことが無く、一度は行かなければならないと思っていたからだった。
真貴子がその場所に行くことにも理由があった。
彼女の父は、戦艦大和の船員であり神尾の上官だったのだ。
その奇遇に驚く神尾だったが、その地に向かいながら、当時の記憶が思い出されてきた。
昭和19年の春、神尾(松山ケンイチ)は、戦艦大和に乗艦する。
そこでは、毎日のように厳しい訓練が繰り返され、神尾は森脇二主曹(反町隆)や、内田二兵曹(中村獅童)に助けられながら、訓練に耐えてきた。
そして、レイテ沖で初めて実戦を体験するが、内田は銃創を負って重体、他の船員達の多くの命を失った。
その後、日本の戦況は悪くなるばかりであり、昭和20年4月、大和は充分な装備も燃料もないまま沖縄へ送られることが決まった・・。


見てて、すごくズシンと来るのは、この映画に主に登場する人たちのほとんどが、私と同世代か、それ以下の人たちだった・・ということだったのね。
セリフの一つ一つに共感できたし、すごく身近に感じたの。
彼らが初めて経験する実戦のシーンは、まるで自分がそこにいるかのような気分になってしまって。
その時の恐怖感をすごくリアルに感じて、すごく怖くなって涙が出てきた。
最後の方は、震えと涙が止まらなくなっちゃったよ。

では、なぜ彼らのことがそこまで身近に感じたかというと、みんな普通の人なのね、母がいて、友がいて、妻がいて、子供がいて、恋人がいて・・という。
個々を取り巻く環境を知りながら、彼らを見ていると、どうも他人に思えなくなってしまう。
同世代の人たちもいるし、私が何も考えずに遊んでばかりいた頃の世代の子たちもいるし。
彼らは、たまたま戦争の時代に生まれてきて、たまたまその時大和に乗ることになってしまった少年兵。

その彼らが、生きるために必死になっている。
戦争に勝つというよりも、生きて帰りたい。
もうね~、その姿に涙が止まらないの。


佐藤純彌監督は、すごく演出がうまい監督だなぁ~。
と、この映画を見ながらつくづく思った。
どのシーンも、どのセリフも、心に響く演出をする人なのね。
「この人はテレビの人じゃない?・・」なんて心配は全く要らない。
全ての俳優が、ベストの演技を見せてくれる。

正直、反町がこんなに素晴らしい演技するなんて本当にビックリだったし、蒼井優の笑顔にはすごく泣かされる。

獅童くんの落ち着いた演技にもすごく泣かされたし、余貴美子もさすがの演技を見せてくれる。
白石加代子と、中島しのぶは大好きな女優なので、彼女たちの演技が見れてすごくうれしかった。

また、音楽もすごくいい。
映画が始まったばかりのときに、流れてきた音楽がとても情感溢れていて、「うわ~、この音楽だけでも泣けるなぁ」なんて思ったら、やはり久石譲。
美しいメロディと、泣きの音はさすがだなぁ・・・と実感。
この映画を見ながら、ひたすら思い続けたのは、「あぁ、この平和な時代に生まれて良かった」ってことだった。
それに、戦争に連れて行かれた少年兵たちについて考える良い機会になった。

戦争は、私には全く関係ないできごとではなく、もしも、今、戦争が起きたら、私と同世代か、もっと若い人たちが犠牲になるんだということを、忘れていたような気がする。
日頃、「もしも戦争が起きたら」ということさえ考えなくなっている今の時代に、この映画の存在意義があると思う。
日本人は、このときの戦争から学んで、少しは進歩しているんだろうか・・。
ちょっと考えちゃうな・・。

男たちの大和/YAMATO 公式サイト

12月 30, 2005 映画-日本 | | コメント (33) | トラックバック (112)

2005/12/14

スクールデイズ

毎年のように天才!!と言われる子役が一人や二人いるもんで、今年も『ALWAYS 三丁目の夕日』の子供たちが注目されたよね。
ハリウッドでは、ここ数年ダントツ巧い子役・ダコタ・ファニングは今年もその才能を発揮。
が、これが、10年ほど経つとその子たちがいつの間にか普通の子供たちになってたり、ハリウッドの場合は飲酒とドラッグで不幸な人生をたどってしまうことも多いよね。school_daze1
このスクールデイズの主人公・晴生は、過去にそんな天才子役だったというお話。
これがねぇ、途中まではすごく面白かったんだよねぇ・・・。

<STORY>
相沢晴生(森山未来)は、0歳から子役を初め、またたく間に大スターに。
小学生の頃、学問と仕事を両立できないことについて、父(鶴見辰吾)と母(いとうまい子)は衝突。
本人は、学校で楽しそうに遊んでいる子たちを見るなり、「普通の子に戻りたい宣言」をして引退。
しかし、世間はそんな彼に冷たかった、学校に通いだすも「過去のスター」は激しいイジメに会う。
過去の栄光を引きずりながら過ごす彼だったが、再度オーディションを受け始め、青春ドラマ「はみだし!スクール☆デイズ」にイジメられっ子の役でキャスティングされる。
しかも、晴生の名前はそのままという、まさにセルフパロディーの役だった。
「はみだし!スクール☆デイズ」での担任・鴻ノ池先生を演じてる赤井(田辺誠一)は、現場のカリスマであり、晴生が目指す俳優そのものだった。
そして、再びスタジオに通い始める晴生だったが、リアルな演技を求める彼は、どんどん脚本にのめり込んでいった・・・。

school_daze2
←劇場で展示されてた衣装。
田辺誠一と森山未来くんが着てたものみたいよ☆

この映画の中で出てくる「はみだし!スクール☆デイズ」ってのがさぁ、もろに「3年B組 金八先生」なのね。
もう忠実にパクッてるの。
初代金八を見て育った私としては、その様子を見てるだけでさぁなんかおかしくって。
クスクス笑いながら見てたのね。
で、お父さんが鶴見辰吾でしょ、晴生が0歳のときに、当時の「スクール☆デイズ」で生徒が産んだ赤ん坊の役として出演してたって設定だからね。
上手いよね~。
これで、“歩”なんて役名が付いてたらもっと笑えたのに。
が、そこまでやっても、今の高校生が見ても分からないよね(^^;)

キャスティングが良くてね。
「スクール☆デイズ」での同級生・一平役としてキャスティングされるのが、山本太郎くん演じる高井戸。
太郎くんさぁ、「29歳のクセに、高校生役で学園ドラマに出てる俳優」って設定でね。
それさぁ、26歳にして『バトル・ロワイヤル』に出演した山本太郎のセルフパロディ??
また、その役がおっかしいんだよね。
鼻毛ばっかり気にしちゃって(≧▽≦)
「高校生は鼻毛が出ない」って力説するの。
「役作りは鼻毛の手入れだけ」だって。
私も「う~ん。なるほど」なんて感心しちゃったりして(笑)
今回、太郎くんにはすごく笑わせてもらったよ。

ドラマの監督として登場するのが、田口トモロヲね。トモロヲさん、またしてもおかしかったなぁ。「逆にね。逆に」を連発してて。今朝ね、何気なくワイドショー見てたら、レポーターが「逆に」を連発してたの。トモロヲさん思い出したよ。あれって、現場のモデルがいるのかなぁ。

リアルな世界で笑わせてくれるのが、松尾スズキね。
この人、ホントおかしいんだよね。
相変わらずやる気ねぇ~~~って感じが良いんだよねぇ。

今回新しい面を見せてくれたのが、田辺誠一。
どちらかと言えば不健康なイメージがあったんだけど、今回、意外と青春スターの雰囲気が出てて良かったよぉ。
私、田辺誠一の『ハッシュ!』がすごく好きなんだけど、彼はコメディが合うのかもねぇ~。

そんな感じで(?)現実の世界と、ドラマの世界が交差しながらお話は進んでいくのね。
晴生は現実の世界でもイジメに合い、ドラマの世界でもイジメられ役なの。
前半は、「金八」のパロディやりながら、コメディタッチで進んでいくんだけど、途中から晴生がドラマの世界にのめりこみ、ドラマの世界がリアルな世界に入り込んでくるのよ。
きっかけは、現実感たっぷりのリアルな表情をしたときに、カリスマ赤井から誉められたこと。
もっと誉められたい晴生はよりリアルな演技をしようとして、現実の世界でもドラマと同じようなことをしようとするの。

そうすると、現実の世界で鴻ノ池先生の幻を見たり、ドラマの中で女の子にふられると、現実の世界で好きな子にふられたような気分になっちゃう。

でね、最後の方に、現実の世界で事件を冒しちゃうの。
それが、リアルとドラマの区別が全く付かなくなってしまったことによる悲劇なんだけどね。
でもねーーーーー、私が気になっているのはココ。
いかにしてその事件から晴生が立ち直ったかについて一切描いてない。
どうやって、立ち直って、現実世界に戻ってきたのかを知りたかったんだよねぇ・・。
あれじゃぁ、晴生の人生は同じことの繰り返しじゃない。
両親もあれで目が覚めるのかなぁ・・・。
誰のせいでそんなことになったのかの言い合いが続いて溝は深まるばかり・・・のような気がするけど・・。

天才子役がたどる運命を描くってのは、とても面白い題材だと思う。
私、以前にドリュー・バリモアがNHKアクターズ・スタジオ・インタビュー「ドリュー・バリモアは語る」で、子役当時のクレイジーなできごとについて話しているのを見たけど、自分を現実世界に引き戻して、再度その世界に戻るってのはすごく大変なことだと感じたのね。
だからねぇ、その辺にリアリティが足りなかったなぁって感じがした。
前半部分のパロディーの部分ではすごく笑えただけに、失速してしまった感もあり残念。
でも、守屋健太郎監督は30代ってことで、まだまだこれから。
がんばって欲しいなぁ。

スクールデイズ 公式サイト

12月 14, 2005 映画-日本 | | コメント (4) | トラックバック (13)

2005/12/09

カーテンコール

昭和30年代から40年代にかけて、映画の休憩時間に歌を歌ったりする芸人さんがいたのですね。
私、そんな人の存在すら知らなかったよ・・。
これは、そんな芸人さんの昔と今を描いているお話。
その背景にある人の人情や悲しさを描いた話ではあるけれど、全体的に物足りなさが残った作品だった。curtain_call1

<STORY>
橋本香織(伊藤歩)は、大手出版社の記者。
彼女が長い間張り込んでモノにした大物議員の不倫記事で昇進を狙っていたが、相手の女性が自殺未遂を起こし、逆に謹慎処分を受けてしまう。
そんな彼女を見ていられないと、恋人でもある上司は彼女を福岡の事務所に異動させる。
福岡ではタウン誌の記者を担当することになった香織の元へ一通の手紙が届く。
そこには、昭和30年代に下関の映画館を盛り上げていた芸人のことが書かれていた。
その手紙が気になった香織は、早速下関へ取材に出掛けることになった。
手紙にあった映画館は今でもそこにあり、当時を知る店員の絹代(藤村志保)から話を聞くことができた。
その芸人は安川修平(藤井隆)といい、昭和33年からそこで従業員として働きはじめ、ある事故がきっかけで映画の休憩時間に余興をすることになったという。
香織は、絹代の話にのめりこむが、肝心な修平の居所が不明だった。
久しぶりに父のいる実家に帰った香織は、修平の話を父としているうちにヒントを得て、修平の居所を探し始めるのだが・・・。

curtain_call2
この映画、公開されてからだいぶ経つので思い切ってネタバレしてしまうけれど、実はこの修平が在日朝鮮人だったことが分かるのね。
もちろん昭和30年代だから、今では想像つかない程の差別があったと思うけど、当時映画館で大人気だった安川さんが実は在日だったというお話なのね。
しかし、映画館は斜陽になり、安川さんの出番が無くなり、一家離散・・・。
そんな芸人の存在すら知らなかった私には、へぇ~~~~と思うようなお話だったのね。
ただ、どうにも一味食い足りない・・。

安川さんが再就職できなかったのは、在日だったからか、それとも才能が無かったからなのか・・。
多分、在日じゃなかったとしても、芸人として生きていくのは大変なはずだったと思う。
子供のために肉体労働するとか考えなかったのかなぁ・・。
ただの育児放棄じゃないか・・と思ってしまうけど。
多くの人に幸せを与えた人のその後の人生の皮肉は感じるけれど、人生を立て直す方法もあったような気がしてしまう。

curtain_call3
最近は在日をテーマにした映画が毎年のように作られていて、『GO』とか『パッチギ』のような在日のリアルな激情を見せられると、この映画のような描き方ではちょっとインパクトが足りない。
それに、役者にもリアリティを感じない。
鶴田真由は昭和40年に生まれたようには見えないし、父を許せない理由は分かるけど、父を許してしまう理由が分からない。
それに、井上尭之は演奏が上手すぎる!!
売れない芸人の音楽じゃないでしょ。
思わず聞き入っちゃったじゃない。

一番物足りなかったのは、主役の香織ね。
“議員のスキャンダル”という低俗な記事に自分の出世を賭けていた子が、一転、人情溢れる記事を書くことで、どんな成長をしたのか。
実際、どんな記事に仕上がったのか。
私はそこが見たかったのに、結局、彼女がどんな記事を書き、人としてどんな風に成長したのかが描かれないまま終わってしまった。
不完全燃焼なんだよね~。
他人のスキャンダルで注目される記事よりも、昔ながらの人情を伝えることの方が素晴らしいと思ったんじゃぁないかな。
その辺をもっとしっかり伝えてくれればよかったのになぁ・・・残念。

でも、きっと同じような映画館で育った人には、それなりのノスタルジーがあることでしょう。
私のように、そこに郷愁を感じない人にもどこか懐かしさを感じるような工夫をして欲しかった。
この前に『ALWAYS 三丁目の夕日』を見ただけにより強くそう思ってしまう。
『ALWAYS 三丁目の夕日』と同じ時期に公開したことが間違