2009/07/06

群青 愛が沈んだ海の色

久々の日本映画です

友人に誘われて、この「群青」を見てきました。
沖縄の小さな島を舞台にしたこの映画のタイトル「群青」とは、深い海の底の色を示していて、その奥深くに込められた島の人々の様々な思いを描いています。

群青

沖縄が舞台だけれども・・・

話の雰囲気やストーリー展開は、「ピアノ・レッスン」に似た感じを受けました。
お互いに愛し合いながらも、運命に引き裂かれてしまう若いカップルと、その二人を影ながら見守るしかない友人と父親。
そんな登場人物の構成から、つい大好きな「ピアノ・レッスン」が結び付いたのかもしれないですね。

残念ながら、作品そのものは、説得力に欠ける部分が多く、多くの良質な材料を使いきれずに終わってしまった感があります。
私の中で沖縄の島といえば「ナビィの恋」ですが、あれのどこが良いかと言ったら、本土の人と海人(うみんちゅ)の思いがあって、何よりも、青い海とおばあです。

この映画では、そこの住み分けが曖昧で、
「なぜ沖縄で」
「なぜ島なのか」
ということの必然性を全く感じなかったのですよね。
「あぁ、やっぱり沖縄は人が温かくていいなぁ」
と思わせなければ、別に伊豆七島でもいいわけですよね。
では、それをフォローするかのように、青い空と海の美しさに見とれてしまって…と、なれば良かったのですが、もっとも鮮やかな色と言えば、主人公の家の庭に咲くブーゲンビリアだけ。

何も、沖縄でなくても、関東でも普通に咲いているブーゲンビリア・・・。
大切なのは、その空気感を演出する背景となる景色なのですが、そこに、まず物足りなさを感じました。

それは、もしかしたら、群青の深い青をより印象付けようとする演出の一つかもしれないけど、なんか、せっかくの素材が生かしきれてない気がして残念ですね。

群青

生きていけなくなる程の喪失感とは・・・

また、主人公役の長澤まさみが東京の香りたっぷりで、厳しい自然の中でも、この島で一生、生き抜いていこうとする、若いカップルの姿が、渋谷あたりでデートしている人達となんら変わりなく…。
また、お互いに
「互いを失ったら、正気を失ってしまう程愛し合っている二人」
には見えず…。
それも、残念なことでした。

この「群青」に射す光

なんて、いろいろとネガティブなことを書いてしまいましたが、全てがNGだったワケではありません。
しかし、どんな映画でも収穫はあるもので、だから映画が大好きなのですが、今回は福士くんと佐々木蔵之介が収穫でした。
少なくとも、福士くんの言葉には、心がこもっていました。
佐々木蔵之介とのシーンでは、二人の会話にお互いに見守らなくてはならない共通の人涼子への想いが感じられて温かい気持ちにさせられました。

3

二人のシーンは良いもの見たな~って感じがしました。

私にとって、映画は、否定的な面も肯定的な面も合わせて全てが“映画”であり、その両面からいろいろ考えるの好きで、好きそうな映画も、そうでなさそうな映画もなるべく見るようにしています。
今回の「群青」は、否定的な面も、肯定的な面もそれぞれありましたが、映画を見終わった後に、この「群青」について、友人たちといろいろ話もできたし、やっぱり映画っていいなぁと思いました。

群青 愛が沈んだ海の色 公式サイト(このサイトは音が出ます)

7月 6, 2009 映画-日本 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/10/12

おくりびと

★ようやく見ることができました。
 優しくて温かい映画でした。

Okuribito1

★チェロ奏者の大悟(本木雅弘)は、在籍している楽団の解散により、失業。
 妻(広末涼子)と共に実家の山形に帰ることに。
 帰郷後、すぐに就職活動。
 面接一社目で決まった職場は、社長(山崎努)と事務員(余貴美子)一人だけの小さな会社、NKエージェンシー。
 その仕事とは、納棺師だった。

★人が嫌がる仕事を積極的にできる人って、無条件に尊敬します。
 なので、この納棺師というお仕事、映画の冒頭から尊敬の眼差しでして、広末が、「汚らわしい!」となじるシーンなんて、その“汚らわしい”の意味が分からなかったです。

★昔々は、家族がやる仕事だったんですね。
 その昔は、家族がやっていたというのは、この「おくりびと」が話題になった時に知ったのですが、映画を見ていて、その「家族が行う意義」みたいなものが分かったような気がしました。

★きっと、始まりは、
「三途の川を渡るときに、みすぼらしい格好ではいけないから」
という気持ちで、家族がよそ行きの格好をさせてあげていたのではないかと思ったんです。
葬儀屋というビジネスが発達してくると、その納棺という作業も葬儀屋に頼むようになったのでしょうが、故人が普段大切にしているものとか、お気に入りの服、髪型、ひげの伸び具合、お化粧なんかは、家族が一番良く知っているわけですし、何より、大切なご遺体を他人に触って欲しくない、いい加減に扱って欲しくないという気持ちが強くなるに違いないと思うんです。

★どの家族も、みんなが仲が良いワケではなく、年中喧嘩ばかりしていたり、疎遠になっていた家族もいるに違いないのだけど、最後の最後、その瞬間が家族として心のつながる瞬間なんですね。

Okuribito2

★映画の中で、
「自分に与えられたのは、何の試練なんだろうか。家族をないがしろにしてきた罰なんだろうか」
というモッくんのセリフが印象的だったのですが、きっと、試練なのではなく、彼は、納棺師として、故人の家族の気持ちになって納棺することができると選ばれた人なのだと思ったんです。

★幼いころに父に捨てられ、数年前に母を亡くし、ようやく結婚したばかり、彼にとっては、彼を捨てた父の気持ちが分からなかった。
 でも、誰にでも秘密にしたい事情があることを少しずつ理解し、彼にも新しい命が芽生えるのです。
 そんな複雑な家族の事情がある彼だからこそ、親身になって納棺することができる、山崎努の言う“天職”なのだと思うのです。

★もう一つ、印象的だったのは、モッくんが良く行く銭湯にいつもいるおじさん(笹野高史)です。
 彼のセリフ、
「死とは、新しい世界への門をくぐることだと思うのです。
葬儀は、故人が門をくぐるのを送り出してあげることだと思うのです」
と、たった一人の友人が去っていった時に言っていたセリフにグッときてしまいました。

★それは、私が考えていた、「三途の川は綺麗な格好で・・・」という考え方に似ていたので、直球で入って来ました。
 生きている人間からすれば、葬式とは悲しいだけでしかない。
 でも、もしかして、綺麗にしてもらって、死という門をくぐったら、故人にとって新しい世界が開けているかもしれないと思えば、つらい葬式も、少しは心が軽くなって、快く送り出せるのかもしれない。
 そう思ったんです。

★今はまだ、私にとってそれ程身近な話ではないですが、いろいろと考えてしまいました。
 この納棺師、本当に所作が美しいモッくんがやってくれて良かったと思いました。
 ちょっと、彼以外は考えられないぐらい素敵な納棺師でした。
 葬儀というイメージを軽く覆すぐらいの美しさで、この映画を見て、この仕事をやってみたいと思う人が増えればなおさらいいなぁと思います。

★全ての人におススメできる映画です。

おくりびと 公式サイト

10月 12, 2008 映画-日本 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2008/09/07

TOKYO!

★3本の短編からなるオムニバス映画です。
 個人的にオムニバスってあまり好きではないのですが、ミシェル・ゴンドリー × レオス・カラックス × ポン・ジュノ + 蒼井優 と知り、
 「私の大好きな才能盛り沢山!絶対見なきゃ~ w(゚o゚)w」
と思い、ラッキーなことに地元のシネコンで上映していたので、見に行ってきました。

★この才能の集め方のセンス。最高。
 一部のマニア向けかと思いきや、予想以上に客席が埋まっていたので、まだまだ映画好きっているんだなと少しホッとしたのでした。

ミシェル・ゴンドリー「インテリア・デザイン」

Tokyo_1

 ミシェル・ゴンドリーの映画ってすっごくぶっ飛んでるイメージなんですよ。いつも。
全身毛だらけの女の人が出てきたり、真っ赤に髪を染めたぶっ飛び女が出てきたり…、その割りにおとなしいなぁと思ったのは、東京自体がぶっ飛んでる??
 
 彼が見たTOKYOのイメージは、狭くて、ジメジメして、景色の悪い部屋に高い金を出して住んでいる若者たち。
 終いには、彼らがインテリアの一部になってしまう。
 その部屋のジメジメ感といい、狭さといい、妙にリアルで良い感じです。
 いつも日本のテレビドラマで
 「あり得ねーだろ」
 って感じの、広くて素敵な部屋に住んでいるOLさんの描き方が、気持ち悪かったのですよ。
 それりゃ~、欧米の人達から見たら、ぶっ飛んだ生活かもね。
 しかも、インテリアの一部になっていくあたり、唐突で奇妙で違和感たっぷりなのですが、そのぶっ飛び感がゴンドリー流で楽しかったです。


レオス・カラックス 「メルド」

 Tokyo_2

 観る前に一番期待していたのは、このカラックスでした。
 「ポンヌフの恋人」以来ですよ。16年経ってるんだってさぁ~∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
 久しぶりのカラックスに過剰な期待をし、見終わった後、もっとも退屈だったのはコレでした。

 カラックスの考えてることを、正確に理解しようとするのは、まぁ、ほぼ無理だと思っているので、あまり考えずに見ましたが、彼の見たTOKYOは、敗戦という過去や荒地だった東京を下敷きに今があって、さらに、“菊”に象徴される伝統を食いつぶしていると、そんな東京は一旦ぶち壊してしまったらどうかと。
 そんな提案のように見えました。

 その象徴として登場するのが、“メルド(=糞)”という名の下水道に住む緑の怪物です。フランスの核実験が生んだのがゴジラなら、伝統や愛国心を捨てた日本が生んだのがメルドです。

 そう考えると、かなり辛らつなんですが、「東京」と言いながら、東京で探すのが難しいフランス人(彼の常連ドニ・ラヴァン)を主役にし、そうなるとジュリエット・ビノシュのいないカラックスは、やはり、迫力や説得力に欠け、常に暗い雰囲気の画面は退屈に感じてしまうのです。

ポン・ジュノ 「シェイキング・トウキョウ」
 このオムニバスの中で、一番面白かったのは、このポン・ジュノでした。
 まぁ、お気に入りの蒼井優ちゃんが出てるので、多少贔屓目ではありますが・・・。
 超高層ビルが乱立する姿だけじゃない東京をちゃんと描いてくれていましたし、オタク文化の日本の根底にある家に引きこもりがちな人々の姿も正確に描写してくれたように思います。

 彼の見た東京は、几帳面で、読書家で、引きこもりがちで、ロボットのように正確な動きをする日本人であり、よく地震の起きる町です。

 香川照之が引きこもりの主人公を演じ、蒼井優が、彼の心をはじめて乱す女の子を演じています。

 私って日本人なんだなぁと思うのは、この香川照之の家はそこら中本だらけなんですよ。でね、「驚くかもしれないが、僕はここにある本をほとんど全部読んだ」
って感じのセリフがありまして、
「驚かないだろう~、10年も引きこもりしてたら、それぐらい読めるだろ~」
と思ってしまったのですが、日本人ですよね~、海外の人は、そんなに本読まないんですよね。

 ちょっと神経症気味で、内気な男性を香川照之が好演しているのはもちろんですが、冒頭とラストに登場する蒼井優は、相変わらず良い演技を見せてくれます。
 頭とラストでは、表情も立ち振る舞いも全く違います。
 期待を裏切りません。

 さらに、ちょうど中間あたりである大物が登場しますが、これが超いい味を出しています。彼の登場は知らずに見て欲しいので、名前は伏せておきますが、会場は爆笑に包まれていました。
 かなり楽しかったです。

 
★最後に、共通して気になったのは、彼らの描く日本人はどれも、無気力なんですよ。
 昔の日本人といったら、働き蜂で、一年中働いていたイメージだったと思うのですが、今回では、将来に不安を感じ、仕事もやりがいより、生活ための義務で、嫌になったら辞めればいいし、周りの人と上手くコミュニケーションをとれない姿が描かれていました。
 ある意味リアルなのですが、外国人が描くほどにその姿が伝わってしまうのかと思うと、もっと元気な姿を見せていかないといけないなぁと感じたのでした。 

9月 7, 2008 映画-仏, 映画-合作・その他, 映画-日本, 映画-韓国 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008/06/03

山桜

★久々の日本映画でございます。
 先日、友人に誘われて行って参りました(つい、こんな口調になってしまう映画なんです)。

Yamazakura

★江戸時代、見事な山桜が咲く田舎の小さな村を舞台に、ある一人の女性の「遠回りしてしまった恋」を描いています。
 これが、日本人の“和の心”を感じるとても良い映画でございました。

★劇中、セリフがとても少なくて、景色と所作と表情が感情の多くを語ります。
 そう聞くと、少し難しい感じがするかもしれないですが、そうではなく、逆に余計なセリフが全く無い分、気持ちがとてもシンプルでストレートに伝わってきます。

★今では、目と目で通じ合うことを“アイコンタクト”なんて言ったりして、ちょっと特殊な感じがしますけど、昔の日本人は、“言葉が無くても分かり合えること”をとても大切にしていたんだなぁとつくづく感じました。

★例えば、
 ちょっと転んでしまったとき、何も言わずすっと伸びてくる手の優しさ。
 花がとても美しいから、好きな人にも見て欲しいと差し上げる気持ち。
 あまりにも腹が立ったとき、抑える感情よりも先に下してしまった怒りの刃。
 どんなにつらい立場にあっても、微笑を忘れない芯の強さと優しさ。

★そこに言葉は無くても、表情だけで十分伝わるのです。
 これって、“和の気持ち”なんですよね~。
 日本人だからこそ、グッとくるんです。

★この映画が素晴らしいのは、その感情表現に加えて、その気持ちを支える、野山の景色です。
 昔は、カレンダーが無くても、時計が無くても季節や時間がわかっていたんですよね。
 当たり前ですけど。
 時間を知るときは空を見て、季節を知るには植物を知れば良いのです。
 春には出会いの桜があり、田植えの後にはジメジメと長い梅雨が来て、お盆のころにはりんどうが咲き、秋には米を収穫し、冷たい雪を耐え忍ぶように寒椿が咲き、雪解け水とふきのとうが春を知らせると、また、桜が満開になる・・・。
 この四季の景色が、主人公である田中麗奈の感情とリンクしてぴったりはまるのですよ。
 この映画のその繊細な描写と表現力がとても好きなんです。

★田中麗奈は、剣道の師範である東山紀之のことが好きだと気づくまでにとても遠回りして、長い時間がかかります。
 気持ちが憂鬱になったり、つらいことがあっても、四季が繰り返すように、いつかは気持ちの晴れ間がやってくる。
 まるで、季節の移り変わりがが彼女の心理を代弁しているかのようです。
 そして、結局、東くんと再会した山桜に勇気を与えられたかのように、満開の桜の下、はじめの一歩を決意します。
 そのはじめの一歩を踏み出したところで幕を閉じるのですが、このシーンがとても感動的でした。

★桜といえば、普通、街路樹で見られるようなソメイヨシノを想像しますが、今回は山桜。
 葉よりもまず、一斉に花が咲き乱れるソメイヨシノと違って、緑の葉が芽吹くのと同時にその葉に寄り添うようにひっそりと控えめに咲く山桜が、物語の象徴となっています。
 その山桜の存在そのものが、この物語を見事に表していたように思います。

★個人的には、この頃、映画とドラマでアメリカと韓国を行ったりきたりしていて、その大陸的発想では、
「言いたいことがあったら、言葉で伝えろ」
が基本なので、つい、白黒つけたがる発想になりがちだったのです。
それは、それで学ぶべきところも多いので、問題ないのですが、その思想が私の中でとても深く根付いていたからこそ、余計に、今回の“秘めた想い”にすごく、グッと来ました。
私って、日本人なんだわぁと再認識 coldsweats01 したのです。

★最近の「見たい映画ラインナップ」には、この映画が入っていなくて、友人に誘われなければ見なかったかもしれない映画でした。
そうなると、見損なっていたかもしれないですよねぇ。
誘ってくれた友人に感謝 shine です。

山桜 公式サイト

6月 3, 2008 映画-日本 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007/11/06

亀は意外と速く泳ぐ

土曜日に、この映画をDVDで見ました。

ストーリーというストーリーはあまりないですが、主婦のちょっと変わった日常を描いています。

この“ちょっと変わった”ってところを楽しむ映画です。

Kame_haya

例えば、
・女の子が洞窟みたいなところで暮らしている
・近所の百段階段で“スパイ募集”を行っている
・海外へ単身赴任中の夫が口にすることは「亀に餌やった?」である
・豆腐屋がスナイパーだったり、水道工事屋が公安だったりする・・・等々
・町内会のくじ引きの商品が“地引網”・・・等々

なんか、最初からイチイチツッコミどころ満載なのです。

それをクスクス笑いながら見ていました。

結局のところ、
「歩いている姿を見ていると、のんびりした感じの亀」が
「水の中では意外と速く泳ぐ」ように、

「となりに住んでいる普通そうな夫婦」が
「実は見た目と違ってある国のスパイだ」
なぁ~んてこともあるかもね。

って話です。

「人より、ちょっと変わっている」という点で、上野樹里と蒼井優っていうのはピッタリのキャスティングだと思います。

特に、蒼井優ちゃんは、この映画に出ているなんて知らなくて見たのですが、
またまた
「いつもと役が違うけど、なぜかいつも自然」
な蒼井優ちゃんを楽しめます。
今回は、レスリングしたり、メンチきったり、アフロヘアーの蒼井優ちゃんを楽しめますので、お好きな方にはオススメです。

全体的にふんわり、ほのぼのした感じですが、
最初から最後までアチコチに笑いが散りばめられて、
見終わったときには、ちょっと体が温まる
そんな映画です。

神経的に疲れているときにオススメです。
ほのぼのすると思いますよ。

11月 6, 2007 映画-日本 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007/10/21

クローズド・ノート

女子大生のころの懐かしい香りがする映画でした。

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あまり、日本映画に詳しくないのですが、行定勲監督の映画は、他の監督に比べて言葉のリズムというか、間がしっくりするし、気持ちも分かるような気がするので、時間が合う限り見るようにしています。
そんなえらそうなことを言って、半分伊勢谷くん目当てだったりもします(^^;)

今回は、ある部屋に住み始めた女子大生・香恵(沢尻エリカ)が、その部屋にあった忘れ物の日記を読み始めることで始まるちょっと不思議な物語です。
香恵の近所に住む不思議なアーティスト石飛(伊勢谷友介)、香恵の前にその部屋に住んでいたのが伊吹(竹内結子)です。
香恵は、その伊吹の置いていった日記をつい、読んでしまうのです。

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なんでしょう。
女子高生とか、女子大生って自己完結型の恋愛をしがちですよね。
まぁまぁ、私にだって、そういう時代があったんですよ(^^;)
一人で、
「私があぁ言ったら彼がこう言って・・・」
みたいな妄想が暴走(ーー;)みたいな独りよがりの恋愛しちゃうんですよね。

たまに、そんな暴走恋愛が実を結んだりもしますが、多くの場合、あるとき魔法が解けるみたいに冷静になって、現実的な恋愛をするようになります。

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この映画に描かれているのは、香恵がその「妄想的恋愛」を卒業して、一つ大人になるまでが描かれています。

一方、魔法がかかったかのように成長がピタリと止まってしまったのは、石飛さんです。
香恵は、その石飛さんの魔法を解いてあげます。

香恵と石飛さんの両方にとって、「現実を受け入れる」という成長の物語なのです。

学生時代「妄想が暴走する」独りよがりな恋愛(主に片思い)の想い出がある人だったら、「あぁ~分かる~」と感じるところが多いと思います。

私も、何度か涙を流しながら(^^;)見てしまいました。

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最後にはなんだか、清々しい思いがしたのですが、そこでふと思いました。
なんで、あそこにあのノートがあったんだろう・・・。
私、ちゃんと見ていなかったんだろうか・・・とやや不安です(ーー;)
先生は、あのままノートを持って帰ったんじゃないかと・・思うのですが・・・。

きっと、香恵がそこにいて、そのノートを手にすることが必然だったのではないかと・・・。
(なんだか、スピリチュアルっぽいよ・・(ーー;))
その為に、あそこにあのノートがどうしても必要だったんだじゃないかと思います。

映画の内容よりも、エリカ様の話題が先行してしまったこの映画です。
もちろん、ファンを裏切るなんてことは、人前に出る以上、絶対にやってはいけないことだと思いますが、彼女を小さい頃からチヤホヤして、「あれはダメ、これはダメ、人の迷惑を考えなさい」と教えてこなかった周りの大人にも責任があるような気がします。

才能がある女優さんだと思っているので、このままいなくなってしまっては惜しいです。
彼女を大人(年齢ではなく、本質的に)にする道筋を作ってあげるのも周りの大人の役割のような気がします。

クローズド・ノート 公式サイト

10月 21, 2007 映画-日本 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2007/10/12

めがね

癒された~☆
キレイな海と緑。
時計も携帯もいらない毎日。

「かもめ食堂」第2弾といった感じですが、今回の舞台は日本の南にある小さな島です。
相変わらずの見ているだけで癒されるのんびり映画。

お話は、
「携帯が届かないところへ」旅行に島へ来たタエコ(小林聡美)は、民宿ハマダに宿泊します。
その民宿独特の雰囲気になかなかついていけないタエコですが、マスター(光石研)や、島で教師をしているハルナ(市川美日子)や、春にだけその島に滞在するサクラ(もたいまさこ)たちと少しずつ打ち解けてきます。
島の生活にもだいぶ慣れた頃、職場の後輩(加瀬亮)がタエコを探しに来て・・・

Megane01

何もないとこなんですよ。
観光地もないし、テレビもない。携帯もつながらないし、パソコンもない。
あるのは海と、畑と、民宿ハマダとサクラさんが作るかき氷だけ。

することと言えば、毎日おいしいものを食べて、メルシー体操して、「たそがれる」だけ。

どうだろう。
半年に1回ぐらいは、こんな一週間を過ごしてみたいよね。
私も、今年に入ってから、タエコさんみたいにカギ編みちょっと始めたんですよ。
でも、仕事が忙しくって、ちょっと手を付けられなくなっていることを思い出してね。
毎日ひたすらカギ編みするとか、やってみたいなぁって思って。

Megane02

居心地がいいなぁって思うのはね、みんな、あれこれ詮索しないのですよ。
「どんな仕事してるの?」とか、「結婚してるの?」とか。
そんな会話は無くっても、ちゃんと毎日一緒に生活できてるし、コミュニケーションとれてるのよ。

東京で抱えてしまった荷物は一つも持たずに、体一つできて、たそがれましょうよ。
日々の喜びには、メルシー体操。
かき氷が欲しかったら、作ってくれた人にお礼のプレゼントを。
これこそ、スローライフ。

癒されたい人にオススメです。

めがね 公式サイト

10月 12, 2007 映画-日本 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2007/09/03

リンダ リンダ リンダ

軽音でガールズバンドをしている女の子たちが、韓国人留学生の女の子をボーカルにして、ブルーハーツのコピーを文化祭のライブでやろう!って盛り上がっちゃう話です。

懐かしいなぁ・・と思うことばかり。

ブルーハーツもプリプリもジッタリンジンも軽音のライブも友達としゃべってるのが楽しかったことも。

Linda_linda_linda

ちょうど、そのバンドブームのときにリアル高校生だったからね~。
とっても楽しく見れたのです。

私が通っていた高校もこの映画と同じように体育館で軽音ライブを毎年やるのです。
本当はうちの学生しか入っちゃいけないのに、超ノリノリで盛り上がるライブだったので、中学時代の友達とかこっそり呼んじゃって、その友達には似たような制服を着てもらって、一緒にキャーキャーやりながら楽しんじゃったりしたのです。

この映画を見ながら、そんな楽しかった想い出がよみがえってきました。

やっぱり、その頃のバンドもブルーハーツとか、ユニコーンとか、筋肉少女隊とか、ジュンスカとかやってたんだよね~。
だから、この映画の“懐メロ”がリアルな世代でさぁ、なんか、ちょっと切ない感じもするのです。
また、その頃の曲を「あぁいいじゃん」って言いながら、みんな盛り上がっちゃうってステキじゃない??
そんな曲ってなかなか無いからね。

ちょっとね~ソンちゃん(ペ・ドゥナ)と一緒にカラオケ行きたくなったよ。

もともと、この映画を見ようと思ったのは、ペ・ドゥナが出ているからでして。
韓国映画じゃ小柄に見えるペ・ドゥナが、日本映画に出ていると背が高く見えるってのが、ちょっと不思議なのです。
いや~、不思議な感じのソンちゃんに、ペ・ドゥナはピッタリでした。
最初はほとんどしゃべることもできない日本語なのに、最後はしっかり日本語でブルーハーツを歌っているあたり、さすが女優さんです。

個人的には韓国語版「Can You Celebrate」が良かったな。もっと聞きたかった。
この後、ペ・ドゥナは『グエムル』に出たりして、本国でもますますのご活躍のご様子ですが、日本の「リンダ リンダ リンダ」に出たことが、彼女にとって思い出の映画の一つになっているといいなぁと見ながら思いました。
彼女達と一緒にいるのが楽しい!っていうのが、演技だけでなく、本当に心から思ってくれてるといいなぁと。

「高校時代の想い出は、15年経っても中身はあまり変わっていないな」って思える、ステキな映画でした。

リンダ リンダ リンダ 公式サイト

9月 3, 2007 映画-日本 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007/08/27

夕凪の街 桜の国

私には、妹のようにかわいがってくれる姉たちがたくさんいます。
その姉たちとの飲み会で、この映画の話題が出ました。
最近、最新映画についてチェックする時間があまり無かったので、その時は、この映画について「麻生久美子がいい」ぐらいの知識しかなかったのですが、姉たちが「すごくいいらしいから、時間があったら見て~」と言われたのです。
そのときは、「見れないかも・・・」と思っていたのですが、先週末、時間ができた上にまだやっていたので、見に行ってきました。

Yuunagi_sakura1

で、確かにいい映画でした。
ズルズルいいながら泣かせていただきました。
お姉さまたちどうもありがとうございます。

舞台は原爆投下後13年経った広島です。
主人公の皆実(みなみ)(麻生久美子)は母と二人暮らし、被爆してからも母と助け合って暮らしてきましたが、彼女たちには、そこにいるはずの妹と弟がいたのです・・。
そして、現代では、皆実の弟に娘・七波(ななみ)(田中麗菜)ができていました。

被爆者とその家族が見つめてきた戦後の話です。
麻生久美子(皆実)がですねぇ、泣かせるんですよ。
自分の体には、大きなヤケドがあって、原因不明の病気に悩まされているのに周りの人たちへの思いやりを忘れないのですよ。最後まで。
恨み言の一つも漏らさない。
悔しいとか、苦しいとか言いながら悶えて死んでいくのではなく、常に、亡くした妹を思い、遠くに住む弟を思い、苦労している母を思い、貧乏ながらも笑顔を忘れずに過ごすのです。
その健気で美しい姿に泣かされました。

Yuunagi_sakura2


好きな人がいて、結婚が目前だったのに、13年も前の原爆にさえぎられてしまう。

現代にもその皆実の姪の周りで同じようなことが起きてるんです。
被爆者の家族だからという理由で結婚を断られてしまう弟。

原爆の傷跡は未だに消えていない。
そう、改めて感じました。

原作はマンガだそうで。
存在すら知らなかったのですが、是非、読んでみたいと思いました。

夕凪の街 桜の国 公式サイト

8月 27, 2007 映画-日本 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007/05/10

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

日本映画が好調というけれど、正直、何を見ていいのかさっぱり分からない上に、あまり興味をそそられない。

でも、これは別。
一年前からお待ちしていたのです。

Tokyotower

ちょうど、一年ほど前、あまりにも評判が良かったので、原作の単行本を買ったのです。
近いうちに読もうと部屋に平積みしておいたところ、オダジョー主演で映画化することを知ったのです。
オダジョーと樹木希林と言われたら、さすがの私も、「観ようかな」と思うのです。

私、映画と本があった場合、「観てから読む」派なんです。
何よりも映画への愛情を大切にするために、「映画に対する先入観は一切持たない」という信念を貫いているのです。

まぁ、そんな私のどうてもいい哲学のために、リリー・フランキー原作の「東京タワー」はこの1年読まれること無く、本棚に平積みされたままになっていたのでした。

そんな1年間も待っていた映画を昨日、見てきたのです。

いや~、良かった。
待ってた甲斐がありましたよ。

全くストーリーを知らなかったので、すんなり入りました。

母親ってありがたいなぁ。

そんな映画でした。

普段一緒にいるためか、そのありがたさに気付いていない親不孝モノです。
私もマー君と同じように、一緒に生活していることで負担になっているんじゃないかと思っているんです。
そのため、マー君は高校入学と同時に一人暮らしを始めて、「立派だなぁ」と思ったんです。
私はそう思いつつも、親元同居ですから。
でも、そのマー君が「のびのびと堕落(このフレーズ気に入ったの)」していく様を見て、なぜかホッとしたんです。
「やっぱり、親に心配かけてるじゃないか」と。

つまり、親元にいようと、親から離れていようと、子は親にとっていつまでも心配の種なんですね。
もちろん、それは、私にとっての都合の良い言い訳です。
無理して家を出るよりも、親元で暮らすのも良いのかなぁって思ったんです。
それで、親が良いと言っているなら、側にいてやるのもいいかなぁって。
もちろん、出なきゃいけない時が来たら、出て行きますけどね(^^;)


オカンはマー君を立派な男に、一生かけて育て上げたんです。
マージャンで、オカンのお金を全て使ってしまうような男だったのに、東京で一軒家を借りるようにまでしたのは、オカンだった。
仕事も、お金も、愛情もすべてかけて。
自分の贅沢よりも、子どもの生活。
そんな姿が、私の母とダブってしまうんです。
どの家庭(じゃないかも知れないけれど)でも、オカンって偉大ですよね。

後半は泣きっぱなしだったけれど、マー君がオカンの手を取って信号を渡っているシーンが一番印象的で、すごく泣けてしまった。
少しうつむきながら、マー君の後ろからついていく背中の曲がったオカンと、マー君の姿がすごく美しかったのよね。
そこから先は、ずっとグスグス言っておりました(ーー;)

この日曜日は母の日ですし、日頃感じてない(それは私だけかも・・(ーー;))親の有難さを知るのにピッタリの作品です。

これで、原作本解禁になったので、読むのが楽しみです。

東京タワー オカンとボクと、時々オトン 公式サイト

5月 10, 2007 映画-日本 | | コメント (0) | トラックバック (3)

2006/07/05

DEATH NOTE デス・ノート 前編

原作の存在すら知らなかった私が、藤原竜也の演技見たさに足を運んだこの映画、意外と(失礼!)面白かったのであります。

Death_note1_1
<STORY> 警視総監を目指すエリート大学生 夜神月(やがみライト)(藤原竜也)は、常に正義感に燃えており、人を殺しておきながらも不起訴処分になってしまう人の多さに強く憤りを感じていた。 その時、彼の元に落ちてきたのは一冊のノート“DEATH NOTE”。 そこに名前が書かれた人は、その場で死ぬという・・。 ライトは半信半疑のまま、ニュースで流れる重罪人の名前を書いてみると、そこに書いてあるとおり、名前を書かれた人間は死んでいった・・。 そして、ライトの目の前に現れたのは死神リューク(声・中村獅童)だった。 彼がDEATH NOTEを落としという。 リュークは、ライトがDEATH NOTEを気に入っていることを楽しみ、ライトはリュークの代わりに次々と重罪人を地獄へ送る。 やがてライトはキラと呼ばれ、若者達から神のように崇め奉られる。 警視庁は、キラの暴くべく捜査本部をつくり、ライトの父・夜神総一郎(鹿賀丈史)が部長になる。 そして、警視庁がアドバイスを頼んだのは、天才探偵と呼ばれる“L(松山ケンイチ)”だった・・・。

「もしも、人間が天罰を下すことができたら・・」

Death_note1原作を知らないので、原作ファンはこれをどう思うのか、良く知らないけれど、ナカナカ面白かったのですよ。
もともとね、死神とか悪霊とか好きで、キアヌの『コンスタンティン』のような、不健康で、ちょっと世間を舐めてるような、皮肉っているような感じも良かったのね。
まぁ、きっとその辺は原作のアイディアがいいんだろうねぇ。

その中でも、特に何が良かったって、“L”の存在感がすごく面白かったね。
Lってば、ひたすら甘いもん食ってるしさぁ、生意気そうで、何だコイツ(ーー;)って雰囲気をかもし出しつつ、頭の切れそうな雰囲気が常に漂ってるのね。
そこは、松山ケンイチの演技がいい味出してたと思うなぁ。
『NANA』でしょ、『YAMATO』でしょ、私が見るのはこれで3本目だけど、どれもイメージが一致しないもんね。
毎回、役にどっぷり入り込んでいくのが得意なタイプの俳優さんだろうね。
あまりにも自然で巧さを感じさせないタイプ。
なかなか、今後が楽しみな俳優さんですの。

Death_note1_2それと、気に入ったのが、死神・リューク。
このCGがね、すごく良くできてたなぁ。
いや、あもちろん絵にしか見えないのよ。
中途半端にリアリティを持たせて寒くなるんだったら、ここまでアニメにしちゃって正解だったと思う。
獅童くんのアフレコもすごく良かったなぁ。
あんな死神に会ってみたいもん。

人を殺した場合、その犯罪者が受ける刑は「無期懲役」または、「死刑」しかない日本の司法ってすごく問題があると思う。
どうして、その間に「終身刑」ってのがないんだろうね。
「死刑」にできないなら、死ぬまで刑務所に閉じ込めてよ!って思うことあるじゃない。

Death_note1_3主人公のライトは、そこで司法が手を下せないなら、俺が最後の審判を下す・・。と、最初は神になったような気分でいたのね。
当然、それは間違っているわけで、小さな間違いがドンドン大きくなって、いつの間にかライト自身も無実の人を殺してしまうのね・・、そして、彼も犯罪者の仲間入り。
もちろん、人を殺した時点で、相手が重罪人だろうと、犯罪者だけど。
偶然なのか、狙いなのか良く分からないけれど、月とはラテン語でluna、Lunaから生まれたlunaticという単語は常軌を逸した人を表す言葉。
正義感たっぷりで、将来警視庁で悪を撲滅するはずが、自分が犯した罪に気付かず、エスカレートしてる。
まさに、彼の行動こそが、lunatic・・。

ライトは自分を完璧だと思ってる。
でも、“L”という存在が彼を苦しめ、彼が描いた完璧な軌跡からずれはじめるのね。
まさに、Lの存在こそが、ライトの誤算。
そして、もう一冊現れるDEATH NOTE、ライトとLの初対面・・。
おぉ~、面白くなってきたじゃない・・と思ったところで、次回へ続く・・。
つまらなかったら、後編はやめようと思っていたんだけど、原作読まずに、後半を待とうかな。

Death_note1_4最初の狙いは、藤原竜也だったのよ。
今回も、良かったですよ。
彼は、演技によって放出するオーラが違うから、毎回、飽きないのよね。
テレビ、舞台、映画、どれも見たけれど、やはり舞台が一番濃~いオーラを出してるって感じがするね。
で、今回のライト役だけど、マイナスイオンのような清涼感あるオーラが出ていたなぁ。
清涼感がある役じゃないんだけどね。
そこが面白いのよ。
人を何人も殺しているのに、なんだかとっても爽やかな雰囲気がある。

「もしも、人間が天罰を下すことができたら・・」

そんなことはできません。
私はDEATH NOTEを持っていても、誰の名前も書きません。
人を殺したいなんて思ったこともないし、復讐したいと思ったこともないので。
しかし、死神がいるなら、天使がいないと不公平だな。
この事件の解決は、天使にお願いしたいと思います。

DEATH NOTE デスノート 公式サイト

7月 5, 2006 映画-日本 | | コメント (3) | トラックバック (5)

2006/01/30

単騎、千里を走る。

このところ、仕事に追われ、出張に行ったりしていたので、映画を観に行く時間もなく、ブログの更新もせず、コメントやトラバの返しも遅れてしまいました。
コメント、トラックバックを送っていただいた皆さま、必ずお返事致しますので、もう少しお待ち下さい。
ご迷惑をお掛けしておりますm(_ _)m

riding_alone1そんな忙しい日々の中で、思うことはただ一つ。
「映画館に行きたい~!!」
そして、昨日、念願叶って時間ができたのでチャン・イーモウの新作であるこの映画を見てきたのですぅ~。
あぁやっぱりチャン・イーモウが描く田舎はいいなぁと思い、高倉健は日本の宝だと実感し、中国人と日本人の心の交流に涙々。
まぁとにかく、いい映画なの。

<STORY>
高田剛一(高倉健)は、田舎の漁村で細々と暮らす漁師。
10年前に息子の健一とつまらないケンカをして絶縁状態になって以来会っていないのだが、健一の嫁・理恵(寺島しのぶ)から健一が病気で入院したとの便りが届く。
久しぶりに上京して、息子の病室を訪れるが「会いたくない」と門前払いされてしまう。
息子に拒絶されてしまった剛一は会わずに帰ろうとするが、追いかけてきた理恵に一本のビデオを渡される。
中国文化を研究している健一が中国で取材している姿を写したビデオだという。
家に帰ってから剛一が早速ビデオを見てみると、剛一は中国の仮面劇を取材しており、俳優のリー・ジャーミンに歌を歌って欲しいと頼んでいるところだった。
しかし、リー・ジャーミンは、「今日は歌えないので次に会ったときに歌ってあげるよ」と言い、結局歌ってもらえなかったという映像だった。
そのビデオを見た剛一は、リー・ジャーミンと健一の間にできた約束を健一の代わりに果たそうと一人で中国に飛ぶのだが・・・。

riding_alone2
人って温かいんだなぁ。
反日感情ってのはどこにあるんだろう。
そんなことを思わず考えさせられる映画だった。

ズバリテーマは「人と人とのコミュニケーション」なんだけど、人付き合いの苦手な老人が単身中国を旅して、病気の息子のためにある目的を果たそうとするんだけど、大切なのは目的を果たすことよりも、人の温かさを知ることだったというお話なんだよね。

それがさぁ、全く言葉が通じない剛一に対する村人たちの優しさに温かい気持ちになるんだよねぇ。
日本語ができないガイドのチュー・リン。
剛一の告白に心を打たれる役人たち。
彼を喜ばせようと必死な刑務所の看守。
お互いに心が通じなくても心を通わせるヤンヤンと剛一。

特に、ヤンヤンに会いに行ったときの村人たちの歓迎っぷりが本当に心打たれたなぁ。
携帯がつながらないなら、電話貸してあげなよ(^^;)と思いつつ、みんなで高台まで電話を掛けに行く姿が妙におかしい。
遠くからお客さんが来たからと、町中のテーブルを引っ張り出して、お祭り騒ぎのお食事会も面白い。
この辺の田舎の描き方は、さすがチャン・イーモウよねぇ。
温かさが村人の表情からにじみ出てるもんね。

riding_alone3
泣いたシーンはいっぱいあるけれど、一番印象的なのは、泣いたシーンではなく、微笑ましく笑ったシーンだった。父親を知らないヤンヤンと、息子と10年絶縁状態にあった剛一の心の交流。
人付き合いが苦手で、言葉の通じない剛一が少年と一晩過ごすことで、コミュニケーションの大切さを思い知るんだよね。
それは、「あの頃を思い出して欲しい」と息子の健一が言っているようにも見えるシーンであり、ヤンヤンの意思を尊重する姿は、健一の意思を尊重してこなかった後悔の現れのようにも見えるんだよなぁ。
また、ヤンヤンがかわいいんだよねぇ。

riding_alone4
とても70代とは思えない高倉健はもちろん素晴らしかったけれど、日本でのシーンに登場する寺島しのぶもいい。
私は、映画の冒頭から寺島しのぶの告白で既に泣きそうだったから。
この人は、数少ないセリフに情感たっぷり込めてしゃべる人なんだよねぇ。
彼女の、夫を思い、義父を思う姿に泣けちゃうんだよねぇ。

人付き合いって面倒くさいこともあるよね。
気が会う人ばかりじゃないし、誤解も生まれるし、聞かれたくないこと聞かれちゃったりもする。
でも、「そんなリスクを背負っても、人と接して欲しい」とこの映画は願ってる。
面倒くさいからと引きこもってしまわずに、一歩前に出て欲しいと言っている。
中国人は日本人を嫌っていると錯覚を感じてしまうことがある。
でも、それはホンの一部であり、実際会ってみるとお互い分かり合えるはず。
それも、この映画が気付かせてくれたこと。

riding_alone5剛一は、息子にプレゼントを贈るはずだったのに、逆に息子からステキなプレゼントをもらったようだった。
見知らぬ人の中を単騎で走っているつもりが、最後には大勢の友人たちに囲まれ支えられていた。
そんな映画なんだよね。

私も、この映画からステキなプレゼントをもらったような気分になった。

多くの日本人に見て欲しい一本。

単騎、千里を走る。 公式サイト

1月 30, 2006 映画-中国, 映画-合作・その他, 映画-日本 | | コメント (23)

2005/12/30

男たちの大和/YAMATO

これが、今年最後の映画。
邦画だったっていうのが、自分では結構意外だけど、またしても号泣しちゃった。
私、戦争モノは苦手なので、泣くとは思ってなかったんだけどね~。yamato

<STORY>
鹿児島県枕崎の漁港で、神尾(仲代達矢)は内田真貴子(鈴木京香)に依頼され戦艦大和が沈んだ場所へ彼女を連れて行くことになった。
真貴子は、他にも多くの人に依頼したのだが神尾だけがその依頼を引き受けた。
なぜならば、神尾は戦艦大和の船員であり、大和が沈んで以来その場所に近づいたことが無く、一度は行かなければならないと思っていたからだった。
真貴子がその場所に行くことにも理由があった。
彼女の父は、戦艦大和の船員であり神尾の上官だったのだ。
その奇遇に驚く神尾だったが、その地に向かいながら、当時の記憶が思い出されてきた。
昭和19年の春、神尾(松山ケンイチ)は、戦艦大和に乗艦する。
そこでは、毎日のように厳しい訓練が繰り返され、神尾は森脇二主曹(反町隆)や、内田二兵曹(中村獅童)に助けられながら、訓練に耐えてきた。
そして、レイテ沖で初めて実戦を体験するが、内田は銃創を負って重体、他の船員達の多くの命を失った。
その後、日本の戦況は悪くなるばかりであり、昭和20年4月、大和は充分な装備も燃料もないまま沖縄へ送られることが決まった・・。


見てて、すごくズシンと来るのは、この映画に主に登場する人たちのほとんどが、私と同世代か、それ以下の人たちだった・・ということだったのね。
セリフの一つ一つに共感できたし、すごく身近に感じたの。
彼らが初めて経験する実戦のシーンは、まるで自分がそこにいるかのような気分になってしまって。
その時の恐怖感をすごくリアルに感じて、すごく怖くなって涙が出てきた。
最後の方は、震えと涙が止まらなくなっちゃったよ。

では、なぜ彼らのことがそこまで身近に感じたかというと、みんな普通の人なのね、母がいて、友がいて、妻がいて、子供がいて、恋人がいて・・という。
個々を取り巻く環境を知りながら、彼らを見ていると、どうも他人に思えなくなってしまう。
同世代の人たちもいるし、私が何も考えずに遊んでばかりいた頃の世代の子たちもいるし。
彼らは、たまたま戦争の時代に生まれてきて、たまたまその時大和に乗ることになってしまった少年兵。

その彼らが、生きるために必死になっている。
戦争に勝つというよりも、生きて帰りたい。
もうね~、その姿に涙が止まらないの。


佐藤純彌監督は、すごく演出がうまい監督だなぁ~。
と、この映画を見ながらつくづく思った。
どのシーンも、どのセリフも、心に響く演出をする人なのね。
「この人はテレビの人じゃない?・・」なんて心配は全く要らない。
全ての俳優が、ベストの演技を見せてくれる。

正直、反町がこんなに素晴らしい演技するなんて本当にビックリだったし、蒼井優の笑顔にはすごく泣かされる。

獅童くんの落ち着いた演技にもすごく泣かされたし、余貴美子もさすがの演技を見せてくれる。
白石加代子と、中島しのぶは大好きな女優なので、彼女たちの演技が見れてすごくうれしかった。

また、音楽もすごくいい。
映画が始まったばかりのときに、流れてきた音楽がとても情感溢れていて、「うわ~、この音楽だけでも泣けるなぁ」なんて思ったら、やはり久石譲。
美しいメロディと、泣きの音はさすがだなぁ・・・と実感。
この映画を見ながら、ひたすら思い続けたのは、「あぁ、この平和な時代に生まれて良かった」ってことだった。
それに、戦争に連れて行かれた少年兵たちについて考える良い機会になった。

戦争は、私には全く関係ないできごとではなく、もしも、今、戦争が起きたら、私と同世代か、もっと若い人たちが犠牲になるんだということを、忘れていたような気がする。
日頃、「もしも戦争が起きたら」ということさえ考えなくなっている今の時代に、この映画の存在意義があると思う。
日本人は、このときの戦争から学んで、少しは進歩しているんだろうか・・。
ちょっと考えちゃうな・・。

男たちの大和/YAMATO 公式サイト

12月 30, 2005 映画-日本 | | コメント (33) | トラックバック (112)

2005/12/14

スクールデイズ

毎年のように天才!!と言われる子役が一人や二人いるもんで、今年も『ALWAYS 三丁目の夕日』の子供たちが注目されたよね。
ハリウッドでは、ここ数年ダントツ巧い子役・ダコタ・ファニングは今年もその才能を発揮。
が、これが、10年ほど経つとその子たちがいつの間にか普通の子供たちになってたり、ハリウッドの場合は飲酒とドラッグで不幸な人生をたどってしまうことも多いよね。school_daze1
このスクールデイズの主人公・晴生は、過去にそんな天才子役だったというお話。
これがねぇ、途中まではすごく面白かったんだよねぇ・・・。

<STORY>
相沢晴生(森山未来)は、0歳から子役を初め、またたく間に大スターに。
小学生の頃、学問と仕事を両立できないことについて、父(鶴見辰吾)と母(いとうまい子)は衝突。
本人は、学校で楽しそうに遊んでいる子たちを見るなり、「普通の子に戻りたい宣言」をして引退。
しかし、世間はそんな彼に冷たかった、学校に通いだすも「過去のスター」は激しいイジメに会う。
過去の栄光を引きずりながら過ごす彼だったが、再度オーディションを受け始め、青春ドラマ「はみだし!スクール☆デイズ」にイジメられっ子の役でキャスティングされる。
しかも、晴生の名前はそのままという、まさにセルフパロディーの役だった。
「はみだし!スクール☆デイズ」での担任・鴻ノ池先生を演じてる赤井(田辺誠一)は、現場のカリスマであり、晴生が目指す俳優そのものだった。
そして、再びスタジオに通い始める晴生だったが、リアルな演技を求める彼は、どんどん脚本にのめり込んでいった・・・。

school_daze2
←劇場で展示されてた衣装。
田辺誠一と森山未来くんが着てたものみたいよ☆

この映画の中で出てくる「はみだし!スクール☆デイズ」ってのがさぁ、もろに「3年B組 金八先生」なのね。
もう忠実にパクッてるの。
初代金八を見て育った私としては、その様子を見てるだけでさぁなんかおかしくって。
クスクス笑いながら見てたのね。
で、お父さんが鶴見辰吾でしょ、晴生が0歳のときに、当時の「スクール☆デイズ」で生徒が産んだ赤ん坊の役として出演してたって設定だからね。
上手いよね~。
これで、“歩”なんて役名が付いてたらもっと笑えたのに。
が、そこまでやっても、今の高校生が見ても分からないよね(^^;)

キャスティングが良くてね。
「スクール☆デイズ」での同級生・一平役としてキャスティングされるのが、山本太郎くん演じる高井戸。
太郎くんさぁ、「29歳のクセに、高校生役で学園ドラマに出てる俳優」って設定でね。
それさぁ、26歳にして『バトル・ロワイヤル』に出演した山本太郎のセルフパロディ??
また、その役がおっかしいんだよね。
鼻毛ばっかり気にしちゃって(≧▽≦)
「高校生は鼻毛が出ない」って力説するの。
「役作りは鼻毛の手入れだけ」だって。
私も「う~ん。なるほど」なんて感心しちゃったりして(笑)
今回、太郎くんにはすごく笑わせてもらったよ。

ドラマの監督として登場するのが、田口トモロヲね。トモロヲさん、またしてもおかしかったなぁ。「逆にね。逆に」を連発してて。今朝ね、何気なくワイドショー見てたら、レポーターが「逆に」を連発してたの。トモロヲさん思い出したよ。あれって、現場のモデルがいるのかなぁ。

リアルな世界で笑わせてくれるのが、松尾スズキね。
この人、ホントおかしいんだよね。
相変わらずやる気ねぇ~~~って感じが良いんだよねぇ。

今回新しい面を見せてくれたのが、田辺誠一。
どちらかと言えば不健康なイメージがあったんだけど、今回、意外と青春スターの雰囲気が出てて良かったよぉ。
私、田辺誠一の『ハッシュ!』がすごく好きなんだけど、彼はコメディが合うのかもねぇ~。

そんな感じで(?)現実の世界と、ドラマの世界が交差しながらお話は進んでいくのね。
晴生は現実の世界でもイジメに合い、ドラマの世界でもイジメられ役なの。
前半は、「金八」のパロディやりながら、コメディタッチで進んでいくんだけど、途中から晴生がドラマの世界にのめりこみ、ドラマの世界がリアルな世界に入り込んでくるのよ。
きっかけは、現実感たっぷりのリアルな表情をしたときに、カリスマ赤井から誉められたこと。
もっと誉められたい晴生はよりリアルな演技をしようとして、現実の世界でもドラマと同じようなことをしようとするの。

そうすると、現実の世界で鴻ノ池先生の幻を見たり、ドラマの中で女の子にふられると、現実の世界で好きな子にふられたような気分になっちゃう。

でね、最後の方に、現実の世界で事件を冒しちゃうの。
それが、リアルとドラマの区別が全く付かなくなってしまったことによる悲劇なんだけどね。
でもねーーーーー、私が気になっているのはココ。
いかにしてその事件から晴生が立ち直ったかについて一切描いてない。
どうやって、立ち直って、現実世界に戻ってきたのかを知りたかったんだよねぇ・・。
あれじゃぁ、晴生の人生は同じことの繰り返しじゃない。
両親もあれで目が覚めるのかなぁ・・・。
誰のせいでそんなことになったのかの言い合いが続いて溝は深まるばかり・・・のような気がするけど・・。

天才子役がたどる運命を描くってのは、とても面白い題材だと思う。
私、以前にドリュー・バリモアがNHKアクターズ・スタジオ・インタビュー「ドリュー・バリモアは語る」で、子役当時のクレイジーなできごとについて話しているのを見たけど、自分を現実世界に引き戻して、再度その世界に戻るってのはすごく大変なことだと感じたのね。
だからねぇ、その辺にリアリティが足りなかったなぁって感じがした。
前半部分のパロディーの部分ではすごく笑えただけに、失速してしまった感もあり残念。
でも、守屋健太郎監督は30代ってことで、まだまだこれから。
がんばって欲しいなぁ。

スクールデイズ 公式サイト

12月 14, 2005 映画-日本 | | コメント (4) | トラックバック (13)

2005/12/09

カーテンコール

昭和30年代から40年代にかけて、映画の休憩時間に歌を歌ったりする芸人さんがいたのですね。
私、そんな人の存在すら知らなかったよ・・。
これは、そんな芸人さんの昔と今を描いているお話。
その背景にある人の人情や悲しさを描いた話ではあるけれど、全体的に物足りなさが残った作品だった。curtain_call1

<STORY>
橋本香織(伊藤歩)は、大手出版社の記者。
彼女が長い間張り込んでモノにした大物議員の不倫記事で昇進を狙っていたが、相手の女性が自殺未遂を起こし、逆に謹慎処分を受けてしまう。
そんな彼女を見ていられないと、恋人でもある上司は彼女を福岡の事務所に異動させる。
福岡ではタウン誌の記者を担当することになった香織の元へ一通の手紙が届く。
そこには、昭和30年代に下関の映画館を盛り上げていた芸人のことが書かれていた。
その手紙が気になった香織は、早速下関へ取材に出掛けることになった。
手紙にあった映画館は今でもそこにあり、当時を知る店員の絹代(藤村志保)から話を聞くことができた。
その芸人は安川修平(藤井隆)といい、昭和33年からそこで従業員として働きはじめ、ある事故がきっかけで映画の休憩時間に余興をすることになったという。
香織は、絹代の話にのめりこむが、肝心な修平の居所が不明だった。
久しぶりに父のいる実家に帰った香織は、修平の話を父としているうちにヒントを得て、修平の居所を探し始めるのだが・・・。

curtain_call2
この映画、公開されてからだいぶ経つので思い切ってネタバレしてしまうけれど、実はこの修平が在日朝鮮人だったことが分かるのね。
もちろん昭和30年代だから、今では想像つかない程の差別があったと思うけど、当時映画館で大人気だった安川さんが実は在日だったというお話なのね。
しかし、映画館は斜陽になり、安川さんの出番が無くなり、一家離散・・・。
そんな芸人の存在すら知らなかった私には、へぇ~~~~と思うようなお話だったのね。
ただ、どうにも一味食い足りない・・。

安川さんが再就職できなかったのは、在日だったからか、それとも才能が無かったからなのか・・。
多分、在日じゃなかったとしても、芸人として生きていくのは大変なはずだったと思う。
子供のために肉体労働するとか考えなかったのかなぁ・・。
ただの育児放棄じゃないか・・と思ってしまうけど。
多くの人に幸せを与えた人のその後の人生の皮肉は感じるけれど、人生を立て直す方法もあったような気がしてしまう。

curtain_call3
最近は在日をテーマにした映画が毎年のように作られていて、『GO』とか『パッチギ』のような在日のリアルな激情を見せられると、この映画のような描き方ではちょっとインパクトが足りない。
それに、役者にもリアリティを感じない。
鶴田真由は昭和40年に生まれたようには見えないし、父を許せない理由は分かるけど、父を許してしまう理由が分からない。
それに、井上尭之は演奏が上手すぎる!!
売れない芸人の音楽じゃないでしょ。
思わず聞き入っちゃったじゃない。

一番物足りなかったのは、主役の香織ね。
“議員のスキャンダル”という低俗な記事に自分の出世を賭けていた子が、一転、人情溢れる記事を書くことで、どんな成長をしたのか。
実際、どんな記事に仕上がったのか。
私はそこが見たかったのに、結局、彼女がどんな記事を書き、人としてどんな風に成長したのかが描かれないまま終わってしまった。
不完全燃焼なんだよね~。
他人のスキャンダルで注目される記事よりも、昔ながらの人情を伝えることの方が素晴らしいと思ったんじゃぁないかな。
その辺をもっとしっかり伝えてくれればよかったのになぁ・・・残念。

でも、きっと同じような映画館で育った人には、それなりのノスタルジーがあることでしょう。
私のように、そこに郷愁を感じない人にもどこか懐かしさを感じるような工夫をして欲しかった。
この前に『ALWAYS 三丁目の夕日』を見ただけにより強くそう思ってしまう。
『ALWAYS 三丁目の夕日』と同じ時期に公開したことが間違いだったかもしれない一本。

カーテンコール 公式サイト

12月 9, 2005 映画-日本 | | コメント (8) | トラックバック (34)

2005/12/01

空中庭園

監督の覚せい剤所持による逮捕というニュースで有名になってしまったこの映画。
私もその事件がきっかけで知ったのだけど、ちょっと気になったので、見に行ってきた。
作品的には、・・そうだなぁ、ちょっと微妙かな。kutyuteien1

<STORY>
京橋家は、「家族に秘密がない」ことをモットーにしており、家族同士があらゆることを包み隠さず話すことにしている。
しかし、彼らはそれぞれ秘密を抱えている。
父・貴史(板尾創路)は、麻子(永作博美)とミーナ(ソニン)の二人の愛人がいるし、長女・マナ(鈴木杏)は、学校に行くフリをして学校に行かず、ボーイフレンドと遊びに行ったり、ラブホテルに行ったり。
長男・コウ(広田雅裕)は、何をしているのか、何を考えているか分からないが、ミーナに気があるらしい。
入院している肺がんの祖母・さと子(大楠道代)を見舞い、近所のそば屋へパートに行き、いつも笑顔の母・絵理子(小泉今日子)には、秘密がまるでないように見えたが、彼女には一つだけ秘密があった・・。

完璧で幸せそうに見える四人家族。
でも、本当の顔はその裏にある。

これって、ケビン・スペーシーとアネット・ベニングの『アメリカン・ビューティー』に似てる。
妻は、完璧で美しい家族を作ろうとするけれど、それは幻想だと知っている。
夫は、若い女に参ってしまい、子供たちは親が思うようには育ってくれない。
そして、『アメリカン・ビューティー』は、その後、“思い込み”が家族を壊してしまうけど、この映画は、その“思い込み”を内面から打ち崩すことで家族の崩壊を防ぐことに成功する。
そのラストが決定的な違い。

そして、この映画には、もう一つの大きな特徴がある。
それは、“家族を支えるウソ”。
みんなウソを持っているけれど、それをバラさないことでバランスを保っているように見えた。
私のような凡人からすると、“家族の間に秘密があってはいけない”なんて考え方からして、「はぁ?」って感じなんだよね。
いちいち、そんな家族のモットーを作ってしまう辺りからして寒い感じだもん。
まぁ、もちろん、その「秘密がない」ってことが既にウソな訳で、この家族はすでにウソで固められた家族なのよ。
それは、マナとモッキー(勝地涼)の会話で、モッキーも言ってたじゃない 「そんな家族あり得ない」って。
「家族の間に秘密はない」というウソで支えあっているからこそ、彼らは決してウソをバラさないんだろうねぇ。
一つのウソがばれると、全てが崩壊してしまいそうな気がするんだろうなぁ。

その家族に割って入ってくるのが、さっちゃんばあちゃんと、夫の愛人たちなのよね。
このままでは、この家族がバラバラになってしまうかも知れないと気付いたさっちゃんが、絵里子の目を覚まさせる。kutyuteien2
そのきっかけになってるのが、セフレからの電話とミーナ先生ね。
「ここで、もしや全てが崩壊するかな・・・」と思ったんだけどね。
持ちこたえたよね~。
正直な話、私としては『アメリカン・ビューティー』のような家族の崩壊を期待していたのね。
こんな家族嫌だモン。
なんだか、つながりが薄っぺらくてウソッぽく見える。
でも、この話はそうではなく、そうやって浮遊したまま存在し続ける方を選んだのよね。
マナ流に言うと、「地に足が着いていない感じ」ね。
そこがねぇ、ちょっと物足りなかったかなぁ。
「こんな家族、壊してしまえ」と思っちゃうけどな。
逆に、それが現代にある家族のリアルな実像なのかもしれないけどね。

この映画、キャスティングと演出がすごく成功していると思う。

大楠道代はまたしてもイイネ。座ってタバコ吸ってるだけで、雰囲気出てるしね。さっちゃんかっこいいよなぁ。あの着物姿なんて、本当にかっこいい。

キョンキョンもねぇ、良かったな。
『風花』以来かなぁ、いいなぁと思ったの。
コンビニで雑誌を読んでいるときに、マナに肩を叩かれて振り返った時の崩れっぷりが良かったなぁ。
しかし、相変わらずキレイな人ですね。

いい女優になってるよねぇ。

そして、良かったのは、板尾さんよ。
あのMっぷりったらすごいよね。
すごい自然に役にハマりきってた。

ソニンも、計算高い嫌な女なのに、あまり嫌な感じがしないのが不思議でいいねぇ。
すごく自然にSだったし。

期待の杏ちゃんは、残念ながら今回はあまり腕を見せる場所がなくて残念。
そうそう、今回の目的は「杏ちゃんが出てるから」だったりするからさぁ、次回に期待するね。

なかなか見ごたえのある映画だし、いろいろ家族について考えるきっかけになる作品でもあると思う。
ただ、私は結末に不満ありで、ちょっと納得いかないこともあったかな。
それとねぇ、この浮ついた家族を表現するように、画面がグルグル回ったり、フワフワ浮いたりすることに、ちょっと途中で飽きちゃって。
もしや、これは麻薬の影響じゃ・・・なんて余計なこと考えちゃうしね。

でもまぁ、見ても損はない映画かな。
考えたい映画を見たい人にはオススメ。
今度、原作でも読んでみようかな。

空中庭園 公式サイト

12月 1, 2005 映画-日本 | | コメント (15) | トラックバック (40)

2005/11/29

ALWAYS 三丁目の夕日

泣いたわよ。
まさかと、自分でも思ったけど、泣いたわよ。
まぁ、最近、涙腺ゆるゆるだけどね。
でも、きっとまだの人も、見ると泣くかもよ。always

<STORY>
戦後間もない東京下町、東京タワーのすぐ近く。
いろんな生活がそこにはあった。
駄菓子屋・茶川商店の茶川竜之介(吉岡秀隆)は、作家を目指して応募をし続けているが、どれも落選してばかり。
茶川商店の向かいの鈴木オートは、社長の鈴木(堤真一)が、青森から集団就職で東京に来た六子(堀北真希)をつれてきたばかり、妻のトモエ(薬師丸ひろ子)と、一人息子の一平(小清水一揮)は、六子を温かく迎える。
茶川と鈴木が行きつけの飲み屋・やまふじを経営するヒロミ(小雪)は、訳あって友人の息子・淳之介(須賀健太)を預かることになるのだが、お人好しの茶川に“ほぼ色仕掛け”で、淳之介を預けてしまう。
よった勢いで引き受けてしまった茶川だったが、淳之介が偶然茶川の書いた少年向け小説のファンだったことから、気をよくして二人で暮らし始めることに。
自動車修理を主な仕事にしている鈴木オートでは、さっそく六子を新入社員に迎え、仕事をさせようとするが、履歴書に書いてあった「特技:自動車修理」がウソであったことが分かり、鈴木の怒りが爆発してしまうが・・・。

まぁ、すごいのがですねぇ、ここには、“いい人しかいない”のよ。
悪人が一人もいないんだから。
そこからして、普段の私だったら、眉唾もんでね、「そんなぁ、やり過ぎでしょう~」と、クールダウンしちゃうのよ。
が、三丁目のみなさん、面白いのですよ。
ちょっとした一言にクスっと笑ったり、微笑ましかったり。
なので、シラーッとする前に、「まぁ、この人しょうがないねぇ」なんて思いながら、物語に引き込まれちゃうのよねぇ。
あまりにも温かすぎる人たちに、ちょっと違和感を感じながらも、その温かさに安心感を覚えちゃったりもする。

時代は、私の両親がちょうど六子の歳ぐらいのころ。
両親共に、東京と横浜で育ったため、この風景はよく親からの話で聞いていた世界だった。
町には市電が走っていて、その頃から先端だった銀座の姿も。
でもねぇ、50年でこんなに変わるのかぁ・・。
と言うぐらい、衝撃的だった。
町並みは変わっても、なんとなく、今でも名残のある上野駅が嬉しかったりして。
あそこが、東京タワーなら、ここは、浜松町?品川あたり??なんて思いながら、楽しんだりもした。

そんなホノボノした昭和ど真ん中の世界の中で、私を泣かせたのは吉岡秀隆よ。
北の国からと共に育ってきた私にって、彼はいつでもどこでも、黒板純なんだけどね。
その吉岡くんはですね~、毎度映画やテレビに出てきちゃぁ私を泣かせるのよ。
だから、今回もやばいと思ったんだよねぇ。
で、案の定、吉岡くんと淳之介のシーンで泣いてんのよ。
絶対ねぇ、10年後には淳之介が、「あんとき家出てれば良かった」と思うに決まってるのよ。
それでもねぇ、淳之介の手紙のシーンからもうダメよ。
そして、さらに手紙攻撃で六子のお母さんの手紙も重なって号泣。
さらに、さらに薬師丸ひろ子の「子供の顔を見たくないお母さんなんて、いないのよ」で、もうだめよ。
ここの、二つの親子のエピソードがズドーンときたなぁ。


この映画、キャスティングがすごく豪華。
が、小雪がアバズレに見えないとか、ピエール瀧とマギーはもっと見たかったとか、個人的にはいろいろあるけれど、吉岡くんに、堤真一、薬師丸ひろ子は良かったね。
あぁ、あと子役も良かった。
本当に昭和顔(?)してるからね。
まだ、まだあぁいう、イガグリが似合う少年たちもいるんだねぇ。
なんだか、とってもありがちな話ではあるけれど、当時を知らない人もなんだか懐かしく、

当時を知っている人なら尚更懐かしく、それでいて、親子愛にジーンとくる一本。
泣きたい人にオススメ。

ALWAYS 三丁目の夕日 公式サイト

11月 29, 2005 映画-日本 | | コメント (71) | トラックバック (219)

2005/11/23

TAKESHIS'

今年のカンヌで、この映画のポスターが出たと聞いたときに、「おぉ~、見なくては(@@)」と思い、ヴェニスでサプライズ上映された時にゃ~、「難解、難解」と言われたのを聞いて「見たいわ~」の思いを強くしたアマノジャクな私です(^-^;)/
でね、どんなツマラナイ映画なのかとかなり覚悟して行ったんだけどね~。
とんでもない、かなり楽しんだよ。

<STORY>
俳優のビートたけしは、テレビ局のスタジオで自分のそっくりな人間“北野”に出会う。
北野は売れない俳優で、オーディションを繰り返し、その間にコンビニでアルバイトをして生計を立てている。
しかし、それ以来、北野の生活が変わり始める・・・

いや~、困ったもんでストーリーなんて無いんすよ。
はっきり言って。

映画を撮るのは映画監督だけど、それをどう感じるかってのは観客の自由なので、今回は(いつもだけどね(ーー;))、私の勝手な解釈を・・。

これはですねぇ、「いろんな北野武が見た夢」をパズルのように組み合わせてできてるの。
“複数のたけしの夢”
だから、きっと“TAKESHIS’”の後には“DREAM”が続くんじゃないかなぁ。
途中から、「おぉ~、これは夢ね・・」と思い始め、「この映画を、夢診断が専門のおエライ精神科医とかに見てもらったら、どんな性格分析が出るんだろうなぁ」と思っていたら、「夢で逢いましょう~♪」なんて声が聞こえてきた。
いいねぇ♪妙に嬉しかった瞬間だったなぁ。

夢だから、身近な人たちが多数登場する。
相方のビートきよしとか、常連の大杉漣、寺島進、付き人のゾマホンとかね。
それにヤクザのみなさんと、追っかけのファン、「うちのタレント出してくださいよ」としつこいマネージャー。

この夢全体を通して、最も印象的なのは、“死”への恐怖感。
「いつか殺されるかもしれない」とか、「自殺願望」とか、いろいろ出てくるけど、ゴロゴロ転がっている死体の間を立ち止まりつつ、時には踏みつけつつ車を運転してる姿は象徴的だったなぁ。
あの中に、もう一人の北野武が転がってたら、さらに面白かったのに。

それと面白かったのは、「追っかけ」の位置づけ。
このタケシは、追っかけに対して何もしない。

声も掛けないし、サインもしない。
それでも、いつまでも長い間、待ち続けるファン。
ある日、突然いつもの場所にいないと急に寂しくなるの。
ファンを喜ばせるようなことは一切しないけど、いなくなると寂しくなるんだね。
そこに、ファンに対する思いのようなものを感じたな。

あとねぇ、「京野ことみのジーンズを脱がすとき」が妙に面白かった。
夢に見てたのに、いざとなるとモタモタしちゃうの。
しまいには、横槍入れられちゃって。
あれって女性に対する罪悪感なのかしらねぇ~(^m^)

メインで登場するのは、ボロいアパートに住んでるタケシ。
彼は、常に売れなかったころの自分を捨てきれずにいるんだろうなぁ。

でも、夢の中でもう一人の自分に会う・・なんて、不思議な夢を見る人ね。

この映画の中で、もう一つ特徴的なのは、過去の北野作品がいろいろ出てくるところ。
『ソナチネ』とか、『HANA-BI』とかね。
その辺はねぇ、過去の作品が夢に出てきたというより、今までの作品は夢にインスパイアされていることが多いんじゃいかなぁ~と思ったね。
あぁやって夢に出てきたシーンを、映画にしちゃったんじゃないかなぁなんてね。

ま、結局はですねぇ、“「北野武の夢を体感しちゃった」って感じのお得”を感じた映画だったな。
もしも、「これは難解だし・・(ーー;)」と思って映画から遠ざかっている人がいたら、“「北野武の夢」を擬似体感してみよう!!”なんて軽い気持ちで見てみたらどうでしょう。
他人の夢って結構面白いよ。

傑作ではないけれど、北野武の思考回路を覗いてみたい人にオススメの一本。

11月 23, 2005 映画-日本 | | コメント (13) | トラックバック (61)

2005/11/22

同じ月を見ている

「顔が大人になったなぁ」と、久しぶりに窪塚洋介を見て思った。
もしかしたら、あの事件が彼にとってプラスに働いているかもしれない。
でも、この映画の見所は窪塚洋介ではなく、エディソン・チャンだった。onajitsukiwomiteiru1

<STORY>
鉄矢とドンは、仲の良い幼馴染。
小学生の二人は、近所の森の中に隠れ家を作り、二人でそこでよく遊んでいた。
特に、ドンには“念力”という力があり、鉄矢が思うことを絵で表現するという不思議な力を持っていた。
ある時、そんな隠れ家をこっそり覗いている女の子がいた。
その子は、名前をエミといい彼女もその仲間になった。
実は、エミは生まれた頃から心臓が弱く、学校に行っていない。
エミにとっては、鉄矢とドンだけが友達になった。
それから時が経ち、鉄矢(窪塚洋介)とドン(エディソン・チャン)と、エミ(黒木メイサ)は思春期を迎える。
両親がいないドンは、近所の子供達から嫌われ、鉄矢はそんなドンから距離をおいてしまう。
エミは、いつまでも三人でいることを望むが、鉄矢はエミの心が読めるドンに嫉妬する。
そして、エミの住む森で山火事が起きてしまう。
火事の中、ドンが書いてくれた絵を取りに戻ろうとするエミの代わりに取りに行ったエミの父は焼死、エミと母は助かるが、ドンは容疑者として逮捕され、刑務所行きになってしまう。
事件から数年後、鉄矢は心臓外科医を目指す研修医として働き、エミと鉄矢は付き合っていた。
その鉄矢の前に刑事が現れる。
「ドンが刑務所から脱走した」
そのニュースを聞いて、心が乱れる鉄矢とエミだった・・。

うーーーーーん。onajitsukiwomiteiru2
正直言って、「結局、何が言いたかったのか」が、あまり伝わらない映画だった。
兄弟のように育った二人の男の子が、思春期のときに距離をおき、それが思わぬ方向に・・。
という話の展開で、きっと思春期を天真爛漫と過ごせず、いろいろと思い悩んで過ごした人なら、「あぁ分かるなぁ」と思うことも多いでしょう。
が、イチイチ「え?それはなぜ?」と思うことが多々あり、あまり入り込めなかった。

↓ネタバレあり。映画を見てからご覧下さい。

まず、エミなのですが、「心臓病を患っていて、いつ死が訪れるかわからない人」には、とうてい見えないのですよ。
あんな風に、階段を駆け下りたり、駆け上がったりするんでしょうか・・?
私も、そのような人を何人か知っていますが、そんなことをしたところを見たことがないね。
ちなみに、私はかなり健康だけど、あんなことしたらそれだけでゼーゼーで死にそうになるな(^^;)

この映画にとってとても重要なドンちゃん。「なぜ、出所間近の人がわざわざ脱走してあの絵を書いた」のでしょう・・・?ドンちゃんはラストを知っていたから・・?もしや、私が気を抜いている瞬間にどこかで説明があったのかな??

ドンちゃんの才能に嫉妬する鉄矢だけど、研修医ってのは晩飯食う時間も無い程忙しいんでしょ・・?
なんで事件がある度に、そこに現れるんだ・・。

“エミのお父さんの死”に対して、エミやドンちゃんや鉄矢が負い目を感じるようなことは無いの?

あぁ~、そうか、それで墓参りのシーンが入ってるのか・・。
でもなぁ、あのシーン、あまり感情が伝わってこないなぁ。

ラストのクライマックスは、いきなり『バックドラフト』だったし。
カート・ラッセルかと思ったよ (^^;)

さらに、“心臓移植”ってのは、あんなに簡単にしないでしょう・・(ーー;)
そういうこと言っちゃイカンかもね。
でも、ちょっとビビリましたわ。
「この人脳死!」って決定したら、両親がいない人の場合、勝手に移植しちゃうの?
あぁ、ドンちゃんは“いい子”だから、マメにドナー登録とかしてて、ドナーカードとか持ってたのかもね。
でも心臓移植はねぇ・・・。

↑ネタバレ終了。

まぁ、そんな感じでツッコミどころ満載だけど、ドンちゃんを演じたエディソン・チャン(あぁ~、やっとショーン・ユーと見分けがついたよ~(^^;))は、透明感があって良いですね。
日本語の発音もかなり良い感じでできていましたが、『バックドラフト』のシーンで、カタコトがすっかりバレちゃうね。
しかし、あぁやって、日本の俳優と並べてみるとスターのオーラっぷりが全く違うってのが良く分かるね。
セリフが無くても、ジーーーーー( ̄- ̄)っと見つめてしまうから、その辺ではエディソン・チャンの起用は正解だったかも。
ドンちゃんには、そんな雰囲気が必要だったから。

それと、やってくれましたよ。松尾スズキ。
もう~、さすが。
私、大爆笑でございました。
もう、ホント出てくれてありがとうm(_ _)mって言いたいぐらいおいしかった。
出番少ないけどね~、大活躍だったねぇ。
「えぇ~(@@)これって銃創じゃ~ん」のセリフに爆笑(^▽^*)

で、イジワルな私には、結局、「邪魔者もいなくなったことだし、メデタシメデタシだね」
って感じに見えましたが・・(ーー;)
そういう、したたかな人間を描く映画だったのかな??
私から一つだけ、お願いがあります。
「鉄矢に罪を償わせろ」
じゃないと、私は、ドンちゃんほど心が広くないので、気持ちがすっきりしないよ~。

エディソンファン、大人計画ファン(ほんのちょっとしか出ないけどね)にオススメの一本。

同じ月を見ている 公式サイト

11月 22, 2005 映画-日本 | | コメント (14) | トラックバック (44)

2005/11/11

春の雪

行定監督は、長編第一作の『ひまわり』を偶然見ていて、それ以来、気になる監督の一人。
今回も、原作はよく知らないし、内容もあまり知らずに行ってみた。
ちょっと、どうかなぁ~と思いも抱いていたのだけど、思いのほか感動して泣いて帰ってきましたよ。harunoyuki


<STORY>
松枝清顕(きよあき(妻夫木聡))は、公家での優雅さを身につけるため、綾倉家で育てられる。
綾倉家の令嬢・聡子(竹内結子)は、幼馴染であり、将来は清顕の許婚(いいなずけ)になると両家が思っていた。
それから数年後、青年になった清顕だったが、聡子に関心がある様子を見せようとしない。
清顕の親友である本多(高岡蒼佑)は、聡子の美しさに興味を持つ。
しかし、聡子の心は清顕に向いていた。
そんなあるとき、聡子に宮家から縁談の話が持ち上がる。
宮家の王子・洞院宮治典王殿下(及川光博)が聡子に一目ぼれしたのだった。
清顕の嫁になるつもりであった聡子は、毎日手紙を書き、清顕の気持ちを確かめようとするが、返事が無い。
そして、縁談話は進み、聡子が宮家に行く話は新聞に載ってしまう。
そのことに関して、関心が無いように振舞っていた清顕だったが、新聞に掲載された途端、聡子の侍女・蓼科(大楠道代)を脅して、聡子との逢引を設定する。
その時から、二人は恋に落ちる。
しかし、その恋は決して許される恋ではなかった・・・・。
harunoyuki1清顕の悲しい恋を見ながら、涙が溢れてしまったのは、彼があまりにもおバカさんだったから。
清顕は、なんでも手に入る満たされた生活をしていた。
そんな彼には、「手に入って当たり前のもの」には興味が無い。
「手に入って当たり前のものがあることへの有難み」を知らないから。
それゆえ、聡子には冷たく当たってしまう。
彼女は、「当然将来手に入る」ものだから。
しかし、彼は常に聡子を気にして、本当に愛していたのに。
それは、初対面であるシャム王子まで気付くほどのことだったのに。harunoyuki2
が、本当の清顕は、「失うこと」を恐れていた。
自分の命を失い、聡子を失うのではないか・・。
夢に見た喪失感は、彼を臆病にしてしまっていた。

そんな清顕は、二人の間に入り込む運命によって本当の恋に気付く。
「当然手に入る」はずのものが、宮家という権力によって失われてしまったから。
ここから、その権力に一人で立ち向かっていこうとする男の意地と、命を懸けた恋が始まる。
そこで、「最初からちゃんと許婚にしておけば、こんなことにはならなかったじゃない」と、思う。harunoyuki3
それについて清顕は「もしも、これが許された恋ならば、こんなに大胆になれただろうか・・」と言う。
そうなのだ。
清顕は、権力に立ち向かいつつ、失ったものを奪い返すというスリルを恋のエネルギーにしている。
だからこそ、私は泣けてしまう。
この人は、知識も豊富で何でも手に入る完璧な男ながら、ただの若い男の子だったのだ。
「好き」とか、「愛している」と素直に言えない男の悲劇がそこにあったんだ。
harunoyuki4清顕と聡子を演じる、妻夫木聡と竹内結子は、可もなく、不可もなく・・といった感じだけど、「完璧な男」が聡子に見せる「冷徹さ」がちょっとイマイチな感じもする。
私的には、『メゾン・ド・ヒミコ』のオダギリジョーを思い浮かべ、オダジョーの方が良かったかな・・。とも思った。
でも、後半の恋する清顕の感情はよく出ていたので、ブッキーで良かったのかな・・とも思う。
注目は、脇を固めるベテラン俳優のみなさん。
蓼科役の大楠道代、清顕の祖母役の岸田今日子、清顕の執事役の田口トモロヲ・・。
特に、大楠道代の存在感は圧倒的。
すごく良かった。

清顕と聡子の恋の運命は、すべてオープニングに凝縮されている。
百人一首の歌を詠む聡子、それを黙って聞いている清顕。
その裏では、松枝家を良く思わない聡子の父が、蓼科と密かに復讐を企んでいる。
舞い散る桜吹雪(=春の雪)。
もう、そのころから既に、二人の恋の間には邪魔が入っていた・・。
映画のラストになってはじめて、オープニングの意味を理解するという輪廻転生が映画の中にも起きていた。

私が最も好きなシーンは、馬車で雪を見に行くシーン。
聡子は、子供のように雪に喜び、そんな聡子に珍しく優しい清顕。
あれが、一番幸せな瞬間だったように思う。

三島由紀夫の原作を読んでみようかな・・と思った。←最近、そればっかり(^^;)
美しい日本の四季を背景に描かれる悲恋の物語。
ちょっと輪廻転生も信じてみようかな・・と思う今日この頃。
美しい日本の四季と、素直に愛してると言えない古典的な日本の恋に興味のある方にはオススメの一本。

春の雪 公式サイト

11月 11, 2005 映画-日本 | | コメント (27) | トラックバック (66)

2005/10/21

蝉しぐれ

どうも、中学・高校時代、歴史の授業がすごく苦手で、「大切なのは、過去よりも未来だろ!!」なんて、傲慢な考えをしてまして(ーー;)
が、映画を見るようになってから黒澤作品を見るようになり、時代劇の面白さを知るようになったのです。
しかし、なにせ歴史の勉強が嫌いだったことが、私を悩ませるようになり、以後、なるべく積極的に時代劇の映画を見て、少しでも知識を増やそうと必死になったのです。
そんな訳で、見に行ってまいりました。semishigure_1

<STORY>
武士・牧助左衛門(緒方拳)の元で育った文四郎(石田卓也・子役)は、隣人の娘・ふく(佐津川愛美)に淡い恋心抱きながら、友人である逸平、与之助たちと共に日々剣術の鍛錬をして暮らしていた。
ある日、与之助は、剣術が上手くならず学問が好きなことから江戸へ行くと言う。
さみしい思いをしている文四郎に悲しい知らせが入る。
殿の世継ぎに関して抵抗勢力に加担したとして、助左衛門が処刑されてしまう。
それ以来、罪人の子として世間から冷たい視線を浴びるが、そんなときでも理解を示してくれたのは、逸平とふくだった。
そんな文四郎にさらに悲しい知らせが入る。
ふくが江戸へ行くことになったという。
一目会いたいと追いかける文四郎だったが、途中で邪魔が入り会えることができずにふくは江戸へ。
その後、時が経ち、成人した文四郎(市川染五郎)は、名誉を回復され村周りの仕事を与えられる。
与之助も江戸からもどり、再会を喜ぶ文四郎、逸平(ふかわりょう)、与之助(今田耕司)。
しかし、文四郎は与之助から驚くべき話を聞かされる。
あのふく(木村佳乃)が、江戸で殿の側室となり、子供を妊娠するが跡目争いに巻き込まれ流産したという。
そんな与之助の話を聞いて、心がざわつく文四郎だった・・。

ここに描かれるのは、失われた日本の美。
自然の美しさと人の心の美しさ。
当たり前のような虫や鳥の声、森の緑と稲穂の美しさ。
都会からは何十年も前に失われてしまったもの。
人として正しいことを行うという義の心。
それも、いつからか人の心から忘れられつつあるもの。

市川染五郎がいい。
彼が出演した歌舞伎の舞台を見たことがあったものの、映画で見るのは初めてだった。
semishigure_2ずっしりと腰が入った殺陣と、武家屋敷にぴったりとはまる所作の美しさは、さすが!! で、彼以上に表現できる人はなかなかいないだろうな。
また、彼がふくを見つめる視線には、常に切なさが宿り、ふくと文四郎の間にあるどうしようもない悲しさが画面を引き立てていた。

でも、残念ながら、この映画で見るべきは、お染の演技と、美しい景色だけだった。
まず、今の時代に、このテンポはキツイ。
ちょっとねぇ、ゆっくりすぎて退屈になってしまう。
あわただしくする必要は無いけれど、少しテンポを早くして欲しかった。


それと、テレビのお笑いさんをこの映画に出した理由は何かあるの?
与之助も逸平もすごく重要な役だと思うんだよね。
友人のために命を懸ける、それこそ「義の心」を表現する役柄だからね。
ところがさぁ、このキャスティングじゃぁ予想通り、セリフ言うのが精一杯な感じじゃない。
緒方拳、原田美枝子、市川染五郎、大滝秀治、麿赤兒、柄本明・・。
これだけ役者を揃えておきながら、どうして重要な役をふかわりょうと今田耕司なの?
もぉねぇ、すごくもったいないよ。
劇場に来ている客層は5割が60歳以上だったよ。

ターゲットもそこに絞ってると思うけど、その客層にそのキャスティングはいらないでしょ。
若い人にも見て欲しいって、それはお染と木村佳乃で十分じゃない?

そんな訳で、景色は美しいし、殺陣も見所あるけれど、テレビで見ても十分お楽しみいただける映画かとおもいますので、あまりオススメはしません。
原作は面白そうだから読んでみようかな・・。

蝉しぐれ 公式サイト

美しい景色は、山形で撮影されたようです。
ロケ地のかわら版を見つけたので、気になる方は↓をどうぞ。

映画『蝉しぐれ』 かわら版

10月 21, 2005 映画-日本 | | コメント (26) | トラックバック (76)

2005/10/14

NANA

この映画ね、見ないつもりでいたんだけど、大谷監督が監督していると最近知りまして。
大谷監督の作品は、劇場デビューの『アベック モン マリ』も、『とらばいゆ』も見ていたし、実は、遠い知り合いの知り合いぐらいの位置にいる方で、『アベモン』のときはシネアミューズで行われた舞台挨拶付き試写会も見たので、行かなきゃ~って気になって、突如行ってきた。nana
デビューのときは、あんな小さな小屋(アミューズさんごめんなさい)だったのに、わずか数年で、こうして邦画の歴史を塗り替えるような勢いの映画を作るようになったんだから、感慨深いっす。
行定勲監督と同じような軌跡をたどっているかもしれないねぇ。

でも、映画そのものはですねぇ・・・。うーーーーーん(ーー;)


<STORY>
ナナ(宮崎あおい)は、東京で一人暮らしする彼氏を追いかけて上京する電車のなかで、同じ名前のナナ(中島美嘉)と出会う。
同じ歳、同じ名前の二人は意気投合して、東京で別れる。
彼氏の章司と同棲するつもりのナナ(宮崎あおい)だったが、彼氏にそのつもりはなく、部屋探しをすることになった。
気に入った部屋を見つけたナナ(宮崎あおい)だが、そこで、またしてもナナ(中島美嘉)にばったり出会う。
結局、二人で生活し始めることになったのだが、ナナ(宮崎あおい)はナナ(中島美嘉)に 「お前、イヌみたいだな。ハチ公だ」と言われ、その時から、ハチと呼ばれることに。
ハチは、ロックバンド・トラネスのファン。
寝室に大きなトラネスのポスターを貼るハチ。
ナナはそれを呆然と見つめてしまう。
ナナは、ロックバンドのボーカルで、トラネスギタリスト・Ren(松田龍平)は、昔ナナがいたバンドのベーシストであり、その当時ナナと付き合っていたのだ。
ハチは、そんなナナの過去を知らずトラネスに夢中になり、ナナは、そのたびにRenを思い出す。
二人の同居生活は、順調に進むが、その裏で、ハチの彼氏章司は、バイト先に気になる女の子が現れ・・・。

懐かしいなぁ。この感じ。と思いながら見てた。
nana_1友達の彼氏のバイト先に、いきなり行っちゃってあまり良い顔されなかったり、友達の彼氏が浮気しちゃったり、喧嘩の仲裁に入ったり、ロックに夢中になったり、コンサートに行ったり。
どの時代にもある、青春映画であります。
この映画でいいなぁと思うのは、その私達にとっては、郷愁(おばさんくせぇ~)を感じる切ない気持ちの部分でございますね。
日本映画は、この切ない系が得意です。

私が、中でも一番気に入ったシーンは、バンドの仲間を捨てて上京するRenを3人で見送るシーンね。
思わずRenに駆け寄るノブ(成宮寛貴)の表情にはグッときた。
この映画の全体を通して、私は成宮くんが一番気に入ったなぁ。
常に、適材適所な演技を見せれてくれたし、今後が非常に期待できる俳優さんですね。
後、中島美嘉の“歌を歌うシーン”はどれも良かったね。
やはり、彼女は歌手。
歌っているときの彼女には、非常に強いオーラを感るなぁ。

が、残念なことに、歌っていないとき(演技しているとき)の中島美嘉にまるでついていけなかった。
中島美嘉だけじゃなく、全体的にそう思ったんだけど、この子たち、二十歳前後の子たちの青春映画よねぇ。
でもね、なんか、生気がないというか、若さがない。
これじゃぁ、なんか30代のOLと、熟練したロックアーティストの恋愛映画みたいよ。
生気がないのを、一番感じたのはナナがRenのホテルを訪ねてから、出て行くとき。
ナナはさぁ、いろいろ振り切らなきゃ思いもあったし、田舎で暮らしてた二人に戻りたい思いもあったし、プライドもあった。
思い積もることがいろいろあったじゃない?
でもね、ホテルの部屋を出て、ナナが歩いていく後姿は、まるでおばぁちゃんみたいよ。
そのシーンだけじゃなく、映画全体を通じで、ナナのセリフから感情が伝わらない部分が多くあったし、年寄り臭いなぁと思うことが多々あって。
二十歳頃ってのは、感情を上手く処理できないことが多々あるじゃない。
感情的になったり、発散したりね。
でも、この子たちクールすぎ。
とても、聞き分けが良すぎてつまらない。
二十代前半には、その時代にしか出せない、匂いというか、空気感があるのに、すごいもったいない。
だからね、この映画でも一番元気でちょっとおバカな成宮くんがすごく印象的だったの。
私からすると、一回りも離れた子たちの映画ですが、「うぉ~、あの頃に戻りてぇ~」って青春映画を見たかったっす (* ̄н ̄*)

ま、結局ですねぇ、懐かしいなぁ・・と思えるシチュエーションは多々あっても、ドキドキしたり、ウキウキしたりすることがほとんど無く、感情がリンクすることもあまり無い映画だったなぁ。
この映画と原作のマンガ、十代、二十代だけじゃなく世代を超えて熱狂的に支持されているようで。
続編の製作も決定しているそう。
はぁ、そうっすか。私は、そのころには、ストーリーを忘れてそう・・・。

NANA 公式サイト

10月 14, 2005 映画-日本 | | コメント (22) | トラックバック (75)

2005/10/13

メゾン・ド・ヒミコ

面白かった映画の3本目も、昨日に引き続き日本映画でございます。

『ジョゼと虎と魚たち』がお気に入りの私は、犬童一心監督作品、オダギリジョー主演と聞き、それだけで見たかった映画。
mason_de_himiko


<STORY>
塗装会社で事務員をしている沙織(柴咲コウ)は、借金を抱えて生活しており給料で払えない分を、キャバクラでのアルバイトでまかなうことを考えていた。
そんなあるとき、沙織の会社へ岸本春彦 (オダギリジョー)が訪ねてくる。
彼は、沙織が幼い頃に離婚した父と親しい関係にあり、それが沙織をイラつかせる。
沙織の父(田中泯)とは、その昔、銀座のクラブ“卑弥呼”で長い間“ヒミコママ”として働き、“卑弥呼”を大きくしたが、その後引退、海のそばにゲイ専門の老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」を経営している。
春彦はヒミコの恋人であり、沙織は、幼い自分と母を捨ててゲイの道を貫いたヒミコが許せなかった。
春彦が沙織を訪ねたのは、週に一度のアルバイトのためだった。
「週に一度、ホームの手伝いをしてくれたら3万円」
金に困っている沙織は、断れず次の日曜日からホームに通い始めたのだが・・・。

mason_de_himiko_1面白かったんだよなぁ。
まず、ゲイのホームって考えたことなくって。
あぁ、そうだよなぁ。今の時代、こういうの必要だよなぁ。
なんて考えながら見てたら、グイグイ引き込まれちゃってね。
それに加えて、このホームに住んでいる人たちの人間ドラマがすごく面白くって、みんな良いキャラしてるしねぇ。
特に見るべきは、春彦と沙織とヒミコの三角関係ね。
沙織は、人生が上手くいかないのは全てヒミコのせいだと思っていて、ヒミコは、それを全て受け止めようとしているし、春彦は、ヒミコがいなくなることに不安を抱えてる。
特に、沙織と春彦は、常に寂しさを感じながら生きているように見えた。
彼氏もいないし、美人でもなく、いつもと同じ毎日の沙織。
愛するヒミコを失ったら、どう生活していけばいいのか分からない春彦。
この二人の寂しさが、この作品には漂っている。

mason_de_himiko_2で、特に春彦がファム・ファタル(男の場合はオム・ファタル?)のような存在感を持っていて良かった。
心ではヒミコを愛しながら、ヒミコの昔の恋人と寝てみたり、沙織の上司(西島秀俊)をゲイの世界に引き込もうとしたり、沙織を誘惑してみたり。
この春彦演じるジョーくんが、他を寄せ付けないオーラを放って美しい。
白シャツにスラックスがこんなに似合う日本人って、いないだろうなぁ。と思いながら見てた。
特に、お盆の夜、沙織と喧嘩したときの春彦がすごく良かった。
激昂しないで、静かに沙織を追い出した春彦にゾクゾクした。

ただなぁ、沙織がブスって設定はなぁ、ちょっと無理があると思ったよ。
柴咲コウがブスでもてないってのは、ブスっぽく演じてても、ブスに見えないから~!!と思ったね。

老人ホームって、行ったことないから分からないけど、ちょっと暗いイメージがあるんだよね。
でも、このホームは楽しそうだった。
私もここで料理作ったり、ゲイのみなさんとキャァキャァ ヾ(^▽^)ノ言ってお話したりしたいなぁ。
癒されそう~♪
もちろん、ジョー君みたいな色男がお出迎えしてくれないとね☆

メゾン・ド・ヒミコ 公式サイト

10月 13, 2005 映画-日本 | | コメント (28) | トラックバック (62)

2005/10/12

サマータイムマシンブルース

さて、面白かった3連発。
2本目は日本映画です。

この映画、あの『踊る大捜査線』で有名な本広克行監督が、初心に帰って単館系作品を・・と思い、劇団ヨーロッパ企画の同名作品を映画化したもの・・らしい。
summer_timemachine_blues


<STORY>
大学のSF研究会の部員5人が、イヌのケチャを入れて3対3の野球をしていた。
それは、写真部の伊藤(真木よう子)の撮影会だった。
無事、撮影が終了したところで、部員達は汗を流しに銭湯へ。
頭を洗おうとした新美(与座嘉秋)は、自分のヴィダル・サスーン(シャンプーね)が無いことに気付き、「俺はヴィダルサスーンじゃなければ洗えないんだ」と暴れだす。
銭湯の帰り、ちょっと用があるからと、別のルートへ行く甲本(瑛太)と石松(ムロツヨシ)。
甲本は、映画のチケットを2枚買い、石松は薬局の店頭に置いてあるドリンク剤のキャラクター、ギンギンをもらいに行っていた。
実は、甲本は写真部の柴田(上野樹里)を誘おうとチケットを買ったのだ。
部室に帰った甲本は、いきなり部員達に「なんだよ洗面器持ってんじゃ~ん」と言われ、「裸踊り早くやってよ~」と言われる。
意味がわからない甲本は呆然とするが、そのとき、曽我(永野宗典)持っていたアイスが飛び、それが石松の顔にかかり、そして次々と連鎖反応を起こして、クーラーのリモコンにコーラがかかってしまい、リモコンが使えなくなってしまう。
そして次の日、突然部室に現れた見知らぬ男、マッシュルームカットの田村(本多力)は、「ここってSF研ですよねぇ?」と言って部室を出て行く。
その田村がいなくなった部室には、不思議な乗り物が・・。
実は、そこにあったのは、タイムマシーンだった。
そのとき、彼らの頭に浮かんだのは、“壊れてしまったクーラーのリモコン”だった・・。

この映画ねぇ、面白いんだよねぇ~。
なんかねぇ、バカなんだよねぇ、大学生。
もう、そっからしてOKね。この映画。
この子達のバカっぽいの見てるだけで愛おしくなっちゃうもん。
何がバカってね、自分達の目の前に、タイムマシンがドドーンと出てくるじゃない。
普通だったらさぁ、大学生なんだし、戦国時代に行きたいとか、リアルマンモス見たいとかあるじゃん。
この子達、昨日の壊れる前のリモコンが欲しいだもんね。
いいでしょう~♪バカで。

で、また個々のキャラがすごく良いね。
各自の個性が、細かいところまですご~く良く描けてる。
私の特にお気に入りは、未来人田村よ!!
未来人のクセにマッシュルームヘアよ、シャツをズボンに入れちゃってんのよ、で、チノパン風パンツにでっかいバックルよ( ̄◇ ̄;)アガッ
25年後から来たのに、アナログのカメラだからね。
この田村の未来を感じさせないキャラがナイスだったなぁ( ̄- ̄)b
それに加えて、田村の父親が甲本じゃないのが、いいな。

私、日本のテレビドラマをほとんど見ないので、『踊る大走査線 THE MOVIE』の良さがほとんどわからず・・。
よって、あのシリーズは1以外は全く見ていないけど、『踊る・・・』以外の本広監督作品の中で『スペトラ』とか『サトラレ』は好きなんだよねぇ。
『サトラレ』なんか、号泣しちゃったしね。
今回、『サトラレ』のマンガ本が部室の机の上に置いてあったね。
オープニングも、時計のアップから入っちゃって、いきなり「バック・トゥ・ザ・フューチャーかよ!!」ってツッコミを入れたくなっちゃうし。
そう思ってたら、映画館に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のポスター貼ってあるしね。
イヌのケチャもいるし、ドクの変わりにホセもいて、タイムマシン映画として「バック・トゥ~」へのオマージュを感じたなぁ。
あぁ、本広さん、今後もマイナーで撮ってくれないかなぁ。

この映画、コメディ映画好きのみなさんにオススメ。
舞台劇の映画化ってこともあり、日頃小劇場でがんばっている俳優のみなさんも多数出演する。
その日頃から鍛えられたキャラやら、演技力を楽しめるので、お芝居好きの方にもオススメ。

あ、そうそう、四国では、流しそうめんではなく、流しうどんなの?

サマータイムマシンブルース 公式サイト

10月 12, 2005 映画-日本 | | コメント (26) | トラックバック (87)

2005/10/09

天国の本屋~恋火

昨日、一昨日と友人の結婚式に出席するために群馬へ行っていて、ブログをしばらく休んじゃいました。
休みの間も、訪問していただいた皆様、ありがとうございます。
結婚式&プチ同窓会で、英気を養う2日間でした。
今回の新婦さんは、大学時代のサークルの友人で、10年以上ぶり??に会う先輩方も出席していて、1日だけ、大学時代に逆戻りしてきました。
しかし、花嫁さんはいつも美しい。
でも、いつまでたっても花嫁さんになりたいと思わない私です・・(ーー;)なぜだろう・・。
どうしたら、結婚願望がわくんでしょう・・・。

tengokunohonya

さて、そんな私のどうでもいい話は、さておき、今日は久しぶりに日本映画です。
この映画、昨年の映画ですが、
今週は、日本映画の登場が多くなる予定です☆
現在、人気上昇中の“玉鉄”を初めて見ました♪
初めてかよ・・・(ーー;)

<STORY>

ピアニストの健太(玉山鉄二)は、他の演奏者と曲を合わせることができないために、楽団をクビになる。
家に帰ると、扉の向こうから声がするので、その扉を開けてみると見知らぬ部屋があり、そこでは本屋の店長(原田芳雄)が本を朗読していた。
店長が言うには、そこは天国だという。
健太は、天国の本屋の店長に短期アルバイトとして雇われ、そこで働くことになった。
天国から現実へは戻れないという。

tengokunohonya_1
一方、現実の世界では、和菓子屋の一人娘・香夏子(竹内結子)が、町内会の青年部で花火大会を企画していた。
「“恋する花火”を一緒に見た二人は、深い中になる」という迷信のためだった。
だが、以前、その町内会の花火大会で花火を上げていた工場を訪ねたところ、“恋する花火”を作った花火師・瀧本(香川照之)がおらず、“恋する花火”はできないという。
そして香夏子は、その花火師が叔母で、ピアニストの翔子(竹内結子・二役)の元恋人であり、翔子とのことが原因で、花火師をやめてしまったという過去を知る。

そして、天国の健太は、幼い頃、憧れのピアニストだった翔子と出会う。
実は、幼い頃に会ったことがあり、そのときに弾いてもらったピアノの曲が忘れられずにいた。
翔子は健太からそのことを聞き、瀧本とのことを思い出すのだった・・・。

雰囲気がすごく好きだなぁこの映画。
なんか、時間がゆ~ったりとしていて、居心地良い感じがしたねぇ。
都会の忙しさを忘れる、田舎ならではの良さが伝わってきたなぁ。
個人的に天国を描く話とか、結構好きで。
天国って臨死体験とかあるけど、生きている人は誰もしらないはずじゃない?
だから、どんな風に描かれてても、OKみたいなところがあってね。
スペイン映画の『ウェルカム!ヘブン』なんて、私は大好きでございます。
この映画の天国の良いところは、みんなが本で通じてるところかなぁ。
本を読み、聞くことが彼らの癒しになっている。
その上品な感じがいいなぁ。
あまり見たことない設定だよね。

それに、花火ってなんかいいよね。
港町横浜で育った私としては、花火は必要ですね。
夏は花火を見ないと、夏が来ないような気がしてしまうなぁ・・。
若い人たちが集まって「花火大会しようよ!!」ってすごく分かるんだよねぇ。

監督は、篠原哲雄。 私、『月とキャベツ』、『歌謡大全集』に続いて3本目みたい・・。 もっと見ないとね。すいません。

「天国」と「花火」というアイテムはすごく気に入ったのだけど、胸にグッとくるものが少なかったのが、ちょっと残念。
ラストは予想通りだったし、竹内結子主演だと、どうしても 『黄泉がえり』 とダブるしね。
ラストのシーンの二人の表情からも感情が伝わりづらく、花火を見ながら二人は何を思っていたのかも分からずじまい。

奇想天外なシーンを期待していたわけではないけど、せめて胸にグッとくるシーンであって欲しかった・・かも・・。

それでも、脇役のキャラにひかれて見ていたところもあり、キレキャラじゃない新井浩文はなんか新鮮だったし、大倉孝二の調子良さは楽しめたし、吉田日出子のほんわかは健在だった。

今度は原作読んで見ようかなぁ。と思いつつある・・。

静かにゆったりとした時間を過ごしたいときにオススメの一本。

天国の本屋~恋火 オフィシャルサイト

10月 9, 2005 映画-日本 | | コメント (4) | トラックバック (2)

2005/08/10

亡国のイージス

この夏の日本の一番の大作は、多分これ『亡国のイージス』でしょう。
どうも、オールスターキャストの作品ってのは、それだけで期待が薄れてしまうけど、「阪本順治」は、『顔』といい、『KT』といいその独特な世界観がとっても気になっていたので見に行ってきた。
aegis
まず、ストーリーですが・・
護衛イージス艦「いそかぜ」は海上訓練に出港する直前、先任伍長・仙石(真田広之)が、警察から呼び出しを受ける。
訓練員たちがチンピラにからまれたところ、訓練員の一人・如月(勝地涼)が一人で全員倒してしまったという。
警察沙汰になるところを仙石が土下座することでその場を鎮める。
無事出港した「いそかぜ」だったが、海上で魚雷発射訓練を行っていたところ事故が起き、訓練員が一人死亡してしまう。
しかし、死亡事故が起きても寄港して死体を下ろそうとしないことを不審に思った仙石が上官に詰め寄ったところ、意外なことを聞かされる。
宮津(寺尾聡)、溝口(中井貴一)、山崎(安藤正信)ら上官は、「如月は某国の工作員であり、この護衛艦を乗っ取ろうとしている」という・・。
そして、まさにそのとき如月が機械室で爆弾を爆破させる。
東京では、諜報機関本部長の渥美(佐藤浩市)が「いそかぜ」で起きている事態を把握しきれず苦悩し、首相(原田芳雄)が呼び出され国家安全保障会議が開かれていた。
仙石は部下の如月がテロリストだと信じきれず、宮津と溝口は沈黙し続け、渥美はある策略を練っていたのだが・・・。

そうだなぁ・・・。
ま、すごく短く言うと、もしも、自衛隊の護衛艦がシージャックに遭ったらどうする?どうなる??って話なのよ。
でね、自衛官は胸を張ってこの国を救いますって言えるのか?ってことなんだけどね。
テロを起こす人間も、それを阻止する人間もどうもキャラが弱い。
なんか、メッセージどうのこうの言う映画ではなく、きっと単なるアクション映画なんだろうなぁ。
でもさぁ、だったら阪本順治という監督を使って、こんなにオールスターキャストでやるものなのかなぁ?
↓以下ネタばれあり。ご注意を
なんかね、私の理解能力の問題なのかもしれないけど、ヨンファ (=中井貴一) は何をしたいの?
自国と日本の間に戦争起こすと言っているんだったらそれなりの理由があるでしょう~。
ヨンファが何に対して怒っているのかとか、ヨンファの育った環境とかもっと詳しく見せて欲しかったな。
で、ヨンファの理由がイマイチつかめないとなると、残るは宮津の理由なんだけど、息子が論文のせいで殺されたから・・って、え!? ( ̄□ ̄;)ベテラン自衛官がまさかそんな理由で・・。
で、そんな個人的な弔い合戦に部下たちがあんなにたくさん付いてくるとも思えず・・。
安藤君と口利けない女の子 (韓国の女優さんわざわざ使ってよ) もそうなんだけどね、日本の何が嫌で来たのよ。
さらに、日本が送った諜報員はたった一人で、通信機器を仙石にあっという間に壊されてバックアップのプランBは無し。
って、そんなぁ~。そんなの“想定内”でしょう。日本の諜報機関ってそんなもんなのか・・?
諜報機関ってものすら無さそうな気がするけどね。
さらに、真田広之のダイハードっぷりにはびっくりだった (≧▽≦)
人間ってなかなか死なない生き物だね。
↑以上ネタばれ
あのですね。
もっと危機感を感じるような設定にして欲しいわけですよ (ーー;)
どんな環境で育ったテロリストが、こういう理由で日本に憎しみを抱いて、テロを起こすに至った。
というテロリストの詳細な描写がないまま話が進行しちゃうと、身近な問題じゃなくなっちゃうわけよ。
身近な問題じゃなくなってしまうと、恐怖感を感じないわけよ。
そうなるとね、「あぁ~安藤君かぁ、バトルロワイヤルのときの方が良かったな」とかね、「あら?真田広之ってちょっと太ったかな?」とかね、「吉田栄作ってどうしてホワイトハウスの声優辞めちゃったんだろう?アメリカはもうあきらめちゃったの?」とか、「えぇ~??原田美枝子、真木蔵人これだけ?」とかね、どうでもいいことばっかり気になっちゃうのよ。
問題は、「登場人物多すぎ」にあると思う。
もっと登場人物減らして、二つの人格を一つにするとかして、少人数の人間ドラマにしてもっとキャラ設定の詳細までこだわった方が面白いと思うな~。

亡国のイージス 公式サイト

8月 10, 2005 映画-日本 | | コメント (4) | トラックバック (40)

2005/07/25

フライ・ダディ・フライ

先日、ニュース23を見ていたら、筑紫哲也がこの映画を「面白い!」と薦めていて、実はあまり見る気がしてなかったんだけど、その時から急に見たくなってきて、いきなり行ってきた。
なんかね~、背筋がスッと伸びるような、爽快感のある映画だったね~。
fly_daddy_flyまず、この映画のストーリーは・・・。
サラリーマンの鈴木一(堤真一)の宝は、新築の家と、妻と高校生の娘。
毎日残業で遅くなっても、駅まで妻と娘が車で迎えに来てくれる幸せな男。
しかし、ある日娘が、高校生・石原(須藤元気)に殴られて入院してしまう。
石原の父は次々期総理候補の代議士で、本人はインターハイのボクシングチャンピオン。
はっきりとした謝罪の言葉もなく、金で解決しようとする石原側のやり方に憤りを感じ、高校まで復讐しに行く鈴木。
包丁を握り締め「石原を出せ!」とわめくが、在日朝鮮人の学生・朴舜臣(パク・スンシン)(岡田准一)に殴られ気絶してしまう。
目が覚めた鈴木は高校生達に囲まれ、学校を間違えていることを告げられ、「隣の学校の石原に勝ちたいなら、舜臣のコーチで鍛えませんか?」と提案される。
その翌日、鈴木は会社に長期休暇を出し、「打倒!石原」を目指して、舜臣と共にトレーニングを開始したのだが・・。
サラリーマンの“おっさん”と高校生“舜臣”がトレーニングを通じて、“青春”をする物語。
fly_daddy_fly2これは~、とっても“見ていて気持ちの良い”映画なのだ。
どこが気持ちが良いって言ったら、“男の汗と涙”がとっても良いのだ。
女子高生の娘に嫌われている“おっさんお父さん”は、この映画を観て鈴木になることををおススメする。
ちっともかっこよくないお父さんだけど、絶対応援したくなっちゃうから。なんか、すごくうれしくなっちゃうから。
ただ、できることなら、もう少し堤真一にくたびれてて欲しかったな。
普通のおっさんにしちゃぁ、ちょっとかっこよすぎなので (^^;)

また、コーチをやる“舜臣”がえらくかっこいい
いまどき、こんな男子高校生がいるんだったら、是非、お会いしたいよ。
やることなすこと筋が通ってて、どこかちょっと近寄りがたくて、でも仲間からの人望は厚い。
舜臣が何か一言発するだけで、言葉に重みがあって、背筋がちょっと伸びるような感覚に陥る。
また、風に乗って動いてるような動きそのものもかっこいいんだよね~。
いきなり、おっさん倒しちゃうとことか、窓に座って外眺めてるだけでもかっこいいんだけど、印象的なシーンは「鷹の舞」
これ、クライマックス直前に舜臣が行う儀式のような踊り。
モンゴル相撲の「鷹の舞」を舜臣がアレンジして踊るという設定なんだけど、どうやら岡田くん自身が創作して踊っているらしい。
これを見ていて、「あぁ、この人、すごく想像力のある俳優さんだなぁ」と思った。
どうも、岡田くんは原作に惚れて使って欲しいとお願いしたみたい。
だからなのかなぁ、えらくはまってて、舜臣というあり得ない人をすごくリアルに感じた。
彼の発する言葉の一つ一つに納得して、私まで鈴木と一緒に叱られてるような気持ちになった時さえあったなぁ・・。
近頃色気もあるし、今後が期待できる俳優さんだね♪
ちょっと最近娘に嫌われちゃってるお父さん、毎日の会社勤めがホトホト嫌になってるお父さん、この夏、爽やかな汗を感じたいという人、かっこいい岡田くんを見たい☆という人には是非、オススメの一本。

フライ・ダディ・フライ公式サイト

7月 25, 2005 映画-日本 | | コメント (6) | トラックバック (34)