『セントラル・ステーション』、『モーターサイクル・ダイアリーズ』を監督したブラジル人、ウォルター・サレスが、日本のホラー映画、中田秀夫監督の『仄暗い水の底から』をリメイクした作品。
この『モーターサイクル・ダイアリーズ』を見逃して大後悔してんだよね(ーー;)
早くみたいな。
そのサレス監督によるリメイクは、中田監督の作品よりもホラー色を薄く、より現実味のある作品を目指した作品を目指したかな~?
<STORY>
NYに住むダリア(ジェニファー・コネリー)は、夫(ダグレイ・スコット)と離婚調停中。
彼らの間にあるもっとも重要な問題は、一人娘・セシリア(アリエル・ゲイド)の親権。
しかし、現在はダリアがセシリアを引き取って一緒に暮らすことに。
NYのルーズベルト島に、その周辺で最も娘に適した学校を新聞記事から見つけたダリアは、その近所にある集合住宅に部屋を探しに行く。
お調子者の不動産業者・マレー(ジョン・C・ライリー)にそのアパートを紹介してもらう。
その塔の管理人・ヴェック(ピート・ポスルスウェイト)は、無愛想にダリアとセシリアを迎える。
マレーに紹介してもらった部屋は9階のf号室。
陰気で、いたるところ水漏れがするアパートをセシリアは嫌い、ダリアは不安を感じる。
しかしアパートを全て見終わったころ、突如セシリアが、「ここに住みたい」と言い出す。
家賃と教育の面からも、最もそこが適していると感じたダリアは即決してしまう。
しかし、彼女達がそのアパートに引っ越してからというもの、不思議なことばかり起こり始める・・・。

そうねぇ・・。
正直言って、日本のホラーはアジア人がリメイクした方が、良いものができるなぁという印象を受けた。
因縁や怨念は、アジア人の感覚から生まれるものだから。
ただし、この監督は、その因縁や怨念を薄めて人間ドラマを中心に現実味のある作品にした。
だから、『仄暗い水の底から』で使われた多くの人を怖がらせるためのトリック、例えば、顔の無い女の子や、エレベーターから溢れ出る大量の水、内側から音がする給水タンク・・。
それらは一切、ここには登場しない。
「より身近に感じられるスリラー」を目指して撮られた作品だった。
より身近に感じられるために、この映画は、“母であるダリアが抱える恐怖”を中心に描いている。
オープニングに登場する少女、彼女は母に捨てられた娘=ダリアである。
かつて10f に住んでいた少女・ナターシャを同じ少女が演じることによって、少女時代のダリアとナターシャをダブらせている。
彼女は、母に捨てられて30年以上経っても、その恐怖を捨てられず、また、セシリアに同じ思いをさせるのではないかと怯え、ナターシャの気持ちを誰よりも理解してしまう。
『仄暗い水の底から』と明らかに違うのは、その母・ダリアの過去を挿入した点にある。
前半、なんでシアトルにいる子が、NYに・・と混乱してしまう。

その混乱は、ダリアの混乱であり、監督の狙い。
ナターシャがダリアの過去を引き出して混乱させていることを意味している。
それと『仄暗い~』では、黒木瞳より娘の方がかなりつらい目に遭うけど、こちらの標的はダリアにしぼっている。
それも、大きな違いになっている。
“母娘の愛”の他にある、もう一つの見所は“うさん臭い登場人物たち”。
夫を演じるダグレイ・スコット、不動産業者のジョン・C・ライリー、管理人のピート・ポスルスウェイト、ダリア側弁護士のティム・ロス。

よくまぁ、いつアカデミー賞取ってもおかしくない俳優ばかりをこんなに集めたなぁと思いながら、彼らのうさん臭さを思い切り堪能する。
特に、ティム・ロスはえらく久しぶりだったで、すごくうれしかった。
ちょっとおっさん度が増してて残念だったけど(ーー;)
ただ、ピート・ポスルスウェイト演じるヴェックにもう少し魅力があっても良かったかなぁ・・と思わないこともないかなぁ。
これは元ネタを知らずに、彼らが次々と出てきたときには、この人・・いつか何かするんじゃないだろうか・・。
なんて、ドキドキしながら見ちゃうんでしょう。
元ネタ知ってしまうとそんな楽しみ方ができないので、残念。
が、元ネタを知っていて、先の展開を知っていても退屈しないで最後まで楽しめる。
それは、ジェニファー・コネリーの的確な演技と演出によるものでしょう。

彼女のくたびれ加減が、シングルマザーの匂いを出していたなぁ。
シングルマザーの寂しさも十分伝わってくるし。
ただし、彼女がとった行動が、本当に正しかったのか?という疑問は、元ネタを観たときにも感じたけど、今回もやはり同じように感じた。
誰よりもかわいそうなのは、セシリアだからね。
そのセシリアを守るために・・と言われてもねぇ・・。
ホラー色を薄めたために、あまり怖くなく、元ネタを知っているとやはり先の展開が読めてしまうし、母の行動にも疑問ありで、感動とまではいかない。
ホラーを観たい人には絶対にオススメしない。
が、『仄暗い・・』が怖くて観れなかったというホラーが苦手な人にはオススメ。
それと、ジェニファー・コネリーを見たいという人にも、オススメかな。
ダーク・ウォーター 公式サイト