2009/08/19

ハリー・ポッターと謎のプリンス

基本的に、ファンタジーは苦手ですが・・・

ハリー・ポッターシリーズの第6作を見てきました。
基本的に、ファンタジー映画は苦手なんですが、それを第6作まで見続けるというのは、私の中では異例中の異例です。

率直に言うと、今回の第6作は、ハリー・ポッター最終話へ続く“つなぎ”でしかなく、今までのシリーズの中ではトーンが少し落ちた感じがしました。
そして、ファンタジー映画が苦手な私が、なぜ、このハリー・ポッターシリーズを見続けてきたのか、少し理由が分かった気がしました。

ハリー・ポッターと謎のプリンス

大人が見ても納得するために

児童書を原作とするハリー・ポッター映画版が、大人の映画ファンにも受けいれられるようにした目玉の一つに、
「イギリス演劇界の豪華キャスティング」
があります。

今までのシリーズにスポット参加していたケネス・ブラナーエマ・トンプソンや、準レギュラー化していたヘレナ・ボナム・カーターゲイリー・オールドマンレイフ・ファインズ、そして、レギュラーのアラン・リックマンマギー・スミスなど等、他にも、イギリスのベテラン俳優がずらずら出てくるのが魅力の一つで、私は、彼らの演技を見るのが、この映画を見る楽しみの一つになっていました。
この俳優たちの演技を見るために、このハリー・ポッターを見続けてきたんだなぁと思ったんです。

ハリー・ポッターと謎のプリンス

目玉俳優の欠落

ところが、今回、そのうち、シリウス・ブラックを演じているゲイリー・オールドマンと、ヴォルテモート卿を演じているレイフ・ファインズが出ていない!
私自身、自分が思った以上に彼らの登場をとても楽しみにしていたらしく、
なんで今回は、ヴォルテモートとの直接対決が無いんだと、がっかりしてしまいました(ーー;)
そのがっかり感が、今回、私に中だるみ感を思わせた要因の一つになりました。
ゲイリー・オールドマンについては、確か、アメリカ映画業界の労働組合の関係で出られなくなってしまったと思ったけれど、原作があるとはいえ、代わりとなるような強烈なキャラを立てて欲しかったような気もします。

豪華俳優陣の中、今回、際立っていたのが、“魔女”ヘレナ・ボナム・カーターでした。
セリフは少ないながらも、“悪い魔女”の雰囲気がピッタリで、内心、「眺めのいい部屋」の彼女はどこへ行ったんだろう・・・( ̄_ ̄)と思いつつも、やっぱり、「さすが!」の威圧感で、“魔女パワー”炸裂でした。

それに、今回、重要な鍵を握るのがアラン・リックマンです。
ダイ・ハード」でもお馴染みで、誰もが知る名優ですし、最後まで“善”なのか“悪”なのかを判断しきれない微妙な立ち位置を見事に演じていたのは分かりますが、予想の範囲を超える演技を見ることはできず、やはり、これは、次回へ気を持たせる“つなぎ”なのかな・・・と思ってしまいました。

ハリー・ポッターと謎のプリンス

残念なグイディッチ

そして、今回は、今まで比べてメリハリがあまり利いていない気がしました。
私がハリー・ポッターシリーズで、好きな場面の一つに“グイディッチ”の競技シーンがあります。
サッカーでもなく、ポロでもなく、ホッケーでもないあたりが、とてもイギリスらしいし、何より、迫り来るスピード感が好きなんですが、今回の“グイディッチ”は、スポーツの高揚感のようなものが出し切れていなかったような気がします。

ハリー・ポッターと謎のプリンス

ホグワーツは恋の季節

あまりメリハリの無いアクションシーンの代わりというわけでもないでしょうが、今回、目玉となったのは、思春期を迎えたハリーたちに訪れた“恋の季節”です。
そうね・・・、それって、熱狂的なファンには必要なシーンでも、私には、あまり興味が沸かず・・・。

それよりも、私が期待していたのは、前回、ダークサイドに引きずり込まれそうになった自分の“暗部”に気付いてしまったハリーが、どんな風に成長していくんだろうというハリーの精神面の成長だったのですが、その描写はあまり無く・・・。
次回へ持ち越しなんでしょうかねぇ?

ハリー・ポッターと謎のプリンス

最終話への期待

そう文句を言いつつも、きっと最終話も見るに違いなく、きっと、最終話は、ゲイリー・オールドマンは出られなくても、レイフ・ファインズが活躍することに違いなく、舞台は学校を超えて、スケールも大きくなるはずなので、次回を楽しみにしたいと思います。

ハリー・ポッターと謎のプリンス 公式サイト


8月 19, 2009 映画-ハ行(アメリカ), 映画-合作・その他, 映画-英国 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009/07/13

プライドと偏見 2回目

原作「高慢と偏見」を読んでいます

ちょうど今、この「プライドと偏見」の原作である「高慢と偏見」を読んでいるところで、タイミング良くNHK衛星第二で放送があり、録画して見ました。

原作の良いところ、例えば、登場人物たちの会話とか、時間の経過とか、印象深い描写とか、映画だとどうしてもカットせざるを得ないところがあったりして、とてもコンパクトにまとまり過ぎちゃうのが残念だったりしますが、映画では、物語の世界が本からそのまま浮かび上がってきたような錯覚を感じるような世界観が、とても良いんですよね。

プライドと偏見

イギリスの小さな田舎町の田園風景とか、当時を再現した衣装とか、私一人の頭の中では、とても想像しきれない世界がそこにはあって、それだけでも、感動してしまいます。
この「プライドと偏見」は劇場公開当時に見て、最近、原作を読み始めて、そして、また映画を見ているので、シーンの一つ一つがじっくり楽しめました。

女は噂好きゆえに、噂に尾ひれが付くのは、万国共通??

近所の噂と、愛想の無い外見や言動から、富豪のダーシーに対し
「高慢な人」
という偏見を抱いていまった主人公・エリザベス(キーラ・ナイトレイ)が、自分の過ちに気づくまでを描いています。

この「プライドと偏見」は、そんなエリザベスの内面の成長もいいのですが、やはり、あらゆる情熱を内に秘めたダーシーがポイントです。

プライドと偏見

あまりにも、お金持ちで、そのお金を狙ってあらゆる人が寄ってくる彼は、その思慮深さゆえに、あまり多くを語るのは、良くないと考えたことが、多くの人に誤解されてしまった。
田舎の小さな町では、全ての人が彼は高慢な人間だという先入観が付いてしまいます。

なんか、そんなダーシーの姿が切ないんですよ。
高慢どころか、心優しい人だった。
エリザベスはエリザベスで、気持ちが分かるんですよね。
きっと私も同じような立場だったら、ダーシーを嫌な奴だと思っていたに違いないと思うし、ましてや、告白なんてされたら、引くと思うよね。

偏見を捨て去る勇気が幸せを呼ぶ

しかし、その「偏見」こそが、幸せから遠ざけている元凶にもなりえるんですね。
ほんのもう少し心を開いて、相手が言うことにしっかりと耳を傾けていたら、今までと違う幸せが訪れるかもしれない。
そんなことを感じさせてくれる映画でした。


キーラ・ナイトレイですが、エリザベスにピッタリで前回見た時よりもいいなと感じました。

プライドと偏見

今読んでる原作「高慢と偏見」は、これからが面白くなるところで、読み終わったら、また、違う感想が出てくるのでは、と思いますが、それは、原作の感想で。

7月 13, 2009 映画-英国 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/03/02

クィーン

★土曜日にWOWOWで放送された映画『クィーン』を見ました。

080302

★ダイアナ妃が事故死してから、葬儀が行われるまでの数日間のエリザベス女王の姿が描かれています。

★ダイアナ妃を“悲しみのプリンセス”として追悼文を即発表し、国民からの株を上げたブレア首相と、葬儀直前まで沈黙を守り続けたために「冷たい女」と国民から思われてしまったクィーンの対比が考えさせられる映画です。

★一般人的考え方からすると、
 例えば、ある家庭の息子夫婦が離婚したとする。
 離婚後、嫁は海外に行ったり、友人たちと遊んでいて、充実しているように見えます。
 しばらくして、その嫁が事故死しました。
 でも、(離婚したにも関わらず)彼女はその家族に対してよくやってくれたからと、我が家族で葬式を出しましょう。
 なんてことがありますか?

★まぁ、もちろん、この家(王室)は、一般人とかけ離れた次元で生活している人たちですので、この例はあてはまらないかもしれないけれど、
「王室は働きもせず、税金を浪費している」
と批判するならば、王室を一旦出て行ったものに対して葬儀を行うということが、浪費になるのではないかと、思う一面もあるんですよね。

★でもね、そんな考え方では、時代の流れにはのれないのですよ。
 国民を味方にしてしまった方が勝ちなんです。
 誰も「浪費している」なんて文句言わないんですよ。

★そのことに対する、考え方の対立なんですよね。
 うまく時代に乗って、人気を集めたブレアと、伝統を守り抜こうとするクィーンと、その母の古臭い体質を変えて、あくまでも見た目優先で王室のイメージアップを図ろうとするチャールズ皇太子。

★10年経った今となっては、クィーンは今でもクィーンであり、人気ががた落ちで失脚してしまったブレア。
 今見ると、ブレアの姿もなんだか皮肉に見えます。

★この映画自体はタイトルも、『クィーン』というだけあって、エリザベス女王に対し、同情的な視線で作られています。

★それも手伝って、女王に同情しながら見ていました。
 それに、この映画を見るまでは、エリザベス女王に対し、“冷たそう”という先入観もあったし、彼女に対しすごく誤解していたことにも、今回新たに気付きました。
 それって、作られたキャラだったのですね。

★この映画に出てくるクィーンはとても魅力的なんです。
 品があって、頭がキレて、回転も速く、イギリス人らしくちょっと皮肉屋。
 誰よりも、孫たちの将来を考えていたし、何よりも(自分よりも)王室を優先させる女性。
 働く女性の鑑のような人です。

★最近の王室をめぐる出来事は、彼女にとって受け入れ難いもの。
 それでも、時代に合わせていかなければならないと、聞き入れたくもないアドバイスを受け入れていくんです。
 これねぇ、簡単なようで、なかなかできないことだと思うんですよね。
 でも、彼女には「イギリス人の4人に1人が王制反対」という現実の手前、嫌な選択や、方針も、伝統を打ち破ることも、受け入れていくしか道が無いんです。
 ここがねぇ、すごくグッときました。
 彼女が今まで教育されて守ってきたものが、ほんの一瞬で崩れていってしまう・・・。
 でも、彼女がそこでも毅然としてひるまず、国民や首相や家族に対してさえも弱みを見せることは無い。
 その姿にグッときたんです。

★王室のためなら、いつでも自分は2番目、感情は表に出してはいけない。
 そこが、「冷たい人」だと思われてしまうゆえんなのでしょう。
 中には、イギリスという国そのものを皮肉っている部分もある映画ではありますが、このような“クィーンの本質”を描こうとする映画が存在すること自体、彼女にとって多少の救いになっているんじゃないかと思うのです。

★じっくりと、良質な映画を見たい人にオススメの作品です。

3月 2, 2008 映画-仏, 映画-合作・その他, 映画-英国 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2007/11/25

Dear フランキー

久しぶりにイギリス映画をDVDで観ました。

DVで家出した女性には、難聴の息子がいて、その息子は父親の存在を知りません。
その息子のために、母は船で世界を旅する父からの手紙を偽造して送っていました。
しかし、ある時、その偽の船が地元の港に寄港することになり、息子は、父親に会えると喜びます。
その姿を見て、母は息子のために、「本当のことを話す」か、「偽の父親を用意する」かの選択に迫られ、「偽の父親を用意する」ことになったのです。

そんなお話です。

難聴とか、DVとか聞くと“お涙頂戴”的雰囲気を感じますが、決してそんなことはありません。

温かく、緩やかな時間が流れるステキな映画でした。

主役のフランキーがとても賢くて、繊細で、感受性が強く、難聴の小学生ではありますが、頼もしく感じることさえある子でした。

フランキーの偽の父親を演じているのは、『オペラ座の怪人』で主役を演じたジェラルド・バトラーです。
彼は、実はスコットランドセルティックの熱狂的なサポーターで、中村俊輔のこともすごく応援してくれているんですよ。フフ。
まぁ、そんなことは映画とは全く関係ないですが、この映画の舞台はスコットランドのエジンバラです。
そのジェラルド・バトラーが、すごくステキです。
見た目は無骨で、荒っぽい海の男ですが、その反面、内面はとても知的で繊細な面を見せています。

その「偽のパパ」が母と息子の家族に与える影響がすごく温かいんです。
男の人にしか息子に伝えられないこととか、表現できないことを、丁寧に描いています。
この人は、今までどんな生活をして、こんなに優しくなったんだろう・・・と、興味津々になるぐらい、ステキなお父さんなんです。

偽の父と、その息子の心の交流は必見です。

大切なのは血のつながりよりも、心のつながり。
そんなことをしみじみ感じる映画です。

Dear フランキー 公式サイト

11月 25, 2007 映画-英国 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2005/12/27

プライドと偏見

どっぷりハマッて見ちゃった。
お話は、とってもありがちなんだけどね。
いや~、すっかり世界に入り込んでたなぁ~。pride1

<STORY>
イギリスの田舎町のベネット家には、5人の姉妹がいた。
彼らは、決して裕福ではないが心豊かな生活を送っている。
しかし、父 (ドナルド・サザーランド)が死んでしまうと跡継ぎがいないために、娘たちが路頭に迷ってしまうという心配から、年頃になった彼女たちを両家の嫁にさせようと母(ブレンダ・ブレッシン)は躍起になっていた。
そんなとき、隣へ大富豪ビングリーが隣に引っ越してくた。
彼らが引っ越してきてから初めて行われた舞踏会で、ビングリーとその親友ダーシー(マシュー・マクファディン)に面会する一家であったが、長女ジェーン(ロザムンド・パイク)はビングリーに夢中になり、次女エリザベス(キーラ・ナイトレイ)は、ダーシーの高慢さが気に入らない。
その後、自然と惹かれあうジェーンとビングリーだったが、ある日突然ビングリーとダーシーがロンドンへ帰ってしまう。
姉・ジェーンはビングリーを追ってロンドンへ行き、エリザベスは結婚した親友を訪ねる旅に出る。
しかし、エリザベスが訪ねた親友宅の近所には、ダーシーの叔母の邸宅があり、そこには偶然ダーシーが訪れているのだった・・・。

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まぁ、簡単に説明してしまうと、お互い第一印象は最悪だったにも関わらず、会話を重ねるうちに惹かれあうダーシーとエリザベスの物語でして。
そんな彼らの恋には、障害があるのですね。
まず、エリザベスのベネット家には、資産が全く無い。
おしゃべり好きな彼女の母は品が無く、妹たちは男を追いかけてばかりいる。
ダーシーにとって、そんな彼女は身分が低く結婚相手には適さないと悩んじゃうんだねぇ。
そして、莫大な資産を持つダーシーは多くを語らない。
そのため、周囲人たちは彼ついてあれこれと憶測し、噂を立てちゃうのね。
で、エリザベスはそんな憶測や噂でダーシーを色眼鏡で見ちゃう。
彼らの恋を隔てているのは、プライドと偏見なのよ。

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はじめのうちは、おしゃべり好きのお母さんに「あぁあぁ~(ーー;)」とちょっと嫌気がさして、「結婚、結婚、男、男」を繰り返す会話に、「他にすることがないなんて、ちょっと気の毒・・・」と思って見ていたんだけど、ダーシーとエリザベスの関係が接近してくるうちにグググッと映画に入り込んじゃった。

この映画にグッと入り込んでしまった理由には、エリザベスのキャラクターがあるんだなぁ。
彼女はですねぇ、資産家に会うからといって自分を着飾ろうとしない。
母は嫁に行かせようと必死でも、あまり乗り気になれず、時間があれば本を手にしている。
相手が男性であっても、位が高い人であっても、自分の意見はしっかり最後まで突き通す。
そんな、彼女の媚びない姿にすごく共感しちゃってねぇ。
なかなか素直になれないところも、リアルに感じて高感度大だったなぁ。

それに対するダーシーってのが、中々の男でして。
いいんだよなぁ。
最初のうちは、なんてムッツリとした陰気な感じの人なんでしょう~。
と、思っていたにも関わらず、どんどん恋する男に変身していくのね。
彼は、その静けさの中で多くのことを思い、考え、感じていたのね。
それが、手紙で語られるの。
う~ん。ロマンティック☆

そのダーシーの手紙のシーン、もやの中に彼が姿を現すシーンなど、印象的なシーンも多い。
多くを語らない男の胸に秘められた思いを知ったとき、切なくて涙が出たよ。

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この映画での収穫は、そのダーシーを演じたマシュー・マクファディン。
彼は、映画では初めて見たけれど、地元では舞台やテレビで活躍するみたいね。
いや~、演技がうまい。
第一印象は最悪、次第に良さがジワジワと出てくる辺りが本当にうまい。
雨の中で告白するシーンなんか、キスするんじゃないかとドキドキしちゃって(*^-^*)
骨太な感じがするなぁ。
今後が楽しみね。

そして、もっとも印象深いのは、またしてもジュディ・デンチ。
出てくるだけで画面がシャキッとするんだからねぇ。
彼女は、他の俳優たちとはちょっと格が違うなぁ~。

さて、最近出まくりのキーラ・ナイトレイ。
もうちょっとがんばって欲しかったなぁ。
口をポカンと開けた姿は、とても品があるように見えないので減点。
ジュディ・デンチやドナルド・サザーランドという名優たちに対して堂々と渡り合っている姿は、なかなかだけど、本当の恋を知る若き女性の雰囲気はあまり出せていなかったように思う。

そして、もう一人、男ばかりを追いかけ問題大ありの将校と結婚する妹を演じたジェナ・マローン。
『コンタクト』、『ドニー・ダーコ』、『海辺の家』とかなり期待大の若手女優なので久しぶりに見れて嬉しかったなぁ。
今回、おバカさんな妹を一寸のズレも無く演じたところはさすが。
今後も楽しみにしたいな。


プライドや偏見というのは、誰でも持っているものであり、そんなものは幸せを逃してしまうとこの映画は言っております。
でも、プライドを捨てろと言っているわけではなく、プライドを持ちつつもありのままの自分を受け入れることが大切だと教えてくれる。
ラストに父と笑顔で語り合っているエリザベスを見てそんなことを思ったなぁ。

恋愛モノが好きな方、どうしても恋愛に素直になれない人にオススメの一本。
1月14日より全国ロードショー

プライドと偏見 公式サイト

12月 27, 2005 映画-英国 | | コメント (27) | トラックバック (106)

2005/12/13

ヴェニスの商人

最近ね、といっても、2~3週間前の話だけど、夢にねアル・パチーノが出てきたのよ。
夢の中でさぁ、私たちお友達になってね。
アルってばさぁ、思った以上に小柄で気さくで良いヤツでさぁ(笑)
こりゃぁ、「『ヴェニスの商人』見ろよ」ってお告げだと思って、もうすぐ終わりそうだったから見に行って来たよ。
映画はねぇ、とにかくとても豪華で贅沢な作品でございました。merchant_of_venice

<STORY>
16世紀のヴェニス。
貿易商・アントーニオ(ジェレミー・アイアンズ)は、世界各地で商売をするために、全財産を4つに分けそれを船に乗せ、現在航行中だった。
そのアントーニオを訪れたのは、親友のバッサーニオ(ジョセフ・ファインズ)。
彼は、莫大な遺産を相続した美女・ポーシャ(リン・コリンズ)にプロポーズする資金を借りに来たのだった。
しかし、アントーニオの全財産は船の上。
そこで、アントーニオは、ヴェニスの高利貸し・シャイロック(アル・パチーノ)からその金を借りることになった。
だが、シャイロックはユダヤ人であり、アントーニオはそのユダヤ人を毛嫌いしていた。
アントーニオに人種差別を受けていることを根に持つシャイロックは、「3ヶ月以内に金を返済できない場合は、アントーニオの肉1ポンドをその代わりに差し出すこと」を条件に金を貸すことに。
そして、予定通りバッサーニオはポーシャの元へ。
その時、アントーニオへよくないニュースが届く。
彼の全財産を積んだ船が四艘とも沈没したという・・。
それを聞いたシャイロックは、日頃の恨みをはらすべく訴訟を起こすのだが・・・。

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これはねぇ、とても大昔に書かれた古典とは思えない面白さがあるの。
次に何が起きるのか予想できないサスペンスであり、女性の地位が低い時代にもかかわらず世の中を裏で動かしているのは女性だったり、ユダヤ人の迫害について書かれていたり。
まぁ、でも、シェークスピアの作品はいつでも物語の核を握っているのは女性なので、シェークスピアならではだけどね。

その女性の描き方でこの作品を見ると、まず、男性があまりにも素直で、実直で、困難を前にオロオロしていたのに比べて、女性、特にバッサーニオが恋するポーシャは、その困難を楽しんでいるのが分かる。
特に裁判のシーンでは、観客の心をグッとつかむ術も心得ているあたり、お見事。
愛する男を心配するどころか、彼が動揺しているのを横目に余裕さえ感じられる。
すごいよなぁ。
「お礼として、あなたの指輪を下さい」なんて、言っているシーンは、なんだかすごくおかしくて、クスクス笑っちゃった。
だって、そこでもまた、バッサーニオがオロオロしちゃってるんだもん。

もう一人の策士は、シャイロックの娘、ジェシカ。
実は、一番最初にシャイロックを窮地に追い込んだのは彼女だった。
お金を持ち出して家出をするときも、すでに改宗を決心しているあたりも、女のしたたかさを感じる。
しかし、父が孤立無援になったとき、自分がしたことを悔やむあたり、娘としての父への思いも感じる。
彼女のサイドストーリーが、メインストーリーを裏で盛り上げていたなぁ。

この映画が、すごく豪華になっているのは、そのキャスティング。merchant_of_venice2
以前、朝日新聞に掲載されたインタビューで、アル・パチーノは
「ピアニストであれば必ずモーツァルトを弾くように、俳優だったら必ずシェイクスピアをやれ」って言ってた。
なるほど、アル・パチーノ版シャイロック、彼なりの迫力があったね。
いかにも金に汚く、心が狭い男を一目で分かるように演じるあたりは、さすが。
最後の、孤立無援になってしまったシャイロックの立ち姿は、とても印象的。

アントーニオを演じたジェレミー・アイアンズのちょっとくたびれたヴェニスの商人は、貫禄を感じたなぁ。
いつもは、迫力満点な男を演じるのに、事業に失敗してしまった陰のようなものが見えていたのよね。
張りのある低音が彼の魅力なんだけど、このアントーニオは、小声でコソコソしゃべる。
ヒソヒソ、コソコソした感じがくたびれた感じを演出してて良かったねぇ。

この中で、私の目当ては、ジョセフ・ファインズ。
いつ見ても金髪の兄さんと似てないなぁって思うんだけど、彼はシェークスピアが良く似合う男だよねぇ。
なんかね、すごく自然にこの世界に馴染んでいるんだよね。
アントーニオの前では甘えん坊であり、ポーシャの前では誠実という、したたかな男・バッサーニオ。
いいんだよなぁ、歯の浮くようなセリフ言ってるときの表情とか、愛する(?)アントーニオが窮地に追い込まれちゃったときのオロオロぶりとか。
私、このファインズ家弟、結構お気に入りね。

そして、彼らベテラン俳優とならんで堂々とポーシャを演じた、リン・コリンズ。merchant_of_venice3
私、今回初めて観たんだけど、まだ26歳??
貫禄あるし、大金を相続した女性のオーラみたいなものを感じるんだよね。
今までは舞台にたったり、映画では脇役とかやってたみたいね。
いや~、良い女優が出てきたね。
これからが楽しみ。

もちろん、彼らを演出した監督の力量といったらすごいよね。
マイケル・ラドフォード、次回作が非常に楽しみな監督ね。

merchant_of_venice4
ラストは、シャイロックがキリスト教に改宗することを言い渡されるけれど、当時は、それが正義だったわけで。
現代にそれを見ると、なんて非情なことを・・と思うよね。
シェイクスピアは何を思ってそうしたんだろう。
それが、正義だと思ったんだろうか、それとも、迫害されているユダヤ教の窮状を訴えたかったのだろうか・・。
いやぁ、それが正義だと思ったんだろうなぁ。
でも、皮肉なことにこの作品で、ユダヤ人の迫害の歴史が良く分かってしまったね。
ユダヤ教の人たちは、この演劇をどのように見るだろうか・・。

そんなわけで、女性のしたたかさを知り、俳優の演技の素晴らしい競演を楽しみ、ユダヤ教の迫害について考えたり・・、そんな色々な楽しみ方ができる贅沢な映画なので、シェークスピアが好きな人も、苦手な人も是非、観ることをオススメします。

ヴェニスの商人 公式サイト

12月 13, 2005 映画-ア行(アメリカ), 映画-合作・その他, 映画-英国 | | コメント (12) | トラックバック (38)

2005/11/30

ミリオンズ

ダニー・ボイルよ。
『トレインスポッティング』が大好きでさぁ~、あれもう9年前なんだね~。
でも、それ以来あまりパッとしないダニー・ボイル。
この映画でねぇ~、そうだなぁ~、少し復調してきなかなぁ・・。millions


<STORY>
お母さんをなくしたばかりのカニンガム一家は、心機一転新しい土地と家で、新しい生活をと、新興住宅地に引っ越してきた。
彼らは、パパ(ジェームズ・ネズビット)と、10歳の兄アンソニー(ルイス・マクギボン)と、8歳の弟ダミアン(アレックス・エテル)の三人暮らし。
兄は現実的で、頭が良く、学校の成績もトップクラス。
弟は信心深く、聖徒が大好き。
困ったときは、常に神様と話をしている。
狭いところが大好きなダミアンにとって、自分の部屋は広すぎる。
家の近くの空き地にダンボールで小屋を作り、そこでいつものように聖徒と話をしているとき、そこには黒くて大きな袋が落ちてきた。
その袋を開けてみると、そこには数え切れないほどのポンド紙幣が入っており、困ったダミアンはアンソニーを呼びに行くが、アンソニーは、パパにも誰にもナイショにして自分達で使おうと言い張るのだが・・・。
millions1
ダニー・ボイルって人は札束が好きな人ね。
『シャロウ・グレイブ』でも、『トレスポ』でも札束が出てきたような・・。
テンポの良い音楽と、場面展開に、懐かしのダニー・ボイルワールドを感じたなぁ。
イギリス映画と聞いてちょっと暗いのでは・・と感じている人はご心配なく。
すっごく見やすく仕上がってる。
子供が主役なので、話もとっても分かりやすい。

ポイントは “もしも、目の前に大金が転がり込んできたら・・”
そうね・・、私だったら警察に届けて、少なくともいくら入ってって計算して・・、何を買って・・。
と想像を巡らせるかな。
この家の場合、“幼い子供がお母さんを亡くしている”というのが、さらにポイントになっていて、「神様はそういう子供たちの家庭にもちゃんと幸せを運んでくれるよ」 というお話になっている。
お父さんにガールフレンドができたり、お兄ちゃんに友達がいっぱいできたり、ダミアンの願いも最後にちゃんとかなえてくれる。
ダミアンと言えばイギリスじゃぁ、悪魔の子として有名な名前なのに、聖者好きの子にこの名前を付けるているのも、なんか面白いね。

さすが、文部省選定映画らしく聖者の話だけじゃなく、募金の話やら、聖職者の話やら、とても精神衛生上健康的な話題がいっぱい。
とても、『トレスポ』と同じ監督とは思えないね(笑)
が、そこが、私とっては少し物足りない。
あらゆる点に関して100%ポジティブで、ネガティブな話が一切出てこない。
悪人は、たったの一人。
本当は、そんなことありえなくって、金は人を変えるからね。
なんだかんだ言っても、カニンガム一家はおとがめなしで、拾ったもん勝ち??な感じもするよねぇ。

出てくる子供はすごくかわいいし、音楽のセンスの良さは相変わらずだし、画面のテンポも良いから、スッキリと見れる。
が、全体的に流れているのは子供向けファンタジーかなぁ。
私には、そこに生ぬるさを感じたけど、そこがOKなら楽しめる作品だと思うな。

ネガティブなことなんか、考えたくも無い人にオススメの一本

ミリオンズ 公式サイト

11月 30, 2005 映画-マ行(アメリカ), 映画-英国 | | コメント (9) | トラックバック (24)

2005/11/28

スイミング・プール

2003年のフランス、イギリス合作映画。
公開されたのは、去年のGW。
見逃してたんだよね~。
WOWOWでやってたからね~、録画して鑑賞。
が、見終わってから 「ゲッ( ̄◇ ̄;)や、やられた・・」と思わずつぶやいちゃう映画だった。swimming_pool1

<STORY>
女流作家のサラ・モートン(シャーロット・ランプリング)は、ミステリー作品で有名。
新作を書けずにいたところ、出版社の社長・ジョンから南仏で過ごすことを提案される。
南仏にはジョンの家があり、サラには先に行っていてもらい、後からジョンが行くと言う話だった。
初めは渋っていたものの、歳をとった父との単調な暮らしからアイディアは生まれないと思い、南仏行きを決心する。
ロンドンの曇った空とは明らかに違う、南仏の青い空の下にジョンの家はあった。
庭にはプールがあって、穏やかで優しい時間が過ぎる。
一つだけ気がかりなのは、ジョンが来ないこと。
そこへ、若くて奔放な少女ジュリー(リュディヴィーヌ・サニエ)が現れる。
彼女は、ジョンの娘だと名乗り夏休みをそこで過ごすと言う。
毎晩男を変えるジュリーを観察するサラだったが、そこで事件が起きる・・。

まぁ、とにかく隅から隅まで美しい映画なのだけど、人のイマジネーションを試すような映画でもあるのよ。swimming_pool2
なもんで、最後の最後になって、「えぇ~、そうなるのぉ~??」と思わずうなってしまうのよねぇ~。
ま、人によっては??となってしまう人もいるだろうし、怒り爆発の人もいるでしょう。
「そう、それならば、ちょっとイマジネーションを試してみようか・・」と思った人は、映画を見てから、コレを読んでね♪

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この映画を読み解く鍵は“女流作家・サラ”にある。
実は、サラが南仏のジョンの家に訪れたときから、サラの創作が始まっている。
アイディアが枯渇した女流作家にとって、太陽が輝く南仏の地は、アイディアの宝庫だった。
そこで、彼女は願う。
今までになったことも無いような女になりたい・・・。
そこへ登場させたのが、ジョンの娘・ジュリー。
昼は、半裸で過ごし、毎晩男を取り替え、好きなことをして、好き勝手なことを言う。
サラはジュリーと言う奔放な女の子を登場させ、自分を解放させる。
そう、ジュリーはサラとは正反対の女であり、サラの奥に眠る願望を反映している女でもある。
だってねぇ、ジュリーって娘は、あり得ないぐらい美しいのよ。

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サラは、ジュリーを創作しただけでは終わらない。
ジュリーは、サラを嫉妬する。というより、サラに嫉妬させる。
そして、事件が起きてしまう。
そこからのサラがすごい。
だって、あのサラが庭師を誘拐しちゃうんだから。
愛想のかけらも無かった女が、誘惑だよ~(@@)
そこが、ジュリーの母が書いたと言うハーレクインロマンス風なのよね~。
また、その時のサラの美しさと言ったら神々しいぐらいよね。

でも、この映画がやっかいなのは、最初からそれが創作だってことが分からないこと。
最後の最後になって、それが分かる。
「こんな話はダメだ。抽象的過ぎる」
そんなことを言わせちゃうんだから、すごい映画だよな~。
そう、ジョンの娘は・・・ジュリーじゃなく、ジュリアだったんだから。
その後も、創造を続けるサラ。
そのときの表情がねぇ~、すごく印象的なんだよね~。


これはですねぇ、フランソワ・オゾンと、シャーロット・ランプリングのお互いに信頼しあう関係から生まれた映画だね。
この迷路のような映画を作るオゾンの演出もすごければ、シャーロット・ランプリングの的確な表情が良い。
だって、一番最初に地下鉄に乗っていたサラの顔と、最後に新作を書き終えたサラの顔は明らかに違う。
まぁ、すごい女優だと知っていたのでね~、そんなに驚かないけれど。
リュディヴィーヌ・サニエのフランス流脱ぎっぷりもすごいし、体もすごく美しいし、謎の女の雰囲気もたっぷり。
この娘は、無邪気な感じが良く似合うね。

アメリカで言ったら、スカーレット・ヨハンソンが近いかな。

でもね~、この映画を薦めるか?
と聞かれると、「お好きな人はドーゾ」としか言いようが無い。
なんだけど、サラのように無愛想な女が、男を誘惑するようになるまで変わりたいと思う人がいたら、見てみるといいかもね。
次の日から、妄想の世界に住むかもよ??

スイミング・プール 公式サイト

11月 28, 2005 映画-仏, 映画-英国 | | コメント (4) | トラックバック (4)

2005/11/08

理想の女(ひと)

これすごく観たかったんだけど、なかなか機会が無くて、終映間近になってようやく観れた。
観てよかったよ~♪
すごくいい映画だったぁ~。
a_good_woman


<STORY>
1930年イタリアの高級別荘地アマルフィ。
メグ(スカーレット・ヨハンソン)とロバート・ウィンダミア(マーク・アンバース)は、地元の社交界でも注目を集める若き美男美女夫婦だ。
二人がアマルフィで暮らし始めて数日後、ロバートにスキャンダルが持ち上がる。
ロバートがステラ・アーリン(ヘレン・ハント)という女性と一緒にいるところを目撃されてしまう。
その後も、ロバートがステラの滞在するアパートに出入りしているところが目撃され、ステラはその後、大きな別荘へ引っ越す。
その別荘もロバートがお金を提供しているという噂まで持ち上がる。
密かにメグに思いを寄せるロバートの友人・ダーリントン卿(スティーヴン・キャンベル=モア)は、その隙にメグに近づく。
それ以来、社交界ではすっかり悪女のイメージが定着したステラだったが、メグは、なぜ彼女が悪女扱いされているのかを知らず、ロバートの愛情を信じていた。
しかし、資産家のタピィ(トム・ウィルキンソン)は、密かにステラの魅力を見抜いていた・・・。
a_good_woman1これはですね、イタリアの避暑地が舞台になっていまして、その社交界での人間模様が描かれた映画なのですよ。
その時代は、戦前なので、イタリアに独裁政権が生まれる前の話で、とにかく華やかで贅沢な人たちが出てくるの。
が、金持ちってのは暇なんだね。
お茶とか酒飲みながら、噂話ばっかりしてるのよ。
その華やかな舞台を背景にすると、いやらしい噂話も引き立つのね。

噂の的は、ステラ(ヘレン・ハント)。
ステラは男たらしで、いやしい女。そう言われ続けるの。
観ている私も、その噂話もすっかり信じちゃって、「そうか、ステラは悪女なのね」と思って観ているわけ。
そうすると、貞淑な若妻であるメグ(スカーレット・ヨハンソン)は、悪女のせいで夫の愛情を疑っちゃうんだよね。
a_good_woman2でもね、実はステラは悪女じゃなかったって話なのよ。
そのときに、人の噂話は、いかにいい加減で、いやらしく、悪意に満ちているかっていうのが、リアルに分かるわけ。
さらに、ステラの本当の姿を知ったとき、その真実に涙よ。
私は、最後にメグがステラに向かって「この人が私の理想の女性だから」と言ったときに号泣。
無邪気な表情で言うメグが、すごく印象的。
さらに、その後、飛行機の座席に扇子を見つけたステラに号泣。
だって、タピィがいい人で~(T-T)
もう、ラストまで涙が止まらなかったよ。
a_good_woman3この映画の監督・マイク・パーカーの作品は初めて見たんだけど、演出が素晴らしい。
どんな表情にも狂いが無い。
ヘレン・ハントは最高傑作になるんじゃないかなぁという演技してたね。
もう、とにかく、ラスト近くのボートのシーン以降は、ほんとうに目が釘付け。
スカーレット・ヨハンソンは、現在21歳。
『ロスト・イン・トランスレーション』にしろ、これにしろ、本当に演技が上手。
どちらかと言えば悪女キャラなのに、ウブで貞淑な妻を自然に演じてる。
次は、まだ観てない『真珠の耳飾の少女』観るよ。
末恐ろしい子ね。
a_good_woman4完璧な演出と演技と舞台が整った、この素晴らしい映画を観て、凛として生きること、背筋を伸ばして堂々と生きることについて考えさせられたなぁ。
それに、人の噂話の恐ろしさも十分感じた。
もしも、ある人が自分なりの信念と美学を持って生き方を貫こうとしたとき、そのある人が、男だった場合は賞賛され尊敬されるけど、それが女だった場合、嫉妬され、陰口を叩かれ、足を引っ張られそうになる。
そんな姿は、70年以上経った今もあまり変わりが無いんだなぁ。
「人の言うことに流されていたら、自分を失ってしまうわよ」というステラがメグに言う何気ない一言がとても印象的。

演技も脚本も素晴らしいオススメの一本

理想の女 公式サイト

11月 8, 2005 映画-ラ行(アメリカ), 映画-合作・その他, 映画-英国 | | コメント (20) | トラックバック (36)

2005/10/22

ザ・コミットメンツ

1991年のイギリス映画。
10年ほど前に見たんだけど、あまり記憶に無いのでWOWOWで放送したものを録画して鑑賞~☆the_commitments


<STORY>
アイルランドのダブリンで、バンドを持ちたいと夢見るジミーは、新聞広告を出してバンドのメンバーを募集。
地元ダブリンの精肉屋や、フィッシュアンドチップスの店で働く若者ばかりで、ソウルバンドを結成。
その名前は “ザ・コミットメンツ”
ジミーは、ザ・コミットメンツを一流にして、テレビでインタビューを受けることに憧れている。
オーディションを通ったメンバー達は、音はなかなかでも、問題がある人間ばかり、それをうまくまとめるのがジミーの役割だったのだが・・・。

なんで、見たのに記憶が無かったの??
ってくらい良い映画だったの。
この、“ザ・コミットメンツ” のメンバーがどう見てもまずい・・(ーー;)
その辺のおっさん&にーちゃん風。
でも、音を出したら、スゲーーーーーかっこいいの。
特にね、ヴォーカルのデコの声がスゲーーーいいのさ。
音楽的には、ソウルバンドなのでジェイムス・ブラウンのような、ブルース・ブラザースのような感じだね。
もうずっと、音楽ばっかり流してくれって思うぐらい音楽がかっこいい。

人間ドラマはありがちな、青春ドラマなので、特に見るべき点は無いかもしれないけれど、ジミーが夢を持ってがんばる姿は、共感できるはず。
先日見た 『ヴェロニカ・ゲリン』 では、ダブリンの悲惨な姿を見てしまったので、このような明るい映画があってもいいんじゃないかな~。

監督は1987年「エンゼル・ハート」のアラン・パーカー。
最近だと、1996年「エビータ」、1999年「アンジェラの灰」、2003年「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」等など。
いい作品が多い監督ね~。

ソウルフルな音楽が好きな人もそうでない人も、この音楽にはしびれるはず。
音楽映画を見たいときにオススメの一本。

10月 22, 2005 映画-英国 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2005/09/16

ヴェラ・ドレイク

見たいな~。と思っていて、最終日にギリギリ間に合って見ることができた。
銀座テアトルシネマにて鑑賞
vera_drake

<STORY>
第二次大戦後間もないイギリス。
ヴェラ・ドレイク (イメルダ・スタウントン) は複数の家の家政婦をしている。
夫は弟と車の修理工場を経営し、長男・シドは仕立て屋、長女・エセルは電球工場に勤務している。
世話好きなヴェラは、一人暮らしの隣人レジーを食事に招待する。
それが縁でエセルとレジーは付き合い始める。
世話好きでおせっかいなヴェラには、実はもう一つの顔があった。
貧しくて病院に行けない人たちのために、堕胎の手伝いをしていたのだ。
当然、当時のイギリスでは中絶が禁止されており、高額な治療費が必要とされていた。
ヴェラは、「貧しいお嬢さんたちを助けるため」に、お手伝いをしているだけだったのだ。
しかし、ある時、その処置を施した人のうちの一人の容態が悪くなり、病院に運ばれてしまう。
そして、医師の通報により、警察が動き出した・・・。
貧しい家庭を舞台に、中絶という問題を描く映画。
いや~。泣きました。
多分、この映画を気に入る気に入らないは、その人の倫理観だとか、生理的な問題だとか、いろいろあると思うんだけど、私にはそごくズッシリくる映画だった。
ヴェラがしたことは、法律的には“悪”だし、見ていて「えぇ~~( ̄□ ̄;)」と思えるようなちょっとした生理的な嫌悪感も感じていた。
でも、“ヴェラという人”は決して悪ではなく、善の人なの。
その表現の仕方がね、マイク・リーの上手さだと思うの。
「悪いことしたんだから、罰を受けるべき」と、確かに思うの。
だけど、ヴェラがすごくいい人だから、本当に悪いのはヴェラにそうさせてしまった社会じゃないのかと考えさせられちゃうよね。
貧しい人に手を差し伸べてくれるような社会だったら、ヴェラがそんなことする必要はなかったもんね。
で、何がいいって、ヴェラの家族。
夫のスタンは、ただ、そこにいてヴェラの全てを受け入れようとする。
そのスタンの愛情に涙が止まらなくって。
拒否反応をしめす長男シドの気持ちもわかるしね。
私の涙に追い討ちをかけるのは、娘の恋人レジーの最後の一言。
私、こんなことになってしまって、レジーは逃げ出してしまうんじゃないかって思ってたの。
そ、それが・・・。
あの一言を思い出すだけで、今でも涙がでるよ(;_;)
しかし、マイク・リーも難しい問題に取り組むよなぁ・・・って思わずにはいられない作品。
昨年のヴェネチア国際映画祭でグランプリをとったこの作品。
主演のイメルダ・スタウントンは、同じくヴェネチアで主演女優賞を受賞し、アカデミー賞にノミネートされたものの、『ミリオンダラー・ベイビー』のヒラリー・スワンクに奪われてしまった。
いや~、イメルダ・スタウントンがとっても全然おかしくないね。
本当に、自然に、リアルにヴェラになってるから。
鼻歌をうたいながら、幸せに生きていたヴェラが、背中をまるめて歩くようになってしまった空しさが残る映画。
倫理観を問う難しさに耐えられる人にはオススメの映画。

ヴェラ・ドレイク 公式サイト

9月 16, 2005 映画-英国 | | コメント (22) | トラックバック (36)

2005/08/22

カレンダー・ガールズ

昨日ね、すごい良い映画みたんだぁ~。
2003年のイギリス映画 『カレンダー・ガールズ
多くの女性に是非、見て欲しい映画なの~。
calender_girls

感想の前に、ストーリーをご紹介。
イギリスの田舎町ネイプリーでは、週に一回女性ばかりを集めた女性連盟の会合が開かれる。
いろいろな筋の専門家を呼んで、講演を聞くのがその会合の内容。
いわば、そこがネイプリーに住む中年女性たちの社交場になっている。
女性連盟に所属するクリス (ヘレン・ミレン)と、アニー (ジュリー・ウォルタース)はとても仲良しで、ふたりはそんな女性連盟のぱっとしない講演と、保守的な運営にうんざりしていた。
そんなある日、アニーの夫が白血病で他界してしまう。
気落ちしたアニーをみたクリスは、難病で他界してしまった彼の名を病院に残すため、そして施設が十分でない病院の休憩室に椅子を寄付するために、あるチャリティを思いつく。
そのチャリティとは、女性連盟に所属する女性達のヌードを使用したカレンダーを販売し、収益を寄付するというものだった。
そして、カレンダーに載るモデルとカメラマンを集め始めるのだが・・・。
実はこれ、イギリスであった実話。
ある田舎町に住む女性の夫が白血病になってしまい、彼女の夫の治療費を稼ぐために近所に住む女性達が協力してヌードカレンダーを 作ったんだって(@@)
すごいよねぇ~。
で、この映画の何がすごいって、その彼女達がとても素晴らしい。
最初は、ヌードになることに抵抗を感じていたのに、実際撮影し始めるとだんだん楽しそうに、イキイキとしてくるの。
もちろん、みんな40歳を過ぎ、おばあちゃんの歳のような人もいるの。
でも、ちっとも後ろ向きじゃなく、ユーモアがあって、自分達がヌード写真をとっているということに誇りを持って、胸を張ってる。
彼女達が本当にステキでさぁ、そのカレンダーに掛ける熱意に泣けちゃうんだよね~。
中でも、特にアニーがすごく良かった。
はじめは、夫の名前を病院に残したいというささやかな願いから始めたことだったけど、そのうち、同じような境遇にいて悲しい思いをしている女性達を助けたいという思いに変わっていく過程が、すごく自然に絵が描かれていて良かったなぁ。
アニーが夫と過ごす幸せなひと時、リーダー格のクリスが脱線しそうになった時は的確にアドバイスをし、そうでないときは静かに見守り、影で助けるアニーの姿には本当に泣ける。
どんなにつらいことがあっても、じっと静かに耐え忍んできた彼女がラスト近く、思わず感情を爆発させてしまう瞬間がある。
そうだアニー。よく言った!!と言ってあげたくなった。
これ、演じてるジュリー・ウォルターズがすごくいい。
この方、田舎町の主婦をやらせるとダントツ上手い。
彼女は、『リトル・ダンサー』の先生役や、『ハリー・ポッター』のロンのお母さん役もしているので、日本でも結構馴染みがあるかも。
私としては 『ガールズ・ナイト』 っていうちょっと前の映画の彼女が印象深い。
興味のある方は、『ガールズ・ナイト』 もオススメ。
なんと、映画の元になった実話の方のアニーが、「私の役は、是非ジュリー・ウォルターズに演じて欲しい」と願っていたそうで、ご本人が願いがかなったと喜んでいるらしい。
もちろん、ジュリー・ウォルターズだけでなく、ヘレン・ミレンも他のカレンダー・ガールズも皆自然体で素晴らしい。
なんで、隅から隅までこんなに演技が上手いんだ ( ̄□ ̄;)
と呆気に取られた一本でございました。
こんなに、女優さんいっぱい集めて、監督はさぞかし大変だったろう・・。
と思ったけれど、なんと監督は、本作で長編二作目の新人・ナイジェル・コール。
今後に注目だな。

体が美しい人しかヌードになっちゃいけないなんて誰が言ったんだ。
そんな彼女達の声が聞こえてきそうなこの映画。
「リトル・ダンサー」や「ブラス!」等、イギリスの小さな秀作がお好きな人には、是非オススメしたい一本。

カレンダー・ガールズ 公式サイト

8月 22, 2005 映画-英国 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2005/07/14

ぼくの国、パパの国

ブログを始めてから3週間ほど経った。
今までより、ニュースをマメにチェックするようになったなぁ。
日頃、自宅で作業をすることが多い私は、あまり日常に変化が無い。
となると、「今日のブログのネタはどうしよう・・(ーー;)」と悩んだとき、TVでニュースを見たり、ネットニュースをチェックしたり、新聞に目を通したりする。
ここ数日のニュースの中で、特に気になったのは「ロンドン同時多発テロ」。
一昨日前あたりから具体的に容疑者が浮上してきたことで、ある映画を思い出したんだ。
それは、『ぼくの国、パパの国』east_is_east
簡単にストーリーを説明すると、30年ほど前にパキスタンからイギリスに移住した男性が、イギリス人女性(白人)と結婚し、7人の子供を育てながら、「フィッシュ&チップス」の店を経営している。彼は、子供たちを敬虔なイスラム教徒に育てようとするが、子供たちにとってイスラム教は遠い国の宗教だった・・。
イギリスに住むパキスタン移民の家族が抱える問題を、コメディタッチで描く映画だった。

4年ほど前に日本で公開された映画だけど、それ以来見ていないから、ちょっと記憶が薄いけど、このときはまだ911も起きてなくて、イスラム教徒がテロリストになるなんていう印象はほとんど無かった。
まぁ、私が単に無知だったってこともあるけど f(^^;)
この映画がきっかけで、イギリスに多くのパキスタン移民が住んでいるということを知ったし、家族のつながりや、伝統・文化を大事にしていこうとするお父さんの姿が、アジアを感じさせてね。
笑いながら心が暖かくなる映画ってことは、強く印象に残ってるの。
残念なことに、今回の同時多発テロの実行犯とされる人の家庭環境が、あまりにもこの映画で描かれている家族と酷似しているんだよね。もう既に、「同時多発テロ」の実行犯は自爆してしまったので、その動機はわからないけれど、
この映画で描かれているような普通の家庭からテロリストが生まれるのなら、東京で起きても不思議はないよなぁ。なんて、ぼんやり考える。
イギリスにいるパキスタン移民の現状や、彼らとイギリス人の関係、イギリスのイスラムコミュニティー、今回のテロの実行犯と言われる人は、どんな環境で育ったのか・・etc.を知りたくなった人は、この映画を見れば理解の助けになると思う ( ̄- ̄)b
あ、もちろん、イギリスに住むあるパキスタン移民の家族の話として見ても十分面白いので、興味のある方はどうぞ。

7月 14, 2005 映画-英国 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2005/07/01

ラヴェンダーの咲く庭で

この「ラヴェンダーの咲く庭で」、あまり聞いたことが無いかもしれないけれど、あのピアノマンの話にそっくりな映画と言われると、「あぁ~聞いたことがある・・」かも。
な~んて、私だってピアノマンの報道の時に知って、「なんだ、映画の話題づくりか・・」なんて気にしてなかったのに、映像が流れたときに、ジュディ・デンチが出てるの知って「見たいな~」に変わったのだ(^^;)ハハ。
そんな訳で、渋谷のBunkamuraルシネマで鑑賞。
lavenderなんだけど、劇場に着いてみてビックリ、公開から1ヶ月近く経っていて、平日のど真ん中水曜日で、レディースデイを実施していない映画館なのにも関わらず、30分前に着いたのに満席・・(@@)どうやら、1時間半前に売り切れてしまったらしい・・。しょーがないから夕方の回に急遽変更。結局、朝一から夕方まで全て満席だった。
で、そのストーリーとは・・・。
第二次大戦開戦直前のイギリス。アーシュラ(ジュディ・デンチ)とジャネット(マギー・スミス)の姉妹は、田舎の漁村に二人だけでひっそりと暮らしている。そんなある日、海辺を散歩していたアーシュラとジャネットは、浜辺にうつぶせになって倒れている青年(ダニエル・ブリュール)を見つけた。どうもどこからか流されてきたらしい。英語を話せず、身寄りもない彼を気の毒に思い、しばらく、彼女たちの家であずかることに。姉妹の献身的な看護の甲斐があり、徐々に体力を回復する青年。彼女たちも、突然の訪問者に戸惑うよりも、彼を看護することに生きがいを見出していく。しばらくすると、彼がバイオリンの名手であり、ドイツ語を話すポーランド人で名をアンドレアということが分かった。そしてそこへ、若く、ドイツ語と英語を話す謎の美人画家・オルガ(ナターシャ・マケルホーン)が現れて・・。

これね~、なぜ、毎回満席なのかが良く分かる。本当に良い映画
もしも、男性にめぐり合う機会も無いまま隔離されたような僻地で暮らしていたところへ、ステキな男性と暮らし始めることになっとする。彼はとてもキュートで、優しい心を持っていて、才能に溢れている。
もしもこのまま、この人を隠したまま暮らしていけるのならば、誰にも紹介しないでひっそりと幸せに暮らしていきたい。
きっと、誰もがそう思うでしょう。
ジュディ・デンチは素晴らしい表現力で、アーシュラのそんな気持ちをストレートに伝えてくれる。70代かと思われるアーシュラが口には出さなくても恋をしている。表情を見ているだけでそれが分かる。それだけでも、見る価値ありの映画だと思う。
そんなアーシュラを、陰ながら静かに見守り続けるしっかり者の姉ジャネットを演じるマギー・スミスも映画に品と落ち着きを与える。
最後、姉妹が下した決断に、しばらく涙が止まらなかった(T_T)
女は死ぬまで女。そう堂々と言える映画に出会えた。
今頃、ピアノマンも誰かに幸せ与えてるかな~?いや、現実は違うんだろうな~。

ラベンダーの咲く庭で公式サイト
ジュディ・デンチといえば『007シリーズ』のMが一番有名かもしれない。ご本人はイギリスの演劇界でご活躍とのことで、芸暦の割りに映画の出演本数が少ないから。少ないけれど印象は濃い。
私の中では、特に、ジュディ・デンチと言えば、この『アイリス』
イギリスの女流作家、アイリス・マードックの生涯を映画化した作品で、若きアイリスを『タイタニック』のケイト・ウィンスレットが、年老いて、認知症に身を侵されていく姿をジュディ・デンチが演じている。
はつらつとしていたケイトのアイリスも印象的なら、その若い頃の姿から想像もつかない姿に変貌していくこのジュディのアイリスも見事で、老いていくことの、寂しさやむなしさが胸に刺さる。
唯一、常にそばにいて、変わり者のアイリスを常に愛し続けた旦那様の存在が救い。そんな、ややつらい映画だけど(^^;)ジュディ・デンチの演技を満喫できるので、気になる方はどうぞ。

7月 1, 2005 映画-英国 | | コメント (0) | トラックバック (8)