2008/09/17

ヨコヅナ・マドンナ

★映画館で予告編を見て、「かわいい映画だなぁ~」と思っていて、最近、公開されたのを知ったので、早速見に行ってきました。
 いや~、楽しく笑わせていただきました♪

Yokozuna_1

★マドンナのような女の子になりたい男の子・トングが主人公です。
 女の子になるためには、お金が必要!ってことで、「優勝したら奨学金500万ウォン(約50万円)」のために、シルム(相撲のような競技)大会に出ることを決意するのです。

★ただ能天気に「女の子になりたい~☆」と思っているワケではなく、母は家出して、父は酒飲みのDVで、弟は父親に似てきたし、学校(男子校)では、女の子みたいだとイジメられる日々。
 唯一の希望は、学校の日本語教師(チョナン・カン)だけ。

★個人的に、こういう、どこにでもありそうな町の一角を切り取って、そのまま写し出したような小さい作品が大好きです。
 私たちの生活って、ハリウッド映画のように、劇的な事件が身の回りで起こっているワケでなく、ぶっ飛んだ人たちに囲まれて暮らしているワケでなく、周りの人からしたら、どうってことない小さなことに喜んだり、悲しんだりして生活しているじゃないですか。
 そういう、町の片隅で生きている小さな人たちの、小さな幸せを拾っているような映画が大好きなんです。
 もちろん、ハリウッド的豪華絢爛も大好きですが、そればっかりが映画じゃなく、小さい小さい映画も大事にしたいのです。

★このトングの家、とっても貧乏なんですよ。
 貧乏だからといって見下した感じではなく、どちらかといえば同情的で、でも、ただ同情するだけじゃなく、貧乏の原因となっている父の素行の悪さもちゃんと描いています。
 だからこそ、トングのひたむきさが浮かび上がってくる。
 そういう生活の切り取り方が、この映画の良さを引き立てています。

Yokozuna_2

★それに、この主役のトングがなんだか、とってもかわいいのです。
 まぁ、かわいいという歳でも、外見でもないですが、思春期を迎えた男の子が、裸になることに対して恥じらいを感じ、ゲイであり、父親のDVという精神的ハンデを抱えながらも、なんとか前を向いて歩こうとするひたむきさ、それに、何といっても、ダンスの上手さ!ここがとってもキュートなのです。
 チーム・ぽっちゃりに所属の私としては、どうにも見逃せないキュートさなのです。

★彼の周りにいる人たち、シルム部の先輩に、監督、それに彼がゲイであっても親友であり続ける親友。
 彼らがとってもユーモラスで笑わせてくれます。
 特に、天然ボケの先輩たちがとっても楽しい。

★その先輩の一人を、先日、バイク事故で亡くなったイ・オンが演じていました。
 無愛想で利己的な先輩を演じていて「コーヒープリンス1号店」とは違う姿を見せてくれました。
 じっくり見てあげようと思って見ていたのですが、やっぱりなんだかちょっと切なくなってしまいました。

★それに、チョナン・カン。
 出てるなんて知らなくて。
 なんだか、SMAPの人だって感じがしなかった。
 それなりに印象に残る役で良かったんだじゃないかな。

★ラストは、ちょっと無理矢理感がありますが、「まぁいいじゃないか」と大目に見てあげたくなる微笑ましさがこの映画には漂っています。
 いっぱい笑って見終わってから、心が温かくなっている映画です。

ヨコヅナ・マドンナ 公式サイト
 

9月 17, 2008 映画-韓国 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008/09/07

TOKYO!

★3本の短編からなるオムニバス映画です。
 個人的にオムニバスってあまり好きではないのですが、ミシェル・ゴンドリー × レオス・カラックス × ポン・ジュノ + 蒼井優 と知り、
 「私の大好きな才能盛り沢山!絶対見なきゃ~ w(゚o゚)w」
と思い、ラッキーなことに地元のシネコンで上映していたので、見に行ってきました。

★この才能の集め方のセンス。最高。
 一部のマニア向けかと思いきや、予想以上に客席が埋まっていたので、まだまだ映画好きっているんだなと少しホッとしたのでした。

ミシェル・ゴンドリー「インテリア・デザイン」

Tokyo_1

 ミシェル・ゴンドリーの映画ってすっごくぶっ飛んでるイメージなんですよ。いつも。
全身毛だらけの女の人が出てきたり、真っ赤に髪を染めたぶっ飛び女が出てきたり…、その割りにおとなしいなぁと思ったのは、東京自体がぶっ飛んでる??
 
 彼が見たTOKYOのイメージは、狭くて、ジメジメして、景色の悪い部屋に高い金を出して住んでいる若者たち。
 終いには、彼らがインテリアの一部になってしまう。
 その部屋のジメジメ感といい、狭さといい、妙にリアルで良い感じです。
 いつも日本のテレビドラマで
 「あり得ねーだろ」
 って感じの、広くて素敵な部屋に住んでいるOLさんの描き方が、気持ち悪かったのですよ。
 それりゃ~、欧米の人達から見たら、ぶっ飛んだ生活かもね。
 しかも、インテリアの一部になっていくあたり、唐突で奇妙で違和感たっぷりなのですが、そのぶっ飛び感がゴンドリー流で楽しかったです。


レオス・カラックス 「メルド」

 Tokyo_2

 観る前に一番期待していたのは、このカラックスでした。
 「ポンヌフの恋人」以来ですよ。16年経ってるんだってさぁ~∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
 久しぶりのカラックスに過剰な期待をし、見終わった後、もっとも退屈だったのはコレでした。

 カラックスの考えてることを、正確に理解しようとするのは、まぁ、ほぼ無理だと思っているので、あまり考えずに見ましたが、彼の見たTOKYOは、敗戦という過去や荒地だった東京を下敷きに今があって、さらに、“菊”に象徴される伝統を食いつぶしていると、そんな東京は一旦ぶち壊してしまったらどうかと。
 そんな提案のように見えました。

 その象徴として登場するのが、“メルド(=糞)”という名の下水道に住む緑の怪物です。フランスの核実験が生んだのがゴジラなら、伝統や愛国心を捨てた日本が生んだのがメルドです。

 そう考えると、かなり辛らつなんですが、「東京」と言いながら、東京で探すのが難しいフランス人(彼の常連ドニ・ラヴァン)を主役にし、そうなるとジュリエット・ビノシュのいないカラックスは、やはり、迫力や説得力に欠け、常に暗い雰囲気の画面は退屈に感じてしまうのです。

ポン・ジュノ 「シェイキング・トウキョウ」
 このオムニバスの中で、一番面白かったのは、このポン・ジュノでした。
 まぁ、お気に入りの蒼井優ちゃんが出てるので、多少贔屓目ではありますが・・・。
 超高層ビルが乱立する姿だけじゃない東京をちゃんと描いてくれていましたし、オタク文化の日本の根底にある家に引きこもりがちな人々の姿も正確に描写してくれたように思います。

 彼の見た東京は、几帳面で、読書家で、引きこもりがちで、ロボットのように正確な動きをする日本人であり、よく地震の起きる町です。

 香川照之が引きこもりの主人公を演じ、蒼井優が、彼の心をはじめて乱す女の子を演じています。

 私って日本人なんだなぁと思うのは、この香川照之の家はそこら中本だらけなんですよ。でね、「驚くかもしれないが、僕はここにある本をほとんど全部読んだ」
って感じのセリフがありまして、
「驚かないだろう~、10年も引きこもりしてたら、それぐらい読めるだろ~」
と思ってしまったのですが、日本人ですよね~、海外の人は、そんなに本読まないんですよね。

 ちょっと神経症気味で、内気な男性を香川照之が好演しているのはもちろんですが、冒頭とラストに登場する蒼井優は、相変わらず良い演技を見せてくれます。
 頭とラストでは、表情も立ち振る舞いも全く違います。
 期待を裏切りません。

 さらに、ちょうど中間あたりである大物が登場しますが、これが超いい味を出しています。彼の登場は知らずに見て欲しいので、名前は伏せておきますが、会場は爆笑に包まれていました。
 かなり楽しかったです。

 
★最後に、共通して気になったのは、彼らの描く日本人はどれも、無気力なんですよ。
 昔の日本人といったら、働き蜂で、一年中働いていたイメージだったと思うのですが、今回では、将来に不安を感じ、仕事もやりがいより、生活ための義務で、嫌になったら辞めればいいし、周りの人と上手くコミュニケーションをとれない姿が描かれていました。
 ある意味リアルなのですが、外国人が描くほどにその姿が伝わってしまうのかと思うと、もっと元気な姿を見せていかないといけないなぁと感じたのでした。 

9月 7, 2008 映画-仏, 映画-合作・その他, 映画-日本, 映画-韓国 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008/07/01

シークレット・サンシャイン

★チョン・ドヨンがカンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞した作品です。

★韓国の地方都市、密陽(ミリャン)(英語:シークレット・サンシャイン)を舞台にある事件で息子を失ってしまった女性と彼女に対する神の救済についてが描かれています。

Secret_sunshine

★この映画には大きく分けて3種類の人間が出てきます。
・キリスト教の熱心な信者
・神に立ち向かう者
・犯罪者

★主人公のシングル・マザー、シネは、金目当ての誘拐事件の果てに息子を失ってしまいます。
 彼女はそれをきっかけにキリスト教に入信し、熱心に信奉することで、事件の痛手を少しずつ癒していきます。
 そして、『汝の敵を愛せよ』という神の教えのとおり、息子を奪った犯人を許すために刑務所へ向かいます。

★ところが、その犯人は既に牧師の下で神の許しを得ていたのです。

★そこから、シネの神への反逆が始まります。

★そりゃそうでしょう。
 彼女がその『汝の敵を愛そう』と思うまで、どれだけの時間がかかり、どれだけの葛藤があったのでしょうか?
 その彼女の姿を神は見ていなかったのか??

★この刑務所の対面シーンでは、マリアのように穏やかな表情を浮かべていたシネの顔が見る見るうちに般若の面に様変わりしていきます。
 主演女優賞を取ったチョン・ドヨンの見せ場はここから始まっていきます。

★しかし、神はシネが思うよりもより大きく、絶対的な存在だったのです。

★彼女が神に反抗し、立ち向かおうとすればするほど、神は彼女に試練を与えるのです。

★熱心な信者と、それに立ち向かうシネの間にぼんやりと存在しているのが、ソン・ガンホ演じるチョン社長です。

★彼はコミカルな演技でこの映画の笑いの部分を担当していますが、その裏でシネにとっても、それを見ている観客にとっても精神的支柱にもなっています。

★多くの熱心な信者で出てくる中で、その中に混じりながらも、ちょっと外れてタバコを吸ってみたり、悪態をついてみたり、集会をサボってみたり。
 映画の登場人物たちの間では奇妙な行動のように見えることも、実はとても標準的で、一般的な人間の行動なのです。
 セミナーや集会とかでよく体験することですが、テンションが高すぎる人たちや、低すぎる人たちに囲まれているととても疲れてしまうのですよ。
 この社長はその間をふらふらと行き来するのです。
 集会に参加して、信者たちとお話しすることは楽しいけれど、神にその体をささげることができるかと言ったら、そんなことはなく、グータラな生活を送りたい。
 その姿は、神の存在など感じることなく、煩悩で生きている私に安心感を与えるのです。

★恐らく、シネにとっても社長の存在は、とても安心できるものだったに違いないと思うのです。
 息子が生きているうちは息子が、息子を失うと神がそれぞれ彼女を支えていました。
 そして、神を失ったとき精神の崩壊が訪れたのです。
 しかし、精神的に崩壊し、不安定になってしまった彼女を前と変わらず愛し、寄り添ってくる社長を、彼女は精神的に受け入れざるを得なくなってくるのです。

★密陽-シークレット・サンシャイン- 密かにさす陽射しとは、どんな光でしょう・・・。

★光は、密かに照らすことはありません。
 地下にでも潜らない限り、どんなときも、そこがどんなゴミ溜めであっても、光が照らします。
 その光が神の射すものだとするなら、神から隠れることはできないのです。
 シネがこの密陽に引っ越してくる前に、ロマンティックだと感じていたこの土地の名前も、今となっては皮肉でしかありません。

★シネが現実を受け入れず、神に挑戦を続ける限り、彼女への試練も続くのです。
 でも、だからこそ、彼女は人間らしく、愛すべき女性なのです。

シークレット・サンシャイン 公式サイト

7月 1, 2008 映画-韓国 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2008/05/19

光州5.18

★久しぶりに映画を観て号泣しました・・・。

May18

★「悲しさ」もあったけれど、「殺される怖さ」もありました。

★1980年韓国チョン・ドファン政権時、光州で実際に起きた話が元になっています。
ミヌ(キム・サンギョン)とジヌ(イ・ジュンギ)の兄弟は幼いころに両親を亡くし、兄・ミヌがタクシー会社で働き、成績優秀な弟・ジヌをソウル大学に入学させることだけを目標にしています。

★その弟の親友が5月18日の打倒軍事政権デモで殺されてしまい、ジヌは、その親友を想い、デモに参加するようになります。
軍事政権の恐ろしさよりも正義を強く求める弟を心配するミヌだったが、ジヌはそのミヌの目の前で政府軍に撃たれてしまうのです・・・。

★悲しかったのは、引き裂かれてしまった家族があまりにもたくさんいたことであり、恐ろしかったのは、隅から隅まで人が殺されていくことです。
それが、子供であろうと、女であろうと、年寄りであろうとお構いなく、それも同じ国民に。

★軍事政権の戒厳令は何度かドラマや映画で見て知っていたのですが、こんな悲劇があったとは、知りませんでした。
当時、私は小学校2年生ぐらいだったはずで、テレビのたのきんトリオに夢中になっていたころです。
隣の国でこんなことが起きていたなんて知るはずもないのでした。

★きっと、韓国にとって、この事件は今までも、これからも大きな歴史の一つになるはずなので、観ておいて良かったと思うし、今では、この時犠牲になった人たちが願う自由な国韓国になっているということが救いです。

★本作のキム・ジフン監督は、歳が私と一つしか違わないということにショックを受けています・・・。
しかも、長編2作目。
今後の作品が楽しみですし、前作『木浦(モッポ)は港だ』も見てみたいと思いました。

光州5.18 公式サイト

5月 19, 2008 映画-韓国 | | コメント (2) | トラックバック (3)

2008/05/13

フライ・ダディ

★週末にDVDで見ました。
 日本映画『フライ・ダディ・フライ』の韓国版リメーク映画です。

Fly_daddy

★最近、主役のイ・ジュンギが気になっています。
好きという訳ではないのですが、努力家だなぁと関心しています。
日本映画の『ホテル・ビーナス』以来、ちょくちょく目にしていますが、毎回違う表情だったり、アクションを見せてくれたりしているので、今後年齢を重ねて感情の幅が広がれば、もっといい俳優になれると思うのです。
なので、今後、どうやって努力と経験を重ねていくのかが非常に楽しみな俳優さんなんです。

★さて、この映画そのものは、日本版と韓国版、どちらが良かったかと聞かれると、正直、オリジナルの日本版の方が良かったと思います。
日本版に溢れていた爽快感が、韓国版ではイマイチ描ききれていなかったように思います。

★だいたい、設定に少し無理があるように思います。
厳格な年功序列制が日常生活に染み付いている韓国で、くたびれたサラリーマンを高校生が“おっさん”と呼ぶこと自体にぎこちなさを感じます。
それを言い訳するように、映画の中では、イ・ジュンギがおっさんを「年下がアジョッシ(おじさん)と呼んでタメ口きくのはおかしいから」とあだ名で呼んでいますが、そうなってしまうと、この物語の良さのニュアンスが少しずれてしまうような気がするんですよね。
だからと言って、「おい、おっさん」と言わせることもできず・・・。
どうしても、無理がでちゃうんですよね。
まぁ、文化の違いですから、しょうがないんですけど。

★決定的に違いがあった、爽快感なんですが、日本版は真夏の設定だったことに対し、韓国版は冬が舞台になっています。
真夏の青空の下、汗だくになった堤真一が筋肉と父権を取り戻すと言う姿は、それだけでも画的に爽快感があるのですが、冬を舞台にしてしまうと、全体的に雰囲気がグレーですし、あまり汗かかないですしね(^^;)どうも、爽快感って雰囲気はないんですよね。

★それにラストの決闘についても、ここで結果は書かないですけど、フィクションと割り切ってファンタジックな終わりを見せる日本版と、あくまでもリアリティのある終わり方を追及した韓国版の違いが出てきます。
そこは趣味の問題かもしれないですが、「飛べ!オッサン」という決め台詞からして、ファンタジックで夢見がちな終わり方が先程の爽快感と相乗効果があって、良かったんじゃないかなぁと思います。

★日本版も韓国版も「家族を守りたい」というメインテーマは一緒ですし、少年とおっさんの擬似親子的な関係も一緒です。
伝えたいことは一緒なんだなという気持ちはよく伝わってきます。

★同じストーリーを描くにしても、文化の違いで、いろいろと違いが出て来るんだなぁということが良く分かりますねぇ。
今後もこうして、韓国と日本でリメークし合えると良いですね。

フライ・ダディ 公式サイト

5月 13, 2008 映画-韓国 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008/02/11

Mr.ソクラテス

★キム・レウォン主演の韓国映画です。
 土曜日に見てきました。

★キム・レウォンはわりとお気に入りの俳優のうちの一人です。
 この映画では、チンピラ“ドンヒョク”を演じています。
 手の付けようのない悪だったドンヒョクが、ヤクザに目をつけられ、教育された上で、犬として警察に送り込まれる話です。

Mr_socrates

左がキム・レウォンです

★まぁ恐らく、この時点で、どっかで聞いた話だ・・と思う人もいるでしょう。
 そこで、『インファナル・アフェア』とこの映画を比べたりしたら、この映画が気の毒ですcoldsweats01
 それ程、完成度の高い映画ではないとだけ言っておきましょうか。

★それよりは、軽く見れる作品です。
 しかし、何でしょう。
 正直言ってしまうと、キム・レウォンってあまりチンピラ役が似合わない気がします。
 ロマンスの方が似合っているのではないかと。
 どんだけワルと言われても、下品にはなれない。
 そんな印象でした。

★恐らく、“犬”として送り込まれたキム・レウォンのその先がこの映画の見所なんでしょう。
 しかし、それにはちょっと見せ場が足りない気がします。
 特にアクションが得意というわけでもないキム・レウォン。
 彼の持ち味は感情表現だと思っているのですが、そこを何を考えているのか分からないクールなソクラテスにしてしまった分、彼の味を最大限生かせないまま終了してしまったように思います。
 逆に、もっと熱い男、または、時折見せる熱い部分をもっと見たかったかなと思います。
 特に、弟に見せる“情”は持ち味が出せていたと思うので、あんな風に、つい感情的になってしまうところをもっと見たかったかなかと。

★しかし、見所が全く無い訳ではありません。
 女性キャストが全く無い(キム・レウォンの映画なのにsign02 )男だけの世界を楽しめますし、時にはクスッと笑えるシーンもあります。
 韓国映画ではお馴染みのケンカも盛りだくさんなので、それなりに楽しめるかと思います。

2月 11, 2008 映画-韓国 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/01/05

カンナさん大成功です!

今年一本目の映画として、妹(のようなもの)と一緒に、この韓国映画『カンナさん大成功です!』をららぽーと横浜に見に行って来ました。

体重が100kg近いカンナさんが、大好きな人に「ブス」と陰口をたたかれることで心機一転、脂肪吸引と整形で、美人に生まれ変わる、でも・・・というロマンティックコメディです。

いや~、大爆笑のコメディです。
やはり韓国、体張って流血もんの笑いもあるし、美人至上主義的な部分に対する皮肉ありで、ゲラゲラ笑いっぱなしでした。

個人的に言えば、整形って全く興味が無いですが、この日本原作の“整形”についての映画が整形大好きの韓国で作られてるってのが面白いのですね。

「い~じゃん、い~じゃん、美しくなれるんだったら、どんどんやちゃえよ~」的なノリも感じます。

まぁ、結局のところ、男性は美しい女性が好き。
でも、実際に目の前に整形美人がいたら、戸惑ってしまうってことですね。

この整形美人に愛され、戸惑ってしまう二枚目をチュ・ジンモが演じています。
彼のドラマは見ていなかったので、随分久しぶりに見た気がします。
『MUSA』の時と同様に、なかなかいい男ですね。

今回もコメディ路線の中、最後まで硬派を貫いていました。
その硬派っぷりがステキでした。

主役の整形してしまうアイドルを演じたのは、キム・アジュンです。
彼女は初めて見ましたが、すごく歌の上手な女優さんなんですね。
歌手役にピッタリです。
ところが、歌を歌うのは今回初めてとのことで、すごくビックリです。

お話としては、結局、デブのブスでいるにしろ、整形美人でいるにしろ、見た目のコンプレックスは最後まで消えないってことなんです。

そのコンプレックスを消すためには、誰よりもまず、自分を愛して認めなさいってことなんですよねぇ。

デブのブスでいる自分も、体中整形だらけの自分も。

とは言いながら、結局整形を認めてしまっている訳で、私としては、整形美人よりも、食事制限とか、運動とかして、努力して美しくなろうとしている人の方がよっぽど健康的で美しいよなぁと、つくづく感じたのです。

1月 5, 2008 映画-韓国 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007/11/13

クライング・フィスト

カンヌで国際批評家連盟賞を受賞したらしいですが、私には少し物足りない感じでした。

主人公は二人の男です。
一人は、中年男・テシク(チェ・ミンシク)。
元アジア大会銀メダリストのボクサー。
現在は、事業に失敗し、妻と息子に逃げられ、「殴られ屋」としてストリートに立つも、うだつは上がらず、ボクサー時代の後遺症で失明寸前。

もう一人は、20代前半の若者・サンファン(リュ・スンボム)。
学校にも行かず、定職にも就かず、地元で周りの人間から金を巻き上げて生活しているならず者。
結局、金目当ての強盗傷害事件を起こし、刑務所行きに。
父と祖母に苦労をかけ続けた上、父は事故死。

この二人の男がボクシングで、自分自身を取り戻していくお話です。

Crying_fist1

まず、基本的に、私、ボクシングのことがさっぱりでして(^^;)
どちらかといえば苦手なんですよ。
だから、「ボクシングを扱った映画」ってのも、あまり得意でないんです(ーー;)
アリ(2001) 』なんて、絶賛されても、あまりピンとこなかったですし・・・。
なんて、あぁ延々と殴りあわないといけないのよ・・・。
ぐらいの気分なんです。

じゃぁ、見なきゃいいじゃん!
って話ですよね(^^;)

まぁ、まぁ、そう言わずに・・・。
そんな感じなんで、ボクシング好きの人には全くご参考にならない感想です。

この主人公二人が、あるとき出会うのですが、そこまでの道のりが「長い!」
正直、途中で退屈してしまいました。
もっと、時間軸の切り取り方を工夫して、テンポ良くしてくれたらいいのに・・。
と何度も思いました。
映画の四分の三ぐらい、ひたすら、ダメ男たちのダメな生活を描いているんですよ。
「もう、ダメなのは分かったからさぁ、先進もうよ・・・」
と言いたくなってしまう。


でも、韓国映画特有の、市民の肌にベターーーーーッと張り付く感じの作風はいいですね。
ベターーーーーッって・・・、それじゃぁ、分かりにくいですよね(^^;)
映画を見ていて、「生活のつらさを体感する」ことってよくあるじゃないですか。
それが日本映画であれば、自分の人生を反映させて考えるし、海外の映画であれば、その地元の庶民感覚を通じて、自分のことのように感じることもありますよね。

この映画も含めて、韓国映画って、その「痛いぐらいの庶民感覚」ってのをよく感じるんですよ。

人に殴られても、刑務所の地べたを這いつくばっても、
「自分を応援してくれる誰かのために生きなきゃならない」
そんな、どん底の感覚。
その感覚を、“頭で理解”するんじゃなくて、“映像を通じて体で感じる”のですよ。
本来、映画って、そういう“体で感じる映像”がとても大切だと思うんですよね。

多くの韓国映画は、その“体感”の部分がとても優れていると思うんです。
だから、私は好きでよく見るんです。
映画にずっぽり体ごと入って感じたい人間なんで。
もちろん、アメリカや、ヨーロッパにもそういう映画はありますが、同じアジアで、肌感覚が近いだけに、余計感じ取り易いのでしょうね。

Crying_fist2

この映画も、その“どん底の庶民”的感覚を体で感じることができる部分はとても素晴らしいと思います。

個人的には、もっとテンポアップしてくれれば良かったのに・・と思うのですが、ボクシング好きの人は、
「ボクシングのシーンをじっくり見せてくれ」
と思うに違いないので、私の考えは、
「単なるボクシングファンじゃない人間の考え」
です。

ボクシングが好きな人、彼らの生活に興味がある人、どん底を這いつくばっても生き抜きたい人にはオススメです。
ボクシングって、あまり好きじゃないって人には、特にオススメしません(^^;)

クライング・フィスト 公式サイト

11月 13, 2007 映画-韓国 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/10/15

サイボーグでも大丈夫

最近見た何本かの映画の中で、この映画が一番お気に入りです。

パク・チャヌク監督がかなり好きなのですよ。

この監督は、「人の頭の中」をぶち壊すのが得意な人だと思うんです。

彼の作品を見ていると、人が持っているモラル、倫理観、常識、理性、道徳・・そんなものは「クソ食らえ!」って言っているような気がするんです。

Saiborg1

だから、いつも人が予測してなかった方角からズバッとモノを見せられると
「あぁぁぁぁ参りましたm(_ _)m」って頭下げたくなっちゃって、その後には、超楽しい世界が待ってるんです。
分かりづらいですよね・・・(ーー;)
兎に角、私って、パク・チャヌク監督の映画を見ていると、脳みその柔軟体操しているみたいな気分になって、すごく楽しいんです。
あぁ、頭を固くしちゃいけないなって、つくづく教えられます。

私の中でそういう特異な感触がある監督がもう一人いて、それは、ポン・ジュノ監督なんです。
二人とも、道徳や倫理をとても大事にする儒教の国・韓国で生まれたんだから、とっても不思議なんですよね。
やはり、人間って、「これが正しい」「こうしなさい」「あぁしなさい」と教え込まれると、その空を破りたくなってしまうんでしょうか?

Saiborg2

まぁ、そんな私の奇妙な趣味よりも、今回の映画ですが、
舞台は精神科病棟です。
ここで、本能のおもむくままに恋に落ちてしまうイルスン(チョン・ジフン(歌手の時はピ))とヨングン(イム・スジョン)を描いています。

どうでしょう。
精神科病棟と聞いて、どんなイメージが沸くでしょう?
怖い看護婦さん、強い薬、電気ショック、虐待・・・。
そんな『カッコーの巣の上で』みたいな怖いイメージはないでしょうか?

パク・チャヌク監督は、今回、精神科病棟をロマコメの舞台にしちゃったんです。
そんなこと考えますか?普通?

壁に絵が描いてある明るい配色のかわいい部屋で、みんな楽しそうに毎日を過ごしてる。
そんな風に考えたことってあまりないのですが、もしかして、これが本当の姿かもしれないと思ってしまうのです。

Saiborg3

この映画をみていると、患者さん一人ひとりが本当に魅力的なのですよ。
主演の二人に限らず。
もちろん、一般社会に出したら日常生活できないだろうなぁ・・・と思われる人たちですが、理性とか、常識を超えた魅力的な人々が描かれています。

まぁまぁ、現実とかけ離れているというご指摘もあるかもしれないですが、精神科患者のひとたちにも甘い夢を見る権利があると思います。

ピの歌声も一つの魅力になっています。

サイボーグでも大丈夫 公式サイト

10月 15, 2007 映画-韓国 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007/08/20

私たちの幸せな時間

以前、テレビでこの映画が特集されているのを見て、「見たいなぁ~」と思っていたのですが、「東京かぁ・・・きっと、無理だなぁ・・・」とあきらめていたところ、このお盆期間中にまだやっていることを知り、迷わず行ってきました。
これまた、東京に見に行った甲斐のあった映画でした。

Our_happy_time1

カン・ドンウォン演じる主役のチョン・ヨンスは、3人の人を殺した死刑囚です。
そこへ、イ・ナヨン演じる自殺願望の強い大学講師ムン・ユジョンがシスターである叔母に連れられヨンスを改心させるための面会に行きます。

それ以来、毎週木曜日は、ヨンスとユジョンが面会をする日になりました。
初めは気まずく会話もない二人ですが、後々「私たちの幸せな時間」へと変化していくことになるのです。

この物語は、韓国の人気作家が書いたベストセラー小説を映画化しています。
ですが、まるでノンフィクションのようなリアリティも感じる映画です。

Our_happy_time2

例えば、ヨンスの日本人じゃ考えられないような貧しさとか、常に家族に背を向けて生きるユジョンの気性の激しさとか。
なんか、本当にこんな二人がいたような感じがするんですよね。
韓国の映画の素晴らしさってそこにあると思うんです。
貧しい人にも、裕福な人にも焦点を当てて、尚且つ隣の国の話なのに日本人が見ても、「こんな人いそうな気がする」っていうリアリティ。
もちろん、全部が全部そうではないですが、登場人物の人間性にリアリティを感じる映画が多いんです。

国が変わっても、生活習慣は変わっても、人間の本質に違いは無いんだなぁ・・って優れた韓国映画を見るたびに思います。

そんなリアリティに加え、この映画では、「どうにもならないやるせなさ」が泣かせます。
「コイツは死刑になって当然だ」という死刑囚は日本にもいます。
でも、その死刑囚の本当の心のうちは、本人に聞かないと分からないですよね。
もしも、その死刑囚の本当の心のうちを知ってしまったとき、それでも、「コイツは死刑になって当然だ」と思えるでしょうか・・・。
というのが、その「どうにもならないやるせなさ」なんです。
また、その彼の心のうちが“恋愛”というフィルターを通して語られるために、余計切なく感じるのです。

Our_happy_time3

主人公は死刑囚ですから、当然“死刑”が大きなテーマになっています。
だからといって、ここで、死刑制度の是非について語るつもりはありません。
ですが、この映画のやるせなさは「デッドマン・ウォーキング」を見たときにも感じました。
死刑囚は、死ぬ間際になって改心したところで、誰からも許してもらえないのでしょうか?
もちろん、罪を償うことはとても重要です。
せめて、ヨンスが、一生、刑務所の中で罪を償いながら、毎週「私たちの幸せな時間」を過ごすことはできないのでしょうか・・。
そう訴えたくなるんです。

もしかしたら、見方を変えれば、ヨンスはユジョンに出会って、「人間らしさ」を取り戻しただけでも幸せなのかもしれないですよね。
心が凍ったままこの世を終えるのは、あまりにも気の毒ですから。

一方のユジョンは、ヨンスにいろいろと与えるだけではなく、彼から多くのものを貰っています。
心のぬくもりや、笑顔、優しさ。
何より、「人を許せること」を教えられたことが、彼女にとって最も大きな贈り物だったように思います。
彼女は“胸のうちに密かに抱えた憎悪”を“許し”に変えたことで、もう「自殺したい」とは思わなくなっているはずです。

Our_happy_time4


普通に見える人も、凶悪に見える人も、恵まれているように見える人も、それぞれが“いろいろな事情”を抱えて生きています。
「憎んでいる誰か」も、ある事情を抱えているかもしれません。
その人に「許し」を与えることで、違う人生が生きられるかもしれない。
この映画には、そう教えられました。

この映画の原作を拉致被害者の蓮池薫さんが翻訳しているというところに、その教えの重みを感じます。
今度、その原作も読んでみようと思います。

私たちの幸せな時間 公式サイト

8月 20, 2007 映画-韓国 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2006/09/20

グエムル -漢江(はんがん)の怪物-

恐らく、私の知る限りでは、世界で1、2を争うブサイク(^-^;)な怪獣・グエムルの物語。
ブサイクではあるけれど(しつこい!)笑いあり、涙ありのエンターテイメントでございます。

Guemur1

<STORY>
ソウルの漢江河川敷にある売店では、パク・カンドゥ(ソン・ガンホ)、その父・ヒボン(ピョン・ヒボン)、カンドゥの一人娘・ヒョンソ(コ・アソン)の3人が細々と生活していた。
しかし、ある日、その漢江から正体不明の怪物(グエムル)が正体を現す。
そこには物珍しさに大勢の人が集まるが、そのグエムルはとても凶暴であり、目の前にいる人間を次々と口の中に入れてしまう。
逃げ惑う人々。
その様子を最初から見ていたカンドゥは、人々を助けるべく奮闘するが、肝心の娘・ヒョンソを奪われてしまう。
娘を奪い返そうとするカンドゥだったが、グエムルは漢江の底へと姿を消してしまう。
翌日、グエムルによって殺された人々の合同葬儀が行われ、カンドゥの弟でフリーターのナミル(パク・ヘイル)、妹でアーチェリー銅メダリストのナムジュ(ペ・ドゥナ)もそこへ集まる。
家族全員がかわいがってきたヒョンソの死を悲しんでいたところ、グエムルに伝染病のホストである疑いがかかる。
実際にグエムルに接触したカンドゥはもちろん、その家族も強制的に病院に入院させられてしまう。
そんな中、カンドゥの元に死んだはずのヒョンソから電話がかかってくる。
「お父さん、助けて!今、下水道の中にいるの・・・・」
家族はその言葉を信じて、ヒョンソを探し始める・・・。


Guemur2 この映画が面白いのは、怪物を退治する物語でありながら、イケメンのヒーローが出てこないところにあるのです。
もしも、ハリウッドでリメイクなんてされた場合、イケメンの彼氏があらゆる知恵を使って、檻に囚われたかわいい彼女(金髪でスタイル抜群)を助けるために、怪物に立ち向かっていくことになるでしょう。
このグエムルには、そんな夢物語はない。
人物設定がすごくリアルに作り上げられている。
そこがねぇ、すご~く面白いのですね。
Guemur3
まず、さらわれた娘を助けるのは、恋人ではなく、家族。
それも、父親だけじゃなく、祖父や叔父や叔母も命懸け。そんな映画ができるのは、まず、韓国だけのように思う。それがすごく自然にできる国だから、映画を見ても何の違和感もない。

また、この家族が全員ちょっと問題ありで(^^;)
いつも、寝てるかボンヤリしているか、娘のことしか考えていないカンドゥ。
Guemur4 お爺ちゃんは、そんなカンドゥの面倒を見ながら、孫の面倒まで見てるし、弟は大学を出ておきながらフリーターだし、妹は銅メダリストだけど、ドジでノロマ。

これがねぇ、見ていて安心するんだよね。
怪獣から町を救うのは、スーパーマンじゃなくて、普通の人々なんだっていうのがね。
まるで自分に起きてる出来事のように感じながら見れるしね。
また、この家族がねぇ~、かなり笑えるのですよ(^▽^;)
夫婦漫才ではなく、家族漫才。
笑えるのは、家族だけでなく、市民たちも同様。
絶妙なポイントでコケたり、ドジったり、とってもおバカさんだったり。
ポン・ジュノ作品で言えば、『ほえる犬は噛まない』の皮肉のこもった笑いがここにもあるのね。

Guemur5 そういった家族のつながりを描いた側面もあるけれど、これは怪獣映画なのです。
しかもねぇ、これって韓国での原点になるじゃないかって思うのね。
日本で最も、最初に作られた怪獣映画は『ゴジラ』
あの映画では、太平洋で頻発していた核実験からゴジラという怪獣が生まれる。
この映画のグエムルは、韓国に駐在している米軍が流した劇薬が原因で生まれたと思わせるシーンがある。
思わせるだけで、それが原因とは断定しないけど。
出発点が似てるのね。
だからなのかなぁ、今回のラストも次のグエムルが現れるんじゃないか・・・という余韻を残して終わってるの。
これは、韓国初の怪獣映画で、進化はこれから・・・。
グエムルを超えるクリーチャーができてもいいしね。

Guemur6 怪獣映画とはいえ、B級では終わらせないこだわりを隅々に感じるのよ。
クリーチャーは『ロード・オブ・ザ・リング』、『キング・コング』チームに作らせたり(おそらく、自分と同じ映画オタク的な匂いを感じたのでしょう)、米軍兵士役で登場する俳優たち、実はハリウッド俳優(バイプレーヤーですが)だったり(1シーンしか出番がないのに)、あらゆる世代の人たちを登場させたり、ホームレスや、ビジネスマンや、デモ隊の反応を見せて、人間模様に奥行きを持たせたり。

そして、最後には、ホロッとさせるシーンが待っている。
ただし、このラスト、イケる人とイケない人、両方いると思う。
私としては、ダメ男だったカンドゥの成長の物語であり、彼が今後成し遂げていかなくてはならない宿命のようなものを感じたなぁ。
オープニングとラストで髪型がガラっと変わるのは、『殺人の追憶』と同じパターンですの。
今回は、あの時とは逆の展開かも。
ポン・ジュノ監督、次回作が楽しみな監督さんです。

グエムル -漢江の怪物- 公式サイト

9月 20, 2006 映画-韓国 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/06/10

デイジー

韓国映画界が、今、香港で最も注目される監督を招いて制作したこの映画の悲しさに涙が止まらなかった。

Daisy3

<STORY> オランダのアムステルダム。 ヘヨン(チョン・ジヒョン)は、祖父の骨董店を手伝いながら、画家になるために街角で似顔絵を描く仕事をしている。ある時、そんな彼女のイーゼルの前に座ったのは、ジョンウ(イ・ソンジェ)だった。 彼は、国際警察(インターポール)の刑事で、張り込みをするために座った椅子が偶然ジョンウのイーゼルの前だった。 その時、ヘヨンはデイジーの鉢植えを持ち、韓国語を話すジョンウに惹かれてしまう。 それからも、度々ヘヨンの前に現れるジョンウ。 二人は、それ以外の場所でも会うようになるが、ある時、ジョンウが追っていた事件で銃撃戦が起き、ヘヨンが巻き込まれ、銃で撃たれてしまう。 それがきっかけでヘヨンは声を失ってしまう。 悲劇はそれだけではなく、ジョンウも負傷し韓国へ帰国。 しかし、ジョンウから届けられていたと思っていたデイジーが、それからも毎日届けられていた。 そこには、ヘヨンを遠くから見つめ続けていたパクウィ(チョン・ウソン)がいた・・・。

Daisy1_1オランダのアムステルダム・・。
フェルメールを生んだその国でヘヨンは絵を学び、
チューリップが有名なこの国で暗殺者・パクウィは物言わぬ生物・花を愛し、
ドラッグが合法化されているこの国で、ドラッグの流れを追っているジョンウ・・。
そんなキャラクター設定にもロマンを感じるんだよね。
暗殺者は植物が好きってのは、『レオン』みたいだけど、チョン・ウソンは花が似合う!

Daisy2_1私がこの映画にグッと入り込むのは、そのチョン・ウソンが登場してから。
何が良いってさぁ、そのチョン・ウソン演じるパクウィなんだよね。
花を愛する人は心清き人~♪
と日本では言いますが、愛するデイジーを育てるパクウィが、その土をペロッとなめて良い土かどうかチェックしているのを見て、「やばい、惚れる」と思ったのれす (^^;)マ、マニアック・・
しかし、そんな根は優しい彼も暗殺者なんてお仕事をしているので、一般人との接触はご法度でございます。
では、もしも彼が一目ぼれしてしまったら、どうするんでしょう・・。
それが、この映画に描かれているのですね。

Daisy4もちろん、そうなったら愛する花を彼女に贈りつづけるんです。
でもねぇ、近づかないつもりが、いつの間にか近づいちゃうんですね。
当然ですよ。
彼女ばかり気になって見てしまうんですから、そりゃ~、いつの間にか近づいちゃいますよね。
人間とは、無意識のうちに見つめている方向に動く動物なんですから。
その途端、見ている側としては、「それはダメよ。悲劇の始まりじゃないのぉ~\( ̄◇ ̄;)」と思いますよね。
しつこいようですが、彼は暗殺者ですから。

そんなことを堅気の私に言われなくったって、彼も十分承知です。
だからこそ、親しくなっちゃいけない。
でも、そばで見守るだけならいいじゃないか・・と思っちゃうんですね。
この辺が非常に切なくて、じれったいとこなのですよ。
「せめてお茶だけでも・・」「せめて食事だけでも・・」「せめてお話だけでも・・」と願うのです。
その辺の、「彼女に近づいちゃいけない・・、それでも傍にいるのが幸せで・・」「せめて、彼女だけでも幸せに・・」と願うパクウィの不器用な恋に、見ている私も泣けてきてしまうんです(T-T)
イ・ソンジェ演じるジョンウが彼女を幸せにしていれば、彼は近づく必要が無かった。
ところが、そこがこの映画の運命のいたずらなんですねぇ。
3人が出会った銃撃戦が全てを変えてしまったんです。

Daisy5この映画では最後に、
No matter what,the future can be changed
(たとえ何があっても、未来は変えられる)
という言葉が出てくるけれど、そこで、考えさせられるんです。
そうかなぁ・・。
そこで、もしも3人が出会わなかったら、こんなことは起きなかった。でも、3人が出会うことは必然的だったんじゃないか・・と考えたら、結局同じことが起きたんじゃないかってねぇ。
悲しい恋を描いた後に、必然や運命・縁について考えさせられるあたりが、アジア映画なのねぇ~。

ストーリーの他に、主演3人の演技も注目だけど、今回は美術にも注目。
特に、3人が生活しているそれぞれの部屋に、細か~く生活臭や好みが描かれているのね。
仕事に燃える刑事ジョンウの部屋は無機質な白と黒で統一されてたり、画家のヘヨンの部屋は高い窓から明かりをとっていたり、暗殺者パクウィはいつでも逃げられるようになっていたり・・。

『インファナル・アフェア』シリーズで注目されたアンドリュー・ラウ監督の始めてのラブストーリーは、不器用な男の切ない恋のお話だったけれど、かなり泣かせていただきました。
次回作は、リチャード・ギア主演でハリウッド進出が決定!しているとか。
今後が楽しみな監督さんでございます。

デイジー 公式サイト

6月 10, 2006 映画-韓国 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2006/03/20

タイフーン

ヤマハホールで行われた試写会に行ってきた。
韓国のスター、チャン・ドンゴン主演のアクション映画。typhoon1
監督は『友へ/チング』のクァク・キョンテク監督なので、リアルな映画なのかと思ったら、そうじゃなく、荒唐無稽なお話だったのでございます・・。


<STORY>
韓国領海を航海中だったアメリカ船籍の船が、アジア人を首領とする海賊に襲われ、乗組員は全員死亡。
積荷が全て奪われるという事件が起きた。
一般の船に見せかけたその船の持ち主は米軍であり、奪われたのは、日本へ運ぶ途中の核ミサイルだった。
沖縄から中国へ標準をあわせたミサイルを密かに設置するという極秘の計画だったため、この事件を他国に知られないように処理しなければならない事態になった。
韓国諜報部は、韓国軍で諜報活動の訓練を受けたエリート兵士のカン・セジョン(イ・ジョンジェ)に、事件解明の命令を下す。
セジョンが追う海賊の首領はシン(チャン・ドンゴン)。
タイに潜伏するシンを追って、セジョンはタイへと旅立つのだが・・・。

この首領のシンってのは、幼い頃に北朝鮮を脱北したの朝鮮人だったって話だったのさ。
typhoon2日本では、北海道で育とうと、沖縄で育とうと、中学生ぐらいまでは、ほとんど皆似たような生活を送るよね。
そっから、金持ちなるか、下流で暮らすかは本人次第・・・となるけれど、韓国と北朝鮮の場合、同じ民族で言葉も同じなのに、生活ぶりといったら国境を越えただけで180度変わってしまうんだよね。
だから、幼い頃に出会っていれば、友達になれたかもしれなかった二人も、そのうちの一人がわずかに北で生まれてしまったってだけで、敵同士になってしまったって話なのよ。
この映画では、それを伝えるだけなのに、スケールを大きくしすぎたんじゃないかって話なんだなぁ。

主人公のシンとセジョンには共通点があって、朝鮮人であること、同世代であること、家族思いであることってのが一致してるんだよね。
この最後の家族思いっていうのが、シンが朝鮮人であることを観客に感じさせる重要なポイントなんだよね。
その根っこの部分は一致していても、二人にとって大きな違いは、シンは国のために父と母を幼い頃に目の前で殺されたけど、セジョンの父は国のために殉職し、母は存命中ってことなんだよね。
typhoon3明らかに、シンは不幸な人生を送っていて、セジョンは父を亡くしつつも恵まれた生活を送ってきたの。
その育ちの違いは後の二人の人生に大きな影響を与えていて、シンは国を恨むようになるし、セジョンは国のために働くのが当然のように思って成長するのね。
そのね、キャラクター設定はいいと思うんだよね。
が、そこから、タイで海賊の首領になったり、人身売買の話が出てきたり、ロシアから核廃棄物を買おうとしたり、その核廃棄物をばらまこうなんて計画を立てたり・・・その背景が荒唐無稽なのよ。
スケールが大きすぎだし、あまりリアルなできごとに感じないの。
人物設定には、リアリティを求めておきながら、背景は荒唐無稽だから、どうにもアンバランスなB級映画の匂いを感じちゃうんだよね~。
だったらね、実際に脱北したけれど、韓国に入国できずに中国の山中で隠れながら生活し、韓国に復讐をする盗賊団とかにしてくれた方が、まだリアリティあったかなぁ。
話がロシアに飛んだときには、ちょっと退屈になっちゃったよ。

もしかして、北朝鮮脱北者のリアルな姿を韓国の人たちに見せるべきじゃないと思ったかな?
typhoon4そんなことを北朝鮮がしていると思いたくなかった?
いかにもアジアを股にかけて暗躍する海賊が朝鮮人だったってスケールの大きな話にすることで、今、実際に北朝鮮で起きていることから目を背けているような感じがしちゃうんだよね。
でもねぇ、残念ながらスケールを大きくしようとすればする程、リアリティが薄くなっちゃって。

チャン・ドンゴンは『PROMISE』よりも、こっちの方がいいし、相変わらず色気の漂う人ですね。
typhoon5でも、ちょっと今回は大げさかな?ってことが多々あり。
『PROMISE』に次いでこれだと、B級俳優と思われてしまうので、次回はもっとリアリティのある小さな役を選んだ方が賢い選択だと思われます。

今回、チャン・ドンゴンのお株を奪ったのは、イ・ジョンジェ。
哀愁があるはずのシンよりも、なぜかセジョンの方が哀愁が漂っていて、シンを憎みきれずに引き金をなかなか引けないセジョンを好演。
個人的に、久々だったジョンジェはやはりいい俳優でしたの。

イ・ミヨンは美しさを全て投げ出し、体当たりの演技を見せてくれるのね。typhoon6
見せ場が少なかったのが、ちょっと残念だし、彼女が病気だっていう悲劇的な設定は必要あったのかどうかちょっと疑問。


この映画は、4月8日に公開予定なので、ネタバレをするつもりはないけれど、ラストもちょっと・・・だったなぁ。
なんだか、結論を出すのを逃げて、美しく終わらせているような・・・。
結局、この映画で語ろうとしたメッセージは、なんだか甘いもので終わってしまったような印象かな。

細かいことを一切考えず、ただのアクション映画として見るにはいけると思うけど、細部が気になる人にはオススメしない一本。

タイフーン 公式サイト

3月 20, 2006 映画-韓国 | | コメント (1) | トラックバック (5)

2006/03/03

美しき野獣

3月1日の映画の日に、『ウォーク・ザ・ライン』を観た後、プログラムの関係上、あまり休憩時間もないまま、この映画のスクリーンに駆け込んだの。yazu1
どんな映画なのか、どうしてもこの目で確認しておきたかったから。
でも・・・、『ウォーク・ザ・ライン』でとっても心が温まった後のせいか、そこまでして観る必要があったのか、ちょっと考えちゃう映画だったなぁ・・。


<STORY>
チャン・ドヨン(クォン・サンウ)は、体当たりで捜査を行い、犯人逮捕のためなら暴力も辞さないソウルの刑事。
荒っぽく見える彼も、家族に対しては優しい男であり、母親は病院に入院中で、手術をしてやりたくてもその金が無く、父親違いの弟・イ・ドンジク(イ・ジュンムン)は刑務所から出てきたばかり。
そんなチャン・ドヨンの家族を優しく見守るのは、兄妹のように接してきたカン・ジュヒ(オム・ジウォン)だった。
義理の兄・ドヨンの存在を煙たがるドンジグだったが、それでも弟の面倒を見ようとするドヨン。
しかし、彼が一瞬目を放した隙にドンジグは殺されてしまう。
その日から、ドヨンは犯人探しに明け暮れる。
ちょうどその時、ドヨンが捜査していたマフィアを追っていた検事がいた。
彼は、オ・ジヌ(ユ・ジテ)といい、以前、担当していた事件で検察内部の不正を暴露したために、地方に追いやられ、久しぶりにソウルに戻ってきたばかりだった。
野心と不正の摘発に燃える彼は、マフィアを追い詰めるために燃えていた。
そんなジヌは、あまりにも、常軌を逸した捜査方法のために、停職処分となってしまったドヨンに声を掛ける。
彼は、純粋にマフィアを追い詰める刑事を求めていて、ドヨンはどうしても捜査を続けたかった。
そして二人は共同で捜査を始めるのだが・・。
yazu2
良かったのは、クォン・サンウの飛び蹴り。
あの高さとスピードは、おぉ~と思えるものがあったね。
それに、ユ・ジテのクールな表情。
なるほど、嫌味な検事っぽい感じが溢れておりました。
でも、それ以外は・・・なんだよね (ーー;)

なんて言うんだろう、大した事件も起きてないのに大騒ぎって感じがしたんだよね。
事件は起きてるよ。
ドヨンの弟の殺人事件ね。
ドヨンが刑事じゃなかったら、それもいいでしょう。
個人的な怨念を込めて復讐するってのがあってもね。
が、ドヨンは刑事でしょ。
明らかに職権乱用よね。これって。
何をどう考えても、法治国家において、「警察の捜査に個人的な私情はご法度」でして、「俺には法律なんて関係ない」なんて言うんでしたら、警察を辞めた方がいいでしょう。
それでもね、ジタバタしながら、「犯人を捕まえないと気がすまない~」なんていかにも野獣らしく吠えてる姿は、子どもっぽい。
yazu3
もう一つの難点は、マフィアのボス、ユ・ガンジン。
彼はいったい何をした?
人を2~3人殺した?ショッピング・モールを買収した?警察にも検察にも犬がいる?政治の世界にマフィアを持ち込んだ?
こう言っちゃぁなんだけど、スケールが小さい。
今や、IT企業のライブドアだって、世界を股にかけたマネーロンダリングの疑惑が起きている時代でしょ。
働き盛りの刑事と検事が血眼になって彼を追い詰めようとする意味が分からない。
民間人を食い物にして麻薬を売りさばいている(麻薬売ってるって話はチラッとでてきたけどね・・)とか、ロシアから銃器を密輸して子どもに売ってるとか、海外に窃盗団送り込んでるとか、こいつは本当に何とかしてくれ~!!って言いたくなるキャラにしてくれないとね。
別に逮捕されなくてもいいんじゃないのぉって感じになってきちゃって・・。

さらに言うと、マフィアのボスが急に慈善事業に目覚めるって?yazu4
それってぇ・・、『ゴット・ファーザー PART3』で、マイケル・コルレオーネがローマ法王と手をつなごうとしたやつじゃない・・(ーー;)なんて思っていたら、やっぱり。
娘の発表会の帰りに、階段から降りてくるところを待ち伏せして、銃乱射。
それって『ゴット・ファーザー PART3』のラストを丸パクリ。
あまりにもストレートにパクっているんでビックリしたよ ( ̄◇ ̄;)
お嬢さん、殺されなくて良かったね。


まぁ、全てについてそんな感じで、脚本がちょっと稚拙というか、小さなことを大げさに描きすぎる印象だったねぇ~。
警察や検察内部の不正を描きたいならそれなりに、マフィアの汚さを描きたいならそれなりに描くべきことがあるはずで、その辺が全て抜け落ちてる感じね。
でも、どうやら、私の周りの人は、すごくこの映画に入り込んで見ていたようで、クォン・サンウが号泣するシーンではすすり泣きすら聞こえてきたよ。

まぁ、私からは特にオススメしないけど、クォン・サンウやユ・ジテのファンなら楽しめるでしょう一本。

美しき野獣 公式サイト

3月 3, 2006 映画-韓国 | | コメント (8) | トラックバック (33)

2006/02/11

B型の彼氏

この映画で、散々最低人間とけなされたB型人間の私。
じゃぁ、随分腹が立ったのかと言えば、B型気質だからかそんなことは一切無く、たまに思い当たる節もあり(^^;)最初から笑える楽しい映画だったなぁ。
本音を言えば、字幕版だったらもっと良かったのに。
吹き替え版で残念だなぁ。type_b1

<STORY>
女子大生のハミ(ハン・ジヘ)は、合コンにも行かず、運命の人を待ちわびている。
ある日、ドジなハミは友達に送るメールを見知らぬ人に送ってしまう。
携帯に気をとられつつハミがバスを降りた瞬間に、ヨンビン(イ・ドンゴン)に激突!
その時、ヨ