2008/11/07

ブーリン家の姉妹

キャスティングに魅かれました

もう1週間ほど前のことになりますが、この映画を見ました。
イギリス王室に翻弄されたブーリン家の物語です。
ナタリー・ポートマンスカーレット・ヨハンソンエリック・バナという強烈なキャスティングで、見ることにしました。
何が強烈って、ナタリー・ポートマンスカーレット・ヨハンソンという組み合わにすごく興味を持ったのです。
優等生(ナタリー)と問題児(スカーレット)の組み合わせのような・・・。
実際、見てみて、その組み合わせがピッタリはまっていたので、とても面白かったです。

Bleyn1

したたかな姉と慈悲深い妹

没落しかかった貴族、ブーリン家は、なかなか子宝に恵まれない王室に目をつけ、彼らの3人の子供のうち、美人姉妹である姉のアン(ナタリー・ポートマン)と、妹のメアリー(スカーレット・ヨハンソン)を王(エリック・バナ)に近づける計画を立てる。
彼らの計画では、長女のアンを側室にするつもりだったが、王が選んだのは、既婚者の妹、メアリーだった・・・。

ここには、二人の女性の生き方が対照的に描かれています。
強欲でしたたかな姉のアンと、正直で従順で、寛容なメアリー。
王が始めに選んだのが、メアリーなんですが、そこで、彼は人を見る目があるなと思わせますが、人間誰しもエアポケットの瞬間があるんですよね。
王が男性ならば、禁欲を強いられている間、したたか女にとっては、正に“狩りの好機”、したたか女アンの本領発揮となるわけです。

キャスティングとクロスオーバーする登場人物

この『ブーリン家の姉妹』は、その女の嗅覚と、本能がとても良く描かれている作品です。
さらに、面白いのは、そのキャスティングで、この二人の登場人物の性格を見た瞬間に、ハリウッドの女優事情に詳しい人ならば、常にスキャンダラスな話題がつきまとうスカーレットをアンに、どちらかと言えば、スキャンダルよりもクリエイティブで、クレバーな話題が多いナタリーをメアリーにキャスティングしそうなものなのに、この映画はそれを全く逆に使っている。

そこで、どんなアンサンブルを見せてくれるんだろう・・・。
と、期待値が高まるわけなのです。

で、実際、映画が始まってみると、なんともしたたかなアンであり、なんとも貞淑なメアリーなのです。
二人がとても生き生きと演じている。
まぁ、スカーレット・ヨハンソンについては、演技が上手いことは分かっていたので、このメアリー程度の貞淑な女性を完璧に演じることができるのは、分かっていたのですが、何といっても私を驚かせたのは、ナタリー・ポートマンです。

なんだろう。
見るからに、悪女・したたか・悪賢く・計算高い。
妬ましそうに妹を見る目、自分の罠にまんまとかかった王をあざ笑うかのように見つめる視線、両親さえも見下そうとする傲慢さ。
スクリーンの中での存在そのものが、もうアンになりきっている。

Boleyn2

かわいい小悪魔では済まない時代

しかしながら、世の中常に、因果応報。
強欲は大罪です。
多くの知恵を使って、はたらいた悪事、欺瞞、などは全て、自分の身にふりかかってきます。
素敵なな王様を手に入れたかっただけの小悪魔は、魔女狩りの対象に・・・。

それでも、どんなに虐げられても最後まで姉を見捨てることなく慈悲の心で優しくしていた妹・メアリーの生き方には、かなり心が動かされました。
私も、彼女と同じような立場になった時、一生憎んでも憎みきれない相手に慈悲の心を持てるだろうかと。

この二人の姉妹の行き方。
どちらが神に愛され、嫌われたのかは一目瞭然です。
まぁ、どう考えても、私にはアンのような生き方は、100回転んでも無理なので、ちょっとメアリーを見習って、もっと人に優しく生きたいなと思ったのでした。

才能あふれる若い女優たちの行く末が気になる

そんなことより、ナタリー・ポートマンが本当に良い女優になったことが、私は嬉しかったのです。
ナタリー・ポートマンスカーレット・ヨハンソン、二人の子役出身女優が、大女優に成長していく可能性を感じることができたことが、この映画の何よりの収穫です。

最後に、見た人なら分かると思うのですが、この映画を見終わった後に、『エリザベス 』が見たくなりました。
エリザベス : ゴールデン・エイジ 』を見ていないことだし、近いうちに、続けて見たいと思います。

11月 7, 2008 映画-ハ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (3)

2008/11/06

P.S.アイラヴユー

久々に号泣しました。

見るか、どうしようか、迷っていた映画でした。
最終的には、ヒラリー・スワンク の演技力を信じて見に行ったのですが、信じて正解でした。愛する人を失い、一人になってしまった30代女性の生きる選択、母と友人たちの愛情に、思わず号泣してしまいました。

Ps_i_love_you

亡くなった夫から届いた手紙

ホリー(ヒラリー・スワンク )は、愛する夫、ジェリー(ジェラルド・バトラー )を癌で亡くしてしまう。
パブを経営する母(キャシー・ベイツ)や、親しい友人たち(リサ・クードロージーナ・ガーション)に支えられる日々だけれども、なかなか立ち直ることができない。
ある日、そんなホリーの元に、亡くなったジェリーから手紙が届く・・・。

ヒラリー・スワンク主演の理由

この映画を見るのを渋ったのには、理由があって、主演のヒラリー・スワンク には、恋愛映画は似合わないと思ったのですよ。
男性にすがって生きるより、自立した女性の方が似合っているし。
しかし、この「P.S.アイラヴユー 」を見てみて、
恋愛映画=男性にすがって生きる女性像
って私の考え方が浅はかだったことに気付きました。

この映画は、紛れもなく、ヒラリー・スワンク の映画でした。
愛する夫を亡くして、いつまでもメソメソしている女性ではなく、自分の生活の支えを亡くして、その不幸の底から立ち直るために、lいかに、自分らしく生きるか、そして、自分らしく生きることで、次に巡ってくる幸せのための準備をする姿が描かれているのです。

ツボは名女優の愛情表現

私のかなり個人的な号泣のツボは、母・キャシー・ベイツにありました。
小春日和のような秋の日差しの中、夫の死から立ち直ることができないホリーは、母と、夫・ジェリーについて語りながら散歩するうちに、母の昔の恋愛話が出てくるのです。
母にも深く愛する男性がいて、でも、最終的には別れることになってしまった、だからこそ、娘のつらさも分かるし、むしろ、同じような思いをさせたくないために、結婚させたくなかった。

この、母から娘への愛情溢れた語りかけに、私、かなりグッときてしまいまして、号泣してしまったんです。
もう一週間ぐらい前に見た映画なのに、今でも、その時のキャシー・ベイツの演技を思い出すと、泣きそうになります。
本当に彼女は素晴らしい女優です。

泣きばかりではない

泣いたことばかり書いてしまって、なんだか、重い映画のように感じますが、そうでもないんです。
なにしろ、友人役に、あの『フレンズ 』のコメディエンヌ、リサ・クードローが登場して、かなり笑わせてくれるし、楽しい音楽もいっぱいで、夫・ジェリー役、ジェラルド・バトラー の『オペラ座の怪人 』とは、一味違ったロックを聴くこともできます。

ハリー・コニックJR.といえば、やっぱり…

そこで!
残念なことが一つ。
ハリー・コニックJR. が、ホリーを密かに思い続ける男性の役で登場するのですが、彼の歌を一小節も聴くことができない!!
あれだけ歌が流れてて、みんな歌ってるのに、ハリー・コニックJR. が歌わないなんて!!
お願いだから歌ってくれ!
と彼の登場から願い続けていたのに、歌わないなんて・・・。

彼の優しいジャズナンバーは、恋愛映画ではかなり定番なのに。
いや~、正直、ハリー・コニックJR. は、いくら愛しても振り向いてもらえない役なのですが、
「歌えばイチコロなのに・・・」
と思ったぐらい。
まぁ、きっと、歌ではなく、演技で勝負したかったんでしょうね・・・。

もう一つ残念だったのは、エンドクレジットで徳永英明の歌が流れたことでした。
わたしの心は、どっぷりNYだったんですよ。
そこで、日本語の歌が流れてくるのは、私のどっぷり浸った気持ちを急激に冷ますことになってしまい、すぐに席を立ちたくなる気持ちにさせてしまいました。
徳永英明が悪いわけではなく、エンドクレジットに日本語の歌を流すこと自体、必要があるのか、かなり疑問です。

この映画をオススメしたいのは…

夫と死別したというだけでなく、過去につらい別れを経験したり、一人で生きることに疲れてしまっている人だったら、きっと、この映画のどこかにグッとくるところがあると思います。
大切なのは、去ってしまった人を想って後ろ向きになるのではなく、その人が去ってしまったからこそ、前を向いて、自分らしい生き方を探すことなんですね。
訳あってシングルでも、そうじゃなくても、自分は一人ではないと思いたい時に、おススメの映画です。

番外・ヒラリースワンク オススメの一本

ヒラリー・スワンクといえば、アカデミー賞を受賞した『ミリオンダラー・ベイビー 』や、『ボーイズ・ドント・クライ 』が有名ですが、彼女の映画で私が最もオススメしたいのは、この『フリーダム・ライターズ』です。

ロスの郊外にある荒れ果てた高校へ赴任した国語の女性新任教師。
最初はとまどうことばかりの彼女も、生徒一人ひとりに対し、熱意を持って接しているうち、生徒たちも彼女に対する考え方が少しずつ代わってくるという実話を元にした映画です。
この映画を見たばかりの頃、あまりに感動して、原作本 も読んでしまいました。
好きなことを学べて、考えることが自由にできる幸運を考えさせられる1本でした。

11月 6, 2008 映画-ハ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008/08/31

ブレイブ・ワン(二回目)

★母がジョディ・フォスターのファンなので、DVDを借りて見ました。
  私は、劇場公開時に見ていたので2回目です。
★簡単に説明すると、結婚寸前のジョディ・フォスターがその婚約者を地元のチンピラに撲殺され、自分も死に掛けたことで、復讐の鬼になる話です。

★そこで彼女が手にしたのは銃だったということで、どうにも銃社会肯定映画のように私には思えて、前回も、今回もどうにも納得いかなかったのでした。

★母的には大満足だったそうだけど・・・。
★そんなワケで、見る人によって結末の見方はそれぞれ思うところがある映画なのです。

★私は、今回、ジョディ・フォスターの演技をじっくり観察しました。
  いや~、このレベルの演技はじっくり観察して味わうのが一番です。

★このブレイブ ワンの演技の肝は、“衣装と表情”にあります。
★結婚目前、婚約中のエリカ(ジョディ・フォスター)は、柔らかい色の服を着て、頬を赤らめ、恋人とラブラブの女性的な姿で登場します。

★そのエリカが恋人を失うことで、彼女の服からも表情からも色を失っていきます。
  ブロンドの髪とブルーの目だけが印象的で、頬は落ち窪み、肌は青ざめ、感情をなくし、服は黒づくめ。
 この丁寧な気遣いは、監督と衣装さんとジョディ・フォスターのものと思われますが、当たり前のことが、当たり前にできています。

★誰でも、日常生活で、その時の気分に合わせて服装も変化しています。
 元気に見せたいときは明るい色を着たり、柄物を着たり。
 黒を着るのは、気分が沈んでいるだけでなく、その存在を隠したいという心情の表れに違いないと思うのです。
 その彼女の心の中を推し量るのに、衣装がとても有効に使われています。

★復讐の鬼となった彼女の元へ、彼女に感情を取り戻す役割を果たすのが、テレンス・ハワード演じる捜査官なのです。
 彼が、彼女の心情を突く言葉を掛けるたび、エリカの張り詰めていた空気が壊れて、思わず表情に切ない思いが出てしまうのです。
 このねぇ、合間合間に見せるエリカの表情に注目です。
 いや~、すごいですわ。

★彼女の迫力に負けていないテレンス・ハワードも凄く良いですが、恋人を失い、その暗闇から抜け出せないエリカの気持ちは全て表情に出ています。
 言葉に表さなくても、伝わる心情。
 一級品の演技、ここにありです。

★ラストが納得いかないことは先程も言いましたが、復讐をすることで、エリカに心の平安は訪れるのか…。
きっと、そうではないはず。
それならば、復讐とは意味が無いことなのではないか…と思うのです。
銃を持って制裁を加えることが、『ブレイブ・ワン(勇気ある者)』の行為なら、自分の衝動を抑えることも『勇気ある行動』だと思います。

8月 31, 2008 映画-ハ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/06/04

ハンティング・パーティ

★特に以前から見ようと決めていて見たわけではなく、時間的にこれしか見るものがなかったので見た映画だったのですが、中身のギッシリ詰まった良い映画で、かなり楽しんで帰ってきました。

Hunting_party

★リチャード・ギア演じるジャーナリスト、イーサン・ハントは、かつて、テレンス・ハワード演じる報道カメラマンのダックとペアを組んで、世界の名だたる賞を総なめにしていた過去を持ちます。
 ところが、ボスニア紛争での失敗を機に一線から退くのですが、その彼が、数年後にダックとボスニアで再会することで、
「ボスニアの戦犯であるフォックスに会ってインタビューをする」
というとんでもない計画を立てます。

★「ハンティング・パーティ」とは、狩猟チームのような感じですかね?
その戦犯フォックスが狩り好きで年中狩りに出ていることから、狩猟中の彼を追い詰めていくことからこのタイトルはきていると思われますが、そこには、ネタを追い求めるジャーナリストの姿勢、フォックスを追い詰めるハントとダックのチーム、イーンサン・ハントの名前等もかかっていて、そこから、“ジャーナリズムとは”、“正義とは”を問い詰めていきます。

★この映画で明らかになるのは、全く機能していない国連軍のだらしなさです。
 丸腰のジャーナリストが近づける距離に戦犯はいるのに、国連はそれを知っていて捕まえることは無く、普通に泳がせているのです。
 戦時中、民族浄化というスローガンの下、大勢の人々を殺戮した男が、放し飼いになっているのですよ。

★いや~、この現実は、怒りを通り越してあきれますよ。
 恐らく、今、現実にもこの大量殺人者は、自由に暮らしていて、それ以外にもいる戦犯の人たちも、たとえば、オサマ・ビン・ラディンなんかも、自由に暮らしているのではないかと思われるのです。

★そこで、もし、ジャーナリストが、この映画で起きたことのように地元の警察も近づけず、国連軍も手を出さない領域に踏み込んでしまったら、踏み込むことができたら、そこは特ダネとして報道だけするべきか、それとも、その戦犯を捕まえて、国連に突き出すべきなのか、それともその判断は、地元の被害者たちに託すべきなのか・・・。

★そこで、先ほども言った、“ジャーナリズムとは”“正義とは”について、考えさせられてしまうのです。

★個人的には、そうだなぁ。
特ダネより、報奨金より、国連に任せるべきだとは思うけど、こんなに不甲斐ない姿を見せられちゃうと、不安になるよね。
しかし、本当に捕まえることができる戦犯を野放しにしているのかと思うと、とても怖い。



ハンティング・パーティ 公式サイト

6月 4, 2008 映画-ハ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008/03/17

不都合な真実

★昨日、この映画をDVDで見ました。

★「気が滅入るから嫌だ」という母を、「まぁ、まぁ勉強になるからいいじゃないか」と説得して二人で見ました。
 見終わって、母の予想通り、二人揃って気が滅入ってしまいましたcatface

080317

★何より驚いたのは、アメリカの環境問題に取り組む姿勢が想像以上にひどかったこと。
 正直、日本のリサイクルとか、環境問題に対する姿勢も全くなってないと思っていたんですよ。
 もっと、国が音頭を取って最優先課題として取り組むべきでしょうと思っていたし、選挙があるたびに、この環境問題の話がマニフェストに積極的に上がっていないのも不満なんです。

★ところが、この映画を見ていると、日本はアメリカよりもはるかに優秀な国として登場します。
 アメリカは日本の数倍もひどい。
 何がひどいって、二酸化炭素排出量の問題です。

★その後を中国が追っているんです。
 もし、今、何もしないまま発展途上国の経済急成長が続けば、中国の後に、インドが控えているわけで、状況はかなり悲惨。

★気が滅入るわけです。

★しかし、この映画では、今すぐ一人一人が生活を見直せば二酸化炭素の量を温暖化が始まる前に戻すことができると言っています。
 そうかなぁ・・・。
 それは、あまりにも前向きすぎる話じゃないだろうか。
 だって、地球の温暖化に興味が無い人はそもそもこの映画を見ないわけで・・・。
 希望的観測のような気がしてならない・・・。

★私ができることといえば、なるべくゴミを減らすことと、木を植えること、そして、一人でも多くの人がこの映画を観るようにと祈ることだけです。


3月 17, 2008 映画-ハ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/11/16

ボーン・アルティメイタム

ジェイソン・ボーン三部作の第三作目です。
二作目を見ていなかったので、やや心配だったのですが、それは全く問題ないし、それどころか、最初から終わりまで、アクションの連続で、本当に息もつかせぬ展開で、十分楽しめました。
私、今回はかなりマット・デイモンにやられました。

Born1

かなり、ざっくりと説明しますと、ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)は、元CIA。
見知らぬ土地で、自分が誰だか分からず、記憶を取り戻すためにCIAに接触しようとしたのが、第一作。
第一作で知り合った恋人を殺されてしまったのが、第二作。
自分の人生と恋人をめちゃくちゃにされ、自分をこんな風にしてしまったCIAの張本人に復讐しようとするのがこの第三作です。

まぁ、正直言って、ストーリーはどうでもいいんですよ。
CIAが何やっている組織か分からない?
そりゃそうですよ。
そうじゃなきゃ、諜報機関じゃないですから。
だからといって、何したって良いって訳ではないですがね。
そこを深く描いた作品を見たいのであれば、マット・デイモンの前作『グッド・シェパード』を見た方が良いかと思われます。

Born2

ストーリーよりも、アクションに驚かされ、マット・デイモンに驚かされた映画でした。

マット・デイモンといえば、今、ハリウッドで最も注目されている男です。
ハリウッドで最も利益率の高い男であり、
(ギャラ1ドル当たりの興行収入が誰よりも高い)
つい先日発表された、
2007年、最もセクシーな男
(ジョージ・クルーニ、ブラッド・ピット、ジョニー・デップを押しのけて)
に選ばれたばかり。
精力的に仕事をこなし、家族(妻と子)を大切にする姿が好評だそうです。
浮世離れしたハリウッドの中で、堅実な感じがするんでしょうね。

私としては個人的に、俳優のタイプは、

「演技に天才的なひらめきを感じる役者」

が好きなので、どちらかといえば、綿密に分析して役作りにすごく努力するタイプのマット・デイモンってあまり好みではなかったんですよ。

でも、この三部作を通して(あぁ、二作目は見ていなかった(ーー;))、その役者・マット・デイモンに対する姿勢にすごく感動したんです。

先日、マット・デイモンのインタビューを見ていたら、
「普通、俺みたいなタイプの俳優をアクション映画に使ったりしない」
「俺が監督だったら、絶対にキャスティングしない」
と笑いながら答えていたんです。
それを見て、
「あぁ、この人は、誰より自分を理解している人だな」
と感じたんです。

運動より勉強の方が得意なタイプだし、背が高いわけでもなく、足が長いわけでもない、特に二枚目という訳でもない。
そのことを誰よりも本人が一番理解していて、『ジェイソン・ボーン』シリーズのようなアクション映画を引き受けることは、かなりのリスクを負うっていうことを分かっていたんですね。

その場合のリスクというのは、
「アクションもできないのに、アクションをやって、大コケ」
「イメージチェンジ失敗」
のような悪評・不評・人気ガタ落ちですね。

分かっていたからこそ、そのリスクにチャレンジして、自分のプラスに変えてしまったんです。
この映画を見たら、
「マット・デイモンはアクション無理」
とは、誰も言えない。
それこそ、彼の中では多くの人にそう思わせることを目標として、体を鍛えて、最強の傭兵の役作りをして、アクションをやっているんです。
その様子が見えるから、彼のそのポジティブシンキングというか、ひたすら前に向かって努力する姿に感動してしまったのです。

彼は、ビジネスやらせたら、かなりの大物ビジネスマンになるでしょうね。
現状を理解して、リスクをプラスに転じる方法を考える。
マット・デイモン本人が、俳優である自分自身の最高のプロデューサーとも言えます。

この、「ボーン・アルティメイタム」で、ジェイソン・ボーンシリーズは終了するそうです。
たとえ、続編ができても、代わりの俳優を連れてきても、スタッフとして参加するつもりもない。
とゆうようなことを言っておりました。
彼の中で、「アクション俳優マット・デイモン」のアピールはもう十分だと思ったのでしょう。
次は、自分の役柄の幅を広げるために、どんな役にチャレンジしてくるのか楽しみです。

ボーン・アルティメイタム 公式サイト

11月 16, 2007 映画-ハ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (5)

2007/11/12

ヘアスプレー

あぁ、楽しかった☆
これ、どうしても観たかったんですよ♪
まず、キャスティングが超豪華。
ジョン・トラボルタ、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン、クイーン・ラティファ。
もう、この四人だけでも絶対観たい!

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時代は、1960年代、主人公は、おデブの女子高生・トレーシーです。
彼女は、テレビのティーン向けダンス番組『コニー・コリンズ・ショー』が大好き。
いつか、『コニー・コリンズ・ショー』に出ることを夢見ていた彼女にチャンスがやってくるのです。

ヘアスプレー』というタイトルは、その『コニー・コリンズ・ショー』のスポンサーを指しています。
日本でいえば、一時期爆発的大ブームになった“ダイエー・スプレー”みたいなもんです。
女子には“ケープ”なんてのもありました。
「髪の毛固めていた、あの懐かしい時代・・・(苦笑)(^^;)」

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とにかく、楽しい映画なんですよ。
ダンス・ダンス・ダンスです。
トラボルタが女装(見もの!です)して、クリストファー・ウォーケンがお惚け父さんを演じながら踊って、ミシェル・ファイファーが超嫌な女演じて、クイーン・ラティファが超かっこいい。
このベテラン達が本当に楽しそうにミュージカルしてるってのが見所の一つです。

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さらに、そのベテランたちが、自分たちの見せ場をしっかり見せつつ、一番の見所を若手にゆずっています。
そこがねぇ、なんともアメリカの俳優たちの幅の広さというか、底の深さを感じるんですよ。

主役を演じている、ニッキー・ブロンスキーは、これがデビュー作の全くの新人です。
彼女、この映画のオーディションで発掘されるまで、コールド・ストーン・クリーマリーでアルバイトしてたんですよ。
なのに、この歌唱力は何??
素の彼女(ニッキー・ブロンスキー)も、トレーシーと同じく、スターを夢見ていたんです。
以前見たインタビューでは、
「私はトレーシーだわ」
と思いながら演じていたと言っていました。

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だからこそ、彼女は、本当に楽しそうに、イキイキと演じています。
彼女の歌も踊りも本当に素晴らしいので、見てあげて欲しいです。

もう一人の新人は、ザック・エフロンです。
しかし、彼の場合、「ハイスクール・ミュージカル」という大ヒットテレビドラマがあるので、ニッキー・ブロンスキーとは、ちょっと立場が違います。
映画の中でも、外でもスーパー・アイドルです。
私も、NHKで放送された「ハイスクール・ミュージカル」を見て、感動して泣いてしまった(ーー;)一人です。

だって、みんな、すごく歌がうまくて、踊りがうまいんですよ。
あり得ないと思いました。
この映画でザック・エフロンに興味を持った人には是非、見て欲しい作品です。
ヘア・スプレー』のザック・エフロンは、もちろん歌と踊りは上手ですが、ちょっと嫌な奴なんですよね。
ハイスクール・ミュージカル』のザック・エフロンは、すごく良い男の子です。
なんか、この『ハイスクール・ミュージカル』のパート2があるらしいので、かなり見たいです。
が、ディズニー・チャンネルなんて見れないし・・・(ーー;)

まぁまぁ、いろんな思いを書きましたが、
私が最も良いと思ったのは、クイーン・ラティファです。

実は、この映画、そんな楽しそうな裏で、1960年代のアメリカにあった“差別と偏見”を描いています。
口では、「黒人と白人は平等」と言いながら、道には、黒人が誰一人として歩いてなく、テレビも一緒に出ることは無い。

トレーシーも「おデブ」ということで、“他人と見た目が違う”という偏見につらい目にあってきました。
そのためか、黒人の立場に心から理解し、黒人と仲良くする自分達を
「私たちってススんでる」
なんて、親達なら心配しちゃうようなこと言っちゃう、勇気ある女の子なのです。

Hair_spray5_2

そんな中で、クイーン・ラティファは、黒人達に勇気を与えるビッグ・ママ的な存在として登場し、歌い、踊ります。
そんな姿が、正に“クイーン”であり、神々しささえ感じるのです。

シカゴ 』の時の彼女よりももっと素晴らしいクイーン・ラティファに出会えたような気がします。

沢山のスターも楽しめるし(トラボルタは必見!!)、新人発掘の瞬間にも出会えるし、公民権運動の時代を感じて学ぶこともできます。

興味のある人には、是非、観ていただきたい映画です。

ヘアスプレー 公式サイト

11月 12, 2007 映画-ハ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007/11/11

ブレイブワン

なんだか、ちょっとしんどい映画でした。

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結婚直前のエリカ(ジョディ・フォスター)はある日、婚約者と犬の散歩中にチンピラに襲われてしまう。
目が覚めたときは3週間後で、婚約者は他界し、葬式も済んだ後だった。
それ以来、街の犯罪者たちに異常な程の恐怖心を持つようになったエリカは、銃を持ち、犯罪者たちに制裁を加えるようになるのです。

もしも、エリカと同じような(婚約者を殺された)立場だったとして、銃を持ちますか?
と聞かれたら、絶対にNoでしょう。

それに、“この人死んでしまえばいいのに”と思うことはあっても、
“こんな奴は殺してしまえ”と思うことはないので、
あまり共感もできません。

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では、エリカはなぜ銃を持ったのでしょう。
それは、単純に“怖かった”からです。
後ろから歩いてくる人がいれば、「襲われるかも…」と思い、
遅々として進まない警察の捜査と、冷たい対応に、警察は頼りにならないと思ってしまった。
近所で買うことができるのなら、自分の身を守るために買ってしまえ。
そこまでは、当然なのかもしれない。

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エリカの気持ちは理解できるのですよ。
両親兄弟も無く、もしかして、一生一人かもと思ったところへできた温もりと新しいファミリー。
いろんなことを夢見たはず。
それが、一瞬にして泡のように消えてしまったら、もう死んでもいいと思うに違いない。
でも、そのまま死んでも死にきれない。
彼の死が報われない。

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だからと言って、日常に起きている犯罪に対しそれと同等の制裁を加えて、「勇気ある(brave)」と言われてもねぇ。
なんだかあまりにも考え方が短絡的で、乱暴な気がします。

たしか、映画の中で、刑事役であるテレンス・ハワードも言っていたと思いますが、
「世の中、つらい思いをしているのは君(エリカ)だけではない。
みんな何かを抱えて生きている」
そう、つらいからといって、みんなが銃を持つようになったら、西部劇みたいな世の中になっちゃうもんね。
なので、私も刑事の言葉に同意見ですが、そんなことでは抑えられない、理屈を超えたところへエリカは行ってしまったのです。

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だからこそ、エリカは
「もう元には戻れない」
と言うのです。

もしかして、「勇気ある行動」とは、
銃社会のアメリカで、
“銃を持たず、復讐も、制裁も無く、誰も傷つけずに暮らすこと”
なのではないかと、考えさせられます。

Brave_one6

主人公・エリカはジョディ・フォスターが演じています。
今回は、とても背中のショットが多かったように思いました。
いや~、一流の俳優ってのは、背中の演技も完璧ですよ。

最初は、“結婚を間近に控えラブラブだった幸せな女性の背中”
だったのが、少しずつ変化し、ラストには、
“何かを成し遂げた人間の背中”
になっています。

悪事がバレそうになったときの、蒼白した表情も注目です。
こういううまい女優さんには、もっとたくさん映画に出て欲しいですね。

ブレイブ ワン 公式サイト

11月 11, 2007 映画-ハ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (3)

2007/11/07

ハンニバル・ライジング

日曜日の夕食時に、このDVDを見ました。

ハンニバルとは、知っている人は知っている「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター博士のことです。

Hannibal_rising2

彼が、なぜ、あんなにも凶暴な人間になってしまったかというお話です。

その秘密が、彼の幼少期にあったのです。

まぁ、なるほど、うなずけるお話なんですよ。
そんなことがあったら、あぁなってしまっても仕方が無いかなと。

しかしですねぇ、あまりにも陰惨で、最後のほうは辟易してしまいます。
映画の中に、光が射したり、希望が見えたりすることが一切無い。

彼が幼少期に受けた仕打ちからしたら、それは当然なのかもしれないのですが。

Hannibal_rising1

主役のハンニバルは、フランスの新人、ギャスパー・ウリエルが演じています。
二枚目ながら薄気味悪い感じで良かったと思います。

彼の世話を見る義理の叔母をコン・リーが演じていますが、このコン・リー、レディ・ムラサキという日本人の役です。

最近、コン・リーはハリウッド映画に連続して出演していますねぇ。
もう中国には戻らないんでしょうか。
しかし、一時期ふっくらしていた印象がありますが、随分体重を戻して、10年前とあまり印象が変わらない感じがします。
が、どのハリウッド映画にも、コン・リーの良さがあまり出ていない感じがして、ちょっと不満です。
また、チャン・イーモウや、チェン・カイコウとお仕事して欲しいなぁと願います。

日本人の役なのに、中国人が演じているということにも、ちょっと残念な気もしますし、原作者が脚本を書いているそうですが、またしても、ちょっとデタラメな日本風にもうんざりします。

ハンニバルの身の上が気になる人は見てもいいと思いますが、特にオススメしない映画です。





11月 7, 2007 映画-ハ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/08/29

ボビー BOBBY

ボビーとは、ロバート・ケネディのことです。
ケネディが暗殺されたアンバサダーホテルの1日を描く群像劇です。
DVDで見ました。

Bobby1

まず、そのロバート・ケネディについて、JFKの弟だって程度の知識しかなかったのですよ。
でも、この映画を見て、そのボビーがどれだけ有色人種の人たちにとって希望だったのかってことが良く分かりました。
いまだに解決していない人種間の差別問題も、ボビーが大統領になっていたら、少しは変わっていたかも・・・と思わせる説得力もあります。

ただですねぇ、スターがたくさん出てるんですよ。
アンソニー・ホプキンス、デミ・ムーア&アシュトン・カッチャー夫妻、シャロン・ストーン、ウィリアム・H・メイシー、ローレンス・フィッシュバーン、クリスチャン・スレーター、イライジャ・ウッド、リンゼイ・ローハン、ヘレン・ハント、ヘザー・グラハム、マーチン・シーン、エミリオ・エステベス・・・etc

監督が、俳優のエミリオ・エステベスですから、俳優同士、声も掛けやすかったんでしょうね。
デミ・ムーアなんて、劇中じゃエミリオと夫婦役ですが、ブラット・パックの二人ですから、これぞまさに友情出演って感じがします。
ついでにお若い旦那様まで出しちゃうところにデミのしたたかさが見えますが・・・。
いや、いやアシュトンは自力で役を手にしたんでしょう・・・。恐らくね。

Bobby2

まぁ、そんだけスターが出ているので、なんだか落ち着かないのが欠点です。
半分ぐらいに減らして、もっとじっくり落ち着いて描いても良かったんじゃないかなぁ。
だって、シャロン・ストーンなんか、なんのために出てきたのかわからない上に、すっかりデミ・ムーアに食われてしまっているし。
アンソニー・ホプキンスとハリー・ベラフォンテの交流なんて、もっとじっくり見たかったし。

でも、ロバート・ケネディって人のことを少しでも知ったのは収穫でした。
そのころから、アメリカはほとんど変わっていないってのもちょっと悲しい感じがしました。

なんか、このところ、重いのが続いたので、次は軽~いコメディが見たいなぁ。

BOBBY 公式サイト

8月 29, 2007 映画-ハ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007/08/26

プロヴァンスの贈り物

昨日は、“勝手にノーPCデイ”でお休みをいただきました。
お陰さまで、映画も見れたし、夜も気分良く寝れました。

そのうちの一本が、この『プロヴァンスの贈りもの』です。

Provence1

「あぁプロヴァンスっていいなぁ。行ってみたいなぁ」と思う映画です。
映画のセリフにもあるけれど、いたるところの景色が、ゴッホだったり、セザンヌだったりするんですよ。
映画で見ているだけでもね。
あぁ、本当に行ってみたいなぁ。

Provence2

主役のラッセル・クロウが演じているのはロンドンのトップトレーダー、マックス。
マックスはワーカホリック(仕事中毒)で、金のためならなんでもするような男です。
そんな彼が、叔父・ヘンリーの遺産を相続することになったのです。
忙しい日々の中、遺産を整理するために叔父が住んでいたプロヴァンスに向かいます。
そこは、マックスが幼少の頃、夏の間過ごした想い出の地でもあったのです。
ちょっと見て、現地の弁護士と打ち合わせをして、すぐに帰るつもりだったのですが、なかなか帰れなくなってしまうのです・・・。

Provence3

プロヴァンスを見ていて何がいいって、時の流れがいいのですよ。
ゆったりして、大らかで、小さなことは気にしない。
毎日、夕食を家族や友達と囲んで、おいしいワインを飲んで、恋をする。
なんか、いいよねぇ。
見ていて本当にうらやましかったもん。

ワーカホリック・マックスも、おいしい空気と美しい景色と美人のウェイトレス(^^;)には勝てなかったようです。
それまで、自己中心的な生活を送っていた彼の心が少しずつ変わっていくのです。
その変化が「プロヴァンスの贈りもの」であり、「叔父・ヘンリーの遺産」なのです。
隣人に頼り、家族を信頼して過ごす自給自足の生活。
今までのような金は稼げなくても、愛と太陽と緑が溢れる生活。

まぁね、それまで死ぬほど働いてきたマックスだからこそ、そんなステキな生活を送れるんですよ。
私のレベルでそんな生活したら「リアル銭金」生活だからね(^^;)

監督は、もう説明もいらない名監督リドリー・スコット。
しかし、前作はなんだか思い出せず・・・、ちょっと調べてみたら「キングダム・オブ・ヘブン」だった。
そうか、そうか、あの大コケ作か・・・。
もしかして、監督、大金かけて失敗作作っちゃったから、プロヴァンスあたりで癒されたかったのかもしれないね。

個人的にあまり好きではないけれど、ラッセル・クロウも相変わらずいい演技しています。

南仏の景色に癒されたい人にオススメの映画です。

プロヴァンスの贈りもの 公式サイト

8月 26, 2007 映画-ハ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007/08/19

フリーダム・ライターズ

横浜に住んでいる私が、この映画を見るために朝9時30分に有楽町駅にいました。
恥ずかしいぐらい朝が苦手で、朝一の仕事なんて露骨に嫌な顔をするような私がです。
しかし、その甲斐があるどころか、この映画を見れたことに感謝したいぐらい良い映画でした。

Freedom_writers1


舞台は、ロス郊外のスラム街にある高校の203教室。
そこは、新米教師のエリン・グルーウェルが国語を教える教室です。
生徒たちは荒れ放題で、黒人・ヒスパニック・白人・アジア系の生徒たちが人種間で対立を起こし、彼らはそれを戦争と言っているような環境です。
エリンは、「その実情を教育の現場で変えていかなければ・・・」という熱意を持って教壇に立つのですが、その熱意も生徒にはなかなか届かないのです・・・。
原作本も出ている実話を元にした映画です。

いや~、なんて言っていいんだろう。
本当にすごく感動したのです。
教室の中は隅から隅まで不良なんですよ。
不良って言っても日本のヤンキーの比ではなく(最近はかなり近づいているのかもしれないけれど・・・)、銃を持ち込んでいる人もいるし、ドラッグディーラーもいるし、ホームレスもいる。
そんな彼らの可能性を信じて、エリンは一人ずつに話しかけ、必要な本を自費で与え、そのためには副職(バイト)も厭わないのです。
その結果、生徒たちは少しずつエリンに対し心を開き、勉強することに意欲的になり始めるのです。


私、アメリカの人種問題ってある程度解決したのかと思っていたんですよ。
もちろん、だから黒人の人たちが普通に生活しているとは思っていないし、進学するのだって大変だって知ってる。
でも、貧困層では黒人とヒスパニックとアジアンと白人が常に対立して戦争のような状態にあるなんて知らなかったんですよね。
それは、私が物事を知らない日本人だからというだけではなく、アメリカの中流以上の白人たちにも伝わっていないという現状があって、あまり表に出ていない。
誰もそこに目を向けようとせず、逆に目を伏せて、臭いものには蓋をしようとしてね。

Freedom_writers2


教師であるエリンも実情を知らなかった一人です。
それを生徒たちから教わりながら、なんとか、自分の教室内に起きている人種対立だけでも変えていこう、そう考えるのです。
時には涙を流しながら生徒と対立し、話し合い、本を読ませ、文章を書かせるのです。
これは、教える技術ではなく、情熱なのですよ。
情熱があるからできるのです。
情熱って人を変えるんですね。
生徒たちの心が変わるんです。
その情熱が観ているこちらにも伝わって、えらく感動しますよ。

いや~、私、この映画を見ながら、まず、自分の周りにある恵まれた環境に感謝しました。
本が欲しかったら働けばいいし、働ける環境もあるのですから。
読みたくても新しいを本を読むことができない高校生がアメリカに大勢いるなんて思いもしなかったのです。

そして、アメリカはアフリカやら中東やらへ行って「民主主義にしてやるから資源ちょうだい」なんて言いながら内政干渉している暇があったら、自分の国の人種対立をどうにかした方がいいんじゃないかと真剣に思いました。

実際にエリンの教室から卒業した生徒たちの中で、「家族の中で始めて大学に合格した人」が多く出た上に、そのうちの多くが「大学を卒業してから教師を目指した人」だったそうです。
私、「影響を受けた教師」っていないんですよ。
自分のことは自分でやっていたし、「先生も所詮人間」って思っていたかわいくない生徒だったんで。
このエリンに出会えた生徒たちが本当に羨ましくなりました。

エリンを演じたヒラリー・スワンクの演技も完璧。
この人は、本当に末恐ろしい女優です。
今後も何回かアカデミー賞取るでしょう。
この映画で取ってもおかしくない演技しています。
彼女の演技にも注目です。

フリーダム・ライダース 公式サイト

8月 19, 2007 映画-ハ行(アメリカ) | | コメント (0) | トラックバック (0)