« 雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた | トップページ | カフェで食事 »

2009/05/19

放浪記 / 林 芙美子・著

苦労は買ってでもしろとは言いますが・・・

新潮文庫の100冊」マラソンというのを個人的にやっていて、この「放浪記」は、13冊目となります。

「苦労している女性の生き方」を知りたかったんです。
「若いときの苦労は買ってでもしろ」とは言いますが、やはり、つらいことがあるたびに凹んでしまうものですよね。
そんな日々で、私の悩みなんてちっぽけなもの。
そう思いたかったんです。

これは、確かに「苦労している女性の生き方」でした。

この放浪記を読んでいる最中に、森光子の「放浪記 2000回記念公演」があったのも、なんだか、少し運命的なものを感じました。

これは、戦前の林芙美子の日記です。
今で言えば、エッセーですね。
ひたすら
「貧しくてつらい日々」
だったということが、よく分かる本です。

本当の貧しさなんて知らない私にさえ、グッときてしまうことが多々ありました。

その多くが世の中に対する素直な愚痴です。
それが悪かったのか、戦時中は発禁になったそうです。
あくまでも、世の中に対する素直な愚痴なんですが、時には、それが、華族に向けられたり、皇族に向けられたりしていたので、発禁になってしまったのもうなずけます。


でも、時には、今の女性たちよりももっと逞しく、進歩的で、知的に物事を考えていた一面もあって、もっと裕福な家庭に生まれていたら、もっと大きくなれた作家かもしれないです。

生活だけでなく、パートナーについても、あちこち行ったり来たりで、一つのところにはいられなかった林芙美子
読めば読むほど、森光子とはかけ離れたイメージの作家で、森光子にとっては、とても大きな挑戦だったんだなぁと思います。

森光子と、林芙美子

二人に共通しているのは、少しずつコツコツと続けていたことが、後になって、自分が思っている以上に評価されたこと。

確かに、ちっぽけな私には、読むべき本だったようです。

5月 19, 2009 読書 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/43476/45059256

この記事へのトラックバック一覧です: 放浪記 / 林 芙美子・著:

コメント

コメントを書く