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2009/03/27

奇想、天を動かす / 島田 荘司・著

なるほど、確かに奇想天外でした

ミステリー好きなので、「このミステリーがすごい!」に掲載されている本を漁って読んでいます。
この本も、そのうちの一冊です。
タイトルから、どんな内容の本なのかが、全く読めないことに惹かれました。

小さな三面記事にも大きな歴史アリ

はじまりは、すっとぼけたお爺さんが、商店街のおばさんを刺し殺したという、新聞の社会欄に小さく載りそうな事件です。
始めは、衝動的に刺してしまったんだろうと誰もが思ったのですが、ただ一人の刑事が、
「この爺さんは人を簡単に殺す人間とは思えない」
という疑問から捜査が始まり、その裏に、大きな大きな歴史が流れていたことが分かるのです。

ある悲しい兄弟の物語

それは、戦時中の朝鮮人強制連行が招いた、悲しい二人の兄弟の物語でした。

そこから、汚い政治家のヤクザとのつながりや、閉鎖的な日本の姿まで見えてくるのです。
その壮大な展開が、私にとっては、とても意外で、悲しくもあり、楽しいものでもあり、教えられることもたくさんありました。

特に、当時、強制連行された人たちが、北海道で強制的に肉代労働させられていたことや、シベリアで悲惨な捕虜生活を送っていたことなど、心が痛む内容であり、ミステリーという枠を超えて、社会的な面も多く含まれた内容で、考えさせられること多々ありました。
また、とても読みはじめからは想像がつかない展開の大きさに、驚かされました。

それで、つくづく、私は恵まれているんだなぁと思うんです。
言葉の通じない国に無理やり連れてこられて、国へ帰るために一生懸命働いていたのに、ある女性と出会ったことから、悲しい運命を辿ることになってしまった兄弟。
きっと、彼らと同じような悲惨な運命をたどることになってしまった人も大勢いたんだろうなぁと、思い知らされました。
つくづく、読んでよかったなぁと思うのです。

この著者の島田荘司は、初めて読むのですが、ほかの本も読んでみたくなりました。

3月 27, 2009 読書 |

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