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2009/02/03

凍える牙 / 乃南アサ・著

読んだ内容を覚えてなくてラッキーなこともある

『新潮文庫の100冊勝手に読破マラソン』の11冊目は『凍える牙』でした。
実は2回目なんですが、ほとんど覚えてなく・・・。
いや、今回かなり楽しめたので、犯人とか覚えてなくてラッキーでした。

中堅女性刑事と中年刑事とオオカミ犬の孤独

主人公は、中年男性刑事と、中堅女性刑事。
ある連続事件で、面識の無い二人が組まされることになって、二人で事件解決へ導いていく話です。
タイトルになっている「牙」とは、オオカミ犬を指しています。
その連続事件の犯人の手がかりとして上がってくるのが、オオカミ犬なんです。
オオカミ犬てね、野生のオオカミと犬をかけあわせたものなんだって。
そんなものを作るなんて、人間ってつくづく勝手な生き物ですね。

オオカミ犬に惚れる??

この小説に出てくるオオカミ犬は、主人にとても忠実で、人間でいうと、背筋に一本芯が通っているような毅然としたタイプで、オオカミらしく、孤高の雰囲気も漂うとても魅力的な登場人物(?)でした。
読み進めていくうちに、このオオカミ犬“疾風(はやて)”に会いたくなりました。

孤独なのはオオカミ犬だけではない

その疾風の雰囲気に合わせるかのように、この小説の登場人物は誰もが孤独なのです。
孤独な人たちが、皆、何かに怒りを感じつつ、その“牙”を隠し持ちながら、刑事として罪人に牙をむくものあり、罪を犯すものあり、そして、最後は、皆、疾風の元へ吸い寄せられていくという、ストーリー展開とキャラクター設定がとてもよく練られた本でありました。

つい、共感してしまいます

その中でも、やはり、私としては、同世代の独身刑事に共感せざるを得ない部分が多々ありました。
いや~、自分で言うのもなんですが、私、生活設計の部分でかなり不器用な部分があって、甘えてしまえばいいところを決して甘えないとか、投げ出してしまえばいいところを、決して投げ出さないとか、愚痴ってしまえばいいところを、あまり愚痴らないとか、女にしておくにはかなり惜しい(?)性格なのですが、その私から見て、この小説の主人公である、音道貴子は、「なんともかわいげの無い」女刑事でした。
いつも、そのブスッとした態度を見るたびに、「とりあえず笑っとけよ」とアドバイスしたくなるのでした。
しかし、この苦悩は「愛想笑いがうまくできない女の悲劇」なのです。
そこは、共感を超えて、胸が痛い割合の方が高いのでした。
結局、最終的には、周りの男に賞賛される形で、音道が事件を解決するのですが、それって、彼女がマスマス孤独になっていくということであり、マスマス、オオカミ犬の孤高に近づいていくのでした。

私、乃南アサは、この本しか読んだことが無いのですが、他の本も読んでみたくなったのでした。

2月 3, 2009 読書 |

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