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2008/12/17

塩狩峠 / 三浦綾子・著

昔読んだはずなのに・・・

『勝手に新潮文庫の100冊読破マラソン』9冊目は、この三浦綾子・著『塩狩峠』でした。
以前、読んだことがあったようで、私の本棚にあったのですが、内容を全く覚えてなく・・・(ーー;)
少なくとも、10年以上前に買った本だということしか分かっていません。
 内容を簡単に説明すれば、キリスト教信者による、自己犠牲の話です。

キリスト教に対する偏見が強い次代の話です

主人公である青年は、元々はキリスト教嫌いの祖母に育てられた影響でキリスト教をあまり良く思っていませんでした。
ところが、生まれた時に死んだと教えられた母が実は生きていただけでなく、キリスト教信者で、さらに、好きになった女性も信者だったという縁で、少しずつ、キリスト教に興味を持ち始めて、最終的には、人に説教する程の人物になるんだけれど、最後、信仰心から多くの人の命を救うために、自分の命を投げ出してしまうというお話です。

強欲も傲慢もスケベも生き方であり個性です

典型的な日本人である、私は無神論者です。
そんな私からすると、主人公の生き方は、とても立派だと思います。
だけれども、人間が強欲であることも、イヤラシイ妄想をすることも、つい嘘をついてしまうことも、人間らしい行いで、罪ではなく、それをイチイチ反省して、懺悔するなんてことはちょっと考えられないんです。 だからと言って、彼らの生活を否定するわけでも、非難するわけでもなく、気持ちが分かることもあり、そうでないところもあり、そうだなぁ、異文化の生活を覗き込むような気分で読ませてもらいました。
しかし、最後の自己犠牲のシーンでは、主人公が自ら命を投げ出すのですが、思わず「ゲッ!!」と声に出してしまいました。
何も命を投げ出さなくても良かったのに。
正直、私には彼の行為が立派で美しいものには見えず、どんな状況でも、自分を含めた全員が生き抜く方法を考えるべきだったのでは・・・と思うのです。

信じるものが神でなくても

 彼のそんな生き方の選択には、あまり納得できない部分もあったのですが、彼の「人との付き合い方」には、共感したり、教えられたりすることが多々ありました。
 例えば、好きになった女性を常に献身的に支えたり、だらしなくてどうしようもない同僚を立ち直らせるために必死になったり、あらゆる部下から尊敬される上司という存在だったり、仕事に対する姿勢だったり。
 恋人とのやり取りでは、思わず、ホロっとさせられるとこもありました。
 それは、宗教を信仰しているからではなく、人間としての生き方の問題でしょう。
 支えは“神”でなくても、“家族”だったり“恋人”だったり、“自分”でもいいと思うんです。
 何かを信じて、信じたもののために一生懸命になれる人って、強いし、潔いんだろうなぁって。
 一生懸命にがんばる力って、偉大だと、この頃良く思うから、なおさら、この小説の主人公の強さも分かる気がします。

12月 17, 2008 読書 |

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