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2008/09/19

重力ピエロ / 伊坂 幸太郎・著

★私には密かな計画があります。
  毎年、夏休みなると本屋の文庫コーナーに登場する『新潮文庫の100冊』。
 これを1年かけて読破してみようというものです。
 中には読んだことがある本も何冊かあって、その中でも、ここ1~2年に読んだものは除くとして、読んでからしばらく経ったものは久しぶりに再読してみようと。
 年が経ってから読んだら、感想も違っているんじゃないか、なんて楽しみもあります。

★この『重力ピエロ』は、その記念すべき1冊目です。

★恥ずかしながら、このベストセラー作家の伊坂幸太郎さん、存在すら知らなかったです。

★ね、早速、この試みが吉と出ているじゃないですか。

★お話は、ある家族についての物語です。
  父と母と兄と弟の4人家族。
  母を早くに亡くし、父は癌で闘病中。
兄は遺伝子研究所で働き、弟は、母がレイプされたときにできた子供だったのです。

★なんか、あらすじだけでも重そうな感じがしますが、そこをサラッと描いてしまっているところが、この本の素晴らしさです。

★とにかく、登場人物が、皆、魅力的です。
 母親のつらい過去を背負って生まれてきた美男子の春くんも、ちょっとぼんやりしているけれど、いつも家族を思いやる兄の泉水くんも、いつもユーモアを忘れない父も。
  他の家族よりも、つらい思いをたくさんしてきているのに、それでも前向きに生きている家族の姿に感動しました。

★とくに、弟の春くんには、惚れそうになりました。

★そして、今更ではあるんですけど、レイプという犯罪。
 確かに、日本では、まだまだ軽く見られているんじゃないかと痛感しました。
 今では、光市母子殺人事件があったから、その罪の重さについて、再認識しようとしていますが、レイプにあった女性も、そのとき芽生えた命も軽く見てはいけないし、いろいろな思いを背負う彼らの存在を忘れてはいけないですよね。

★『重力ピエロ』とは、とても変わったタイトルですが、主人公の泉水くんが、幼い頃、親に連れられサーカスを見に行ったとき、ピエロが重力に逆らうかのように、笑いながら空中ブランコをしていたのを、いつか落ちるのではないかとドキドキしながら見ていたことからきています。

★それは、常に“絶対的なもの”に挑戦している春くんを見ながら、ドキドキして見ている、見守っている泉水くんの姿がたぶります。
 そんな二人の姿を見ながら、「血は半分しかつながっていない」といいながら、彼らが強い絆でつながっているのが伝わってきました。
その“血”もまた、人間にとっては“絶対的なもの”ですが、そこに挑戦し続けるからこそ、私は、春くんに惚れそうになったんだと思います。

9月 19, 2008 読書 |

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男の子が少年でいる時間は短い!! 美少年っていくつまで美少年でいられるんでしょうか? でもわたしの美少年意識もちょっとずれてるかもしれないww 続きを読む

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