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2008/08/27

ワイルド・ソウル (上)(下) 垣根 涼介・著

★『大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞、三冠達成作品』という帯に惹かれて買いました。

★なるほど、帯の謳っているとおり、先の展開が読めず、ぐいぐいと引き込まれる本でした。

★ソウルといっても、私がよく遊びにいく韓国のソウルではなく、“魂”の方です(^^;)

★戦後、貧困にあえいでいた国民に対し、日本政府は肥沃で広大な土地があるブラジルに移住を勧め、彼の地でコツコツ農業をし、成功すれば大地主になれると夢のような話をもちかけ、多くの移民を募るのです。

★その日本政府の夢のような話を信じた人達がたどり着いた約束の地は、肥沃な大地などではなく、農業どころか、生活することすら困難なアマゾンの森のど真ん中だった・・・。

★待っていたのは、明日、自分が生きているのかすら分からない地獄のような生活。
この本は、そこで生まれ、ワイルド・ソウルを持った日系二世たちの日本政府へ復讐の物語なのです。

★当時、政府がブラジルへ多くの移民を送ったことは知っていたのですが、たどり着いた先がアマゾンのジャングルのど真ん中だったとは知らなかったのです。

★その構図は、北朝鮮の独裁政権を知っておきながら、国に帰れば共産主義という新しい天国が待っていると、多くの在日朝鮮人を北朝鮮に送り込んだやり方と同じでした。

★その外務省のやり口にあきれてしましました。
 なんてその場しのぎで無計画なんだろう・・・と。
 増えすぎた国民を養っていくことができないから、外国へ捨ててしまおう。
 そんな風に見えてしまう。
 何十年も経った今、少しはまともな機関になっていればいいがと願うけれど、毎日のように流れるニュースからはとてもそんな風に感じられず・・・。
 だからこそ、この本にのめり込み、外務省に対しテロを起こす日系ブラジル人たちの行動が小気味いいと感じてしまうのです。

★個人的には、日系ブラジル人たちと共に登場する30代半ばの独身女性がパッとしない人生から、思い切って冒険していく姿に共感しました。
 しんどい人生でも、毎日、がんばっていれば、何か良いことが起こるかも。
 彼女の生き方は、そう思わせてくれました。

★ブラジル移民とか少し難しいかもと思われるかもしれないですが、個性あふれ、魅力的なキャラクター設定のおかげで、そんな難しさを感じることなく最後まで読み通すことができます。
 かなり、ブラジルに興味を持ちました。
 オススメです。

8月 27, 2008 読書 |

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