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2008/07/01

シークレット・サンシャイン

★チョン・ドヨンがカンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞した作品です。

★韓国の地方都市、密陽(ミリャン)(英語:シークレット・サンシャイン)を舞台にある事件で息子を失ってしまった女性と彼女に対する神の救済についてが描かれています。

Secret_sunshine

★この映画には大きく分けて3種類の人間が出てきます。
・キリスト教の熱心な信者
・神に立ち向かう者
・犯罪者

★主人公のシングル・マザー、シネは、金目当ての誘拐事件の果てに息子を失ってしまいます。
 彼女はそれをきっかけにキリスト教に入信し、熱心に信奉することで、事件の痛手を少しずつ癒していきます。
 そして、『汝の敵を愛せよ』という神の教えのとおり、息子を奪った犯人を許すために刑務所へ向かいます。

★ところが、その犯人は既に牧師の下で神の許しを得ていたのです。

★そこから、シネの神への反逆が始まります。

★そりゃそうでしょう。
 彼女がその『汝の敵を愛そう』と思うまで、どれだけの時間がかかり、どれだけの葛藤があったのでしょうか?
 その彼女の姿を神は見ていなかったのか??

★この刑務所の対面シーンでは、マリアのように穏やかな表情を浮かべていたシネの顔が見る見るうちに般若の面に様変わりしていきます。
 主演女優賞を取ったチョン・ドヨンの見せ場はここから始まっていきます。

★しかし、神はシネが思うよりもより大きく、絶対的な存在だったのです。

★彼女が神に反抗し、立ち向かおうとすればするほど、神は彼女に試練を与えるのです。

★熱心な信者と、それに立ち向かうシネの間にぼんやりと存在しているのが、ソン・ガンホ演じるチョン社長です。

★彼はコミカルな演技でこの映画の笑いの部分を担当していますが、その裏でシネにとっても、それを見ている観客にとっても精神的支柱にもなっています。

★多くの熱心な信者で出てくる中で、その中に混じりながらも、ちょっと外れてタバコを吸ってみたり、悪態をついてみたり、集会をサボってみたり。
 映画の登場人物たちの間では奇妙な行動のように見えることも、実はとても標準的で、一般的な人間の行動なのです。
 セミナーや集会とかでよく体験することですが、テンションが高すぎる人たちや、低すぎる人たちに囲まれているととても疲れてしまうのですよ。
 この社長はその間をふらふらと行き来するのです。
 集会に参加して、信者たちとお話しすることは楽しいけれど、神にその体をささげることができるかと言ったら、そんなことはなく、グータラな生活を送りたい。
 その姿は、神の存在など感じることなく、煩悩で生きている私に安心感を与えるのです。

★恐らく、シネにとっても社長の存在は、とても安心できるものだったに違いないと思うのです。
 息子が生きているうちは息子が、息子を失うと神がそれぞれ彼女を支えていました。
 そして、神を失ったとき精神の崩壊が訪れたのです。
 しかし、精神的に崩壊し、不安定になってしまった彼女を前と変わらず愛し、寄り添ってくる社長を、彼女は精神的に受け入れざるを得なくなってくるのです。

★密陽-シークレット・サンシャイン- 密かにさす陽射しとは、どんな光でしょう・・・。

★光は、密かに照らすことはありません。
 地下にでも潜らない限り、どんなときも、そこがどんなゴミ溜めであっても、光が照らします。
 その光が神の射すものだとするなら、神から隠れることはできないのです。
 シネがこの密陽に引っ越してくる前に、ロマンティックだと感じていたこの土地の名前も、今となっては皮肉でしかありません。

★シネが現実を受け入れず、神に挑戦を続ける限り、彼女への試練も続くのです。
 でも、だからこそ、彼女は人間らしく、愛すべき女性なのです。

シークレット・サンシャイン 公式サイト

7月 1, 2008 映画-韓国 |

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