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2008/02/16

潜水服は蝶の夢を見る

★『潜水服は蝶の夢を見る』は私にとって、久々のフランス映画でした。
 オープニングクレジットを見るまで、フランス映画とは知りませんでしたcoldsweats01
 正確に言えば、フランス、アメリカ合作映画ですが・・・。
 どっか、スペインあたりの映画かと思っており、「良い映画だ」という評判だけを頼りに見ました。
 いや~、見てよかったですshine
 評判どおり、本当に良い映画でしたgood

Butterfly

★フランスで実在した重度の脳梗塞患者が描かれています。
 パリで雑誌『ELLE』の編集長まで務めていた彼が、ある時、発作を起こし、絶望の淵に落ちてしまうのです。
 全身が麻痺してしまい、自由に操られるのは左目と、左目のまばたきだけ。
 最初は、しゃべっていることが周りの人に聞こえないということすら受け入れることができないような状態でした。

★彼がまず最初に取り組んだのは、“まばたき”で言葉を表現すること。
 その“まばたきだけ”で、医者、療法士、家族などとコミュニケーションをとることで、少しずつ現実を受け入れていきました。
 そして、この映画の原作となった著書を書き上げてしまったのです。
 そのことがまず素晴らしいことで、世界中にいる似たような境遇の人たちの希望になると思うんです。

★お恥ずかしい話、全身麻痺になってしまった場合の精神状態って、あまり考えたこと無かったんです。
 極端な話、体が麻痺してしまったら、もしかして、精神的にも不自由になってしまうんじゃないかって思っていた部分もあったかもしれない。

★でも、この映画を見てすごく教えられました。
 不自由どころか、すごく想像力豊かで、ウィットやユーモアだってある。
 精神状態は健常者と全く変わらないし、表現するのにすこし不自由なだけなんです。
 自分の認識力の低さがすごく恥ずかしくなりました。
 また、周りで彼を支えたり、治療にあたったりしている人たちの人間性も素晴らしいんですよね。
 ドミニクに正面から向き合っている彼らも本当にステキな人たちなんです。
 彼らの支えがあってこそ、著作が完成したんだと思います。

★この『潜水服は蝶の夢を見る』という題名は、彼の想いです。
 管につながれ、視界は狭まり(見えるのは左目だけ)、四肢は思うように動かせない。
 それはまるで重たい潜水服を着て、静かで深遠な海の中にいるかのような感覚。
 いつか、さなぎが蝶になるように、重たい潜水服を脱ぎ捨て、自由に世界中を飛び回ることができる日を夢見ているんです。
 その表現力が素晴らしいじゃないですか。
 同じように麻痺している多くの患者の心を代弁するような言葉だと思うのです。

★最初から最後まで、ほとんどが、彼の心のつぶやきと、彼の目線、視界を表すカメラで描かれています。
 彼の言葉の素晴らしさは、前述したとおりですが、この映画のカメラも本当に素晴らしいんです。
 周りの景色が、彼の心の通りに映し出されるのです。
 美しい女性たち、海、森林の緑、涙ぐんで曇ってしまった景色・・・。
 美しい景色に、彼の心情が加わった暖かい映像だと感動してしまいました。

★もしかしたら、今頃ドミニクは蝶になって世界中飛び回っているかもしれない。
 そうだったらいいなと思える、素敵な映画でした。

2月 16, 2008 映画-サ行(アメリカ), 映画-仏 |

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コメント

こんにちは。チョーご無沙汰です。
2005年頃にやり取りさせていただいていましたが、覚えてますでしょうか?
「☆彡映画鑑賞日記☆彡」にTB返しをした際、なつかしいブログ名を発見したので、たどって参りました。
映画も時々はご覧になっているんですね。
そう、本作は本当に申し分なくスバラシイ映画でしたー。

投稿: かえる | 2008/02/20 11:45:25

かえるさん、こんにちは。

大変、ご無沙汰しております。

長い間、沈黙しておりましたが、ボチボチ映画を見ています。
良かったら、また遊びに来てください。

この映画、いい映画でしたね~。

投稿: toe | 2008/02/21 23:48:33

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