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2007/10/18

キングダム

キングダムとは、サウジアラビアを指します。

Kingdom1

サウジアラビアに駐在する米国石油会社の社員居留地で大勢のアメリカ人を標的としたテロが起きます。
現地に調査に出向いた在サウジアラビアFBI特派員もその犠牲になってしまう。
その訃報を聞いたアメリカにいる同僚のフルーリー(ジェイミー・フォックス)はメイズ(クリス・クーパー)、サイクス(ジェニファー・ガーナー)、レビット(ジェイソン・ベイトマン)と共に調査チームを作り現地に向かうのです。

Kingdom2

どうにも、複雑な気分になる映画です。

普通に何も考えずに見ていると、アメリカ的な主観に押し流されそうなるんです。

そこで、ふと立ち止まり
「いやいや、ここはサウジアラビアだから、それは違うでしょ」
と思い直すのです。

サウジアラビアにある民間会社の土地で起きた出来事です。
そこへ、FBIの人間が銃を持ってきて、
「俺たちの調査が終了するまで動かすな」
と言っても、相手はサウジですからね、「NO」と言われて当たり前だし、相手が固くなるのも当然なんです。

Kingdom3

この映画がその手のアメリカ映画と少し違うのは、その時点でアメリカ手なやり方がまずいことに気がついて、まず相手を認めて受け入れて、謙虚になった上で、お互いの中間点を探って地元警察と共同調査を始めるのです。

今までの
「相手はなに言ってんだか分からないから、勝手にこっちで進めてしまえ」
的なものが無かったのが、少し救いなんです。
“郷に入れば郷に従え”
当然のことですが、これまでのハリウッドでは、あまり見られなかったことです。

Kingdom4

そうして、お互い尊重しあって共同調査となると、もちろん、
相手は「凶暴な野蛮人であるイスラム教徒」ではなく、
「同じ目的を持つ仲間」になり、
昨日まで「野蛮なイスラム教徒」だったのが、
今となっては自分と同じように妻と子がいる大切な仲間になるのです。

彼らはその間に武器や戦争が無くても理解し合えた。
一番大事なのはそこです。

Kingdom5

しかし、彼らの間にある平和もいつまでも続かない。

何かを得ようとすれば、当然犠牲が生まれるのです。
アメリカと遠くはなれた中東にやってきて、異なる環境を乗り越えて得た大切な仲間を失ってはじめて、武力で解決することは少しも素晴らしいことではないことに気付くのです。
アメリカ人が武器を持ってサウジに乗り込むことは内政干渉であり、本当にサウジのために戦う人たちを失うことであり、新たなテロの火種を作るだけなのです。

Kingdom6

アメリカが同じような内政干渉を続ける限り、テロはなくならない。

そうした“気付き”があるアメリカ映画もなかなか少ない。

けれど、この映画を見た人が、アメリカが問題を解決したところだけを見て、ラストに出る最後の彼らの虚ろな表情に気付かないとあまりその意味も通じないのが少し悔しい。

キングダム 公式サイト

10月 18, 2007 映画-カ行(アメリカ) |

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TOHOは毎月14日は千円で映画が観れるので、日曜日の午前中だというのに 結構沢山の人が観に来ていました、楽しい映画ではないんだけど物好きねぇ〜。 続きを読む

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