« うちの同居人 | トップページ | どうにも好きなもので… »

2007/04/08

号泣する準備はできていた

江國香織を読んだのは随分久しぶりで、「冷静と情熱の間」以来。

これは、直木賞を受賞したらしいので、読んでみた。

基本的に、短編集というのはあまり好きなじゃないので、めったに読まないけれど、これは良かった。

良かったというかねぇ・・、閉じていた扉を一つずつ鍵でこじ開けるような感覚だったのね。

というのも、短編は全部で12編。
どれも女性が主人公であり、日常の一部をきれいに切り取ってそのときの心情を小説化しているのね。
だから、どの話にも少しひっかかることあり、うらやましいなと思うことあり、あぁ思い出したくねぇ・・と嘆くことあり・・。

その丸裸にされた心情が良いのね。

印象に残っているセンテンスがある。
「私は独身女のように自由で、既婚女のように孤独だ」
この一文は、『洋一も来られればよかったのにね』というタイトルの短編の冒頭にあるの。
それだけでね、既婚女のように孤独??と思って、ググッと入り込んでしまうわけ。
この女性は、既婚者で、最近愛人と別れたばかりなの。
それで、こんな独白が入ってくるの。

まぁ、もちろん、私は結婚しているわけではないので、その孤独のあり様がよく理解できていないのかもしれないこけれど、“大勢の他人といる孤独”をなぜか常に感じているので、つい、ストーンとはまってしまったのね。

その短編にも、その心の奥底に入ってくるようなお話ばかりで、かなり楽しめたっす。

心の扉を開く準備ができている人にオススメの一冊。

4月 8, 2007 読書 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/43476/14613306

この記事へのトラックバック一覧です: 号泣する準備はできていた:

コメント

コメントを書く