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2007/03/22

博士の愛した数式

久しぶりに、本を読んで泣いたのです。

主人公である私は、シングルウーマンであり、家政婦をして小学生の一人息子を育てています。

そんな私が担当になったのは、元数学博士。
実は、その博士の記憶は80分しかもたないのです。

それは、翌日になると全ての記憶がリセットされているということなのです。
そのため、博士の上着には、忘れてはならない事柄を書きとめてあるメモがぎっしりと貼られているのです。
あるとき、博士の提案(ほぼ強制的に)で、「子どもは親と離れてはいけない」という理由から、主人公の息子の学校が終わるとすぐに、博士の家へ帰るようにします。
博士は、彼にルートというあだ名をつけます。
そこから、ルートと博士の交流が始まるのです。

決して、泣かせようとしている小説ではないのです。
読んでいると、心が温かくなってくるのです。
春のポカポカとした穏やかな陽だまりの中、やわらかい空気に包まれているような気分になるお話なのです。

なぜなら、主人公の私も、その息子のルートも、その親子が敬愛する博士もみんなとても心が美しい人たちなんです。
そんな人たちが、縁あって巡りあい、擬似家族のような生活を送り始め、時にはドキドキしたり、笑ったり、腹が立ったりする姿を見ているだけで、なんだか穏やかな気分になるんです。

そんな温かい話だったら、泣く必要はないでしょう。ねぇ。
悲しいから泣くのではなく、彼らの心の交流がとても美しくて泣いてしまうんです。
父親を知らず、ちょっと頼りない博士に対し、父に対するような親近感を抱いていた主人公の私も、ちょっと生意気だけれど(^^;)、父も祖父知らないルートにとって、本当に信頼できる友人としての博士。
やりきれない秘密を抱えながら偏屈になってしまった義姉。
彼らが楽しそうにしている姿を思い浮かべながら、グスグス泣いてしまったんです。

「博士が、私たちを記憶することは永遠にない」

それでもいいのです、私たちが博士を記憶すればいいのです。
ちょっと陳腐な言い方をしてしまえば、そこに無償の愛があるんですね。

あぁ、本当にいい本でした。

これ、映画は見ていないのですが、めずらしくキャスティングに成功していると思いました。
寺尾聡に、深津絵里だなんて、読みながらピッタリだと思ったので、ちょっと映画を見てみようなかなぁ・・・と考え中です。

3月 22, 2007 読書 |

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博士の愛した数式は、eのπi乗=-1 → eのπi乗+1=0 ・・・オイラーの公式やら、素数、約数、虚数、完全数、友愛数、そんな話で展開する・・。 数学教師ルート先生(吉岡秀隆)の仇名の由来として子供の頃の話を生徒達に語りながら物語は始まる。シングルマザーである... 続きを読む

受信: 2007/03/23 23:40:37

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