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2006/03/14

さらば、愛しき鉤爪

いや~、この本は非常に面白い。
と、いいつつ読み終わったのは1週間前のできごと。
感想書くのをすっかり忘れてしまっていて・・(ーー;)

主役は探偵。
一見、普通の人間。
でも、中身は恐竜・・・。
そんなお話なのよ。
映画で言えば、MIB(メン・イン・ブラック)の恐竜版って感じかな。
世の中に対してシニカルな感じもMIBに似てる。
帯には「恐竜ハードボイルド」って書いてあるよ。

ハードボイルドだからなのかよくわからないけど、主役のヴィンセント・ルビオはボギーに似てるらしい。
でも、ハードボイルドって言っても、常にクールなわけじゃなく(ルビオ本人はいたってクールなつもりだけどね)、コメディ満載なので、クスクス笑いながら楽しめるのよ。

恐竜ってどういうことよ?
って、まぁ、普通に思うよね。
それを知りたい人は、私の感想なんか読む前にこの本を読んで欲しいけど、絶滅したと思われていた恐竜が何千年って進化を経て、人間サイズになって生きてるのね、で、日頃は人間のスーツをかぶって生活しているわけよ。
そのね~、アイディアの勝利よね。

今回の事件は、ルビオの相棒(もちろん、恐竜ね)が謎の死をとげていて、その死の謎を探る物語。
でっさぁ、どうやって恐竜は人間に自分が恐竜だとばれないかってことが、非常に上手に描かれているのね。
読んでいるうちに、自分の日常生活でも「この人は絶対に異星人だ!」と思うことってあるじゃない?
そういうときに、「こいつは絶対恐竜だ」って思えば、気が楽になるのさ。
「あぁ、恐竜だから話が通じないんだ」とかね。
逆に、恐竜たちは、人間のことをバカにしてるのよ。
「ジェラシック・パーク」なんて、ボロクソだしね。

「ジェラシック・パーク」のことをバカにしているくせに、時にお話はSFチックになる。
恐竜 vs.恐竜 の「ジュラシック・パーク」顔負けの格闘とか、恐竜と人間の間に芽生える恋とかね。
もう、とっても荒唐無稽なお話なんだけどね、作者・エリック・ガルシアと訳者・酒井昭伸が作り出した語り口の助けもあってすごく面白いの。
その、エンターテイメント溢れる描写を読んでいると、この人(作者)は、映画好きなんじゃないかってちらっと思ったり。
アメリカのエンターテイメント界では、彼が重宝がられているらしく、ニコラス・ケイジ主演の映画『マッチスティック・メン』は、彼の原作らしい。
あの、世界一神経質な男(『マッチスティック・メン』)と世界一奇妙キテレツな探偵(鉤爪シリーズ)を創造したのが、同じ人なんだからね~、面白いよね~。
この調子で、エリック・ガルシアは、今後も面白いキャラクターを生み出すんじゃないだろうか。
ちょっと注目したい作家さんね。

恐竜だけど、人間臭いそんなルビオに思わず惚れる恐竜ハードボイルド。

一風変わった探偵小説を読んでみたい人にオススメの一冊

3月 14, 2006 読書 |

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