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2006/01/30

単騎、千里を走る。

このところ、仕事に追われ、出張に行ったりしていたので、映画を観に行く時間もなく、ブログの更新もせず、コメントやトラバの返しも遅れてしまいました。
コメント、トラックバックを送っていただいた皆さま、必ずお返事致しますので、もう少しお待ち下さい。
ご迷惑をお掛けしておりますm(_ _)m

riding_alone1そんな忙しい日々の中で、思うことはただ一つ。
「映画館に行きたい~!!」
そして、昨日、念願叶って時間ができたのでチャン・イーモウの新作であるこの映画を見てきたのですぅ~。
あぁやっぱりチャン・イーモウが描く田舎はいいなぁと思い、高倉健は日本の宝だと実感し、中国人と日本人の心の交流に涙々。
まぁとにかく、いい映画なの。

<STORY>
高田剛一(高倉健)は、田舎の漁村で細々と暮らす漁師。
10年前に息子の健一とつまらないケンカをして絶縁状態になって以来会っていないのだが、健一の嫁・理恵(寺島しのぶ)から健一が病気で入院したとの便りが届く。
久しぶりに上京して、息子の病室を訪れるが「会いたくない」と門前払いされてしまう。
息子に拒絶されてしまった剛一は会わずに帰ろうとするが、追いかけてきた理恵に一本のビデオを渡される。
中国文化を研究している健一が中国で取材している姿を写したビデオだという。
家に帰ってから剛一が早速ビデオを見てみると、剛一は中国の仮面劇を取材しており、俳優のリー・ジャーミンに歌を歌って欲しいと頼んでいるところだった。
しかし、リー・ジャーミンは、「今日は歌えないので次に会ったときに歌ってあげるよ」と言い、結局歌ってもらえなかったという映像だった。
そのビデオを見た剛一は、リー・ジャーミンと健一の間にできた約束を健一の代わりに果たそうと一人で中国に飛ぶのだが・・・。

riding_alone2
人って温かいんだなぁ。
反日感情ってのはどこにあるんだろう。
そんなことを思わず考えさせられる映画だった。

ズバリテーマは「人と人とのコミュニケーション」なんだけど、人付き合いの苦手な老人が単身中国を旅して、病気の息子のためにある目的を果たそうとするんだけど、大切なのは目的を果たすことよりも、人の温かさを知ることだったというお話なんだよね。

それがさぁ、全く言葉が通じない剛一に対する村人たちの優しさに温かい気持ちになるんだよねぇ。
日本語ができないガイドのチュー・リン。
剛一の告白に心を打たれる役人たち。
彼を喜ばせようと必死な刑務所の看守。
お互いに心が通じなくても心を通わせるヤンヤンと剛一。

特に、ヤンヤンに会いに行ったときの村人たちの歓迎っぷりが本当に心打たれたなぁ。
携帯がつながらないなら、電話貸してあげなよ(^^;)と思いつつ、みんなで高台まで電話を掛けに行く姿が妙におかしい。
遠くからお客さんが来たからと、町中のテーブルを引っ張り出して、お祭り騒ぎのお食事会も面白い。
この辺の田舎の描き方は、さすがチャン・イーモウよねぇ。
温かさが村人の表情からにじみ出てるもんね。

riding_alone3
泣いたシーンはいっぱいあるけれど、一番印象的なのは、泣いたシーンではなく、微笑ましく笑ったシーンだった。父親を知らないヤンヤンと、息子と10年絶縁状態にあった剛一の心の交流。
人付き合いが苦手で、言葉の通じない剛一が少年と一晩過ごすことで、コミュニケーションの大切さを思い知るんだよね。
それは、「あの頃を思い出して欲しい」と息子の健一が言っているようにも見えるシーンであり、ヤンヤンの意思を尊重する姿は、健一の意思を尊重してこなかった後悔の現れのようにも見えるんだよなぁ。
また、ヤンヤンがかわいいんだよねぇ。

riding_alone4
とても70代とは思えない高倉健はもちろん素晴らしかったけれど、日本でのシーンに登場する寺島しのぶもいい。
私は、映画の冒頭から寺島しのぶの告白で既に泣きそうだったから。
この人は、数少ないセリフに情感たっぷり込めてしゃべる人なんだよねぇ。
彼女の、夫を思い、義父を思う姿に泣けちゃうんだよねぇ。

人付き合いって面倒くさいこともあるよね。
気が会う人ばかりじゃないし、誤解も生まれるし、聞かれたくないこと聞かれちゃったりもする。
でも、「そんなリスクを背負っても、人と接して欲しい」とこの映画は願ってる。
面倒くさいからと引きこもってしまわずに、一歩前に出て欲しいと言っている。
中国人は日本人を嫌っていると錯覚を感じてしまうことがある。
でも、それはホンの一部であり、実際会ってみるとお互い分かり合えるはず。
それも、この映画が気付かせてくれたこと。

riding_alone5剛一は、息子にプレゼントを贈るはずだったのに、逆に息子からステキなプレゼントをもらったようだった。
見知らぬ人の中を単騎で走っているつもりが、最後には大勢の友人たちに囲まれ支えられていた。
そんな映画なんだよね。

私も、この映画からステキなプレゼントをもらったような気分になった。

多くの日本人に見て欲しい一本。

単騎、千里を走る。 公式サイト

1月 30, 2006 映画-中国, 映画-合作・その他, 映画-日本 |

コメント

こんにちは。

寺島しのぶは『ヴァイブレーター』が代表作だとは思いますが、
『クイール』でも出番は少ないながらも
情感たっぷりの演技で涙を誘っていました。
あの『東京タワー』も、
彼女の体当たり演技だけが印象に残ってます。

投稿: えい | 2006/01/31 9:44:02

お久しぶりです。
この映画・・・私向きではなかったです。
だからみなさんの感想を読むと、自分が感じれなかったとこがわかっていいもんですね♪

投稿: きよ | 2006/01/31 20:32:26

toeさん、こんばんは。

中国人は日本人を嫌っている・・・日本人も中国人を嫌っている・・・
私も多分、そのひとり・・・(汗)
お互いに自分の知らない歴史による偏見なのかもしれません。
直に接したこともないのにね。

偏見、ああ、最近どこかで・・・・・(笑)

投稿: たいむ | 2006/02/01 23:08:05

こんにちは♪
お仕事お疲れ様です~。
さすがにチャン・イーモウの撮る中国は素晴らしかったです。
そして健さんのオーラも再確認しました。
中井貴一の使い方が贅沢でしたね~。

投稿: ミチ | 2006/02/05 0:21:40

>えいさん

『クイール』いいですねぇ。
お気持ち分かります~。
『東京タワー』は未見なので、今度見てみたいと思います。

>きよさん

だめでしたか~。残念です~。
が、いろんな考え方があるってことを分かるのも良いですよねぇ。

>たいむさん

そういえば、最近話題になりましたよね。
食わず嫌いはいけないですね。
この映画で、お互いに少しでも偏見が少なくなると良いですね~。

>ミチさん

ありがとうございます。
そうそう、中井貴一は確かに贅沢でした。
チャン・イーモウの中国はいいですよねぇ。
田舎の温かさのようなものをいつも感じます。

投稿: toe | 2006/02/05 0:51:52

こんばんわ、TBありがとうございました★
こちらからもお返ししたかったのですがうまく貼れなかったみたいです・・すみません

さわわも中国にはいい印象のない方なので、とても感動したんですけど、所詮映画だし・・的な思いが最期まで心の隅っこで居座ってしまったままでした・・・
でも、偏見を持って遠ざけるよりも近づいて真実を知るようにならなければ駄目なぁと思いました
これからはそういう方向に気持ちを切り替えていこうと思います

投稿: さわわ | 2006/02/05 2:20:14

はじめまして。

雲南省は、1年中春のような穏やかな気候で、少数民族の人たちが多い地域です。そのせいもあるのでしょう、人間がやさしく感じます。田舎を旅していると、「お茶飲んでけ」とか「ご飯食べてけ」と、実際誘われます。「高田」がみんなに親切にされるのは、雲南であることを考えると、リアリティがありました。
でも、考えてみると、日本の田舎もそうですね。何度も食事をごちそうになりました。田舎では、人間はやさしくなれるんでしょうね。都会とはちょっと違います。

投稿: あおやぎ | 2006/02/05 10:10:55

こんばんわ♪TB有難うございました♪

この映画を観ていると、中国と日本のいざこざも何処へやらですね。
言葉が通じずとも、お互いの顔を見ながらでも意思の疎通は可能なんですよね。今の世知辛い世の中には先ず無い光景。こう言う心のコミュニケーションは大切にしたいですね♪

投稿: メビウス | 2006/02/05 20:56:36

こんにちは。
トラックバックありがとうございます。

>見知らぬ人の中を単騎で走っているつもりが、最後には大勢の友人たちに囲まれ支えられていた。
>そんな映画なんだよね。

絶妙な表現だと思いました。少なくともタイトルに何らかメッセージを込めていると思いますが、健さん自身が「単騎」だったのでしょうね(^^ゞ

投稿: でんでん | 2006/02/05 22:50:32

toeさん、こんばんわ。
「人と人とのコミュニケーション」まさにその通りでしたね。
隣にいても言葉が通じないから携帯電話で通訳を介する会話。日本と中国、遠く離れていても携帯電話で簡単に会話ができる。言葉が通じなくても一緒にいるだけで心が通じ合う。そして遠く離れていても、想いが届くこともある。
そうそう、ビデオ画像を用いた会話もありましたね。

投稿: HIROMIC WORLD | 2006/02/06 0:14:59

高倉健の「単騎、千里を走る。」を観る!
トラックバックさせていただきます。
よろしくお願いします。

投稿: tonton3 | 2006/02/06 2:12:57

>さわわさん

なるほどぉ。
そう思う方もいらっしゃるでしょうねぇ。
お互いに少しでも偏見が減ると良いですね。

>あおやぎさん

へぇ~。
雲南省とは、そういうところなんですかぁ。
はじめて知りました。
ありがとうございます。
日本の田舎の雰囲気。
確かに、そうですねぇ。

>メビウスさん

そうなんですよねぇ。
言葉は通じなくてもコミュニケーションができるんですよね。
当たり前のようなことですが、すっかり忘れていたように思います。

>でんでんさん

ありがとうございます。

そうなんですよね。
単騎を撮影するつもりが、自分が単騎になっていて。
が、敵に囲まれた単騎のはずが、友人に囲まれていたそんな映画ですね。
ステキな映画だと思います。

>HIROMIC WORLDさん

コミュニケーションって大切だなぁと改めて感じました。
直接会って会話しないと、人と人の心は離れてしまう。
そんな大切なことを感じさせてくれる映画でしたよね~。

>tonton3さん

トラックバックありがとうございます。
こちらこそ、よろしくお願いします。

投稿: toe | 2006/02/07 1:55:49

TBありがとうございます。

イーモウの描く中国の田舎は本当にきれいですよね。
裕福には見えないけれど、色があふれているようで。
私は身近に中国を感じる機会はありませんが
できれば嫌いになりたくない隣人だと思ってます。

投稿: ぐーぐー | 2006/02/07 19:19:07

こんばんわ。TBさせていただきました。

ヤンヤンを探すところは、チャン・イーモウ監督の「あの子を探して」と
ちょっと似てるなあと思いました。
途中で出会う人がみんないい人なのは監督のメッセージ?希望?
寺島しのぶは、健さん以外の絡みがない、一人で携帯してるシーンが多くて、
演技するのか難しかったのでは?日本パートを支えた影の功労者ですね。

投稿: KUNSAN | 2006/02/08 22:11:35

>ぐーぐーさん

そうなんですよねぇ。
チャン・イーモウの描く中国の田舎は、いつも色が溢れてるんですよねぇ。
これからも、田舎の風景を撮って欲しい監督です。

>KUNSANさん

なるほど、そういわれてみると『あの子を探して』っぽいですね。
全然気付きませんでした(ーー;)
チャン・イーモウが描く田舎では、いつも親切な人が多いですね。
実体験かもしれないですね。
寺島しのぶは巧いですね。
>日本パートを支えた影の功労者ですね
私もそう思います。

投稿: toe | 2006/02/09 1:26:57

こんにちは。
TBありがとうございました(^^)
本当に、大勢の方に観て欲しい映画ですね。
チャン・イーモウ監督の映画を観ると、
心が洗われるような感じがします。
人の温かさにも泣かされます。
健さんも素敵でしたね。
そして、ヤンヤンのあのシーンは、最高でした(笑)

投稿: | 2006/02/09 13:19:34

toeさん、こんばんは!
この映画よかったですね。TB失礼します。

投稿: Yu- | 2006/02/09 18:56:51

チャン・イーモウ、もうオールスターの武侠映画はいいから、こっち系(田舎&素人)の映画を撮ってほしいですね~。武侠ものは、別にあんたじゃなくてもいいやんって感じです。

投稿: aq99 | 2006/02/09 19:03:49

>空さん

こちらこそ、ありがとうございます。
いい映画ですよねぇ~。
ヤンヤン、かわいかったですよね~。

>Yu-さん

こちらこそ、ありがとうございます。
良い映画でしたね~。

>aq99さん

分かります~。
もうチャン・イーモウのワイヤーはいいですよねぇ。
こっちが本職だと思います。

投稿: toe | 2006/02/14 2:17:20

TBありがとうございました
「息子のために」と思っていたけど、最後には自分がかけがえのない贈り物をもらっていた...

本当にそんな映画でした。
こんなに大勢の、言葉の通じない人と心を通わせるのに、どうして実の息子と分かり合えないのか?

家族って、分かり合おうとする努力が、ともすると手抜きになりがちなのかな、と思いました

投稿: Gachami | 2006/02/14 22:50:36

>Gachamiさん

そうなんですよねぇ。
一番近い人が、一番遠くなっていたってなんだか切ないですよね。

たとえ家族の間であっても、お話しすることってとても重要なんですね。

投稿: toe | 2006/02/20 0:30:43

toeさんこんにちは。
TBさせていただきました。
ケータイやデジカメを使いこなす健さんに「ほ~~う」と見入りつつ、それでも顔と顔をつきあわせるコトの大切さを教えてくれる作品でしたね。
あの村人たちの歓迎の食事、すごかったですねぇ。村長さんとほとんど通訳になっていない
チュー・リンのやり取りも笑えました。

投稿: sabunori | 2006/02/22 15:50:39

>sabunoriさん

こんにちは。
TB、ありがとうございました。

そうですね~。
人と接することの大切さが伝わる映画でしたね~。
チュー・リン笑えましたね~。

投稿: toe | 2006/03/08 0:11:26

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