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2005/12/09

カーテンコール

昭和30年代から40年代にかけて、映画の休憩時間に歌を歌ったりする芸人さんがいたのですね。
私、そんな人の存在すら知らなかったよ・・。
これは、そんな芸人さんの昔と今を描いているお話。
その背景にある人の人情や悲しさを描いた話ではあるけれど、全体的に物足りなさが残った作品だった。curtain_call1

<STORY>
橋本香織(伊藤歩)は、大手出版社の記者。
彼女が長い間張り込んでモノにした大物議員の不倫記事で昇進を狙っていたが、相手の女性が自殺未遂を起こし、逆に謹慎処分を受けてしまう。
そんな彼女を見ていられないと、恋人でもある上司は彼女を福岡の事務所に異動させる。
福岡ではタウン誌の記者を担当することになった香織の元へ一通の手紙が届く。
そこには、昭和30年代に下関の映画館を盛り上げていた芸人のことが書かれていた。
その手紙が気になった香織は、早速下関へ取材に出掛けることになった。
手紙にあった映画館は今でもそこにあり、当時を知る店員の絹代(藤村志保)から話を聞くことができた。
その芸人は安川修平(藤井隆)といい、昭和33年からそこで従業員として働きはじめ、ある事故がきっかけで映画の休憩時間に余興をすることになったという。
香織は、絹代の話にのめりこむが、肝心な修平の居所が不明だった。
久しぶりに父のいる実家に帰った香織は、修平の話を父としているうちにヒントを得て、修平の居所を探し始めるのだが・・・。

curtain_call2
この映画、公開されてからだいぶ経つので思い切ってネタバレしてしまうけれど、実はこの修平が在日朝鮮人だったことが分かるのね。
もちろん昭和30年代だから、今では想像つかない程の差別があったと思うけど、当時映画館で大人気だった安川さんが実は在日だったというお話なのね。
しかし、映画館は斜陽になり、安川さんの出番が無くなり、一家離散・・・。
そんな芸人の存在すら知らなかった私には、へぇ~~~~と思うようなお話だったのね。
ただ、どうにも一味食い足りない・・。

安川さんが再就職できなかったのは、在日だったからか、それとも才能が無かったからなのか・・。
多分、在日じゃなかったとしても、芸人として生きていくのは大変なはずだったと思う。
子供のために肉体労働するとか考えなかったのかなぁ・・。
ただの育児放棄じゃないか・・と思ってしまうけど。
多くの人に幸せを与えた人のその後の人生の皮肉は感じるけれど、人生を立て直す方法もあったような気がしてしまう。

curtain_call3
最近は在日をテーマにした映画が毎年のように作られていて、『GO』とか『パッチギ』のような在日のリアルな激情を見せられると、この映画のような描き方ではちょっとインパクトが足りない。
それに、役者にもリアリティを感じない。
鶴田真由は昭和40年に生まれたようには見えないし、父を許せない理由は分かるけど、父を許してしまう理由が分からない。
それに、井上尭之は演奏が上手すぎる!!
売れない芸人の音楽じゃないでしょ。
思わず聞き入っちゃったじゃない。

一番物足りなかったのは、主役の香織ね。
“議員のスキャンダル”という低俗な記事に自分の出世を賭けていた子が、一転、人情溢れる記事を書くことで、どんな成長をしたのか。
実際、どんな記事に仕上がったのか。
私はそこが見たかったのに、結局、彼女がどんな記事を書き、人としてどんな風に成長したのかが描かれないまま終わってしまった。
不完全燃焼なんだよね~。
他人のスキャンダルで注目される記事よりも、昔ながらの人情を伝えることの方が素晴らしいと思ったんじゃぁないかな。
その辺をもっとしっかり伝えてくれればよかったのになぁ・・・残念。

でも、きっと同じような映画館で育った人には、それなりのノスタルジーがあることでしょう。
私のように、そこに郷愁を感じない人にもどこか懐かしさを感じるような工夫をして欲しかった。
この前に『ALWAYS 三丁目の夕日』を見ただけにより強くそう思ってしまう。
『ALWAYS 三丁目の夕日』と同じ時期に公開したことが間違いだったかもしれない一本。

カーテンコール 公式サイト

12月 9, 2005 映画-日本 |

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コメント

興味深く拝読しました。あんのまわりでは3丁目、感動したねー、カーテンコール、もっと感動した!って意見が多いので(^O^)。涙や感動のツボってみんな違うもの、だから世の中面白いって事で。

投稿: あん | 2005/12/12 9:11:53

あんさん、こんにちは。

おぉ~、そうなんですか・・。
それは知りませんでした。

そうですね。
千差万別ってことで。
よろしくお願いします。

投稿: toe | 2005/12/13 0:57:57

TBありがとうございます。
確かに井上堯之はうますぎますが、きっと苦労に苦労を重ねた人生経験が歌にも表れたのだろうといいほうに解釈して観ていました。もういちど聞いてみたいな。

投稿: 沢木耕三郎(仮名) | 2005/12/28 20:54:39

toeさん、こんにちは!
TB、今回もうまくお返しできませんでした・・・。なんでだろう?最近ますますそういうことが増えてきています。

この映画、予告編ではまさに『三丁目の夕日』みたいなノリだったので、本編を観たときにちょっと違和感を覚えてしまいました。
最初からこういう映画だと思って観たらまた違った印象だったのかもしれませんね・・・。

投稿: Ken | 2005/12/28 22:23:58

TBありがとうございました♪
そうですねぇ(^-^; 同じ時代の映画で今は「ALWAYS」が公開になってるからどうしてもそっちと比べちゃいますよね(^-^;
リンゴの場合は先にカーテンコールを見たので面白かったです★てか監督と同じ下関人として贔屓目なのかもです(笑)

投稿: リンゴ | 2005/12/28 22:58:55

TBありがとうございます。
在日のお話しは、私も観ていて
『ん?』って思いました。
何度か、涙する場面もありましたが
今となっては、なぜか藤村志保の
印象ばかりが強かった様な気がします。

投稿: lyu | 2005/12/28 23:58:50

TBありがとうございます☆
もっとコメディタッチな明るい話を想像していたのでサブテーマにびっくりしました。

投稿: Ren | 2005/12/29 8:32:39

>沢木耕三郎(仮名)さん

ほぉ~。
なるほど、そう観ればうますぎるのもいいかもしれないですね。

>Kenさん

そうなんですよね。
私も、『三丁目の夕日』のノリで観ちゃいました。

>リンゴさん

ほぉ~、下関の方が見ると、その思いも違うでしょうね~。
が、私も『ALWAYS』より先に見たかったです(^^;)

>lyuさん

在日の話は、入れる必要があったのか・・と今でも思います。

>Renさん

あぁ、分かります~。
藤井君が出てるだけに、コメディタッチを期待しますよね。

投稿: toe | 2005/12/29 20:42:55

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