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2005/09/26

ヴェロニカ・ゲリン

なるべく映画館に足を運んでるつもりでも、見逃している映画はいっぱいあって、最近は、そんな映画をレンタルショップに行かなくても、テレビで見れるのがうれしい。
これは、先日WOWOWで放送していたものを録画して鑑賞。
veronica_guerin

<STORY>
1994年、サンデー・インディペンデントの記者、ヴェロニカ・ゲリン(ケイト・ブランシェット)は、麻薬中毒者があふれるダブリンの貧民街にいた。
中毒になっているのは、10代や20代前半の若者ばかり。
彼らに麻薬を売っているのはどんな人間について、ヴェロニカは取材を始める。
だが、その核心にせまったとき、ヴェロニカに危険が迫っていた。
アイルランドのダブリンに実在した女性ジャーナリストを描く人間ドラマ。
こちら、2003年のアメリカ映画。
まず、アイルランドと聞いて思い浮かぶのは、IRAとサッカーで、麻薬なんてイメージは少しも無かった。
なので、その現状に驚くと同時に、近頃日本でも中毒患者が急増していると聞き、平和とは決していえない町に住んでいることもあり、近所に潜んでいるだろう売人を思いつつ、恐怖の思いでこの映画を見た。
しかし、このヴェロニカ・ゲリンという人、とても無茶な人。
組織犯罪を相手にしているという慎重さや恐れを全く感じない。
この人が、売人かも。と思えば、その場で積極的に聞きに行く。
その無用心さが、いかにも素人くさくて、人間くさく、リアルに感じる。
でも、私の胸を打つのはそんなヴェロニカの無謀な行動ではなく、彼女を支える家族の愛情。
無邪気に母の愛情を求める幼い息子、どんなことにも協力的な夫、何も言わずに支える母。
そんなできた夫を巻き込むことだけはやめて欲しいと願いながら見てしまった。
監督は、「評決のとき」や最近では「フォーン・ブース」がヒットしたジョエル・シュマッカー。
数々の大作を手がけてきただけに、熟練工によるストーリーテリングの上手さを感じる。
ケイト・ブランシェット以外の俳優はすべて、マイナーな俳優というキャスティングは、ドキュメンタリーの感じを強く打ち出そうとした狙いを感じるし、陰湿な内容と相反してテンポの良いストーリー展開は観客を飽きさせない。
ただ、事件の裏側にある事情がちょっと見えにくい。
諸悪の根源である、ジョン・ギリガンとはどんな人物だったのか、ダブリンでは、実際にどの程度麻薬被害が広がっているのか等・・・。
結局、ヴェロニカ vs.ジョン・ギリガン の構図で終わってしまったのが残念だったんだ。
ヴェロニカ vs.社会 でもあったはず。
ヴェロニカを支援した市民もいたはずだし、それを阻む社会(警察・司法など)もあったはず、そこの描写がやや不十分に感じたな。
しかし、こんな風に戦う女はケイト・ブランシェットにぴったり。
彼女の確実な演技は、安心して見れるのでうれしい。
“ダブリンの麻薬被害に関して真相を暴く”って程の作品になっていないのは残念だけど、“麻薬のために戦い、多くの市民を助けた女性ジャーナリストがいた”という事実を知ることができる一作。
そんな女性に興味のある方にはオススメの一本。

あぁ~、そうそう、コリン・ファレルがカメオでほんのワンシーンだけ、地元の若者役で登場してた。
それも、ちょっとしたお楽しみかな。

ヴェロニカ・ゲリン 公式サイト

9月 26, 2005 映画-ア行(アメリカ) |

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